ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [6月19日(金)~6月21日(日)]と人気順位 ►チョン・ジニョンの監督初作品「消えた時間」はファンと評論家の評価が真逆 ►岩井監督「Love Letter」の変わらぬ人気

2020-06-25 01:33:24 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 →1つ前の記事で書いたように、これまで映画の観客動員数や評価のランキング等のデータの前にかなり長い前書きを置いていましたが、今回から2つに分けることにしました。

         ★★★ NAVERの人気順位(6月23日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) EYES ON ME : The Movie(韓国)  9.46(843)
②(2) 聞こえますか?(韓国)  9.43(68)
③(5) 私はポリ(韓国)  9.35(99)
④(3) こんにちは、ミヌ(韓国)  9.33(36)
⑤(8) トムボーイ  9.24(372)
⑥(7) レミ:家なき子  9.10(40)
⑦(10) ミス・ビヘイビア  9.08(296)
⑧(9) ネコの執事(韓国)  9.06(80)
⑨(-) 燃え立つ若い女性の肖像  9.04(1,601)
⑩(6) マローナの素晴らしき旅  9.02(40)

 今回新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃え立つ若い女性の肖像  9.22(9)
②(3) はちどり(韓国)  8.38(13)
③(5) マローナの素晴らしき旅  7.83(6)
④(6) 1917 命をかけた伝令  7.67(9)
⑤(新) 消えた時間(韓国)  7.50(4)
⑥(7) トムボーイ  7.33(9)
⑦(8) EXIT(韓国)  7.23(13)
⑧(9) チャンシルは福も多いね(韓国)  7.00(10)
⑨(10) 透明人間  7.00(2)
⑩(-) こんにちは、ミヌ(韓国)  6.75(4)

 ⑤「消えた時間」が新登場です。この作品については後述します。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績6月19日(金)~6月21日(日) ★★★
             韓国映画「潔白」が2週連続1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・潔白(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・6/10・・・・・・・・・・143,022・・・・・・・557,958 ・・・・・・・・5,055・・・・・・・・949
2(58)・・2分の1の魔法・・・・・・・・・・・・・・6/17・・・・・・・・・・119,476・・・・・・・157,930 ・・・・・・・・1,433 ・・・・・・1,137
3(新)・・消えた時間(韓国) ・・・・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・109,507・・・・・・・143,078 ・・・・・・・・1,303・・・・・・・・873
4(2)・・侵入者(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・6/04・・・・・・・・・・・26,580・・・・・・・516,082 ・・・・・・・・4,680・・・・・・・・489
5(4)・・グレイテスト・ショーマン・・2017/12/20・・・・・・・16,051 ・・・・・1,660,447 ・・・・・・・13,110 ・・・・・・・・224
6(42)・・野球少女(韓国) ・・・・・・・・・・・・6/18 ・・・・・・・・・・10,982・・・・・・・・17,096・・・・・・・・・・149 ・・・・・・・・264
7(3)・・イントゥ・ザ・スカイ・・・・・・・・・6/10 ・・・・・・・・・・・9,189・・・・・・・・71,596・・・・・・・・・・636 ・・・・・・・・257
       気球で未来を変えたふたり
8(3)・・ザ・ハイ・ノート・・・・・・・・・・・・・6/10 ・・・・・・・・・・・6,256・・・・・・・・47,185・・・・・・・・・・430 ・・・・・・・・191
9(6)・・EYES ON ME : The Movie(韓国)・・6/10・・・・・・・・・3,448・・・・・・・・37,743・・・・・・・・・・487 ・・・・・・・・100
10(再)・・アイ・キャン・オンリー・イマジン・・2018/6/21・・3,220・・・・・・・28,932・・・・・・・・・・228・・・・・・・・・131
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 観客動員数はじわっと上向き。しかし新型コロナ以前は1位だと100万人超えがけっこうふつうだったことを考えれば常態に戻るのはまだまだ先のことか・・・。
 新登場は2・3・6位の3作品です。
 2位「2分の1の魔法」は、ディズニーのファンタジー3Dアニメ。元気いっぱいの兄のバーリーと内気な弟イアンは魔法が消えた世界に暮らしている性格が正反対の兄弟。イアンは自分が生まれる前に亡くなったパパのことを思っていた中、誕生日のサプライズ・プレゼントでパパの魔法の杖をもらいます。ところが、誤ってパパの半分だけ現れるという危機が発生してしまいます! 与えられた時間はたった1日。兄弟は完璧な姿のパパを見つけるために冒険の旅に出て、魔法で絶壁を越え、カラス峰のヒントに従って関門を通過しますが、性格の違いで2人はことあるごとにぶつかり、ピンチに陥ります。はたして彼らは無事に<奇跡>を成し遂げることができるでしょうか・・・。韓国題は「온워드: 단 하루의 기적(オンワード: ただ1日の奇跡)」。日本公開は8月21日の予定です。
 3位「消えた時間」は、韓国のミステリー&ドラマ。ベテラン俳優チョン・ジニョンの初の監督作品です。閑静な町の田舎の村で、外部の人の夫婦が謎の火災事故で死亡する事件が発生します。事件の捜査を担当することになったヒョング(チョ・ジヌン)は、村の人々の怪しい気配に気づいて手がかりを追跡していた中、一朝にして自分の人生を根こそぎにしてしまう衝撃的な状況に陥ります。家も家族も職業も、自分が知っていたすべてのものが消えてしまうとは・・・。原題は「사라진 시간」です。この作品に対するネチズンの評点を<NAVER映画>で見てみると、平均4.4点という低ポイント。一方記者・評論家4人の評点は8点が3人、6点が1人。驚いたことに、ネチズン1,500人余の約3分の1が1点とは! 「時間をムダにした」とか「金をムダにした」というコメントが目につきました。5人に1人は10点つけていますが・・・。夢とかアイデンティティといった要素がポイントとなっている作品のようで、その点が受け入れられなかった?
 6位「野球少女」は、「愛の不時着」とともに日本でも人気の韓国ドラマ「梨泰院クラス」でトランスジェンダーのマ・ヒョニを演じたイ・ジュヨンがタイトルのように<野球少女>を演じて話題のドラマ。チュ・スイン(イ・ジュヨン)は、高校野球チームの唯一の女性選手で、最高球速は134km/h。ボールの回転力が武器で<天才野球少女>として注目されていました。高校卒業後はプロ野球選手として野球を続けるのが彼女の夢ですが、女性だと言う理由できちんと評価される機会ももらえず、母親、友人、監督まで皆に夢をあきらめろと言われます。ところが、野球部の新コーチにジンテ(イ・ジュニョク)が着任し、スインにも大きな変化が訪れます。「私はやりもしないであきらめたりはしません」-夢に向かって投げるただひとつのストライクは・・・。原題は「야구소녀」です。
 なお、10位「アイ・キャン・オンリー・イマジン」は旧作の再上映ですが、日本では未公開なのは、基本的に<キリスト教の映画>という事情によるものと思われます。今世紀初頭「I Can Only Imagine」という大ヒット曲を出したアメリカの伝説的なバンドMercy Meのリードボーカル、バート・ミラードの人生と歌の誕生に秘められたされた実話に基づくドラマです。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・上映館数
1(21)・・野球少女(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/18 ・・・・・・・10,982・・・・・・・・・17,096 ・・・・・・・・・149・・・・・・・・264
2(1)・・イントゥ・ザ・スカイ ・・・・・・・・・・・・・・6/10・・・・・・・・9,189 ・・・・・・・・・71,596 ・・・・・・・・・636・・・・・・・・257
       気球で未来を変えたふたり
3(再)・・アイ・キャン・オンリー・イマジン・・2018/6/21・・・・3,220 ・・・・・・・・・28,932 ・・・・・・・・・228・・・・・・・・131
4(3)・・君の名前で僕を呼んで・・・・・・・・2018/3/22・・・・・・・・2,982 ・・・・・・・・218,745・・・・・・・・1,843・・・・・・・・・48
5(再)・・Love Letter(日本) ・・・・・・・・・・・1999/11/20・・・・・・・・2,611 ・・・・・・・・114,358 ・・・・・・・・・881・・・・・・・・・31

