ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画の興行成績 [7月22日(金)~7月24日(日)]と人気順位 ►「10泥」「暗殺」等のチェ・ドンフン監督の新作SFが1位 ►「閑山:龍の出現」、あの「鳴梁」の監督が2匹目のドジョウ狙い?

2022-07-29 18:20:16 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事で注目の韓国映画は「閑山:龍の出現」(下左画像)です。公式公開日前の先行上映で上映館数は少ないですが、ランキング10位に入っています。タイトルを見てもほとんどの日本国民は「?」だと思います。<閑山>は日本語だと<かんざん>、韓国語では<ハンサン>と読みます。朝鮮半島の南の統営近くに位置する島の名で、1592年の文禄の役の開戦から3ヵ月ほど後の<閑山島海戦>が戦われた場所です。つまり、豊臣秀吉が派遣した日本軍(の、ごく一部)と朝鮮水軍との戦いです。本作の監督はキム・ハンミン。2014年に韓国映画観客動員数で今までの歴代1位(1761万人)を記録した「鳴梁」[邦題:バトル・オーシャン 海上決戦]の監督です。主役は当然韓国民にとっての代表的英雄・李舜臣[イ・スンシン]将軍。「鳴梁」ではチェ・ミンシクが演じていましたが、今回は誰?と思ったら、えっ、パク・ヘイル!? 私ヌルボにとってはいつまでも「殺人の追憶」のあの何を考えているかわからないような青年のイメージ(下右画像)がずーっと残ってるからなー・・・。
 閑山島海戦については→ウィキペディアにいろいろ記されています。その中に「韓国でこの海戦が過大評価され続けてきた」、「全く学術的な方面を無視して、兵力・死傷者を10倍に誇張した創作的な主張が行われている」等々韓国の歴史観に対する批判も出てます。この点については韓国ウィキペディアの閑山大捷[한산대첩](→自動翻訳)とは記述内容が全然違います。(ウィキペディアは同じ項目でも国により記述内容は違います!) したがって本作の説明文に以下のような記述があってもその旨ご承知置き下さい。
 「閑山大捷」は計56隻の朝鮮船と73隻の倭船が戦って47隻を撃破し、倭軍1万人余りを戦死させ、壬辰倭乱戦闘の中で初めて圧倒的な勝利を収めた戦闘で、まさに朝鮮の運命を変えた。閑山海戦は国を守ろうとする民衆の熱望に火をつけ、全国各地に義兵が防御に乗り出した。「韓山:龍の出現」は430年前の戦闘の現場に戻って、観客に勝利の快感をプレゼントするだろう。
 ※本作は日本も含めて世界99か国に先行販売されたと伝えられています。
 ※統営市では毎年統営閑山大捷祭が開催されています。1962年に始まり第61回目の今年は8月~14日に開催。そのようすは→コチラで。
     
【 左と右が同人物(パク・ヘイル)とは・・・。約20年経ってるからなー(とは言っても・・・) 】

▶「閑山:龍の出現」とは対照的にミニシアター向けの小ぢんまりとした作品ですが、ちょっと気になったのが「子供のための子供」です。日本ではこの頃ヤングケアラーという言葉をよく目にします。病気や障碍のある祖父母や父母等の世話に忙しく、他の多くの子供のように遊んだりできないばかりか、場合によっては自身の進路選択も希望通りにならない未成年者のことです。ところが本作の場合は、どんな事情があったかわかりませんが、児童養護施設で幼い頃から過ごしてきた主人公の少年が退所間近のところに15年前自分を捨てて去った父親が訪ねて来て、「一緒に暮らそう」と言うのでそうしたら、ほどなくして父親は病死。残された腹違いの弟の面倒を見ることになって、オーストラリアに渡る希望は断念・・・という話です。例の、母親が新宗教に没頭して顧みられなかった息子のような事例も含めて、単に<親ガチャ>というような運の良しあしでは済まされない問題とは思いますが、ではどのような方策が考えられるのか・・・。

    ★★★ NAVERの人気順位(7月27日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) トップガン マーヴェリック  9.77(33,443)
②(3) 名探偵コナン ハロウィンの花嫁(日本)  9.52(1,148)
③(6) 犯罪都市2(韓国)  9.37(26,698)
④(5) 詩人の歌、チョン・テチュン(韓国)  9.35(146)
⑤(4) アナタの顔(韓国)  9.35(141)
⑥(7) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.24(1,579)
⑦(8) モア(韓国)  9.22(131)
⑧(新) 子供のための子供(韓国)  9.21(34)
⑨(9) コーダ あいのうた  9.12(992)
⑩(-) カシオペア(韓国)  9.06(470)

 ⑧「子供のための子供」が新登場です。韓国の社会問題をテーマにしたドラマです。
 日本で保育園と言えば家庭の事情で日中面倒を見切れない学齢以前の幼児を1日8時間以内預かる福祉施設ですよね。ところが韓国では成人年齢に達するまでの少年・少女たちを預かる施設も<보육원>(ポユグォン.保育園)と言っているのですね。日本では学齢に達している保護者のない子供や虐待されている子供等を入所させて養護し、退所後の進路相談の自立支援等を行っている施設は<児童養護施設>と総称されています。
 この作品の主人公ドユン(ヒョン・ウソク)は、もうすぐ成人になってそんな施設から退所する日が近づいています。韓国では希望がないと思っている彼は配達のアルバイトをしてオーストラリアに渡る資金を貯めてはいますが、決して順調にいっているわけではありません。そんな彼のところに、15年前自分を捨てて去った親父のスンウォン(ジョン・ウンイン)が突然現れ、一緒に暮らそうと声をかけられます。これといった代案もなかったドユンはその誘いを受け入れます。そうして入った家には年下の少年がいました。スンウォンの再婚後生まれた弟ジェミン(パク・サンフン)です。ドユンとジェミンは互いに厄介な状況の中でも少しずつ心を開いていきます。ところがその後思わぬことに父スンウォンが病気のため世を去ってしまいます。考えてみれば、これは死を覚悟していたスンウォンがジェミンの保護者としてドユンを想定して呼び入れたという最後に仕組んだ計画だったのです。1人残されたドユンは父親を恨みながらも自分にとってはずいぶん遅くなった家族を守ろうと心を決めます・・・。原題は「아이를 위한 아이」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 別れる決心(韓国)  8.71(14)
②(2) ドライブ・マイ・カー(日本)  8.44(9)
②(2) トップガン マーヴェリック  8.44(9)
④(4) 偶然と想像(日本)  8.29(7)
⑤(5) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
⑥(6) アフター・ヤン  7.80(5)
⑦(7) GUNDA/グンダ  7.50(4)
⑧(8) モア(韓国)  7.38(8)
⑨(9) さがす(日本)  7.33(6)
⑩(10) オマージュ(韓国)  7.25(4)