 1位「野球少女」が新登場ですが、この作品については上述しました。
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最近観た映画の感想と、韓国映画情報など ►ホントに良かった「在りし日の歌」 ►「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」と韓国映画「野球少女」の共通点

2020-06-24 21:49:40 | 最近観た映画の感想と、韓国映画情報など
▸本ブログ内で韓国内の映画の週末興行成績についての最初の記事は2009年の→コチラ。その後現在まで10年以上続けていますが、その間だんだん字数が増えて、今ではデータもさることながら前書き(??)がずいぶん長くなってしまいました。そこで今回からその部分と、後半のデータ部分を分割することにしました。

▸王小帥(ワン・シャオシュアイ)監督の「在りし日の歌」は4月3日公開で、私ヌルボは毎日新聞の同日夕刊の→<シネマの週末>、5日の→<藤原帰一の映画愛>を読み、これは観なければ、と思いました。しかしちょうど新型コロナ禍の真っ只中に入り観ようにも観られず。6月に入ってから油断してる間に気がつけば神奈川で上映館は2館のみ。(大阪・兵庫・愛知等では1館。) あわてて22日(月)109シネマズ川崎に観に行きました。客席数87で観客は9人でしたが、期待以上の、ホントに良い映画でした。今日を入れて今年上半期はあと7日だけですが、もしかしたらその間の外国映画のベストかも。

▸この半世紀。1970年頃から今までの歴史をふり返ってみると、韓国では朴正熙の独裁政権、1980年の光州民主化運動を挟んで全斗煥の独裁政権、そして1986年の6月民主抗争と、それ以降現在に至るまでの政治・社会の大変貌の道をたどってきました。
 中国でも、文化大革命の後、70年末実権を握った鄧小平による改革開放政策、1989年の六四天安門事件以降の江沢民・胡錦涛・習近平の下での経済発展と共産党の統制強化等々、韓国同様(それ以上?)の激動を経て今に至っています。
 その時代を生き抜いてきた多くの庶民の人生もドラマチックなものだったと思います。そんな長いスパンで庶民の人生を描いた作品は、それだけで観客たち個々の記憶や過ぎた昔の労苦を思い起こさせ、感動をよびます。たとえば、韓国映画では「国際市場で会いましょう」。主に進歩系からは<クッポン映画>、国策映画、朴正熙政権への批判的視点がない等の批判があり、それもうなずけますが、韓国で歴代3位の1425万人という観客を集めたのも多くの人々の共感を得たからでしょう。
 近年の中国映画では「芳華-Youth-」や「帰れない二人」も長い時代の流れを背景にしていますが、「在りし日の歌」は80年代から現代までの30年間の、主に同じ国営工場の職場仲間だった2家族がその後たどった道と、両者間の友情の物語です。
 その30年間の物語が時間軸通りに進むのではなく、冒頭は94年ですが、90年代後半から86年に遡ったり、2011年からまた94年に戻ったりしてラストは現代にと、行き来する構成になっている上、場所も一定していないので、途中まではわかりにくいですが、ジグソーハズルが組みあがっていくようにだんだん全体像が見えてきます。
 観終わって痛感したのは、「国際市場で会いましょう」等でも同様ですが、国の政策が庶民の生活をいかに大きな影響を及ぼすかということ。いや、生活への影響どころか、家族や個人の運命、人生を変えてしまうというレベル。中韓のこうした映画を観ると、日本のこの半世紀はもしかしたら世界史の中でも至極平穏無事だったと言えるのでは?と思わざるをえません。この作品に即して具体的に言えば、一人っ子政策。1979年から実施されたこの政策が二人っ子政策に切り替えられたのは2015年とのこと。その間、国の方針の外で「産まれてしまった」子供たちは「黒孩子(ヘイハイツ)」と呼ばれ、国籍を持たないため学校にも通えず医療等の公共サービスも受けられず暮らさざるをえなかったとか。(→コチラの記事参照。) また私ヌルボが以前聞いた話では、東南アジアの観光地でそんな無国籍の中国人を見かけるとか。つまり人身売買の犠牲者ということ・・・。
 なお、この作品は昨年の第69回ベルリン国際映画祭で最優秀男優賞と最優秀女優賞をダブル受賞しました。十分以上にうなずけます。
 また、作中何度も時代が切り替わる時に「螢の光」のメロディが流されます。日本では卒業式の歌というイメージが強いので、私ヌルボも大晦日のTVやパチンコ店の閉店時等で流されると違和感を覚えたりしますが、本来はスコットランド民謡「Auld Lang Syne」で、旧友と再会し、思い出を語り合いつつ酒を酌み交わすという友情を歌ったもので、中国では「友誼地久天長」のタイトルでほぼ同様の歌詞なのだそうです。とくに文革の終息後下放政策で遠い農村に送られていた学生たちが都会に帰る際に別れの歌としてよく歌われたとか、映画の中でも語られています。そしてこの映画の原題も「地久天長」。この長い時代を背景とした友情の物語に見合ったタイトルです。
   
【「在りし日の歌」の中国版ポスターと、「友誼地久天長」の歌詞 】

▸「在りし日の歌」に行数を費やし過ぎたため18日(木)に観た「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」についてほとんど書けなくなってしまいました。が、アカデミー賞作品賞にノミネートされるだけあって、これもオススメの秀作。あの「パラサイト」と比較すると品格が感じられます・・・って「パラサイト」を貶めているわけじゃないですけど、全然(笑)。
 ところで、たまたま韓国で上映が始まった韓国映画「野球少女」について情報を集めていてふと思ったのがこの「ストーリー・オブ・マイライフ」との共通点でした。タイトル通り中学・高校時代<天才野球少女>として注目され、プロ野球選手をめざす少女の物語です。(主演は人気の韓国ドラマ「梨泰院クラス」でマ・ヒョニを演じたイ・ジュヨン。) つまり国や時代が違っても、女性に対する根拠に乏しい通念や偏見と向かい合ってがんばる女性を主人公にしているということで、あの「82年生まれ、キム・ジヨン」(小説&映画)等々とも軌を一にした、女性の人権に対する世界的潮流の中で作られた作品ということです。
 この「野球少女」の主人公チュ・スインには、やはり実在のモデルがいたのですね。1997年に女性として初めて高校野球部に進学し、韓国野球委員会(KBO)主催の公式戦で先発登板をはたしたアン・ヒャンミ選手(1981~)です。初等学校5年の時に野球を始め、高校には教育庁の特別推薦(?)を得て高校に進学し野球部に入学しますが、なにかと疎外されたり、また男子との体力差という壁にぶつかり、高校2年の時1塁手から投手に転向したとか。そして1999年大統領杯全国高校野球大会で準決勝で先発投手に。しかし高校卒業後は所属チームがなく1人で運動していましたが、→コチラの記事(韓国語)で経歴を見ると2002年に日本の女子野球チームのドリーム・ウィングズに入団とありますが、日本でも本格的な女子野球組織が定着する以前の時期だったためか、検索してもよくわかりません。アン・ヒャンミ選手はその後04年に韓国最初の女子野球チーム<ピミルリエ>を創設、07年には第1回全国女子野球大会に<サンサイズ>球団の監督兼選手として出場し、打撃賞・本塁打賞を受賞。10年代に入ってオーストラリアのチームで活躍しているとの情報もありました。
  最近の韓国の女子野球選手としてはキム・ラギョン選手(2000~)が注目されているようです。(→<ナムウィキ>) 女子として初めてリトル野球チームに参加し、2017年高2の時には女子野球の国家代表チームに最年少で抜擢されて話題となったとのことです。
※関連で日本の女子野球の歴史と現状についても少し見てみました。
 1991年に日本野球機構が「不適格選手」の項目から「医学上男子ではないもの」の項目を撤廃し、協約上は女子選手がプロ野球に参加することが可能となった。同年、さっそく2人の女性がオリックス・ブルーウェーブの入団テストを受けるなど、これまで数名がプロ野球チームの入団テストに挑んできたが、現在までのところ合格した女子選手はいない
 また→日本女子プロ野球リーグの公式サイト等を見ると、京都フローラ、愛知ディオーネ、埼玉アストライア、育成チームのレイアの全4チームで構成され、またジャパンカップでは高校・大学やクラブチームも出場してトーナメント戦で優勝を競っています。