 順位・評点とも前週と同じです。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月22日(金)~7月24日(日) ★★★
           チェ・ドンフン監督の新作SFアクション「宇宙+人 1部」が1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(27)・・宇宙+人 1部(韓国)・・・・・7/20・・・・・・632,026・・・・・・・913,266・・・・・・・9,683・・・・1,829
2(22)・・ミニオンズ フィーバー ・・7/20・・・・・・600,391・・・・・・・833,483・・・・・・・8,259・・・・1,394
3(1)・・トップガン マーヴェリック・・6/22・・・・448,498・・・・・6,501,893 ・・・・・69,551・・・・1,115
4(3)・・別れる決心(韓国) ・・・・・・・・6/29・・・・・・135,179・・・・・1, 501,350 ・・・・・15,449・・・・・・664
5(2)・・ソー:ラブ&サンダー ・・・・7/06・・・・・・・71,910・・・・・2, 677,731 ・・・・・29,107・・・・・・612
6(4)・・名探偵コナン ・・・・・・・・・・・・7/13 ・・・・・148,556 ・・・・・・・216,746・・・・・・・2,254・・・・・・758
       ハロウィンの花嫁(日本)
7(5)・・犯罪都市2(韓国)・・・・・・・・・5/18・・・・・・・・9,178 ・・・・12,684,571 ・・・・131,207・・・・・・139
8(6)・・エルヴィス・・・・・・・・・・・・・・・7/13・・・・・・・・6,015・・・・・・・・・77,260 ・・・・・・・・830 ・・・・・・・47
9(30)・・サマーフィルムにのって(日本)・・7/20・・5,471・・・・・・・・・10,566 ・・・・・・・・106 ・・・・・・・65
10(新)・・閑山:龍の出現(韓国)・・・・7/27 ・・・・・・・3,399・・・・・・・・・・6,688 ・・・・・・・・・75・・・・・・・・・9
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 1・2・9・10位の4作品が新登場です。
 1位「宇宙+人 1部」は韓国のSFアクション&ファンタジー。これまで「10人の泥棒たち」(2012)、「暗殺」(2015)という1千万人超え大ヒット作を送り出しているチェ・ドンフン監督作品です。
 非常に長い間、宇宙人は彼らの囚人を人間の体に閉じ込めてきましたた。そして2022年の現在、ガード(キム・ウビン→計1人4役)とサンダー(キム・ウビン)は地球に住み、人間の体に閉じ込められた宇宙人の囚人を管理しています。そんなある日、ソウル上空に宇宙船が現れ、刑事ムン・ドソク(ソ・ジソプ)は奇妙な光景を目撃します。
 一方630年前の高麗では、間抜け道士ムルク(リュ・ジュニョル)と雷撃の妻イアン(キム・テリ)が莫大な賞金がかかった神剣を手に入れるために互いにだまし合う中、神剣の秘密を探す2人の神仙・黒雪(ヨン・ジョンア)と青雲(チョ・ウジン)、仮面の中のチャジャン(キム・ウィソン)も新剣争奪戦に出てきます。そして宇宙船が深い渓谷から光を出して浮かび上がります・・・。
 2022年、人間の中に収監された宇宙人の囚人を追う人々、そして1391年高麗末、噂の神剣を手に入れようとする道士たち。時間の門が開いてすべてが変わり始めます・・・。原題は「외계+인 1부」です
 2位「ミニオンズ フィーバー」はアメリカのコメディ&冒険アニメ。日本でも7月15日に公開され全国で上映されているので説明は省略します。韓国題は「미니언즈2」です。
 9位「サマーフィルムにのって」は私ヌルボも観てとても気に入った作品で、<★2021年 ヌルボの個人的映画ベスト10>(→コチラ)でも次点のトップに入れました。<TAMA映画賞>等で最優秀新進女優賞を受賞した伊藤万理華さんをはじめ若い女優さんたちが実に生き生きとしてましたね。韓国では記者・評論家の平均評点が7.00(10人)という高ポイントを得ています。一般の観客の皆さんにもおおむね好評。韓国の青春物との違いも指摘されていますか、どう違うのかは、うーん、よくわかりません。韓国題は「썸머 필름을 타고!」です。
 10位「閑山:龍の出現」は韓国の時代劇ア慶尚南道統営市クション。監督はあの「バトル・オーシャン 海上決戦」[韓国題 :鳴梁]のキム・ハンミン監督で、今作ももちろん李舜臣将軍が主人公です。<閑山[ハンサン]>とは朝鮮半島の南、慶尚南道統営市に近い閑山島のことで、文禄の役(韓国では壬辰倭乱)が開戦して間もない1592年7月に日朝両軍の間で<閑山島海戦>とよばれる海戦が繰り広げられた海域です。日本軍は同年4月12日に第1番隊の宗義智と小西行長が釜山に上陸して以後快進撃を続け、同月29日に国王宣祖は漢城府を脱出し、5月2日に日本軍が漢城に入って、開戦からわずか21日で漢城府は陥落します。
 ところが、この間見るべき抵抗の無かった朝鮮南岸で釜山を中心に支配領域拡大のために展開していた日本の輸送船団が5月以降李舜臣を中心とする朝鮮水軍の襲撃を受けます。これに対し豊臣秀吉は脇坂安治等の3大名に朝鮮水軍を討つように命じます。そして功名をあせった脇坂安治が閑山島と巨済島の間の海峡に単独出撃をしますが、結局はこの抜け駆けが主な原因となって日本水軍は敗北します。
 以上が閑山島海戦のあらましですが、以下は本作の内容の紹介です。
 1592年4月朝鮮は壬辰倭乱勃発後わずかの間に倭軍に漢城を奪われ、絶体絶命の危機にさらされます。朝鮮を一気に占領した倭軍は明に向かう野望を夢見て大規模兵力を釜山浦に集結させます。一方、李舜臣将軍(パク・ヘイル)は相次ぐ戦争の敗北と宣祖まで義州に避難し、守勢に追い込まれた状況でも、朝鮮を救うために戦術に苦慮しながらも出戦を準備します。しかし先の戦闘で損傷を受けた亀甲船の出征は難しくなり、その図面さえ倭軍の諜報に盗まれれてしまいます。倭軍は連勝に支えられ、その勢いで閑山島の沖合に向かい、李舜臣将軍は朝鮮の運命を分ける戦闘のために必死の戦略をめぐらします。1592年夏、旧暦7月8日閑山島沖、圧倒的な勝利が必要な朝鮮の運命をかけた海戦が繰り広げられます・・・。原題は「한산: 용의 출현」です。※主要人物としては脇坂安治をピョン・ヨハン、朝鮮南海の水路案内人として李舜臣の信頼があつかった魚泳潭[オ・ヨンダム]はアン・ソンギが演じています。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(8)・・サマーフィルムにのって(日本)・・7/20 ・・・・・・5,471・・・・・・・10,566・・・・・・・・・106 ・・・・・・・65
2(新)・・子供のための子供(韓国)・・・・・7/21・・・・・・・・・1,474 ・・・・・・・・2,717・・・・・・・・・・23 ・・・・・・・46
3(1)・・CURE キュア(日本)・・・・・・・・・・7/06・・・・・・・・・1,433・・・・・・・20,234・・・・・・・・・214 ・・・・・・・32
3(2)・・ロスト・ドーター ・・・・・・・・・・・・7/14・・・・・・・・・1,433・・・・・・・・8,309 ・・・・・・・・・・79 ・・・・・・・41
5(4)・・アフター・ヤン・・・・・・・・・・・・・・・6/01・・・・・・・・・・・255 ・・・・・・38,580・・・・・・・・・374・・・・・・・・11

 1・2位の2作品が新登場ですが、いずれについても上述しました。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国内の映画の興行成績 [7月15日(金)~7月17日(日)]と人気順位 ►韓国映画「ゆがんだ家」は話題の作家チョン・ゴンウのホラー小説が原作 ►<ウィキペディア>よりも楽しい韓国の<ナムウィキ>

2022-07-20 23:55:15 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今年3月に長年重宝してきた<ぴあ映画生活>がなくなってしまい、映画情報の探索が非常に不便になってしまいました(泣)。特に都道府県単位で各映画館の上映作品が一目で(1つの画面で)わかったのにできなくなったのは痛い。他の映画サイトも含め、各作品のポスター画像は省いていいから、より実用的な体裁を工夫してほしいものです。

▶今回の記事中ちょっと注目の韓国映画は「ゆがんだ家」というスリラー。2019年にハウスホラー公募展を受賞して以来多くの読者の支持を得て<韓国のスティーブン・キング>とも称されている作家チョン・ゴヌ(ゴンウ)[전건우]の同名小説の映画化作品です。韓国の犯罪スリラーでは「女校怪談」とか、近年では「新感染 ファイナル・エクスプレス」等がまず思い浮かびますが、個人的に印象に残っているのは「七年の夜」(2018)です。というのは2011年のベストセラーだった鄭裕静[チョン・ユジョン]の原作を読んでいたから。読んでてすごく怖くて、その分一気に(?)読了したのですが、映画の方はイマイチだったかな? 私見では怪談の最高峰は「東海道四谷怪談」で、芝居ももちろん怖いけど、本で読んだ時はもっと怖い! 心底怖かったです。で、この「ゆがんだ家」も久しぶりに原作本を読んでみたいとおもいました。(が、いつになることやら・・・。)
 ところで、毎年6、7月頃になると日韓両国とも怪談モノの公開が通例となってたはずですが、今日本で何か話題のホラーとかありますかねー? 「死刑にいたる病」? ふうん、チラと考えたけど未見。他は知らん。少なくとも現在評価の高い作品中には見当たりません。そんな中、韓国では7月6日から黒沢清監督の旧作「CURE キュア」(1997)が上映されていて、特に《記者・評論家》の評価は平均9.67(3人)と圧倒的な高さになっています。中田秀夫監督の「リング」(韓国1998公開)以来韓国でも人気を博した日本のホラーも多いんですけどねー・・・。