▸20日(土)にようやく待望の韓国映画「はちどり」公開。しかし上映館はまだ渋谷のユーロスペースだけで、近所のシネマ・ジャック&ベティでは上映期日は未発表。いつになったら観られるのか・・・。
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韓国内の映画 週末の興行成績 [6月12日(金)~6月14日(日)]と、人気順位 ►韓国で公開の「マローナの素晴らしき旅」等に注目! ►18年ぶりに観た「青春デンデケデケデケ」は今や大過去の物語

2020-06-17 18:01:01 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸私ヌルボが11年前から「韓国内の映画 週末興行成績」の記事を続けている理由その1は、映画ファンとしてのメリットがあるからです。→コチラや→コチラのデータからもわかるように韓国は国民1人当たり映画入場回数が(アイスランドと並んで)世界一で映画関係の情報が多く、また2016年の数字では外国映画の上映本数が日本の539本に対し韓国は1,218本と倍以上にもなる上、日本での公開作のほとんどは韓国では何ヵ月も早く公開されるので、韓国の映画サイトを通じて書く作品の内容や、映画ファンたちの反応がわかり、観たい映画の目星をつけられます。
 そしてメリットその2は、韓国オタクとして映画を通じて韓国の社会や文化を知る手がかりになるということ。とくにドキュメンタリーの場合は日本での公開はあまりなくても、どんなことに韓国の人たちの関心が向けられているかを垣間見ることができます。
 ・・・ということで、今回韓国で新登場の作品中の注目作は、上記のメリットその1関連でルーマニア等3ヵ国の合作アニメ「マローナの素晴らしき旅」、メリットその2関連ではソウル女子大の宗教教育担当牧師を務めながら精力的な講演活動を続けているキム・チャンオクさんのドキュメンタリー「聞こえますか?」です。詳細は後掲の記事で。
   
【「マローナの素晴らしき旅」の韓国版ポスターと、講演中のキム・チャンオク氏(YouTubeより) 】

▸10日(水)は約80日ぶりに東京へ。それもわざわざアップリンク吉祥寺まで行って観たのは、気になりながらも観てなかった「パターソン」。ジム・ジャームッシュ監督作品をその名声は知りながらもたぶん全然観てなかったのは、なんとなく自分には合わない感じがしていたから。しかし「パターソン」はなかなか評価も高いようだし、たまたま東京での上映作品リストにあったので行ってきたという次第。で感想は、一言で言えば自分の予感を確認したというわけです。ただ、こういう映画に入れ込むファンはたしかにいるだろうことはわかりました。
 12日(金)は、横浜シネマリンでこの4月亡くなった大林宣彦監督特集中の1つ「青春デンデケデケデケ」を鑑賞。この作品は1991年の直木賞を受賞した芦原すなおの原作をけっこう感動して読んだ後、92年の公開直後に観ましたが、ほとんど記憶がすっ飛んでいたので初めて観たようなものです。60年代後半エレキギターに夢中になった香川県の公立高校生の話で、音楽ジャンルはちょっと違いますが一昨年公開の「坂道のアポロン」と重なる部分が多々あり、また同時期に隣県徳島の公立高校生だった私ヌルボ自身の体験とも重なっていろんなことを思い起こしました。当時人気の洋楽ポップスではパット・ブーンとかコニー・フランシスの「ボーイハント」とかハリー・ベラフォンテとかプレスリーの「ハウンドドッグ」とか・・・。世相等では、当時はまだバイクに乗る時ヘルメットはかぶっていないとか、白黒TVでプロレス中継(「16文キック」とか)、高校生のアルバイトで「日給850円もくれる」とか(ヌルボの初バイト=デパートのお中元仕分けは日給500円だった。) そして何と言っても男女生徒間の<距離感>ですね、今と全然違うのは・・・。
 個人的思い出につい深入りしてしまいました。上記「坂道のアポロン」と比べるとずいぶん作品の<感触>が違います。「坂道の~」が現代の感覚で半世紀前の過去を描いた作品とすれば、「青春~」はすでに20年近くも前にその30年前を描いた、いわば<大過去>の物語なのです。画面もセピアっぽい感じだし、見た目あまり同じ時代とは思えません。今の感覚だと、若い世代が「青春デンデケデケデケ」を観て自然に共感できるかどうか、よくわかりません。

         ★★★ NAVERの人気順位(6月16日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) EYES ON ME : The Movie(韓国)  9.74(691)
②(新) 聞こえますか?(韓国)  9.68(47)
③(1) こんにちは、ミヌ(韓国)  9.62(32)
④(3) ビホールド・マイ・ハート  9.48(29)
⑤(5) 私はポリ(韓国)  9.44(89)
⑥(新) マローナの素晴らしき旅  9.32(25)
⑦(6) レミ:家なき子  9.25(36)
⑧(8) トムボーイ  9.23(369)
⑨(7) ネコの執事(韓国)  9.21(73)
⑩(-) ミス・ビヘイビア  9.08(286)