▶今回、たまたまかどうか、日本の作品がちょっと目につく感じ。初登場で観客動員数3位に入った「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」の他、《独立・芸術映画》のランキングには上記の「CURE キュア」が1位で、3位「となりの怪物くん」[実写版]、5位「検察側の罪人」と3作品入っています。「となりの怪物くん」の公開日が元データにないので探ってみると、どうも日本映画の輸入会社メディアキャッスルが輸入して同社が運営するシネマキャッスル企画展で上映されたようです。そのメディアキャッスルのサイト(→コチラ)を見つけたら輸入作品のリスト(→コチラ)もあったりしてナルホドな~と思いました。なお<ナムウィキ>の<メディアキャッスル>の項目(→韓国語.→自動翻訳)を読むと2019年の日本製品不買運動の時は脅迫電話を受けたり、社員が少数でミスも少なからずあって云々といったこと等が記されています。
 ※<ナムウィキ>は韓国の百科事典サイト。<ウィキペディア>よりも内容が庶民的で読んでて楽しいネタが多く、よく利用しています。

    ★★★ NAVERの人気順位(7月20日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(2) トップガン マーヴェリック  9.77(30,529)
②(-) トゥルーノース(日本・インドネシア)  9.73(15)
③(新) 名探偵コナン ハロウィンの花嫁(日本)  9.53(834)
④(4) アナタの顔(韓国)  9.45(134)
⑤(6) 詩人の歌、チョン・テチュン(韓国)  9.44(138)
⑥(5) 犯罪都市2(韓国)  9.42(26,017)
⑦(7) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.24(1,568)
⑧(8) モア(韓国)  9.22(125)
⑨(9) コーダ あいのうた  9.13(988)
⑩(10) 偉大なる沈黙(韓国)  9.11(336)

 ③「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」が新登場ですが、私ヌルボ、例によって未見で全然語る資格がないのでコメント等は省略します。韓国題は「명탐정 코난: 할로윈의 신부」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 別れる決心(韓国)  8.71(14)
②(-) ドライブ・マイ・カー(日本)  8.44(9)
②(2) トップガン マーヴェリック  8.44(9)
④(3) 偶然と想像(日本)  8.29(7)
⑤(4) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
⑥(5) アフター・ヤン  7.80(5)
⑦(新) GUNDA/グンダ  7.50(4)
⑧(6) モア(韓国)  7.38(8)
⑨(7) さがす(日本)  7.33(6)
⑩(8) オマージュ(韓国)  7.25(4)

 ⑦「GUNDA/グンダ」が新登場です。アメリカ・ノルウェー合作のドキュメンタリー。母豚GUNDAと、必死に乳を求める子豚たちの姿を中心に農場のようすをモノクロ画像で描写する。日本では昨年12月に公開され、上映館は多くはないものの好評を得たようです。韓国題は「군다」です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月15日(金)~7月17日(日) ★★★
             「トップガン マーヴェリック」が1週で1位に返り咲く

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(2)・・トップガン マーヴェリック・・6/22・・・・702,345・・・・・5,733,841 ・・・・・61,405・・・・1,544
2(1)・・ソー:ラブ&サンダー ・・・・7/06・・・・・・398,432・・・・・2,493,836 ・・・・・27,167・・・・1,257
3(3)・・別れる決心(韓国) ・・・・・・・・6/29・・・・・・207,272・・・・・1,247,192・・・・・・12,775・・・・・・874
4(19)・・名探偵コナン ・・・・・・・・・・・7/13 ・・・・・148,556・・・・・・・216,746・・・・・・・2,254・・・・・・758
       ハロウィンの花嫁(日本)
5(4)・・犯罪都市2(韓国)・・・・・・・・・5/18・・・・・・・35,521 ・・・・12,659,059・・・・130,945・・・・・・346
6(新)・・エルヴィス・・・・・・・・・・・・・・7/13・・・・・・・35,052・・・・・・・・・55,596 ・・・・・・・・595・・・・・・627
7(新)・・ザ・キラー・・・・・・・・・・・・・・・7/13・・・・・・・27,405・・・・・・・・・44,394 ・・・・・・・・459・・・・・・314
       :死んでもいい子(韓国)
8(新)・・ゆがんだ家(韓国) ・・・・・・・・7/13・・・・・・・14,642・・・・・・・・・24,304 ・・・・・・・・238・・・・・・156
9(新)・・グレイマン ・・・・・・・・・・・・・・7/13・・・・・・・12,164・・・・・・・・・16,015 ・・・・・・・・156・・・・・・220
10(5)・・The Witch/魔女2(韓国) ・・6/15・・・・・・・・9,976 ・・・・・2,799,717 ・・・・・28,868・・・・・・159
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 4・6・7・8・9位の5作品が新登場ですが、7位「ザ・キラー:死んでもいい子」については1つ前の記事で紹介しました。
 4位「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」についても上述の通り説明をスルーしました。
 6位「エルヴィス」は日本でも7月1日公開され全国で上映されているので説明は省略します。韓国題は「엘비스」です。
 8位「ゆがんだ家」は韓国のドラマ&スリラー。避けられない事情で人里離れた家に引っ越すことになった家族。母親のミョンへ(ソ・ヨンヒ)は引っ越し初日からこの家はゆがんでいると伝える隣家の女性の警告と、倉庫から聞こえる不吉な音のせいで夜も眠れません。父親ヒョンミン(キム・ミンジェ)はそんなミョンヘを単に神経衰弱と考え、幼い次女のヒウ(キム・ボミン)は他の家族には見えない何かと向き合いますが、その事実を隠しています。そんなある日、何だかわからない気配に引きずられてロックされていた倉庫の戸を開けてしまったミョンヘは何かにとりつかれた別人のように行動し始めるのですが・・・。原題は「뒤틀린 집」です。
 9位「グレイマン」はアメリカのアクション&スリラー。マーク・グリーニーの小説「暗殺者グレイマン」(ハヤカワ文庫)の映画化作品です。日本でも7月15日に公開されているので説明は省略します。韓国題は「그레이 맨」です。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・CURE キュア(日本)・・・・・・・・・・7/06・・・・・・・・・5,699・・・・・・・17,271・・・・・・・・・182 ・・・・・・・43
2(12)・・ロスト・ドーター ・・・・・・・・・・・7/14・・・・・・・・・2,380・・・・・・・・4,734・・・・・・・・・・45 ・・・・・・・64
3(8)・・となりの怪物くん(日本) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・788・・・・・・・・2,009・・・・・・・・・・11・・・・・・・・・4
4(6)・・アフター・ヤン・・・・・・・・・・・・・・・6/01・・・・・・・・・・・755 ・・・・・・38,065 ・・・・・・・・369・・・・・・・・19
5(5)・・検察側の罪人(日本)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・703・・・・・・・・2,997・・・・・・・・・・18・・・・・・・・・5

 2・3位の2作品が新登場です。
 2位「ロスト・ドーター」は米・英・イスラエル・ギリシャ合作のドラマ。イタリア人の匿名作家エレナ・フェッランテの小説「失われた愛」(日本未訳)を基にマギー・ギレンホール監督が自ら脚本を手がけ、<第78回ベネチア国際映画祭(2021)>で最優秀脚本賞を受賞した作品です。また第94回アカデミー賞ではオリビア・コールマンの主演女優賞、その若い頃を演じたジェシー・バックリーの助演女優賞と、脚色賞の計3部門にノミネートされましたた。
 ギリシヤの島へバカンスにやって来た中年女性教授レイダ(オリビア・コールマン)はビーチで見かけた若い母親ニーナ(ダコタ・ジョンソン)と幼い娘エレーナの姿に目を奪われます。かつて自分が母親になったばかりですべてが混乱で一杯だった頃の記憶が蘇ってきたからでです。翌日ビーチへ行くと昨日の親子の夫や親族らしい人たちが大勢ボートでやってきてパラソルを移動してほしいと言われますが、レイダが断ったため口論になります。しかし少ししてから再びその女性が話しかけてきました。彼女はカリーと言い、あと2ヵ月で出産予定で、自分の誕生日だから親族みんなでお祝いしているのだと言います。レイダも現在48歳で娘が2人いることを打ち明けます。その翌日、ビーチでニーナが夫と口論していると娘のエレーナが行方不明になり、大騒ぎになります。レダも一緒に探し、岩陰で遊んでいるのを見つけてニーナやカリーたちに感謝されます。しかし、今度はエレーナの人形がなくなったことでエレーナは泣きじゃくります。ところが実はその人形はレダが思わず出来心で持ち帰ったのでした。その後レダはエレーナの人形に賞金が掛けられていることを捜索願いのビラを受け取って知ります・・・。韓国題は로스트 도터」。日本ではNetflixで昨年12月から配信されています。
 3位「となりの怪物くん」が新登場です。韓国では2012年のアニメ版(下左)も以前上映されたようですが、コチラは菅田将暉・土屋太鳳のw主演の2018年の実写版(下右)。韓国では<第22回富川国際ファンタスティック映画祭2018>に招待されて上映され、その後日本映画の輸入会社メディアキャッスルが輸入して同社が運営するシネマキャッスル企画展で数回上映したとのことです。韓国題は「옆자리 괴물군」です。
     