 ①②⑥の3作品が新登場です。
 ①「EYES ON ME : The Movie」については後述します。
 ②「聞こえますか?」は、韓国のドキュメンタリー。韓国の<疎通>の専門家として過去19年間で7千回を超える講演を行い、YouTubeでも累積8千万ビューを記録するほど数多くの人々に共感と慰めを伝えてきたキム・チャンオク(1973~)のこれまでの人生をたどる・・・という内容ですが、私ヌルボはこの人のことを知りませんでした。済州島に生まれ、聴覚障碍者の父といつも不満一杯の母との経済的に恵まれない家庭に育ち、教会共同体の援助を受けたことが敬虔なクリスチャンになるきっかけとなったとか。工業高校を卒業後、彼は兵役等紆余曲折を経て25歳で慶熙大声楽科に進学します。1999年にミュージカル俳優としてデビューしますが、今は主にソウル女子大学の兼任教授という肩書で宗教教育担当牧師を務めながら、キム・チャンオクヒューマンカンパニーを設立し、上記のように<疎通>と<声>をテーマに大学のほか官公庁、企業等で講演をしている・・・、ということです。その講演をたとえば→コチラの動画で見てみました。すると聴衆の大多数は女性です。<NAVER映画>によるとこの映画の観客も約9割は女性。上掲の画像のようにキム・チャンオク氏は背が高くて男前で身なりもパリッとしているので、ナルホド感十分。話術も巧みで、一方的な話ではなく聴衆との言葉のやりとりもあり、笑い声もしばしば。そしてこの回の講演のキモは「昨日今日、私が食べた物は明日の私の体になる」。たとえば最近自分はどんな人と会い、どんな本を読んでいるか?ということが、これからの自分の糧となるということ。これまたナルホド感十分。日本でこの人に相当するような著名人がいるか少し考えてみましたが思い浮かばず。宗教関係で誰かいるかもしれませんが・・・。まあ日韓の宗教風土の違いも関係あるかも。原題は「들리나요?」です。
 ⑤「マローナの素晴らしき旅」(仮)が新登場です。ルーマニア・フランス・ベルギーの合作によるアニメ。昨年の第32回東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門で上映された時はこのタイトルでしたが、東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)2020の長編コンペティションには「マロナの幻想的な物語り」というタイトルでノミネートされました。このTAFFは新型コロナ禍のため中止となりましたが各賞の選考は行われ、この作品が長編部門のグランプリを獲得しました。韓国の富川国際アニメーションフェスティバルでも大賞と観客賞を受賞しています。物語は、冒頭でマローナという雑種犬が車に轢かれ、その瞬間に一生を回想するという構成になっています。9番目の子犬として生まれた後、大道芸人や土方のあんちゃん等々、いろんな人に拾われそして棄てられ、その度に名前も変わっていきます。そんな飼い主たちとの関わりを中心にマローナの脳裏に自分の人生(犬生か?)が<走馬灯のように>浮かぶのですが、何と言ってもこのアニメは見た目がとにかくアート! 色の使い方とか曲線の動きとか・・・。たとえば→コチラの予告編(30秒.韓国語字幕付き)をぜひ見てみてください! また→コチラ(約4分)は韓国人女性のYouTuberがとても手際よく紹介しています。(ヌルボのような)聴き取りが苦手な人のため?ハングル字幕が付いています。韓国題は「환상의 마로나(幻想のマロナ)」。で、日本では一般劇場公開の予定はどうなってるの? すごく観たいんだけど・・・。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃え立つ若い女性の肖像  9.22(9)
②(-) 小さな光(韓国)  8.67(3)
③(2) はちどり(韓国)  8.38(13)
④(3) ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語  8.00(10)
⑤(新) マローナの素晴らしき旅  7.83(6)
⑥(4) 1917 命をかけた伝令  7.67(9)
⑦(5) トムボーイ  7.33(9)
⑧(-) EXIT(韓国)  7.23(13)
⑨(6) チャンシルは福も多いね(韓国)  7.00(10)
⑩(7) 透明人間  7.00(2)

 ⑤「マローナの素晴らしき旅」が新登場ですが、この作品については上述しました。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績6月12日(金)~6月14日(日) ★★★
             韓国映画「潔白」が20万人を超え、1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・上映館数
1(23)・・潔白(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・6/10・・・・・・・・・・247,442・・・・・・・314,733 ・・・・・・・・2,890 ・・・・・・1,111
2(1)・・侵入者(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・6/04・・・・・・・・・・・81,513・・・・・・・455,408 ・・・・・・・・4,154 ・・・・・・・・821
3(28)・・イントゥ・ザ・スカイ・・・・・・・・6/10 ・・・・・・・・・・36,253・・・・・・・・52,422・・・・・・・・・・467・・・・・・・・534
       気球で未来を変えたふたり
4(2)・・グレイテスト・ショーマン・・2017/12/20・・・・・・・28,073 ・・・・・1,633,719 ・・・・・・・12,946・・・・・・・・417
5(新)・・ザ・ハイ・ノート・・・・・・・・・・・・6/10 ・・・・・・・・・・22,591・・・・・・・・32,712・・・・・・・・・・302・・・・・・・・462
6(新)・・EYES ON ME : The Movie(韓国)・・6/10・・・・・・・12,566・・・・・・・・30,751・・・・・・・・・・396・・・・・・・・117
7(5)・・マッドマックス ・・・・・・・・・2015/5/14 ・・・・・・・・・・9,267 ・・・・・3,910,311 ・・・・・・・33,620・・・・・・・・・38
       怒りのデス・ロード
8(4)・・エスケープ・フロム・プレトリア ・・5/06・・・・・・・・7,542・・・・・・・213,731 ・・・・・・・・1,826・・・・・・・・177
9(再)・・君の名前で僕を呼んで・・・2018/3/22・・・・・・・・・・7,448・・・・・・・212,931 ・・・・・・・・1,791・・・・・・・・・69
10(再)・・レオン[1994年] ・・・・・・・・1995/2/08 ・・・・・・・・・・5,543 ・・・・・・・・6,578・・・・・・・・・・・39・・・・・・・・130
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 観客動員数は若干上向きといったところか? あいかわらず旧作の再上映が目立ちます。日本でも同様ですが、映画ファンとしては見逃した作品を観るチャンスではあります。新登場は1・3・5・6位の4作品です。
 1位「潔白」は、韓国のミステリー&ドラマ。有名法律事務所のエース弁護士ジョンイン(シン・ヘソン)は、父親の葬儀場で農薬マッコリ殺人事件が起きたことを知ります。容疑者として挙げられて緊急逮捕されたのは認知症を患っている母親ファジャ(ペ・ジョンオク)でした。ジョンインは母の潔白を主張するために故郷に戻って直接弁護を引き受けます。事件を追跡していたジョンインは、市長のチュ・イネ(ホ・ジュノ)を中心とした町の人々の組織的隠蔽と虚偽の陳述等、おかしな状況に気づきます。事実を暴いていくとさらに疑惑は膨らみます。彼はその日の記憶をすべて失った話し手の無実を証明するために、すべての人々に立ち向かっていきます・・・。原題は「결백」です。
 3位「イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり」は、日本ではすでに1月17日に公開されています。韓国題は原題のまま「에어로너츠(The Aeronauts)」です。
 5位「ザ・ハイ・ノート」(仮)は、アメリカのドラマ。マギー(ダコタ・ジョンソン)の夢は音楽プロデューサーになること。日中はスター歌手のグレース(トレイシー・エリス・ロス)のマネージャーとして個人アシスタントを務めていて、グレースのわがままに振り回されながら働き、夜は音楽の仕事をしていて情熱を燃やしてはいるものの、なかなか機会をつかめません。一方10年前のヒット曲1曲で世界的なスターの座を保っているグレースは、日々繰り返される公演にうんざりしていて、なんとか抜け出したいと考えていますが、周囲の反対等の壁にぶち当たっています。しかしついにグレースが新譜をリリースすると宣言し、マギーもその目標に向けて奮闘することに。こうして事態が動き始めます・・・。なお、トレイシー・エリス・ロスはあのダイアナ・ロスの娘。伝説的な歌手を演じるということで話題になっているとか・・・。韓国題は「나의 첫 번째 슈퍼스타(私の最初のスーパースター)」。日本公開は未定のようです。
 6位「EYES ON ME : The Movie」は、韓国と日本合同のグローバル女性アイドルグループ、IZ*ONE(アイズ・ワン)の公演記録。IZ*ONEは2018年に12人で結成され、内3人はAKB48所属の日本人で・・・ということ等々全然ご存じなかったオジサンたちは→ウィキペディア参照。あるいは→YouTubeで「ヴァンパイア / VAMPIRE」でも聴いてみて。いや、それよりもこの映画の予告編等4つの動画を1つにまとめて日本語字幕をつけた動画が数日前に公開されてるのですね。(→コチラ。) いやあ、労を惜しまない熱烈ファンがいらっしゃるものです。この動画でもわかるように、コンサートVだけでなく、新曲の録音現場、振り付けの練習、現場リハーサル等々の様子も収められています。原題は「아이즈 온 미 : 더 무비」です。日本での公開はどういう形になるのかはどこかで検討中なんでしょうね?
 なお、今回も旧作が2作品新たにランキング入り。9位「君の名前で僕を呼んで」はまだ記憶に新しいですが、「レオン」はもう4半世紀にもなるのですね。考えてみればナタリー・ポートマン(1981~)が少女役で注目され、人気スターへの一歩を踏み出した作品だし・・・。なお、最初公開された1994年版は111分で、その後リュック・ベッソン監督が22分の新たなシーンを加えた完全版が1996年に公開されています。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・上映館数
1(15)・・イントゥ・ザ・スカイ・・・・・・・・・・・・・・6/10 ・・・・・・36,253 ・・・・・・・・・52,422 ・・・・・・・・・467・・・・・・・・534
       気球で未来を変えたふたり
2(1)・・エスケープ・フロム・プレトリア ・・・・5/06・・・・・・・・7,542 ・・・・・・・・213,731・・・・・・・・1,826・・・・・・・・177
3(再)・・君の名前で僕を呼んで・・・・・・・2018/3/22・・・・・・・・7,448 ・・・・・・・・212,931・・・・・・・・1,791・・・・・・・・・69
4(再)・・グランド・ブダペスト・ホテル・・2014/3/20・・・・・・・4,959 ・・・・・・・・828,477・・・・・・・・6,462・・・・・・・・・84
5(新)・・君は月夜に光り輝く(日本)・・・・・・・・5/20 ・・・・・・・・4,958・・・・・・・・・・8,723 ・・・・・・・・・・78・・・・・・・・167