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国内の映画の興行成績 [7月8日(金)~7月10日(日)]と人気順位 ►イギリスのホラー「Men」は気になるA24映画 ►BIFANにあのムン・グニョンの監督としての短編3作品上映

2022-07-14 23:56:37 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事中ちょっと注目の韓国映画は「ザ・キラー:死んでもいい子」というアクションですが、すでに日本を含めて世界48ヵ国の先売りが確定しているとか。ストーリーとか予告編等(下の記事参照)を見ても今ひとつその魅力がわかりませんが、主演チョン・ヒョクのアクションがすごいのかな?

▶韓国映画以外ではイギリスのホラー「Men」。「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランド監督の新作で、<第75回カンヌ国際映画祭(2022)>の監督週間に招待され、また今月開催の<第26回富川国際ファンタスティック映画祭>では開幕作として上映されたのですが、例の製作・配給会社<A24>の映画らしく話題性に富んだ作品のようです。予告編はコチラ(→英語字幕.→韓国語字幕)。なお、本作をめぐる話題で、「中盤から突然全裸の男が現れて・・・」以降、ボカシを入れるかそれとも云々といったことが一部で(?)話題になっているようです。

▶7月7日~17日ソウル近郊の富川[プチョン]で<第26回富川国際ファンタスティック映画祭>が開かれています。
 下左画像はその公式サイトより。<빞안 레터>は<BIFAN letter>で、<BIFAN>はプチョン・インターナショナル・ファンタスティックのアルファベットの最初の文字です。
 ユデダコのように赤黒いハート型のアニメキャラ?が笑ってますが、画面右上隅の文字を拡大すると<이상해도 괜찮아(ヘンだけど大丈夫)>とあります(下右画像)。今回のテーマだそうで、上で紹介した「Men」が開幕作とされたことも関係があるのでしょうか? もしかして最近ヒットしたドラマ「サイコだけど大丈夫(사이코지만 괜찮아)」のタイトルは意識したかな?
 なお、この映画祭にはあのムン・グニョンが監督として3編の短編を送り出しています。いずれもYouTubeで観られます。→「현재진행형」(現在進行形).9:15、→「심연」(深淵).9:06、→「꿈에 와줘」(夢に来てね).14:55。
   

    ★★★ NAVERの人気順位(7月13日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) Men  9.90(10)
②(1) トップガン マーヴェリック  9.78(26,493)
③(新) ザ・キラー:死んでもいい子(韓国)  9.67(21)
④(2) アナタの顔(韓国)  9.50(128)
⑤(3) 犯罪都市2(韓国)  9.43(25,846)
⑥(5) 詩人の歌、チョン・テチュン(韓国)  9.43(135)
⑦(8) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.24(1,548)
⑧(7) モア(韓国)  9.22(116)
⑨(9) コーダ あいのうた  9.13(984)
⑩(4) 偉大なる沈黙(韓国)  9.12(315)
 ①③の2作品が新登場です。
 ①「Men」(右ポスター)はイギリスのドラマ&ホラー。これまでのヒット作・話題作を手掛けてきた製作・配給会社<A24>が新しく世に送り出した作品で、冒頭に記したように<第75回カンヌ国際映画祭(2022)>の監督週間に公式招待され、また<第26回富川国際ファンタスティック映画祭>では開幕作として上映されました。<A24>の作品には「ムーンライト」「レディ・バード」「フェアウェル」「ミナリ」のようなふつうのドラマもありますが、<A24>を特徴づけるのはあの明るい陽光の下で惨劇が繰り返されるという常識破りのホラー「ミッドサマー」に代表されるケッタイなホラー&スリラーのような気がします。本作のアレックス・ガーランド監督は「エクス・マキナ」(2016日本公開)で注目されましたが、それも<A24>のちょっとヘンなSFスリラーでした。(以下あらすじ。)
 ハーパー(ジェシー・バークレー)は夫の死後、心を癒すために平和で美しいイギリスの田舎の村にやって来ます。ところがその後、家の周りの森から来た正体不明の人たち、いや、正確には<何か>が彼らにつきまとい始めます。恐怖にかられたハーパーは村人に助けを求めますが、例えば警察官、牧師、バーテンダー、さらにはお面を被った少年に至るまで、彼らすべてが奇妙な反応を見せるのです…。韓国題は「멘」です。※映画祭等で好評が続いているのは俳優ロリー・キニア。彼は上記の警察官、牧師、バーテンダー、幼いお面の少年(!)の他ハーパーを唯一歓迎する邸宅管理人ジェフリー等々、なんと1人9役を演じたとか!
 ③「ザ・キラー:死んでもいい子」は韓国のアクション。今年4月イタリアの第24回ウーディネ極東映画祭に公式招待され上映されましたが、ダイナミックで破格的なアクションが注目を集め、日本、台湾、ドイツ、オーストリア等世界48ヵ国の先売りが確定とのニュースが伝えられました。続いて第21回ニューヨーク・アジアン映画祭でも主演のチャン・ヒョクがダニエルA.クラフト優秀アクションシネマ賞を受賞。また北米では韓国と同時公開されているとのことです。(以下あらすじ。)
 引退後成功した財テクでぜいたくに暮らす伝説の殺し屋ウィガン(チャン・ヒョク)は自分勝手に行動する女子高生ユンジ(イ・ソヨン)を引き受けることになります。ウィガンは短期間保護者の役割だけやればいいと軽く考えたのですが、突然ユンジが拉致される事件が起こります。「あの子は傷つけてはいけない子だ」。それまで必死に眠らせていたウィガンの本能が目覚めます・・・。原題は「더 킬러: 죽어도 되는 아이」です。その多様なアクション満載の予告編は→コチラ

     【記者・評論家による順位】

①(1) 別れる決心(韓国)  8.71(14)
②(2) トップガン マーヴェリック  8.44(9)
③(4) 偶然と想像(日本)  8.29(7)
④(6) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
⑤(7) アフター・ヤン  7.80(5)
⑥(8) モア(韓国)  7.38(8)
⑦(9) さがす(日本)  7.33(6)
⑧(10) オマージュ(韓国)  7.25(4)
⑧(10) オリ・マキの人生で最も幸せな日  7.25(4)
⑩(-) カモン カモン  7.00(7)

 新登場の作品はありません。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月8日(金)~7月10日(日) ★★★
          日本より2日早く公開された「ソー:ラブ&サンダー」が初登場で1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・ソー:ラブ&サンダー ・・・7/06・・・・1,184,259・・・・・1,764,680 ・・・・・19,227・・・・2,044
2(1)・・トップガン マーヴェリック・・6/22・・・・204,380・・・・・4,653,554 ・・・・・49,902・・・・1,329
3(2)・・別れる決心(韓国) ・・・・・・・・6/29・・・・・・320,170・・・・・・・885,179・・・・・・・8,925・・・・・・751
4(4)・・犯罪都市2(韓国)・・・・・・・・・5/18・・・・・・・84,814・・・・12,588,775 ・・・・130,205・・・・・・526
5(3)・・The Witch/魔女2 (韓国) ・・6/15・・・・・・・55,857・・・・・2,772,672・・・・・・28,594・・・・・・438
6(19)・・潜水艦総動員8:地心游記・・7/06・・・・・36,206・・・・・・・・・42,122・・・・・・・・・391・・・・・・455
7(16)・・CURE キュア(日本)・・・・・・7/06・・・・・・・・5,699・・・・・・・・・11,442・・・・・・・・・122・・・・・・・55
8(新)・・富川国際ファンタスティック映画祭2022・・4,140・・・・・・・・5,660 ・・・・・・・・・・28・・・・・・・・1
       富川チョイス: 短編 1(韓国)
9(新)・・富川国際ファンタスティック映画祭2022・・3,780・・・・・・・・4,730 ・・・・・・・・・・23 ・・・・・・・・1
       富川チョイス: 短編 2(韓国)
10(5)・・バズ・ライトイヤー・・・・・・・・6/15 ・・・・・・・3,328 ・・・・・・・338,836 ・・・・・・3,476 ・・・・・・・41
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 1・6・8・9位の4作品が新登場です。なお7位「CURE キュア」は2つ前の記事で書いたように日本では1997年末に公開された黒沢清監督作品の韓国での公式初上映です。
 1位「ソー:ラブ&サンダー」はアメリカのマーベル・コミックのキャラクター、雷神ソー(クリス・ヘムズワース)が活躍するスーパーヒーロー映画。日本でも7月8日に公開されているので説明は省略します。韓国題は「토르: 러브 앤 썬더」です。
 6位「潜水艦総動員8:地心游記」は2008年にスタートした中国の子供向けアニメシリーズの新作。潜水艦の仲間たちは魔法の石マジックストーンを探して海の果てまで冒険に出ます。しかしすぐに途方もない海底の渦に巻き込まれてしまいます。そこはまさに伝説の中の巨大な海恐竜がいる神秘の世界。巨大な恐竜と生きている三葉虫、大王海サソリにモンスター魚まで...
潜水艦の仲間たちはいろいろな種類の古生代海洋生物の脅威を避けて無事に戻ることができるでしょうか? スケールの大きな、5億万年前の神秘的な海底世界が目の前にいっぱい広がります・・・。韓国題は「빅샤크4: 바다공룡 대모험(ビッグシャーク4:海恐竜 大冒険)」です。中国アニメをちょっと観てみたい方は→コチラで本作の予告編を・・・。
 8位「富川国際ファンタスティック映画祭2022 富川チョイス:短編1」は7月7日~17日開催の<第26回富川[プチョン]国際ファンタスティック映画祭>中、<富川チョイス>というのはコンペ部門のことなので、短編のコンペ部門のその1の意。韓国題は「BIFAN2022 부천 초이스: 단편 1」です。
 9位「富川国際ファンタスティック映画祭2022 富川チョイス:短編2」は同様に短編のコンペ部門のその2ということです。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(3)・・CURE キュア(日本) ・・・・・・・・・・7/06・・・・・・・・・5,699・・・・・・・11,442・・・・・・・・・122 ・・・・・・・55
2(9)・・あなたがチョ・グク(韓国) ・・・・・5/25・・・・・・・・・2,410・・・・・・332,141 ・・・・・・3,097 ・・・・・・・20
3(1)・・カモン カモン・・・・・・・・・・・・・・・・6/30 ・・・・・・・・1,514・・・・・・・11,743・・・・・・・・・117・・・・・・・・51
4(2)・・アナタの顔(韓国) ・・・・・・・・・・・・6/23・・・・・・・・・1,081・・・・・・・10,914・・・・・・・・・・97・・・・・・・・28
5(新)・・検察側の罪人(日本) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・953・・・・・・・・1,832・・・・・・・・・・12 ・・・・・・・・・5

 5位「検察側の罪人」が新登場です。2018年の原田眞人監督作品。韓国では正式な劇場公開はなく、限定的な会場での公開に止まりました。韓国題は「검찰측의 죄인」です。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

風呂の愉しみ

2022-07-12 23:43:33 | エッセイ・雑文(韓国・朝鮮関係以外)
   風呂の愉しみ

 もう二十年以上も前のことだ。たまに行っていた古書店で、ある日店主と常連と思しき客が実に楽しそうに話をしていた。少し離れた所でなんとはなしに聞いていると、風呂に浸かりながら本を読むという話だ。
 浴槽に肩から上が出せるほどのすき間を空けて蓋をして、その蓋の上には乾いたタオルを広げて乗せておく。自分は湯船に入って両手の肘を蓋の上に置き、本を持って読むのだ。
 ところが折しも冬。両手を湯から出すのは寒くてつらい。本は片手で持ち、もう一方の手は湯に入れる。そして本を持った手が疲れたり、冷たくなったりしてきたら左右の手を交代させる。その時に、濡れた手で本を持つわけにはいかないのでタオルで拭くというのである。
 というようなことを客が話すと、店主が「そうそう、私もそうしてますよ」と応じている。
 聞いていた私は内心驚いた。
 二人の変わり者ぶりに、ではない。実は私も、かねて以前からまったく同じようなことをやっていたからだ。もとより私は何事にも控えめな性格なので二人の話には加わらなかったが、読書癖のある人間の考えることは同じだと思ったものだ。
 もちろん湯気の立ち込める浴室内なので、本に湯が掛からなくても滴が天井から落ちてきたり、本全体がふやけたりするのは当然だ。したがって読む本も読み捨てお構いなしの雑誌やどこにでもある文庫本になる。ただ、油断してはならないのは分厚い文藝春秋だ。何日もかけて読んでいるうち重くなってくる。新聞を読むこともよくあるが、これも要注意だ。一日分はたいしたものでもないが、気がつけば処理が大変なほどの量になっている。新聞はそんな怖ろしさを本来的に秘めているのだ。
 ある日の入浴中のことだ。文藝春秋だの週刊文春だのがまとまって浴槽の蓋に乗っていたと思ってほしい。わが家のユニットバスの蓋はちょっと柔(やわ)だった。湿気を含んだ本の重みで撓(たわ)み、片側が浴槽の縁(へり)から外れてしまったのである。あろうことか、私の目の前で大きく傾いた蓋の上から何冊もの本や雑誌が湯の中に崩れ落ちていくではないか・・・。
 今でもその時の光景は、テレビ等で北極海での氷山崩落の映像を見る度に思い出す。

 と、ここまで読まれた方は「読書の話か」と思われるかもしれない。だが表題のようにテーマは「風呂の愉しみ」だ。
 風呂といっても家風呂の場合だが、少なくとも私にとっては読書がことほどさように代表的な愉しみなのである。

 読書よりももっと一般的な「風呂の愉しみ」としては「歌を歌うこと」を挙げる人が多いのではなかろうか? リラックスした気分の上、とくに自分の歌が上手く聞こえることが大きい。しかしこれは単に錯覚にすぎない。あるボイストレーナーはネット上で「お風呂で歌い、エコーがかかり上手く聞こえてしまう。そんな偽りの自分は捨ててしまいましょう」とまで厳しく注意している。

 家風呂の愉しみの三つ目はパズルだ。パズル本とエンピツを持って風呂に入るが、これも場合によっては危険だ。なかなか解けないとそれだけでも頭に血が上ってしまう。逆にゆったりしていると眠り込んだりする虞(おそれ)もある。いや実際にあった。わが家のユニットバスは長さが短く、全身を伸ばして入ることができない。小さな鍋でレトルトカレーを温めるようなもので、体全体が一度に温まらないのが残念至極だ。しかし、ぬるめの風呂で眠り込んだ時にはそれが幸いした。でなければ身体が丸ごと水没していたところだ。なんとなく蕪村の「温泉(ゆ)の底にわが足見ゆるけさの秋」云々という句が思い浮かんだ。(※実を言えば、信州へのスキー旅行の宿でナントカかるたの中にあった句で、「温泉の底に溺れた子供が沈んでる」という駄パロディを作ってややうけしたことを思い出した。)