 1・5位の2作品が新登場です。
 1位「イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり」については上述しました。
 5位「君は月夜に光り輝く」は、私ヌルボは観てないのでコメントする資格はないですが、先週書いたようにいわゆる難病物には最初から拒否感がある上、その病気というのが現実にはない奇病となるとなんだなー、です。<NAVER映画>のコメントを見ると、映画誌「スクリーン」のチョン・ユミ氏も同じ月川翔監督の「君の膵臓をたべたい」と比較すると「設定はよく似ているが、今度は演出もキャスティングも光らない。前作の踏襲に止まって、キャスティングも前作のイメージの繰り返しに近い」と批判していますね。韓国題は「너는 달밤에 빛나고」です。
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韓国内の映画 週末の興行成績 [6月5日(金)~6月7日(日)]と、人気順位 ►「37セカンズ」は年間ベストレベルかも。別件:図書館にあった「虚構の映像」という本ですが・・・

2020-06-09 19:04:13 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸5日(金)はシネマ・ジャック&ベティで「37セカンズ」、6日(土)は横浜シネマリンで「アリ地獄天国」、そして8日(月)はkino cinema横浜みなとみらいで「ハリエット」と、この2ヵ月近いオアズケ状態から解き放たれて堰を切ったように映画館に行ってます。どの館も間隔を空けて座るようになっていて座席表は最初から市松模様。極力隣りが空いていることを望む私ヌルボにとっては好都合です。が、映画館としてはまだまだ厳しい状況は続くようです。

▸上記作品中、見出しにも書いた「37セカンズ」について。この作品(実は日米合作映画)、コロナ休みに入るけっこう前の2月7日から始まっていたのですが、その間なぜ観る気が起こらなかったかというと単純にフツーの障碍者物?となんとなく思ってしまったから。とくに近年、たとえば次のような作品にはあまり食指が動かないどころか、「またか」と思って最初から「観ない」方に振り分けることがよくありました。つまり「難病」「亡くなった人の霊」「LGBT」「認知症」「余命〇日」等
 多少なりとも気になる作品は公式サイトや専門家の評を見ますが、私ヌルボの場合は実際その映画を観た人たちの感想をよく参考にします。この「37セカンズ」の場合は、とくに<映画.com>の映画レビューや評点を見て、その評価の高さに「じゃあ観てみるか」ということにしました。※この<映画.com>のレビューを読む度に、皆さん文章が上手いなあとつくづく思います。
 別の言い方をすれば、「37セカンズ」についての表面的な内容紹介等の記事は少なくとも自分にとっては逆効果だったということ。書店で「どんでん返しあり」コーナーはダメでしょ云々の議論がありましたが(←「ハリエット」のポスターにその点でちょっと疑問も・・・)、誤った先入観を持たせたりするのも宣伝の失敗ですね。(って、自分の誤解はタナにあげて・・・。) まあ、「37セカンズ」の場合、いろんな要素のある作品なので紹介・宣伝の仕方がむずかしいと思いますが・・・。そんなワケで、むしろ事前に何の情報も仕入れないで観るのもありかも。
 で、観た感想ですが、委細はあえて省略。絶対オススメの作品です。あと3週間残ってますが、今年上半期公開の日本映画の中でも最上級レベルだと思います。(って新作の日本映画、ほんの少ししか観てませんが・・・。) また主人公役の佳山明、その母親役の神野三鈴(←小曽根真夫人なのか)は演技賞モノ。

▸今後観ようかな、と思った作品の多くは、例のごとく→シネマ・ジャック&ベティの近日上映予定作品の中に入っています。その88作品中から自分用のメモ。
 「SKIN スキン」「ブルース・リー 4Kリマスター復活祭2020」「ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶」「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」「はちどり」「いつくしみふかき」「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記」「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記」「コロンバス」「街の上で」「マルモイ ことばあつめ」「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」「ゴーストマスク 傷」。
 ・・・しかし、新型コロナがこのまま鎮静化すればいいんだけど、確証はないからねー。

▸話には聞いていた西田哲雄「虚構の映像」(批評社ル1988)という本。副題が「申相玉・崔銀姫事件の真相」というトンデモ本(?)というか何というか・・・。内容は以下のごとし。
 大韓航空機事件以来、執拗に繰返される「北犯行説」の真相は何か? 韓国国家安全企画部によって捏造された申相玉と崔銀姫の失踪事件に巻き込まれた日本の一青年が怒りを込めて事件の全貌を明らかにする迫真のルポ。
 ・・・で、この本が横浜市立図書館にあったので借りてきました。韓国・北朝鮮関係で、このほかにも天安艦沈没事件やセウォル号事故等々、揣摩臆測をよんでいるネタはいろいろあるからねー。

         ★★★ NAVERの人気順位(6月9日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(3) こんにちは、ミヌ(韓国)  9.59(29)
②(1) レ・ミゼラブル:ザ・ステージド・コンサート  9.51(86)
③(2) ビホールド・マイ・ハート  9.46(28)
④(4) ライド・ライク・ア・ガール  9.44(149)
⑤(5) 私はポリ(韓国)  9.41(73)
⑥(9) レミ:家なき子  9.29(31)
⑦(8) ネコの執事(韓国)  9.26(61)
⑧(7) トムボーイ  9.24(356)
⑨(-) ネヴァー・ルック・アウェイ  9.16(125)
⑩(6) クイーンズ・オブ・ザ・フィールド  9.14(14)