 銭湯の場合は家風呂に比べはるかに多くの愉しみがある。
 東京での学生生活を始める前、母から銭湯の入り方を教わったのを憶えている。風呂付きの下宿ではなかったので、タオルを携行して学校帰りに銭湯に立ち寄ったこともしばしばあった。
 銭湯で楽しいのは、もちろん風呂絵だ。富士山をはじめとする風景は定番だが、その銭湯の地域に関わる絵柄は多い。神奈川で暮らすようになって半世紀近くになるが、その間入ったことがある銭湯は何十軒になるだろうか? 彼方の富士山の手前に相模灘が広がる絵があった。横浜市内では、明治維新頃の横浜港辺りの浮世絵。そして北斎のあの「神奈川沖浪裏」の見事なタイル絵などが印象に残っている。
 学生時代に見た銭湯絵で忘れられないのは、画面の右から中央に向かって巨大なバナナが空中を飛び、それを画面左側からスーパーマンならぬスーパーウーマンが少し胸をはだけ、やはり空を飛びながら拳を前に突き出して巨大バナナを迎え撃つという、なんともケッタイな絵である。思えばいかにも六〇年代末らしい、横尾忠則を思わせる絵だった。あの絵がその後どうなったか、少し気になる。

 地域性といえば、銭湯の客層がまさにそれを表している。横浜の街中にある私がよく行く銭湯では背中や二の腕に彫物を入れた客をよく見かける。三十代から七十代くらいまで、行けば大抵いる。話をしたことも幾度かあるし、恐いと思ったことはない。それも場所柄だろうか。女湯から韓国語だか中国語だかが聞こえてくることもある。
 ある銭湯では、脱衣場の上の方に力士たちの手形が押してある額が掲げられていた。よく見れば「昭和廿七年二月」のもので、横綱・羽黒山の他、名寄岩、時津山など立浪一門だなと相撲ファンだった幼児の頃の記憶がよみがえった。銭湯のおかみさんに尋ねると「亡くなった先代が相撲が大好きでねえ・・・」と喜んでくれた。そんなこともあった。

 この数十年の間に銭湯は激減した。今生き残っている中には、サウナや薬湯、気泡風呂に超音波風呂、それに露天風呂等々、スーパー銭湯並みの施設を備えた銭湯も少なからずある。それももちろん悪くはないが、私はどちらかといえば昔ながらのたたずまいと設備で客は少なくても健闘している銭湯に愛着を感じ、バイクに乗って行くことが多い。同好の士はけっこういるようで、ネット上には関係のブログやツイッターなども多い。

 風呂の愉しみについていろいろ書いたが、一番の愉しみはと言えばそれは「暖かい湯に浸かること自体」である。蒸し暑い夏も、そしてもちろん極寒の冬も。
 雪の降り積もっている中で湯に入っている地獄谷温泉の猿たちの至福の表情を見ると、「うん、そうだろう。気持ちいいよなあ」と、ヒトとサルという種を超えて共感を覚えるのである。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国内の映画の興行成績 [7月1日(金)~7月3日(日)]と人気順位 ►「トップガン マーヴェリック」独走で2週連続1位、評価も1位 ►黒沢清監督の「CURE」、韓国では30年以上経って正式に劇場公開

2022-07-06 23:22:24 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶1つ前の記事で「リメンバー・ミー(리멤버 미)」のことを紹介しました。日本では「トゥルーノース」のタイトルで2021年6月から一般劇場公開された北朝鮮政治犯収容所の実態を描いたアニメです。しかし先に書いたように上映館も観客も少なく、結局1週間で上映が終わってしまったのは非常に残念。<NAVER映画>に寸評と共に評点を付けた12人の観客の平均評点は9.50と非常に高かったのですが・・・。

▶今回初登場の韓国映画で「これは観たい!」という作品はとくにナシ。ただ、ちょっと注目は「偉大なる沈黙」というドキュメンタリー。タイトルから宗教関係?と思っちゃいましたが、5月に公開された「あなたがチョ・グク[曺国]」のような政治ドキュ。ただしソチラが(例の<タマネギ男>)チョ・グク法務長官を明確に擁護する進歩系の側に立った作品だったのに対し、コチラは全く裏返しで、あの崔順実[チェ・スンシル]事件、ローソクデモから、朴槿恵大統領の弾劾の真実を知られざる諸資料に基づいて明らかにするという、保守の立場からのドキュメンタリーです。
 客観性を重視し、自分たちの政治的立場に不都合な事実も作品に取り込むような姿勢はありえないのですかねー? そういうことだと5割を超える共感は得られるわけないのにねー。なお本作は光州では上映館がないそうで、レビュー中に「なぜだ!?」の声もありましたが、当然観客の不入りは間違いなく、収益が見込めないからでしょう。

    ★★★ NAVERの人気順位(7月6日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) トップガン マーヴェリック  9.79(21,203)
②(3) アナタの顔(韓国)  9.55(108)
③(4) 犯罪都市2(韓国)  9.44(25,592)
④(新) 偉大なる沈黙(韓国)  9.44(255)
⑤(5) 詩人の歌、チョン・テチュン(韓国)  9.43(135)
⑥(7) あなたという記憶 ヨンスクさん(韓国)  9.35(20)
⑦(6) モア(韓国)  9.28(105)
⑧(8) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.24(1,548)
⑨(10) コーダ あいのうた  9.13(979)
⑩(-) ギョンアの娘(韓国)  9.12(58)

 ④「偉大なる沈黙」が新登場です。朴槿恵元大統領弾劾事件を扱った韓国の政治ドキュメンタリー。先に進歩系の側が「あなたがチョ・グク[曺国]」がクラウド募金を始めて、20日で26億ウォンを集め、作品の公開それも1千近いスクリーンを確保し、公開10日で観客30万人を動員しました。朴槿恵支持者等の保守系の側も同様の方法で資金を集め本作を製作しましたが、コチラは目下のところ上映館は約50、6月29日から5日間の観客数は約7千人とかなりの大差をつけられています。それでも下の観客動員数ランキングではトップ10は逃したものの11位に入っています。以下内容紹介。
 2017年3月10日、憲法裁判所は国会による朴槿恵大統領の弾劾訴追は8名の裁判官全員一致で妥当との判断を示し、弾劾が決定して朴氏は即時に失職しました。国民は氷山の一角のようなメディアの情報の中で本当の知る権利を失いました。韓国の歴史上初めての事態の中で私たちが見逃したものは何だったのでしょうか? まだ公開されていない国立科学捜査研究院と検察調査資料、関係者たちの肉声資料、法廷から出た衝撃的な録音資料等々、これまで知られていなかった証拠が一つひとつ公開されます・・・。観客の評点分布を見ると、評点10が93%で評点1&2が計5%。やっぱり韓国政治社会の左右のミゾは深いです。原題は「위대한 침묵」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 別れる決心(韓国)  8.71(14)
②(2) ドライブ・マイ・カー(日本)  8.44(9)
②(2) トップガン マーヴェリック  8.44(9)
④(4) 偶然と想像(日本)  8.29(7)
⑤(5) グリーン・ナイト  8.20(5)
⑥(6) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
⑦(7) アフター・ヤン  7.80(5)
⑧(9) モア(韓国)  7.38(8)
⑨(10) さがす(日本)  7.33(6)
⑩(-) オマージュ(韓国)  7.25(4)
⑩(-) オリ・マキの人生で最も幸せな日  7.25(4)

 新登場の作品はありません。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月1日(金)~7月3日(日) ★★★
         「トップガン マーヴェリック」が2週連続ダントツ1位で300万人超え