 今回新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃え立つ若い女性の肖像  9.22(9)
②(-) はちどり(韓国)  8.38(13)
③(3) ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語  8.00(10)
④(4) 1917 命をかけた伝令  7.67(9)
⑤(5) トムボーイ  7.33(9)
⑥(6) チャンシルは福も多いね(韓国)  7.00(10)
⑦(7) 透明人間  7.00(2)
⑧(8) きみの鳥はうたえる(日本)  6.86(7)
⑨(-) こんにちは、ミヌ(韓国)  6.75(4)
⑩ (新) フランス女(韓国)  6.67(6)

 ⑩「フランス女」が新登場です。この作品については後述します。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績6月5日(金)~6月7日(日) ★★★
        韓国映画の新作ミステリー「侵入者」が20万人を超え、ダントツ1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・侵入者(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・6/04・・・・・・・・・・238,417・・・・・・・288,816 ・・・・・・・・2,678 ・・・・・・1,363
2(2)・・グレイテスト・ショーマン・・2017/12/20 ・・・・・・・50,325 ・・・・・1,589,815 ・・・・・・・12,673・・・・・・・・519
3(1)・・アンダーウォーター・・・・・・・・・5/27・・・・・・・・・・・21,473・・・・・・・101,319・・・・・・・・・・870・・・・・・・・493
4(3)・・エスケープ・フロム・プレトリア ・・5/06 ・・・・・・・16,478・・・・・・・200,247 ・・・・・・・・1,732・・・・・・・・405
5(再)・・マッドマックス ・・・・・・・・2015/5/14・・・・・・・・・・・8,843 ・・・・・3,895,438 ・・・・・・・33,499・・・・・・・・・38
       怒りのデス・ロード
6(5)・・ラ・ベル・エポック ・・・・・・・・・・・5/20 ・・・・・・・・・・・7,314・・・・・・・・55,133・・・・・・・・・・475・・・・・・・・219
7(新)・・フランス女(韓国)・・・・・・・・・・・6/04 ・・・・・・・・・・・6,523・・・・・・・・・8,545・・・・・・・・・・・65・・・・・・・・243
8(新)・・トゥルー:風変わりなめんどり・・6/04・・・・・・・・5,711・・・・・・・・・6,546・・・・・・・・・・・51・・・・・・・・299
9(11)・・ライフ・オブ・パイ・・・・・・2013/1/01 ・・・・・・・・・・・4,575 ・・・・・1,645,334 ・・・・・・・16,374・・・・・・・・・77
       /トラと漂流した227日
10(6)・・ミスビヘイビア ・・・・・・・・・・・・5/27 ・・・・・・・・・・・4,530・・・・・・・・24,771・・・・・・・・・・206・・・・・・・・204
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 あいかわらず全体的には観客動員数の停滞が続く中、新作の韓国映画「侵入者」が20万人の大台を超えたのが明るい兆し、と言えるかどうか? 新登場は1・7・8位の3作品です。
 1位「侵入者」は、韓国のミステリー&スリラー。しばらく前に事故で妻を失い、失意に陥っている建築家のソジン(キム・ムヨル)のところに、25年前にいなくなった妹を見つけたとの連絡が来ます。初めて会った自分を親しげに「お兄さん」と呼ぶユジン(ソン・ジヒョ)がどこか不自然に感じるソジンとは違って、家族たちはすぐに彼女を受け入れます。ところがユジンが帰ってきた後、家族に奇妙なことが起き始め、それを不審に思ったソジンは妹の秘密を追うと、自分の日常を根こそぎ揺るがした事件に彼女が関連していることを知ります・・・。原題は「침입자」です。
 7位「フランス女」は、韓国のドラマ。40代の女性ミラ(キム・ホジョン)は、かつて女優を夢見ていましたが、パリ留学中にフランス人の夫と落ち着くことになります。その後別れの痛みを経て、久しぶりに韓国に戻って来ました。そしてミラは20年前に公演芸術アカデミーで共に学んだ旧友たち、映画監督のヨンウン(キム・ジヨン)、演劇の演出家ソンウ(キム・ヨンミン)たちと再会します。彼女は2年前に世を去った後輩の俳優ヘラン(リュ・アベル)について思い出そうとしますが、どれも鮮明ではない記憶の中でミラは一瞬にしてその頃に戻って夢と現実が交差し、過去と現在を行き来する特別な旅をすることになります・・・。原題は「프랑스여자」です。
 8位「トゥルー:風変わりなめんどり」(仮)は、スペイン・アルゼンチン合作の子供向き音楽アニメ。卵を産ないめんどりのトゥルーはからかわれていました。しかし、気立ての優しいイザベルおばあさんはそんなトゥルーに歌う才能があるという事実を知って音楽を教えてくれます。そして農場で幸せな時を過ごしていましたが、ある日おばあさんが屋根から落ちる事故に遭って記憶を失ってしまい、トゥルーさえわからなくなってしまいます。おばあさんの記憶を取り戻すためにトゥルーはサーカスで歌を歌い、一気にスーパースターになります。しかし欲張りなサーカス団長トラブリーはトゥルーを独占しようと陰謀をたくらみますが・・・。韓国題は「슈퍼스타 뚜루(スーパースター トゥルー)」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・エスケープ・フロム・プレトリア ・・・・5/06・・・・・・・16,478 ・・・・・・・・200,247・・・・・・・・1,732・・・・・・・・405
2(2)・・ラ・ベル・エポック ・・・・・・・・・・・・・・・・5/20・・・・・・・・7,314 ・・・・・・・・・55,133 ・・・・・・・・・475・・・・・・・・219
3(5)・・ライフ・オブ・パイ・・・・・・・・・・・・2013/1/01・・・・・・・・4,575・・・・・・・1,645,334・・・・・・・16,374・・・・・・・・・77
       /トラと漂流した227日
4(4)・・さらば、わが愛/覇王別姫 ・・・・・1993/12/24・・・・・・・・2,240 ・・・・・・・・・94,966 ・・・・・・・・・853・・・・・・・・・66
5(再)・・ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります・・2016/1/21・・1,086・・・・・・37,799 ・・・・・・・・・280・・・・・・・・・31

 今回新登場の作品はありません。5位「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」は、日本でも韓国と同じ16年1月に公開されました。韓国題は「브루클린의 멋진 주말(ブルックリンのすてきな週末)」と相当違います。原題は「Ruth & Alex」と全然別の作品みたい。どうも欧米の作品はタイトルで客を集めようという意図が強くないのでは?
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韓国内の映画 週末の興行成績 [5月29日(金)~5月31日(日)]と、人気順位 ►55日ぶりに映画館に行った!(←客は4人だけ) 別件、アベノマスクより先に例の10万円の書類が届いてホッとする

2020-06-03 23:04:40 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸神奈川県では大多数の映画館は1日(月)から営業再開。今週末まで数日待たなければならない所もあります。そして私ヌルボが5月31日(日)、55日ぶりに行った映画館チネチッタはその日が再開3日目でした。しかし、16:40の回で290席ある客席数に客はわずか4人でした。
 この川崎のチネチッタという映画館については、昨日(2日)ツイートしました(→コチラ)。「<映画の街>川崎を長く牽引してきた歴史ある映画館」であり、また「建物自体の魅力で一番オススメの映画館」です。東京からも近いし、機会があればぜひ行ってみて下さい。
  

▸<チネチッタ>という館名はローマにある映画撮影所の名によるものとか。この映画館の一帯も2002年に<ラ チッタデッラ>(小さな街)というイタリアのフンイキが漂う(←ヌルボは行ったことないけど)街区となりました。
 で、そのチネチッタで観た作品は(あの京アニの)アニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝」。舞台はもちろん架空の街ですが、ある記事によればジェノヴァがモデルという話も。たしかになんとなくイメージが重なる感じです。

▸この2ヵ月、この10年のコミックを大人買い&まとめ読みしてきましたが、映画の原作となった作品が非常に多いことを今さらながら痛感。
 小説の映画化作品の場合は、あの「風と共に去りぬ」も含めて8割(9割?)以上は原作の勝ちというのがヌルボの持論ですが、コミックの場合はアニメ・実写も含めて原作が勝っている比率はそこまで高いかどうか、まだよくわかりません。とくにアニメの描写力はそれだけでスゴイと思ったことは何度もありました。「ヴァイオレット~」で言えば乾いた石畳の路面(だったか??)に雨が降ってきて濡れた部分が広がっていく場面とか。

▸そういえば、先日横浜西口のヨドバシに行った時、マンガやイラスト制作ソフトの入ったタブレットがあり、マンガ制作用の教本も何冊か置いてありました。なんとなくページを開くと、具体的な技法がギッシリ。人物や動植物、自然や街並み等々だけでなく、内容に合わせた色の使い方、たとえば明治大正風の配色とかも。そういえば、愛用のPCに最初から入っているペイントにしても、線を引く時ペンにマーカーにエンピツに各種ブラシとそろってるからなー。20年ほど前(?)にはすでに写真もそれなりに加工できたし、将来的には原素材を自在に加工できるようになるのでしょうね。風景の画像を数回クリックすればモネ風になったり、自撮り写真をゴッホ風にしたり浮世絵風にしたり・・・って、すでにけっこう実現されてるのかな?
 便利といえば便利だけど、クリエイターにしてみれば<独創性>という点でいろいろ大変かも。また最近何かで読みましたが、著作権にも関わりそう。たとえば手塚治虫のキャラクターにどれだけ似ていたら盗作とされるのか等々。←これについては私ヌルボ、全然わかりません。
▸アベノマスクまだ届いてない!けど、例の10万円の関連書類はめでたく届きました。逆じゃなくてよかった。とりあえずホッとしました。

         ★★★ NAVERの人気順位(6月2日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) レ・ミゼラブル:ザ・ステージド・コンサート  9.62(82)
②(2) ビホールド・マイ・ハート  9.59(27)
③(新) こんにちは、ミヌ(韓国)  9.43(21)
④(4) ライド・ライク・ア・ガール  9.42(145)
⑤(3) 私はポリ(韓国)  9.36(67)
⑥(新) クイーンズ・オブ・ザ・フィールド  9.33(12)
⑦(6) トムボーイ  9.29(333)
⑧(7) ネコの執事(韓国)  9.27(56)
⑨(新) レミ:家なき子  9.23(26)
⑩(新) ラン・ボーイ・ラン(韓国)  9.08(36)

 ③⑥⑨⑩の4作品が新登場です。
 ③「こんにちは、ミヌ」は韓国のドキュメンタリー。故郷の家の裏山ヒマラヤは知らなくても「木浦の涙」が愛唱曲というネパールの人ミヌ。20歳の時に韓国に来て以来食堂、縫製工場等で働き、そしてバンドボーカルまで計18年。韓国を誰よりも愛し、青春を捧げてきましたが、11年前に強制追放されます。ネパールに帰国後堂々たるビジネスマンになりましたが、韓国が懐かしくてたまりません。そんなミヌのために昔のバンドのメンバーたちがネパールにやってきて一緒に舞台に立ちます。目には涙が浮かべたミヌのマイクを握った手もふるえます。夢のような公演が終わってミヌは「私もう死んでもいい」と明るく笑います・・・。原題は「안녕, 미누」です。
 ⑥「クイーンズ・オブ・ザ・フィールド」(仮)はフランスのコメディ&ドラマ。サッカーが盛んな都市で古い伝統を持つフットボールクラブSPACは決勝戦を控えて解体の危機に置かれます。コーチのマルコ(カド・メラッド)は精鋭女性選手団を募集してクラブの再生を図ろうとします。フィールドの近くに行ったこともない初心者の選手たちと一緒に苦しい状況の中、速成でトレーニングを開始しますが・・・。韓国題は「싸커 퀸즈(サッカー クイーンズ)」。日本公開はこれも不明?
 ⑨「レミ:家なき子」(仮)は、フランスのドラマ。言うまでもなくエクトール・マロの有名な児童文学作品「家なき子」(1878)の映画化作品です。これまでにも1925年以来何度も実写やアニメ、TV等で映像化されてきましたが、→コチラの記事によれば原作に最も忠実な1981年のTVシリーズの90分×3に比べると本作は105分。ということは“矛盾を含んだ大胆な設定変更”によるとのこと。主人公レミの年齢や時代設定のこと等々。しかし基本ライン(?)はふまえているのかな。自分が捨て子になったことを知った少年レミ(マルーム・パキン)は、ある日旅芸人のビタリス(ダニエル・オートゥイユ)と出会います。レミが持っている美しい声と歌の才能を見出したビタリスはレミーにとって暖かい師であり、人生の案内者になってくれます。2人は動物を友として一緒にフランス全土を旅して公演を続けていきます。度重なる試練の中でも希望を失わず、夢を歌うレミは、ある日自分の出生の秘密を解く手がかりを知ります・・・。韓国題は「레미: 집 없는 아이」。日本公開は未定?
 ⑩「ラン・ボーイ・ラン」は、韓国のドラマ。嘱望される陸上選手だったドウォン(チャン・ドンユン)は不慮の事故で負傷してしまいます。その後逃げるように転校した学校で子供の頃一緒に走ったりして仲の良かったジンス(ソ・ビョクチュ)に出会います。しかし再会のうれしさも束の間、純粋だった過去とは違う姿のジンスと一緒になったドウォンは予期せぬ出来事に巻き込まれてしまいます・・・。ミニシアター系の作品で、「青春の彷徨と痛みがそのまま感じられる映画」とのネチズン評が散見されます。原題は「런 보이 런」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃え立つ若い女性の肖像  9.22(9)
②(2) パラサイト 半地下の家族[寄生虫](韓国)  9.06(16)
③(4) ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語  8.00(10)
④(5) 1917 命をかけた伝令  7.67(9)
⑤(6) トムボーイ  7.33(9)
⑥(8) チャンシルは福も多いね(韓国)  7.00(10)
⑦(9) 透明人間  7.00(2)
⑧(10) きみの鳥はうたえる(日本)  6.86(7)
⑨(-) 天気の子(日本)  6.57(7)
⑩(新) 長いお別れ(日本)  6.50(4)

 ⑩「長いお別れ」が新登場です。日本ではほぼ1年前蒼井優・竹内結子・松原智恵子・山崎努等の共演で公開されましたが、私ヌルボは観てないんですよね。中島京子の原作も。山崎努演じる「だんだん認知症が進んでいく父親」の年齢がほぼヌルボの同じだし、「ゆっくり記憶を失っていく」というのはまさに同じじゃないか!?と思うと、とても他人事とは思えなくて・・・。うーん、なさけないのう、けほけほ。韓国題は「조금씩, 천천히 안녕(少しずつ、ゆっくりとこんにちは)」です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月29日(金)~5月31日(日) ★★★
        アメリカのスリラー「アンダーウォーター」が1位だが、観客動員数は停滞続く