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・トップガン マーヴェリック・・6/22・・1,145,244・・・・・3,329,107 ・・・・・35,830・・・・1,622
2(37)・・別れる決心(韓国) ・・・・・・・6/29・・・・・・320,170・・・・・・・508,097 ・・・・・・4,974・・・・1,265
3(2)・・The Witch/魔女2 ・・・・・・・・6/15 ・・・・・213,106 ・・・・・2,638,445・・・・・27,204・・・・・・786
4(3)・・犯罪都市2(韓国)・・・・・・・・・5/18・・・・・・200,135・・・・12,416,794・・・・128,388・・・・・・822
5(4)・・バズ・ライトイヤー・・・・・・・・6/15 ・・・・・・29,847 ・・・・・・・330,959 ・・・・・・3,409・・・・・・290
6(5)・・ベイビー・ブローカー(韓国)・・6/08・・・・・10,047 ・・・・・1,246,055 ・・・・・12,467・・・・・・164
7(6)・・ジュラシック・ワールド・・・・6/01 ・・・・・・・8,963・・・・・・2,832,246 ・・・・・29,194・・・・・・・84
       /新たなる支配者
8(7)・・劇場版ウィルベンジャーズ・・6/23・・・・・・・8,830・・・・・・・・・26,013・・・・・・・・・262・・・・・・・92
       :怪しいキャンプ大騒動(韓国)
9(8)・・劇場版ポケットモンスター・・6/01・・・・・・・5,832・・・・・・・・577,411・・・・・・・5,442・・・・・・・63
       ダイヤモンド&パール ギラティナと氷空の花束 シェイミ(日本)
10(24)・・カモン カモン・・・・・・・・・・・6/30 ・・・・・・・5,204・・・・・・・・・・7,534・・・・・・・・・・76・・・・・・113
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 2・10位の2作品がこのランキング新登場ですが、2位「別れる決心」については1つ前の記事で書きました。カンヌで監督賞を受賞したパク・チャヌク監督の作品です。
 10位「カモン カモン」はアメリカのドラマ。日本ではすでに4月22日から公開されていて私ヌルボも観ました。ということで説明は省略します。韓国題は「컴온 컴온」です。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(9)・・カモン カモン・・・・・・・・・・・・・・・・6/30 ・・・・・・・・5,204・・・・・・・・7,534・・・・・・・・・・76・・・・・・・113
2(1)・・アナタの顔(韓国) ・・・・・・・・・・・・6/23・・・・・・・・・1,469・・・・・・・・8,613・・・・・・・・・・78・・・・・・・・37
3(新)・・CURE キュア(日本)・・・・・・・・・・7/06・・・・・・・・・1,420・・・・・・・・2,662・・・・・・・・・・29・・・・・・・・・9
4(4)・・アフター・ヤン・・・・・・・・・・・・・・・・6/01・・・・・・・・・・・895 ・・・・・・34,384 ・・・・・・・・334・・・・・・・・24
5(2)・・モア(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/23・・・・・・・・・・・707・・・・・・・・8,015・・・・・・・・・・65・・・・・・・・33

 1・3位の2作品が新登場ですが、1位「カモン カモンについては上述しました。
 3位「CURE キュア」は黒沢清監督によるサイコ・ホラーで日本では1997年末に公開され翌年のキネ旬のベスト・テンでは第5位に入った作品ですが、韓国ではまだ日本映画完全開放前。ただVHSテープが出回っていた頃で、本作も大学街等での定番上映作だったとか。その後2004年3月に正式ルートで輸入されものの劇場公開はなくDVDのみ発売されたとのこで、やっと今回正式に劇場公開するに至ったそうです。韓国題は「큐어」です。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国内の映画の興行成績 [6月24日(金)~6月26日(日)]と人気順位 ►カンヌで監督賞のパク・チャヌク作品「別れる決心」の日本公開は来年 ►北朝鮮収容所の実態を描く「トゥルーノース」韓国でも公開

2022-07-04 18:08:08 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
※日付を確認して下さい。今回も1週間遅れのデータになってしまいました。

▶今回の記事で注目の韓国は「別れる決心」。<第75回カンヌ国際映画祭(2022)>で最優秀監督賞を受賞したパク・チャヌク監督の作品で、《記者・評論家による順位》では「ドライブ・マイ・カー」と「トップガン マーヴェリック」を抜いて1位です。ストーリーは後述の通り、と言ってもそこはサスペンスなので当然ながらネタバレもヒントもなし。日本公開は来年とのことなので早くても半年後か。待ち遠しいなー。

▶今回は日本ではあまり報じられず上映されないことも多い韓国のドキュメンタリーで興味深い作品がありました。「アナタの顔」(下左)は似顔絵画家として注目されているウネさんについてのドキュメンタリーです。後掲の記事の特に後半を読んでみて下さい。そしてリンク先の動画もぜひ!
 また「モア」(下右)もユニークなドキュメンタリーです。これもリンク先の予告編をどうぞ。
     

▶韓国アニメの「劇場版ウィルベンジャーズ:怪しいキャンプ大騒動」もいろいろググったりしていろんなことがわかりました。日本だと<劇場版>と銘打たれたアニメはTVアニメや漫画の原作があるのが常なので、これもそうかな ?と思ったらさにあらず。→朝鮮日報の記事(→自動翻訳)を見るとアニメのキャラクターそっくりの子供たち2人の動画等が載ってるではないですか! つまり実在の子供2人とその父親をアニメ化したのですね。下の記事中にあるように、この父子3人はKBS2で2013年から続いている<スーパーマンが帰ってきた>(슈퍼맨이 돌아왔다.略称は슈돌)というタイトルの家族バラエティ番組に2016年から今年1月まで出演して人気が高まり、アニメが作られることになったのです。お父さんのサム・ハミントンさんはオーストラリア出身の放送人とか。番組のコンセプトは「家族から疎外され、子どもたちにも疎外された親が自発的に子育てに挑戦することを扱う」とのことですがホンマカイナ!?という感じ。今や<THE 윌벤쇼(ザ・ウィルベンショー)>というYouTube番組(たとえば→コチラ)も運営されているし、<ウィルベンジャーズ>のタイトルと似顔入りの幼児向け学習書も刊行されている等々その人気のほどがうかがわれます。
 なお、長く日曜の夜放映されてきたこのTV番組は今年4月22日から毎週金曜の22:10~23:40になりました。日本人として注目は、2007年から(?)韓国で芸能活動を続けている藤田小百合さん(→コチラ参照)が昨年から出演していること。(KBSTVはPCで無料視聴できます。)

▶今回は記事にない注目の映画も1つ紹介します。観客の平均評点は高かったものの、その人数が少なかったためランキングには入らなかった→コチラの作品「リメンバー・ミー(리멤버 미)」ですが、製作国は日本となっています。韓国版ポスターその①(下左)を見てもわからなかったのがその②(下右)でわかりました。日本では<第33回東京国際映画祭(2020)>で上映され、昨21年6月から一般劇場公開された北朝鮮政治犯収容所の実態を描いたアニメ「トゥルーノース」のことではないですか。※→関連記事。→公式サイト(予告編付)
 韓国でも公開されたのはけっこうなことですが、ただ上映館が全国で1ケタと少なく、6月29日から5日間の観客数合計が215人とは少なすぎ! タイトルを「リメンバー・ミー」にしたのも朝鮮戦争あるいはそ後も拉致等で北朝鮮に留め置かれている(?)多数の人々がいるにもかかわらず日本に比べて関心が非常に低い韓国人に対して「私たちのことを思い出して!」という気持ちが込められているということでしょうか? ※今春の選挙での政権交代と本作品の公開と、もしかして関係があるのかな?などとチラッと考えてしまった(笑)。
     

    ★★★ NAVERの人気順位(6月29日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) トップガン マーヴェリック  9.80(13,900)
②(2) 役割たち(韓国)  9.67(33)
③(新) アナタの顔(韓国)  9.58(85)
④(6) 犯罪都市2(韓国)  9.45(25,219)
⑤(8) 詩人の歌、チョン・テチュン(韓国)  9.42(132)
⑥(新) モア(韓国)  9.40(80)
⑦(5) あなたという記憶 ヨンスクさん(韓国)  9.35(20)
⑧(10) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.25(1,541)
⑨(新) 劇場版ウィルベンジャーズ:怪しいキャンプ大騒動(韓国)  9.23(104)
⑩(-) コーダ あいのうた  9.13(975)