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・アンダーウォーター ・・・・・・・・5/27 ・・・・・・・・・・42,325・・・・・・・・58,259・・・・・・・・・・488・・・・・・・・594
2(1)・・グレイテスト・ショーマン・・2017/12/20 ・・・・・・・35,045 ・・・・・1,514,468 ・・・・・・・12,206・・・・・・・・473
3(2)・・エスケープ・フロム・プレトリア ・・5/06 ・・・・・・・26,085・・・・・・・171,328 ・・・・・・・・1,473・・・・・・・・473
4(67)・・マラサーニャ32 ・・・・・・・・・・・・5/27 ・・・・・・・・・・11,906・・・・・・・・19,458・・・・・・・・・・158・・・・・・・・392
5(3)・・ラ・ベル・エポック ・・・・・・・・・・・5/20 ・・・・・・・・・・10,046・・・・・・・・42,009・・・・・・・・・・356・・・・・・・・333
6(29)・・ミスビヘイビア ・・・・・・・・・・・・5/27 ・・・・・・・・・・・8,867・・・・・・・・14,787・・・・・・・・・・118・・・・・・・・378
7(新)・・焦眉の関心事(韓国)・・・・・・・・・5/27 ・・・・・・・・・・・6,457・・・・・・・・10,351・・・・・・・・・・・82・・・・・・・・380
8(28)・・九人の僧侶(韓国)・・・・・・・・・・・5/27 ・・・・・・・・・・・5,071・・・・・・・・・9,020・・・・・・・・・・・54・・・・・・・・141
9(4)・・ザ・プラットフォーム ・・・・・・・・5/13 ・・・・・・・・・・・4,488・・・・・・・・61,779・・・・・・・・・・566・・・・・・・・157
10(7)・・さらば、わが愛/覇王別姫・・1993/12/24・・・・・・・・3,203・・・・・・・・90,898・・・・・・・・・・815・・・・・・・・・99
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は1・4・6・7・8位の5作品とここにきて一度に増えましたが、観客動員数はまだ停滞しています。
 1位「アンダーウォーター」は、アメリカのスリラー。電気技師のノラ・プライス(クリステン・スチュワート)等ケプラー基地の隊員たちは、水深約11kmの海底にある施設で30日間巨大な水圧に耐えながら掘削作業を続け、研究調査を行っていました。ところがある日大きな地震が起こり、急流がコンクリート構造物を貫通して押し寄せて基地はあっという間に破壊されます。突然の大災害の中でかろうじて生き残った隊員たちはノラをはじめとする5人。彼らが試すことができる唯一の助かる方途は、別の海底基地ローバックに移動することだけ。しかし、暗い深海に存在するのは彼らだけではありませんでした。何かが彼らのあとをついてきている・・・。隊員たちは地震で目覚めた得体の知れない捕食者と追いつ追われつの危険なゲームに閉じ込められてしまいます・・・。韓国題は「언더워터」。日本公開は未定のようです。
 4位「マラサーニャ32」(仮)は、スペインのホラー。物語の舞台は1976年スペイン。オルメド家の6人家族は、新しい出発を夢見て長く暮らした村から首都マドリードの人気スポット・マラサーニャ地区の近くに移住しました。が、彼らが引っ越した家にいるのは彼ら家族だけではありませんでした。怪しいオーラが漂う中、不思議な存在が家族たちの新しい人生を恐ろしい悪夢に変えてしまうのでした・・・。韓国題は「그집(その家)」。日本公開は未定のようです。
 6位「ミスビヘイビア」は、英・仏合作のドラマ。1970年のロンドン、ミス・ワールド大会決勝のステージで、そのようすはボブ・ホープの司会で生中継され、・・・と言えば、美を競う華やかな映画と思われるかもしれませんが、当時は人権をめぐる多様な運動が世界各地で展開されていた時代。ミスコンに対しても抗議の声が上がりました。そしてこの世界が注目する最高のミスコンの場にも、サリー・アレキサンダーとジョー・ロビンソンという2女性が潜入して女性の性的対象化と性の商品化反対を叫んだの実話に基づいた作品です。歴史研究家として実力では勝っていても女性という理由だけで学界では無視されているサリー(キーラ・ナイトレイ)は女性運動家でもあります。彼女が女性の性的対象化の主犯とみなしたミス・ワールドにアーティストのジョー(ジェシー・バークレー)が協力し、一発くらわしてやろうと作戦を練ります。一方、史上初のミス・グレナダとしてコンテストの舞台に立ったジェニファー(ググ・バサ=ロー)は黒人の子供たちに希望を伝えたいとの思いがありました。本作品は、一見正反対に見える女性解放運動家とミスワールド参加者双方の視覚を公平に扱っているとのことです。原題「Misbehaviour」は不作法、不品行の意で、韓国題もそのまま「미스비헤이비어」。日本公開は未定、かな?
 7位「焦眉の関心事」は、韓国のドラマ。歌手ブルーとして活動して評価を受けているスンドク(キム・ウンギョン)のところに、ある日性格の違いから別居中(?)の母親(チョ・ミンス)が押しかけてきて壊滅的なニュースを伝えます。それは末の妹ユリ(チェ・ジス)がお母さんの店の借り賃とスンドクの非常用のお金を持って家をとびだしたということ。けしからんユリの追跡のために、2人は手を握って都市を歩き回ります。しかし正反対の性格の2人はことあるごとにぶつかり合います。追跡の末に明らかになった末っ子の秘密は、極まりなく怪しいものだったのですが・・・。原題は「초미의 관심사」です。
 8位「九人の僧侶」は、韓国のドキュメンタリー。<安居(あんご)>という仏教用語があります。「それまで個々に活動していた僧侶たちが一定期間1ヵ所に集まって集団で修行すること」で、韓国仏教でも同じ発音・意味の<안거>があります。本来的には雨期に行われる夏安居だったのが、東アジアに仏教が伝来して冬安居も行われるようになったとか。
このドキュメンタリーは、真冬の暖房器具のない閉鎖されたテントで9人の僧侶が7つの厳格な規則を守りながら90日間の参禅の日々を密着取材した記録です。ただ1着の服と一日一食の極限の修行を続ける中、うめき声ひとつ出さなかった僧侶たちにも危機が訪れてきます・・・。原題は「아홉 스님」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・エスケープ・フロム・プレトリア ・・・・5/06 ・・・・・・・26,085・・・・・・・・171,328・・・・・・・・1,473・・・・・・・・473
2(2)・・ラ・ベル・エポック ・・・・・・・・・・・・・・・・5/20 ・・・・・・・10,046・・・・・・・・・42,009 ・・・・・・・・・356・・・・・・・・333
3(新)・・焦眉の関心事(韓国)・・・・・・・・・・・・・・5/27 ・・・・・・・・6,457・・・・・・・・・10,351 ・・・・・・・・・・82・・・・・・・・380
4(3)・・さらば、わが愛/覇王別姫 ・・・・・1993/12/24・・・・・・・・3,203・・・・・・・・・90,898 ・・・・・・・・・815・・・・・・・・・99
5(再)・・ライフ・オブ・パイ・・・・・・・・・・・2013/1/01・・・・・・・・2,893・・・・・・・1,638,171 ・・・・・・16,331・・・・・・・・102
       /トラと漂流した227日

 3位「焦眉の関心事」が新登場ですが、これについては上述しました。
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