 ③⑥⑨の3作品が新登場です。
 ③「アナタの顔」は韓国のドキュメンタリー。ある暑い夏、家で編み物ばかりしていたウネさんが楊平[ヤンピョン]郡汶湖[ムノ]里のリバーマーケットで人気の売り手として生まれ変わります。その売り物は自ら描く似顔絵。「きれいに描いてください」「元々きれいじゃないですか~」等々の言葉を交わしながらも、きれいな顔もきれいに描いてくれないウネさん(笑)。しかしそんな彼女の前にこれまでなんと4千人もの人たちが明るく笑みを浮かべて似顔絵を描いてもらいました。完璧じゃなくても今このまま幸せなウネさんが贈るヒーリングムービーです・・・。原題は「니얼굴」です。
 ・・・と以上が内容の概略。ところがさらに細かな説明文を読んでこの作品の見方が一変しました。これまでいくつものドキュメンタリーを手掛けてきた本作のソ・ドンイル監督はウネさんのお父さんなんですと。そしてウネさんは実は発達障碍者で、監督によれば「人に会って絵を描くウネの姿をずっと記録してみると、ある瞬間ウネが発達障碍児からアーティストに進む過程を描いているようになった」と語っています。「もしかして親のひいき目があるんじゃないの?」と思われるかもしれません。そんな皆さん(そうじゃない皆さんも)ぜひ彼女の作品や仕事ぶり等を→コチラや→コチラの動画で見てみて下さい!
 なお、ウネさんがネフリで配信中のドラマ「私たちのブルース」に出演しているとの最新日本語記事(→コチラ)もありました。
 ⑥「モア」は韓国のドキュメンタリー。<第13回DMZ国際ドキュメンタリー映画祭(2021)で初公開されて美しい雁賞(特別賞)受賞をし、釜山国際映画祭招待および47回ソウル独立映画祭独仏将軍賞受賞まで国内有数映画祭の賞賛を受けました。
 本作は人知れぬ哀歓を乗り越えて最も美しい存在として自ら世界の前に飛び出したドラァグアーティスト[drag artist]すなわち女装アーティストのモア[MORE]の人生と芸術を感覚的な音楽と映像によって描き出した作品です。主人公のモアはバレリーノではなくバレリーナになりたかった性少数者で、梨泰院の地下クラブから、前衛芸術のメッカであるニューヨークのラママ実験劇場の舞台に立ったアーティストであり、破格的な執筆で崇められるエッセイストまで、世間の規定に抵抗してひたすら美しさを追いかけ、日々新しい自分として<弾けているアーティスト>です。そんな<モア>ことモ・ジミンの人生と芸術を華やかなパフォーマンスとOST、そして魅力的な映像で収めた・・・ということで、→コチラの予告編を見てみて下さい。原題は「모어」です。
 ⑨「劇場版ウィルベンジャーズ:怪しいキャンプ大騒動」は韓国の3Dファンタスティックアドベンチャー・アニメ。問題児にして初心者ヒーローのウィリアムとベントレー兄弟の名前を合わせて<ウィルベンジャーズ>。動物たちとの対話はもちろん、恐竜ゼリーを食べて途方もない超能力を発揮するウィリアムとベントレーは、スーパーヒーローになりたい夢の苗木たち。ある日彼らはパパのサムと一緒に楽しいキャンプ旅行に出かけ、そこの遊び場で神秘的な能力を持つキツネ少女のミホと出会って友だちになります。そして深い森の中のキツネの穴に向かった<ウィルベンジャーズ>はミホの驚くべき秘密を知り、ミホの家族を狙うハンターたちの襲撃によって皆が大きな危険に陥ってしまいます。はたして<ウィルベンジャーズ>はパパと友だちを救い、無事にキャンプを終えることができるでしょうか・・・。原題は「극장판 윌벤져스 : 수상한 캠핑 대소동」です。

     【記者・評論家による順位】

①(新) 別れる決心(韓国)  8.73(11)
②(2) ドライブ・マイ・カー(日本)  8.44(9)
②(1) トップガン マーヴェリック  8.44(9)
④(3) 偶然と想像(日本)  8.29(7)
⑤(4) グリーン・ナイト  8.20(5)
⑥(5) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
⑦(6) アフター・ヤン  7.80(5)
⑧(7) マス  7.67(3)
⑨(新) モア(韓国)  7.38(8)
⑩(8) さがす(日本)  7.33(6)

 ①⑨の2作品が新登場ですが、⑨「モア」については上述しました。
 ①「別れる決心」は韓国のヒューマン・サスペンス。<第75回カンヌ国際映画祭(2022)>で最優秀監督賞を受賞したパク・チャヌク監督の作品です。
 山の頂上から墜落した男の変死事件。担当刑事のヘジュン(パク・ヘイル)は死者の妻ソラ(タンウェイ)の事情聴取を行います。「山に行ったまま帰って来ないと心配になりました。とうとう死ぬかと思って」。ソラは夫の死に際して特に動揺を見せません。警察はふつうの遺族とは異なるソラを容疑線上に上げます。ヘジュンは事件当日のアリバイの聞き込みと新聞、潜伏捜査を通じてソラについて徐々に知るにつれ彼女への関心が大きくなっていくことを感じます。 一方、なかなか本心を推測しにくいソラは相手が自分を疑うことを知っていても、少しの迷いもなくヘジュンに対するのでしたが・・・。
 本心を隠す容疑者、そして容疑者に疑いと関心を同時に感じる刑事。 そしてタイトルの<別れる決意>とは・・・? 原題は「헤어질 결심」です。ソラの本心は何なのか、ヘジュンだけでなく観客まで混乱に陥って劇的な緊張感を形成する、とのこと。映画ジャーナリストのチョン・シウさんは「エンディングに至り私の心も崩壊した」と記しています。これはもちろんぜひ観なくては!と思いますが日本公開は来年だって!? うーむ・・・。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績6月24日(金)~6月26日(日) ★★★
       公式公開日を迎えた本命「トップガン マーヴェリック」が早くも200万人超えで1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(6)・・トップガン マーヴェリック・・6/22・・1,127,166 ・・・・・1,526,310・・・・・16,647・・・・1,941
2(1)・・The Witch/魔女2・・・・・・・・・6/15 ・・・・・402,342 ・・・・・2,241,518・・・・・23,210・・・・1,065
3(2)・・犯罪都市2(韓国)・・・・・・・・・5/18・・・・・・318,863 ・・・・12,044,413 ・・・124,589・・・・・・935
4(3)・・バズ・ライトイヤー・・・・・・・・6/15 ・・・・・・49,375・・・・・・・・286,474 ・・・・・・3,008・・・・・・481
5(4)・・ベイビー・ブローカー(韓国)・・6/08・・・・・42,924・・・・・・1,212,724 ・・・・・12,162・・・・・・463
6(5)・・ジュラシック・ワールド・・・・6/01 ・・・・・・22,136・・・・・・2,812,885 ・・・・・29,023・・・・・・187
       /新たなる支配者
7(新)・・劇場版ウィルベンジャーズ・・6/23・・・・・13,396・・・・・・・・・15,059・・・・・・・・・150・・・・・・110
       :怪しいキャンプ大騒動(韓国)
8(7)・・劇場版ポケットモンスター・・6/01・・・・・・・9,133・・・・・・・・570,824・・・・・・・5,378・・・・・・・75
       ダイヤモンド&パール ギラティナと氷空の花束 シェイミ(日本)
9(38)・・親の顔が見たい(韓国) ・・・・4/27 ・・・・・・・5,751・・・・・・・・416,054 ・・・・・・3,946・・・・・・・・5
10(新)・・ルームシェアリング(韓国)・・6/22 ・・・・・5,204・・・・・・・・・10,293・・・・・・・・・・88・・・・・・121
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 2週間先行上映していた「トップガン マーヴェリック」がやはりここに来て一気に週末だけでも100万人突破。29日(水)には累計動員数200万人を越えました。今後どこまで数字を伸ばすか? ・・・
言っても「犯罪都市2」の数字はまだまだ先。「The Witch/魔女2」は1週で2位に下がったとはいえ、コチラも累計200万人を超えました。
 7・10位の2作品がこのランキング新登場ですが、7位「劇場版ウィルベンジャーズ:怪しいキャンプ大騒動」については上述しました。また10位「ルームシェアリング」については1つ前の記事で書きました。
 ・・・ということで大変めずらしいことにここで説明を要する作品はありません。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(17)・・アナタの顔(韓国) ・・・・・・・・・・・6/23・・・・・・・・・2,878・・・・・・・・5,442・・・・・・・・・・48・・・・・・・・65
2(新)・・モア(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/23・・・・・・・・・2,513・・・・・・・・5,318・・・・・・・・・・43・・・・・・・・54
3(26)・・オマージュ(韓国) ・・・・・・・・・・・5/26・・・・・・・・・2,133・・・・・・・12,660・・・・・・・・・・98・・・・・・・・・8
4(3)・・アフター・ヤン・・・・・・・・・・・・・・・・6/01・・・・・・・・・1,661・・・・・・・30,244 ・・・・・・・・304・・・・・・・・29
5(5)・・劇場版BEM~BECOME HUMAN~(日本)・・6/16・・957 ・・・・・・・3,024・・・・・・・・・・15・・・・・・・・・5

 1位「アナタの顔、2位「モアが新登場ですが、いずれにについても上述しました。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする