ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画の興行成績 [3月26日(金)~3月28日(日)]と人気順位 ►アカデミー賞、もっと娯楽性を期待 ►「キミは何を求めて本を読むの?」と重ねて問いたい

2021-03-31 19:59:04 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶先週の記事で「花束みたいな恋をした」に関連して本のことを書きました。その映画の中で「その人は、きっと今村夏子さんのピクニック読んでも何も感じない人だ」というセリフがちょっとしたキーワードのような形で語られます。(→コチラ) 私ヌルボは未読だったし、気になったので読んでみました。もちろん自分自身が「何も感じない人」かどうかPCR検査を受けるような感じ(?)で。ネット上にも関連記事が多数ある中、とくに参考にかつたのは次の3つ(いずれもネタバレ)。→その1、→その2、→その3
 で判定結果は、「何も感じない」の意味が「作者の<仕掛け>がわからない」ということならno、「感動しない」ということならyesでした。今村夏子の芥川賞受賞作「むらさきのスカートの女」は文藝春秋で読んでいて、その時とほぼ同じ感想。その時の選者たちの選評は→コチラで読むことができますが、その中で私ヌルボが共感を抱いたのは高樹のぶ子さんの「裏に必死な切実さが感じられなければ・・・」というくだり、そして島田雅彦さんの「商品としては実にウエルメイド」「エンターテイメント・スキルだけでは「物足りない」のも事実」という指摘です。今村夏子さんは2010年には「あたらしい娘」(→「こちらあみ子」に改題)で太宰治賞を受賞しました。約半世紀前、私ヌルボの青春期を思い起こすと、1969年の太宰治賞・秦恒平「清経入水」はその年の「展望」8月号(大学闘争の真っただ中)で読みました。 また1970年下半期の芥川賞は古井由吉「杳子」で、これも受賞の前に「文芸」同年70年8月号(大学闘争の衰退期)で読み、何か新しい感覚が呼び覚まされた感じでした。しかし半世紀経った今、これらの本についていくら熱く語ってもとくに若い世代(だけじゃないネ)には通じないだろうし、先週の記事にも書いたように「何を求めて本を読むのか?」ということから決定的な違いがあるように思います。

▶上記の本の話はアカデミー賞について書く前フリのつもりで書き始めたのがつい長くなりすぎてしまいました。「ミナリ」に続いてアカデミー賞作品賞の最有力候補とされている「ノマドランド」を観て「やっぱりなー」と思ったことがあります。それはドチラも観終わってカタルシスがない!ということ。もちろんそれが<名作>の条件じゃないことは十分(?)承知していますが・・・。1年ほど前にも書きましたが、<歴代のアカデミー賞作品賞>を→コチラ等を見ながら振り返ってみると、近年(とくにこの10年)「コレは感動した! みんな観てね!」という作品はほとんどないんですよねー。<アカデミー賞歴代ランキング>(→コチラ)を見ても上位30位中の製作年は40年代=6、50年代=5、60年代=5、70年代=6で7割を超えています。映画と小説を比べると、本来的に映画の方が娯楽性は高かったはずだし、今もそうなんでしょうが、社会派的傾向のベルリン、文学的な傾向のカンヌ、芸術的な傾向のベネチアといったヨーロッパの映画賞に対して、以前は娯楽性も重視していたはず(?)のアカデミー賞がこのところ社会的・政治的イシュー(トレンド??)にかなりとらわれるようになってきているようです。私ヌルボとしては、やっぱり多くのファンが楽しめる作品を中心に選んでほしいと思いますが・・・。
 ※その一方、日本の芥川賞、いや小説全体がもしかしてエンタメっぽくなってるなじゃないの!?・・・と言いたかったのサ。

▶この1週間で観た映画は以下の2本です。
 ・「藁にもすがる獣たち」★★★★(観客がアタマの中で時系列を再構成するんだな、と早目に気づかないとな・・・と、こんなチミツな構成は日本人作家(曽根圭介)の原作だから? amazonの3年前のレビューに「映像化不可能の面白さ」とあったが、映像化しちゃったのは韓国だから? エゲツナイシーンがあるのも韓国映画だから、ってのも固定観念先行の見方かも。ユン・ヨジョン先生扮したおばあさんが盛大に燃え上がる炎を家族とボーッと見てるシーン、いくら記憶力の鈍い私ヌルボでもコレは憶えてるゾ・・・。)
 ・「ノマドランド」★★★★☆ (広大な自然が広がるアメリカ中西部の道をキャンピングカーをねぐらとして行き来している季節労働者たちがこんなにも大勢いるとは! Amazonの作業場もあるし・・・。彼らが親しくハグしたり言葉を交わしたり、美しい自然を背景に食事をする場面を見ると「1週間程度なら」そんな旅も悪くないかも、と思うかもしれないが・・・。「ミナリ」と比べると会話の穏やかさが対照的(笑)。)

▶今回の記事で紹介した作品の中で個人的に「コレは観たい!」と思ったのは、第19回東京フィルメックスで最優秀作品賞を受賞した「アイカ」と、韓国映画の「ファイター」です。

▶今年の<花開くコリア・アニメーション2021+アジア>(花コリ2021)はオンライン開催となりました。期間は5月19日(水)昼12時~23日(日)深夜12時。詳しくは→公式サイト参照。

         ★★★ NAVERの人気順位(3月30日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) 復活(韓国)  9.66(104)
②(1) モンテ・クリスト:ザ・ミュージカル・ライブ(韓国)  9.59(29)
③(3) そしてパン・ヘンジャ(韓国)  9.52(31)
④(新) アイカ  9.50(10)
⑤(4) きみの瞳が問いかけている(日本)  9.49(49)
⑥(5) 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(日本)  9.48(1,015)
⑦(-) カナの婚宴:口約  9.42(373)
⑧(-) ブータン 山の教室  9.42(155)
⑨(6) ドリーム・ファクトリー  9.42(38)
⑩(7) 復活: その証拠(韓国)  9.34(399)

 ①と④の2作品が新登場です。
 ①「復活」は、スーダンの小さな町トンズで内乱が長く続く中、貧困や病に苦しむ人々の中に入り、医者・教師、さらには指揮者・建築家としても献身的に尽くした「トンズの父」こと故イ・テソク神父の48歳の生涯を撮ったドキュメンタリー「泣くな、トンズ」(2010)と、その続編「泣くな、トンズ2:シュクラン ババ」(2020)に続くドキュメンタリーです。イ・テソク神父がトンズに蒔いた愛の種が花を開いているという話です。10年後、彼の愛に育った弟子たちを訪ねて行くと、医師、薬剤師、公務員、医学部に通う弟子等々40人余り。驚くべきことに、誰もがイ・テソク神父の生活を生きていました。10万キロの長い道程を歩き、1年間彼らを追跡した本作。人々は神父が戻ってきたと喜んでくれました。人間が人間に対して花になってゆく、そんな感動を公開します・・・。原題は「부활」です。
 ④「アイカ」はロシア・カザフスタン・ドイツ・ポーランド・中国合作のドラマ。2018年第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門の出品作で、主演のサマル・エスリャーモヴァが最優秀女優賞を受賞しました。また同年の第19回東京フィルメックスのコンペティション部門でも最優秀作品賞を受賞した作品です。物語の舞台は冬のモスクワ。20代の女性アイカ(サマル・エスリャーモヴァ)は、より良い生活を夢見てキルギス共和国から出稼ぎに来ています。しかしアイカが持つ外国人用の労働許可証の期限はすでに切れているし、彼女のような出稼ぎ労働者にまともな仕事の口はありません。彼女は市内の病院で出産しますが、やっと得た仕事を守るため、赤ん坊を産んで初乳もしないうちに病院から逃げてしまいます。病院を出たアイカは体の具合が悪いのに、なんとかそれまでの職場、鶏肉処理場に復帰します。しかし月給は踏み倒されて、また新しい仕事を探さなければならなりません。さまよい歩く街に積もった雪のように、疲れる毎日が彼女にのしかかります・・・。韓国題は「아이카」。日本公開は未定のようです。(上記のような<実績>もあるのに、なんで?)

     【記者・評論家による順位】

①(1) ソウルフル・ワールド  8.44(9)
②(-) Mank/マンク  8.14(7)
③(新) スパイの妻(日本)  8.00(5)
④夏時間[ハラボジの家](韓国)  7.83(12)
⑤(2) ミナリ  7.58(12)
⑥(3) 冬の夜に(韓国)  7.33(6)
⑦(新) アイカ  7.20(5)
⑧(4) 本当に遠いところ(韓国)  7.14(7)
⑨(-) ブータン 山の教室  7.00(5)
⑩(6) 光と鉄(韓国)  6.83(6)

 ③と⑦の2作品が新登場です。
 ③「スパイの妻」は、昨年の第25回釜山国際映画祭ガラプレゼンテーションに出品された作品。黒沢清監督はコロナ禍のため釜山に行けませんでしたが、「韓国の方々がこの話をどのように受け止めるのか、僕としても興味がある」と語っていました。この高評価は私ヌルボとしては予想通り。今、あの旧満州での<おぞましい話>に対する関心は日本よりも韓国の方が高いようだし(ホンマか?)。ネチズンのレビューを見てもほとんど好評。「<個人的な快適さと利己的愛国心を捨てた"変な男>を眺める視線に。久しぶりにどっしりとした戦争映画が出てきた」等々。なお、「蒼井優がこのような傾向の映画を撮ったのは意外」との感想がいくつもありました。「これまでの思想が変わった?」なんてのもあったりして・・・。韓国題は「스파이의 아내」です。
 ⑦「アイカ」については上述しました。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績3月26日(金)~3月28日(日) ★★★
       「ゴジラvsコング」が日本より7週早く韓国に上陸、即1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・ゴジラvsコング・・・・・・・・・・・・・3/25 ・・・285,905 ・・・・・・・325,086 ・・・・・・3,151 ・・・・1,295
2(2)・・劇場版「鬼滅の刃」・・・・・・・・・・・・1/27 ・・・・87,755 ・・・・・1,481,868 ・・・・・14,268 ・・・・・・709
       無限列車編(日本)
3(1)・・ミナリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/03 ・・・・64,430 ・・・・・・・817,255 ・・・・・・7,416 ・・・・・・756
4(21)・・ザ・ボックス(韓国)・・・・・・・・・・3/24 ・・・・36,078・・・・・・・・・75,723 ・・・・・・・・621 ・・・・・・331
5(30)・・催眠(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・3/24 ・・・・25,617・・・・・・・・・36,663 ・・・・・・・・337 ・・・・・・506
6(3)・・ラーヤと龍の王国・・・・・・・・・・・・3/04 ・・・・19,146 ・・・・・・・302,254 ・・・・・・2,797 ・・・・・・418
7(5)・・ソウルフル・ワールド・・・・・・・・・1/20 ・・・・・7,568・・・・・・2,036,088 ・・・・・18,920 ・・・・・・183
8(35)・・スパイの妻(日本)・・・・・・・・・・・3/25 ・・・・・3,538 ・・・・・・・・・・4,983 ・・・・・・・・・44・・・・・・・120
9(8)・・モンテ・クリスト・・・・・・・・・・・・・3/19 ・・・・・2,680 ・・・・・・・・・13,010・・・・・・・・257・・・・・・・・75
       :ザ・ミュージカル・ライブ(韓国)
10(9)・・ブレイブ・オン・ザ・ファイア・・3/17 ・・・・・2,128・・・・・・・・・14,348 ・・・・・・・・113・・・・・・・・75
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は1・4・5・8位の4作品です。
 1位「ゴジラvsコング」は日本でも公開が近づいていて(5月14日)、→予告編も→公式サイトも当然用意されているので、内容等は一切省略します。韓国題は「고질라 VS. 콩」です。
 4位「ザ・ボックス」は韓国のドラマ。100のうち99は合わなくても、たった1つ合うものがあるとすればそれは音楽、という2人の若者。1人は、ボックス(ダンボール)の中では音楽的才能が爆発するジフン(パク・チャニョル)、もう1人は今は文無しだけど音楽については本能的な感覚に優れたプロデューサーのミンス(チョ・ダルファン)。偶然ジフンを発見したミンスは、10回の舞台を共にすることを確約させてバスキング(路上ライブ)の旅を始めます。ジフンの最初の舞台は有名な仁川のチャイナタウン。人々の前では歌えないジフンのために、ミンスはジフンの身長でも入れる大型冷蔵庫のボックスを手に入れて誰でもが知ってる歌にしようと提案し、ジフンは「愛国歌」(国歌)をエレキギターで演奏します。それは見る人を予想外に楽しませることになり、以後<ザ・ボックス>は、全州、光州5.18民主広場、慶州の瞻星台、麗水、蔚山、そして最後は釜山の海雲台(ヘウンデ)。これら各地の美しい背景を舞台に、コールドプレイ、ビリー・アイリシュ、ファレル・ウィリアムス、マライア・キャリー等の曲を演奏します。このように各地を移動する度に、路上ライブはより完成度を高め、観客の期待も高まっていきます・・・。ふうん、ルイ・アームストロングの「What A Wonderful World」も、ねー。ところで、この映画どう終わるのかな? 原題は「더 박스」です。
 5位「催眠」は韓国のスリラー。学校生活に忠実な英文科の大学生ドヒョン(イ・ダウィット)。偶然、編入生ジノ(キム・ナム)を通して催眠に関心を抱き、チェ教授(ソン・ビョンホ)による催眠治療を受けることになります。しかし催眠体験後、彼は知りもしない記憶の幻影を見始め、友人たちも次々に幻影に苦しめられることに。チェ教授はなぜドヒョンと友人たちに催眠をかけ始めたのでしょうか? 記憶の透き間、真実はそこにあります・・・。原題は「최면」です。
8位「スパイの妻」については上述しました。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ミナリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/03 ・・・・・64,430・・・・・・・・・817,255 ・・・・・・7,416・・・・・・・756
2(10)・・スパイの妻(日本)・・・・・・・・・・・・・3/25 ・・・・・・3,538 ・・・・・・・・・・・4,983・・・・・・・・・・44・・・・・・・120
3(新)・・ホタルのディンディンと・・・・・・・3/25・・・・・・・1,478 ・・・・・・・・・・・1,737 ・・・・・・・・・15 ・・・・・・・・99
       勇敢な昆虫探検隊
4(6)・・ファイター(韓国)・・・・・・・・・・・・・・3/18・・・・・・・1,414 ・・・・・・・・・・・4,670 ・・・・・・・・・37 ・・・・・・・・58
5(新)・・ジ・アザー・サイド・・・・・・・・・・・・・3/25・・・・・・・1,026 ・・・・・・・・・・・1,480・・・・・・・・・・・8 ・・・・・・・・20

 1位以外の4作品が新登場です。
 2位「スパイの妻」については上述しました。
 3位「ホタルのディンディンと勇敢な昆虫探検隊」は中国のアニメ。勇敢なホタルのディンディンと森の探検隊は森の仲間が危ない時にはいつも現れます。 探査ロボットのオーロラが宇宙から持ってきた最先端の信号灯は森の仲間の間で人気沸騰。ところが、その光を危険信号とみなす蛾の族長はディンディンや友人を攻撃し、外界の惑星から現われた赤いロボット軍団が森の仲間たち皆を捕まえていこうとします。はたしてディンディンや仲間たちは無事でいられるでしょうか・・・? 原題は「반딧불이 딘딘과 용감한 곤충 탐험대」です。(中国の人たちはまさか×近平が蛾の族長と見られるかも、とは全然思わんだろうな・・・。)
 4位「ファイター」は韓国のドラマ。昨年の<釜山国際映画祭>で上映された作品で、主演のイム・ソンミが<今年の俳優賞>を受賞しました。偶然ボクシングに魅了され、そのままボクサーになった若い女性ジナ(イム・ソンミ)の物語です。かけもちのアルバイトでつらい体の彼女がリングに上がって立ち向かったのは、外の世の中に出ることができなかった自分自身でした。人生での足掻きではないステップを教えてくれたボクシング。ジナがめざすものは、生きていくための真のファイティングを身につけることでした・・・。本作が他のほとんどのボクシング映画と異なるのは、リング上での試合に焦点を当てるのではなく、リングに上がるための体と心の訓練、鍛練の時間にほとんどすべてを費やしている点であり、試合やその勝敗には全く関心が払われていません。つまり、ボクシングを素材とした一女性の成長ドラマというべき作品です。※最近の<今年の俳優賞>受賞者にはチェ・ヒソや(「チャンシルさんには福が多いね」の)カン・マルグム等がいます。イム・ソンミの今後にも注目。原題は「파이터」です。→予告編ちょっと見てみて。
 5位「ジ・アザー・サイド」はスウェーデンのホラー。シリン(ディラン・グウィン)はボーイフレンドのフレデリック(ライナス・ヴァールグレーン)、そして彼の息子のルーカスと共に新しい家に引っ越すことになります。しかし、夜ごと壁越しに奇異な騒音が聞こえてきて、家の中を徘徊する奇妙な存在の気配を感じます。結局フレデリックが席を外した間、黒い影が2人を脅し始め、シリンは正体不明の存在からルーカスを守らなければならないことに・・・。え、監督自身がが直接体験した恐怖実話ですと? 
韓国題は「디 아더 사이드」です。
コメント
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韓国内の映画の興行成績 [3月19日(金)~3月21日(日)]と人気順位 ►期待していた「返校」と「少年の君」の日本公開決定、ヤッター! ►「花束みたいな恋をした」、キミは何を求めて本を読むの?

2021-03-25 23:50:15 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶自国以外の映画の公開本数は韓国の方が日本よりも多く、また日本でも公開される作品でも大多数は日本よりも何ヵ月も早く公開されます。そのためこのブログ記事を書きながらもおもしろそうな外国映画が日本での公開が未定の場合、「あ、これ観てみたい!」と思い、「日本での公開希望!」などと書いたりもしてきました。その希望が時おり実現した時にはうれしいものです。
 →昨年8月19日の記事で「台湾映画「返校:ディテンション」に注目!」と見出しにも書き、→ゲーム版も紹介したその作品が「返校 言葉が消えた日」という邦題で今年21年7月に公開されることが決定しました。(→コチラ等参照。) <第56回金馬奨>の主要12部門にノミネートし、5部門で受賞しという同作は40年に及ぶ台湾の負の歴史を描いたことで、台湾総統選挙にも影響を及ぼしたとのこと。とくにその「歴史への向き合い方」については→コチラの栖来ひかりさんの記事を参照されたし。なお、同作はすでに12月5日からNetflixで配信されているということです。
 もうひとつ、日本公開が決まった期待作が香港映画「少年の君」です。この作品についても、→昨年7月15日の記事で「日本で一般劇場公開の予定はないのかなー?」と書きました。韓国公開は昨年の7月2日。韓国ではその後今年初めまでずっと公開され、ネチズンの評価も9.40を超える高評価を維持してきました。それが→コチラの記事によると7月16日に日本での公開決定とのこと。韓国から1年以上遅いとはいえ、観られればいいです。先の記事でも書いたように昨年の<第15回大阪アジアン映画祭>での上映作(観客賞を受賞)なので日本初公開ではないのですが・・・。また、この作品はアカデミー賞の国際長編映画賞候補にもなっているのですね。関連の記事をいくつか見てみると、「東野圭吾の盗作」騒動も起こっているそうですね。(→コチラ。) それはそれとして、とりあえずは早く観てみたいものです。

▶この1週間で観た映画は以下の2本。
 ・「ミナリ」★★★★☆ (公開初日の17:50~の回で観たが客席数127で観客は10人くらい。予測をかなり下回ったなー。韓国では観覧客の平均評点が8.33で評論家等12人の方は7.58。「パラサイト」の数字はそれぞれ9.07と9.06なので、それ以下。わかるような気がする、というのはあえて(多くの観客が期待するような)カタルシスを避けているから。よく言えば淡々と描いているということ。その中でユン・ヨジョン先生の扮したおばあさんの存在感は貴重。役柄も、ヨジョン先生ご自身の持ち味も・・・。)
 ・「花束みたいな恋をした」★★★★☆ (コチラは日曜午後。公開初日から7週間以上経つし、ボチボチ空いてきてるかなと思ったら座席数94で満席とは! 客を見るとアベックより女性同士が多い。アベックの場合、この映画がキッカケで別れることになっちゃった人たちもけっこういるんじゃないかなー、と思ったりして・・・。この映画自体よりも興味深かったのは、後で読んだ観た人たちのいろんな感想。各々の仕事観・結婚観・家族観・趣味等々、いろいろ考え方が分かれるからねー。また菅田クンと有村サンのドチラの味方になるかも・・・。恋人同士でも真っ向勝負したらタイヘンだよ、たぶん。人生ちょっと先輩のレビュー読むと「長続きするためには・・・(中略)・・・7,、8割は互いに干渉しないのが良いかな・・・?」などと書いてたりしてるね。)
 話題になってる「花束みたいな恋をした」中の本の数々については、→コチラ1、→コチラ2、→コチラ3のどれにも具体的に書名が記されているし、記事もそれぞれ読み応えがあります。ただ、私ヌルボが知らない作家も多く、知っていても読んだことのない作家も何人もいます。本については、本ブログで以前<高校生にすすめる本360冊>という記事(リスト)を20回に分けて載せましたが、2人の本棚中にドンピシャであったのは奥田英朗「イン・ザ・プール」(→コチラ)だけ(奇跡的だ!)で、あとはカート・ヴォネガット・ジュニアと村上春樹の小説があるくらい。まあ私ヌルボ自身自覚していたことですが、あのリストは歴史資料のつもりでウェブ上に残しておこうというものでした。が、今回痛感したことは、あのリストが歴史遺物であることよりもヌルボ自身がとっくに歴史遺物になってしまっているんだなーということ。それはこの20年ほどの書店の品揃えを見て見当はついてました。古典や古今東西の<名作>とされていた本がほとんど消え、外国の本は少なくなりました。今時ドストエフスキーを読んで感動したという若者がいるんでしょうか? 一方増えたのは日本の最近の小説。それも身近な人間関係を描いたものが多く、社会的な問題等もそんな日常の延長で書かれる傾向があること。最近注目されている韓国の現代小説もほぼ同じ傾向があるようです。私ヌルボの若かりし頃、・・・って約半世紀前かそれ以前は<教養主義>の最後の時期でした。その時代の読書と今の読書の決定的な違いは、ソモソモ「何を求めて本を読むのか?」ということだと思います。ドチラが良いか否かの問題ではなく、時代の違い? いや、それだけじゃなくて・・・と、機会があれば若い人たちと話してみたいものです。

         ★★★ NAVERの人気順位(3月23日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) モンテ・クリスト:ザ・ミュージカル・ライブ  9.82(17)
②(1) ライブ・ハード(韓国)  9.64(11)
③(2) そしてパン・ヘンジャ(韓国)  9.59(27)
④(4) きみの瞳が問いかけている(日本)  9.55(44)
⑤(3) 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(日本)  9.49(1,007)
⑥(6) ドリーム・ファクトリー  9.35(34)
⑦(5) 復活: その証拠(韓国)  9.34(399)
⑧(新) ランド  9.32(19)
⑨(8) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(日本)  9.31(9,694)
⑩(7) ソウルフル・ワールド  9.30(9,326)

 ①と⑧の2作品が新登場です。
 ①「モンテ・クリスト:ザ・ミュージカル・ライブ」については後述します。
 ⑧「ランド」はアメリカのドラマ。女優ロビン・ライトの初監督作品です。弁護士として第一線で活躍していた女性エディ・マティス(ロビン・ライト)は不慮の事故で家族を失います。悲しみに暮れる彼女は、これまでの生活を捨てる決心をし、広漠としたワイオミングの山奥、ショーション国立森林公園の山小屋に移り住み、自給自足の生活をすることに・・・。そこで出会ったのが地元の猟師ミゲル(デミアン・ビチル)でした。彼から狩猟や釣り、食物の栽培等を教わったりするうちにエディは再び生きる力を見出していきます・・・。韓国題は「랜드」。日本公開は未定のようです。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ソウルフル・ワールド  8.44(9)
②(3) ミナリ  7.58(12)
③(4) 冬の夜に(韓国)  7.33(6)
④(新) 本当に遠いところ(韓国)  7.14(7)
⑤(5) 私は私を解雇しない(韓国)  6.88(8)
⑥(6) 光と鉄(韓国)  6.83(6)
⑦(7) 三姉妹 (韓国)  6.80(5)
⑧(8) フェアウェル  6.71(7)
⑨(10) きみと、波にのれたら(日本)  6.67(3)
⑩(新) モーリタニアン  6.60(5)

 ④と⑩の2作品が新登場です。
 ④「本当に遠いところ」は韓国のドラマ。江原道華川郡の羊牧場に住んでいるジヌ(カン・ギル)は娘のソル(キム・シハ)と一緒に静かな生活を送っています。牧場の所有のチュンマン(キ・ジュボン)と娘のムンギョン(キ・ドヨン)は、彼らを家族のように接しています。すぐにジヌの友人という男性ヒョンミン(ホン・ギョン)がここにやって来てから、2人の男性が長い間恋人同士だというがわかります。彼らは平和で穏やかな美しさを秘めているこの地でソルと幸せに生きることを夢見ます。ところがある日、ジヌの双子の妹ウニョン(イ・サンヒ)が訪ねて来て葛藤が始まります。事実ソルはウニョンの娘なのですが、ウニョンがいなくなり、これまでジヌが育ててきたのです。<本当に遠いところ>は、映画冒頭部分の羊毛のクローズアップのように、遠くから見た時には気づかなかったものが近くで見ると現れるというものに関する話です。ただ親しげで優しく見えた田舎の人は2人の男が恋人同士だという事実がわかると排他的・差別的な感情を表し、互いによく知っていたはずの家族の本音も文字通り<本当に遠い所>のように感じられるのです。江原道の美しい秋の風景は厳しい冬に変わりますが、本作は一抹の希望さえも逃しません・・・。原題は「정말 먼 곳」です。
 ⑩「モーリタニアン」については後述します。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績3月19日(金)~3月21日(日) ★★★
       「ミナリ」が3週連続1位 「「鬼滅の刃」無限列車編」の動員数も増える

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ミナリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/03 ・・・131,774 ・・・・・・・702,945 ・・・・・・6,384 ・・・・1,012
2(2)・・劇場版「鬼滅の刃」・・・・・・・・・・・・1/27 ・・・・94,083 ・・・・・1,349,309 ・・・・・13,018 ・・・・・・758
       無限列車編(日本)
3(3)・・ラーヤと龍の王国・・・・・・・・・・・・3/04 ・・・・44,334 ・・・・・・・276,768・・・・・・・2,569 ・・・・・・761
4(新)・・モーリタニアン・・・・・・・・・・・・・3/17 ・・・・21,525・・・・・・・・・31,807・・・・・・・・・287 ・・・・・・586
5(5)・・ソウルフル・ワールド・・・・・・・・・1/20 ・・・・15,561・・・・・・2,023,904 ・・・・・18,802 ・・・・・・326
6(再)・・ロード・オブ・ザ・リング・・2002/12/19・・14,047・・・・・・・・・21,659 ・・・・・・・・254 ・・・・・・176
       /二つの塔
7(再)・・ロード・オブ・ザ・リング・・2002/12/19・・13,305・・・・・・・・719,411 ・・・・・・4,588 ・・・・・・166
       /王の帰還
8(55)・・モンテ・クリスト・・・・・・・・・・・・3/19 ・・・・・7,303・・・・・・・・・・・7,383・・・・・・・・145・・・・・・・・90
       :ザ・ミュージカル・ライブ(韓国)
9(新)・・ブレイブ・オン・ザ・ファイア ・・3/17 ・・・・・5,673 ・・・・・・・・・・9,202 ・・・・・・・・・74・・・・・・・203
10(8)・・恋する惑星・・・・・・・・・・・1995/9/02 ・・・・・4,674 ・・・・・・・・・61,158 ・・・・・・・・571 ・・・・・・134
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は4・8・9位の3作品です。
 4位「モーリタニアン」はイギリス・アメリカ合作による法廷スリラー。実話に基づく作品です。弁護士のナンシー(ジョディ・フォスター)は、誰もが嫌がる男の弁護を引き受けることになります。その男スラヒ(タハール・ラヒム)は9.11テロの重要な容疑者とされてアメリカ政府に捕らえられ、起訴はもちろん、裁判もせずにキューバのグアンタナモ湾収容キャンプに6年間収監されています。冷静かつ頑固なことで知られる軍検察官カウチ(ベネディクト・カンバーバッチ)は強力な証拠を差し出してスラヒの有罪を確信します。それに対しスラヒの無罪を主張するナンシーと同僚のテリー(シェイリーン・ウッドリー)は国家機密という理由で隠蔽された真実の前で何度も挫折します。これまで裁判を願ってきた男スラヒ。彼はテロリストか、それとも罪のない犠牲者なのか・・・? 韓国題は「모리타니안」。日本公開は今年10月の予定です。なお本作でジョディ・フォスターが第78回ゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞しました。
 8位「モンテ・クリスト:ザ・ミュージカル・ライブ」は、韓国の公演記録。ミュージカル「ジキル&ハイド」等の作曲家フランク・ワイルドホーンによるミュージカル「モンテクリスト伯」(2009)の初演の場所はスイスでしたが、それ以外の国では2010年の韓国が初めてとか。(日本は2013年。) 以来韓国では50万人の観客に愛されてきました。オリジナルはもちろんアレクサンドル・デュマの小説「モンテ・クリスト伯」なのですが、このミュージカルは小説よりも映画「モンテ・クリスト伯」(2002) の影響が多く見られるとのことです。韓国では5回目となる今回の公演は<韓国初演10周年記念公演>と銘打って2020年11月17日~21年3月28日LGアートセンターで開かる予定だったのがコロナ禍で12~1月のまる2ヵ月は中止となってしまいました。その代替措置としてオンラインで中継したり。3月にはCGV系列でこの記録映画が上映されるに至ったようです。主演級はそれぞれトリプル・キャストで、本作ではエドモン・ダンテス[モンテ・クリスト伯]はカイ、メルセデスはリナが演じています。140分の間に繰り広げられる愛と復讐の物語を、8Kシネマティックカメラ14台のオン・ステージ密着撮影によるダイナミックな映像と、映画館最適化サウンド編集により、劇場観覧よりも繊細に、よりいきいきと再現します。原題は「몬테크리스토: 더 뮤지컬 라이브」です。この公演の1階VIP席でのチケットを日本で公式販売するとの記事(→コチラ)がありましたが、例外的に観ることができた方はいたのでしょうか?(ちなみにお値段は2万円を超える程度)
 9位「ブレイブ・オン・ザ・ファイア」(仮)はロシアのアクション。原題「Ogon」を直訳した英題は単に「FIRE」だけなので、韓国題は「브레이브 언더 파이어」にならって仮題とました。アンドレイは過去の火災現場で同僚の隊員を失くした消防のチーム長です。しかし、その傷も癒えないうちに、史上最悪の火災が発生します。すべてのものが燃えているシベリアの火災現場の中、アンドレイを筆頭とするチーム6人の消防隊員が炎に向かって出動します。彼らははたして最悪の山火事を鎮圧して火魔から生き残ることができるのでしょうか? 生死の岐路に置かれた人々、そして炎に飛び込んだ主人公の死闘が始まります…。
 なお先週公開の「ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間」に続いて、6位「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」=韓国題「반지의 제왕 : 두개의 탑」、7位「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」=韓国題「반지의 제왕 : 왕의 귀환」も公開されました。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ミナリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/03・・・・・131,774・・・・・・・・・702,945 ・・・・・6,384・・・・・1,012
2(新)・・本当に遠いところ(韓国) ・・・・・・・3/18・・・・・・・3,137 ・・・・・・・・・・・6,181 ・・・・・・・・50・・・・・・・186
3(新)・・アイ・メット・ア・ガール ・・・・・・・・3/17・・・・・・・2,731 ・・・・・・・・・・・5,138 ・・・・・・・・44・・・・・・・143
4(2)・・フロッグ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/11・・・・・・・2,307 ・・・・・・・・・・11,828 ・・・・・・・108・・・・・・・・92
5(再)・・ゴッホ~最期の手紙~・・2017/11/09・・・・・・・1,892・・・・・・・・・・419,411 ・・・・・3,345・・・・・・・109

 2・3位の2作品が新登場です。
 2位「本当に遠いところ」については上述しました。
 3位「アイ・メット・ア・ガール」(仮)はオーストラリアのラブロマンス。幻影と幻聴を経験しているデボンは夢に描いていた理想の女性ルーシーと出会い、甘いデートで魔法のような時間を送っていました。ところが、夢のようにルーシーは消えてしまいます。デボンの周りの人は皆彼女はデボンの幻想に過ぎないと言います。しかし、恋に落ちた瞬間を憶えているデボンは彼女を探し出します。が・・・。韓国題は「그녀가 사라졌다(彼女が消えた)」ですが、原題「Met a Girl」をそのまま仮題としました。
 なお、5位「ゴッホ~最期の手紙~」日本でも2017年に公開されたイギリス・ポーランド合作映画の再上映。韓国題は「러빙 빈센트(ラヴィング・ヴィンセント)」です。
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韓国内の映画の興行成績 [3月12日(金)~3月14日(日)]と人気順位 ►えっ、「ミナリ」はアカデミー賞作品賞の本命じゃない!? ►昨秋公開の「フェアウェル」、主演オークワフィナの魅力で★5つだっ!

2021-03-18 17:59:43 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶3月15日(月)アカデミー賞のノミネートが発表されました。→コチラ参照。注目の作品賞ですが、主に韓国発の情報に接している人だと「アレッ!?」と思うのではないでしょうか? それは「ミナリ」が<本命>ではなく<対抗>になっていること。伝えられているように前哨戦ともいうべき各映画賞で数多くの賞を獲得していますが、作品賞は(このリストによれば)2つだけなんですね。ところがそれをはるかに上回る11もの作品賞を受賞している作品があるのです。それは「ノマドランド」。日本でも3月26日(金)公開で→公式サイトもすでに用意されているので、ストーリーや予告編等はソチラで。・・・ということで、19日公開の「ミナリ」と比べてみてはいかが? この2作品以外で私ヌルボが興味を持っているノミネート作はキャリー・マリガン主演の「プロミシング・ヤング・ウーマン」(日本公開は今夏)なんですがね。これについては委細省略。TBSラジオ<たまむすび>の町山智浩氏のトーク→YouTubeを聴いてみてください。なおアカデミー賞の結果発表(授賞式)は4月25日(日)[日本時間26日]です。
 今回はコロナ禍の中の特例で配信のみの作品(ex.「ソウルフル・ワールド」)も選考対象になったとのことで、とくにNetflixの作品がすごく目につきます。やっぱり新型コロナもさることながら、時代の流れなんでしょうかねー・・・。

▶この1週間で観た映画は以下の4本。うわ、また10日から4日連続になってしまった!
 ・「野球少女」★★★★ (この作品の主人公スインの実在のモデル、アン・ヒャンミ選手については→昨年6月24日の記事参照。そこでも「女性に対する根拠に乏しい通念や偏見と向かい合ってがんばる女性が主人公」という「82年生まれ、キム・ジヨン」等々と通底する作品と書いた、まさにその通り。ただ描き方がほとんどストレートのみなので、もっと変化球を織り交ぜてほしかった。)
 ・「国葬」★★★★☆ (「偉大なる別れ」と題されたスターリンの葬礼を撮ったプロパガンダ的記録映像を、セルゲイ・ロズニツァ監督が独裁体制とそれを支える(!)民衆の実像を今に伝えるものとして本作を現代に提示した意義は大きい。モノクロとカラーが混在するのは、200人以上のカメラマンが撮ったものつなぎ合わせたからだそうだ。モスクワだけでなく、連邦を構成する各共和国等も政府庁舎の前の広い広場にスターリンの巨大な像があって・・・と、ほとんど同じ構図になっていることがよくわかる。多くの民衆が悲しみ涙を流すようすは金日成の葬儀の時とよく似てはいるが、それなりに違っているのも興味深い。レーニン廟での政府要人の演説はフルシチョフの司会で始まりマレンコフ、ベリヤ、モロトフと続く。当時の彼らの間の権力争いといえば「スターリンの葬送狂騒曲」(2018)を思い出す。この作品についても「同じような場面が延々と続いて退屈。5分で済むのに・・・」と書かれたレビューがあり溜め息をつく。細部に宿るのは神ばかりではない。独裁政治の芽も善良な人民の間に育っているのである。)
 ・「フェアウェル」★★★★★ (中国系アメリカ人のルル・ワン監督作品で、彼女自身の実話が基になっているとのこと。「ミナリ」との共通性も若干あるかなと思って遅ればせながら観に行く。中国・長春の実家に住む祖母がガンで余命3ヵ月という知らせを受けてアメリカや日本で暮らしている息子家族が実家に参集し、祖母に「告知しない」と合意したが・・・。住む国により<常識>が異なること等も興味深いが、何よりも祖母を中心とした一族間の愛情の濃さが感動的。また主演女優オークワフィナが魅力的!(で☆1つ加算。)  父が中国人で母が韓国人だが中国語は話せないとか。冒頭のシーンを見て「美人じゃないし鼻ピアスだし・・・」とゲンナリして最後まで低評価だったレビューを見たが、なんちゅう感性しとるねん! そんな第一印象はその先少し観ただけで覆るわい!ゴールデングローブ賞映画部門主演女優賞受賞は十分以上にナットクやで! )
 ・「神々の履歴書」★★★ (同じ前田憲二作品は「土俗の乱声」を1991年の公開当時(?)観たがそちらの方がずっと興味深く観たように思う。東アジア各地に伝わる大綱引きのような伝統儀礼の動きのある映像や、韓国のソッテ(鳥竿)のような私ヌルボが当時知らなかったこと等がいろいろ盛り込まれていたから・・・。一方本作はそんな要素に乏しかった。伏見稲荷大社のお火焚き祭り等の祭礼や出雲の製鉄の説明等はあったが・・・。ベースになっている金達寿「日本のなかの朝鮮文化」を読むと気づくように、現在の日本の地名や神社名を現在の韓国語を根拠に推定するという素人っぽさが随所に感じられる。もちろん日本の歴史・文化の中に朝鮮由来のものが多々あることを人々に認識させたという点で大きな意義があったことは言うまでもないにしても・・・。 )

         ★★★ NAVERの人気順位(3月16日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) ライブ・ハード(韓国)  9.64(11)
②(新) そしてパン・ヘンジャ(韓国)  9.59(22)
③(2) 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(日本)  9.49(1,003)
④(新) きみの瞳が問いかけている(日本)  9.41(34)
⑤(3) 復活: その証拠(韓国)  9.34(399)
⑥(新) ドリーム・ファクトリー  9.32(25)
⑦(4) ソウルフル・ワールド  9.31(9,164)
⑧(5) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(日本)  9.30(8,966)
⑨(7) 映画 ギヴン(日本)  9.25(71)
⑩(8) ラーヤと龍の王国  9.17(1,184)

 ②④⑥の3作品が新登場です。
 ②「そしてパン・ヘンジャ」は韓国のドキュンタリー。本作の監督でもあるソン・ウォンギョンさんは、幼い頃趣味で集めたおもちゃを出発点としておもちゃ博物館事業を立ち上げた韓国最高のおもちゃコレクターであり、<トイキノ>おもちゃ博物館の主でもあります。ソウルの三清洞から仁寺洞、そしていくつもの場所を経て、多くの人々に思い出をプレゼントしてきたトイキノは<報道機関の横暴>によって一瞬の間に崩壊してしまいます。ウォンギョンさんの痛みを見過ごすことができなかったお母さんのパン・ヘンジャさんは、2019年1月寒い街に出ました。そして・・・。
 ※おもちゃ博物館は京郷新聞と共同事業の契約を結んで2015年に京郷アートヒルで開館したが、その後運営等をめぐってもめごと(→コチラ(韓国語)参照)が続き、結局2016年京郷アートヒルから退く。パン・ヘンジャさんは、京郷新聞に対して損害賠償訴訟を提起する等闘い続け、2018年初めから1人デモを行って経営陣との経営陣との対話を要求してきたが、京郷新聞はすでに地裁で調停済みの件として応じなかったため、19年1月に京郷新聞の社屋から投身自殺をして命を絶った。(→コチラ参照) 
 彼女は母であり、アーティストであり、1人の女性、それも新女性でした。美大でファッションデザイン等を学び、渡米してジャーナリズムを専攻、メディアの特派員をしたり広告会社の運営もしました。また夫との離婚訴訟夫の離婚訴訟に1人で立ち向かって勝訴を勝ち取りました。そしておもちゃの家のおばあちゃんだったパン・ヘンジャさん。ウォンギョンさんは彼女が最後に残した特別な記録を発見します。忘れることができない記憶を残して逝った、愛する<ハルモニ>、彼女が残した温かい愛と分厚い記録が始まります・・・。原題は「그리고 방행자」です。
 ④「きみの瞳が問いかけている」は、日本で10月公開して韓国で今というのは早い気がします。知り合いは「良かった」と言ってましたが、私ヌルボは設定がなんだかなーだったので観てません。韓国題は「유어 아이즈 텔(Your Eyes Tell)。ふうん、こういう英題だったんだ。
 ⑥「ドリーム・ファクトリー」(仮)については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ソウルフル・ワールド  8.44(9)
②(2) 水を抱く女  8.00(6)
③(4) ミナリ  7.58(12)
④(5) 冬の夜に(韓国)  7.33(6)
⑤(6) 私は私を解雇しない(韓国)  6.88(8)
⑥(7) 光と鉄(韓国)  6.83(6)
⑦(8) 三姉妹 (韓国)  6.80(5)
⑧(10) フェアウェル  6.71(7)
⑨(-) この世界に残されて  6.67(6)
⑩(新) きみと、波にのれたら(日本)  6.67(3)

 ⑩「きみと、波にのれたら」が新登場です。「若おかみは小学生!」に代わって、またも日本アニメ。私ヌルボは観てないのでコメントしません。韓国題は「너와 파도를 탈 수 있다면」です。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績3月12日(金)~3月14日(日) ★★★
       「ミナリ」が2週連続1位 2位の「「鬼滅の刃」無限列車編」どこまで粘る

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ミナリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/03 ・・・130,322 ・・・・・・・496,929・・・・・・・4,512 ・・・・1,069
2(3)・・劇場版「鬼滅の刃」・・・・・・・・・・・・1/27 ・・・・93,063 ・・・・・1,197,951 ・・・・・11,581 ・・・・・・679
       無限列車編(日本)
3(2)・・ラーヤと龍の王国・・・・・・・・・・・・3/04 ・・・・69,398 ・・・・・・・220,012・・・・・・・2,051 ・・・・・・899
4(新)・・ボス・レベル・・・・・・・・・・・・・・・・3/11 ・・・・22,530・・・・・・・・・27,805 ・・・・・・・・250 ・・・・・・529
5(4)・・ソウルフル・ワールド・・・・・・・・・1/20 ・・・・22,205・・・・・・2,000,111・・・・・18,573 ・・・・・・413
6(再)・・ロード・オブ・ザ・リング・・2001/12/31・・18,887・・・・・・・・・27,746・・・・・・・・335 ・・・・・・181
       /旅の仲間
7(5)・・ミッション・ポッシブル(韓国)・・2/17 ・・・12,085 ・・・・・・・・434,400・・・・・・3,964 ・・・・・・320
8(6)・・恋する惑星・・・・・・・・・・・・1995/9/02 ・・・・・7,692 ・・・・・・・・・51,979 ・・・・・・・・483 ・・・・・・226
9(新)・・ウェイ・ダウン・・・・・・・・・・・・・・3/11 ・・・・・7,538・・・・・・・・・・・9,801 ・・・・・・・・・86・・・・・・・301
10(47)・・フロッグ ・・・・・・・・・・・・・・・・・3/11 ・・・・・5,523 ・・・・・・・・・・6,985 ・・・・・・・・・65・・・・・・・113
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は4・9・10位の3作品です。
 4位「ボス・レベル」はアメリカのアクション。退役した特殊部隊の元隊長であるロイ(フランク・グリロ)は毎日きっかり朝7時になると起き、正体不明の殺し屋たちと息をのむ追撃戦を繰り広げなければならなりません。彼をそんな毎日死んでは生き返る無限のタイムループに閉じ込めたのは“ボス”のベンター大佐(メル・ギブソン)。・・・と「ハッピー・デス・デイ」を思わせる設定。このタイムループから脱出する方法をなんとか見つけなければ・・・。ふと彼は自分の隠されたアクション本能に目を開かされます。「今日からは俺が殺し屋になる!」。そして彼はタイムループの不思議の裏側に隠された政府の陰謀を暴いて愛妻のジェンマ(ナオミ・ワッツ)の命を救い、夫婦の明日を取り返すために最強の戦士を目指して特訓を始めます・・・。韓国題は「리스타트(リスタート)」。原題も「RE-START」になってるのはなぜ? 日本での劇場公開は未定のようですが、なぜか→日本語字幕の予告編ができてます。アメリカで配信を手がけたHuluが関わってる??
 9位「ウェイ・ダウン」(仮)は、スペインの冒険・アクション・犯罪。引き揚げ事業をしているウォルター(リーアム・カニンガム)は、深い海の中で宝物の座標が刻まれたコインを発見します。しかし、その場でスペイン政府に奪われ、やがてそのコインはスペイン銀行の金庫に移されたことを知ります。200年前最高のエンジニアたちによって完成された後、どのような原理で作動するかわからず、周囲は地下を流れる川で守られていて、異常を感知すると水に呑まれるという難攻不落と言われるスペイン銀行の金庫。ウォルターは、コインを取り戻すために非常な頭脳を持った大学生トム(フレディ・ハイモア)と交渉し、金庫の技術的な問題について純粋な興味を感じたトムはチームに合流します。与えられた時間はワールドカップの決勝戦が繰り広げられる105分。トムは19世紀に完成された金庫の秘密を明らかにし、問題が何であるか調べ、厳重な監視を避けてリーダー以下5人のチームメンバーと共にコインを取り戻さなければなりません・・・。韓国題は「웨이 다운」。日本公開は未定のようです。
 10位「フロッグ」はイギリスのスリラー。ある郊外都市で10歳と9歳の少年が立て続けに行方不明になる事件が発生しました。事件担当の刑事グレッグ(ジョン・テニー)はこの事件が15年前に起きた児童連続殺人事件と関連があることを直感します。しかし既に当時の犯人は逮捕されていて、捜査は難航します。一方、グレッグの自宅でも次々に不可解な出来事が起こり始めます。ドアがひとりでに閉まったりテレビが突然事件のニュースを流し始めたり・・・。不安にかられたグレッグの妻ジャッキー(ヘレン・ハント)は家の中に誰かが隠れていることに気づきます。これらの意味が明らかになる時、事態は予想もしなかった結末へと動き始めます・・・。韓国題は原題通り「아이 씨 유(I See You)」。日本ではヒューマントラストシネマ渋谷とシネ・リーブル梅田の<未体験ゾーンの映画たち2021>で上映されます。
 なお6位「ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間」は、もちろん旧作の再上映。韓国題は「반지의 제왕 : 반지원정대(指輪の帝王 : 指輪遠征隊)」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ミナリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/03・・・・・130,322・・・・・・・・・496,929 ・・・・・4,512・・・・・1,069
2(15)・・フロッグ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/11・・・・・・・5,523 ・・・・・・・・・・・6,985 ・・・・・・・・65・・・・・・・113
3(新)・・本日彼氏[アイ・リメンバー] ・・・・3/11 ・・・・・・1,712・・・・・・・・・・・・3,612 ・・・・・・・・25 ・・・・・・119
4(20)・・ハート・ロッカー・・・・・・・・2010/4/22・・・・・・・1,549 ・・・・・・・・・176,087 ・・・・・1,323 ・・・・・・・69
5(30)・・ドリーム・ファクトリー・・・・・・・・3/10 ・・・・・・1,457・・・・・・・・・・・・2,534 ・・・・・・・・21 ・・・・・・100

 先週から全部替わりました。それにしてもなんで「ミナリ」がコチラにもあるのかわかりません。2位「フロッグ」については上述しました。
 3位「本日彼氏[アイ・リメンバー]」(仮)は香港のドラマ。費力[フェイ・リ](李鴻其[リー・ホンチー])は平凡な会社員。そこに趙希曼[ジャオ・シーマン](アンジェラベイビー)という新顔が入社しますが、彼女は皆に親切な人気絶頂の笑顔の天使で、費力にとっては高嶺の花。そんな彼らが会社から報奨休暇をもらってフィンランドに団体旅行に出かけます。ところがそこで思わぬ事故に遭い、趙希曼は過去の記憶はをべてを失い、そのまま自分を救ってくれた費力と一日中デートをすることになります。趙希曼は繊細で優しいオタク系男子の費力と自分のバケットリストを1つずつ埋めていきますが、次の日には再び過去の記憶を取り戻すどこか、費力ともども前日のことを全部忘れるという事実を知ることになるのですが・・・。韓国題は「내일도 우린 사랑하고 있을까(明日も私たちは愛しているか)」。日本では、アップリンク渋谷&吉祥寺、HUMAX池袋で2月12~21日開催された<中国春節映画週間>で(日本語字幕ナシで)上映されました。
 ※主演のアンジェラベイビーは上海生まれで2002年13歳の時に香港に移住。2007年以降モデルとして本格的に活動を開始し、日本でもファッション誌のモデルやCM(evian等)で顔を見かけるようになったのでご存知の方も多いのでは・・・。また<アジアでなりたい顔No1>にも選ばれたことがあるそうで、そりゃあ<高嶺の花>でしょうなー。
 5位「ドリーム・ファクトリー」(仮)はドイツのラブロマンス。原題は「Traumfabrik」(ドイツ語)ですが、英題を仮題としました。しかし韓国題はなぜか「쁘떼뜨(プテットゥ)」となっていて、意味が初見で全然わからず、調べてみたらフランス語のとのこと。「おそらく」「たぶん」という意味です。なぜフランス語かというと物語に関係するから。舞台は1961年のドイツ・ベルリン。エキストラ俳優エミール(デニス・モーイェン)は映画撮影現場で会ったフランスの女優ベアトリーチェの代役ダンサー、ミロウ(エミリア・シューレ)に一目惚れします。彼女もまた彼に好意を持って急速に親しくなっていきます。しかし、おりしも東ドイツは東西ベルリン間にベルリンの壁を建てて東西間の人の行き来を遮断します。ミロウはパリに戻り、時代は2人を引き離します。その後監督になったエミールは、愛するミロウと今一度会うためにベアトリーチェと出演交渉するための映画を作ることを計画しますが、予期せぬ状況に2人の男女は微妙に交錯することになります・・・。日本公開は未定のようです。
 なお4位「ハート・ロッカー」は2010年の第82回アカデミー賞作品賞を受賞した(わりにはパッとしなかった)アメリカ映画の再上映。<ハート>は<heart>ではなく<hurt>なのですが、ご存知でしたか?
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韓国内の映画の興行成績 [3月5日(金)~3月7日(日)]と人気順位 ►話題の「ミナリ」 順当に1位スタート ►ラストで仰天「粛清裁判」 ►「すばらしき世界」、悲哀感漂う現代日本のヤクザ

2021-03-09 23:57:40 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
韓国文化院による<2021年上半期 オンライン韓国映画企画上映会>の「Part1 「時代劇」特集」の上映スケジュール&作品紹介が公表されています。(→コチラ参照。)
 上映日・上映作品は以下の通り。※視聴可能時間はいずれも18:00~22:00
 ○3月25日(木) 「世宗大王 星を追う者たち(천문 : 하늘에 묻는다)」
 ○3月31日(水) 「王と道化師たち(광대들 : 풍문조작단)」
 ○4月15日(木) 「朝鮮名探偵 鬼<トッケビ>の秘密(조선명탐정 : 흡혈괴마의 비밀)」
 ○4月27日(火) 「王の預言書 (흥부 : 글로 세상을 바꾼 자)」
  ★観覧無料(事前申込制 ※会員登録が必要) ◎募集人員:各回500名

▶→コチラの記事によると、3月19日(金)~シネマート新宿とシネマート心斎橋<のむコレ番外編 韓国映画チェケボン トゥクチブ>として1997~2012年に公開された韓国映画の旧作を14作品一挙に上映するとのこと。(カタカナ部分は<再開封特集>) 上映作品は以下の通り。私ヌルボが観たのは半分あるかな?? 見落としを後悔してる方はどうぞ。
 「ナンバー・スリー」「悪いやつら」「タチャ イカサマ師」「光州5・18」「シルミド/SILMIDO」「力道山」「妻が結婚した」「子猫をお願い」「建築学概論」「マラソン」「作戦-The Scam」「私の生涯で最悪の男」「レストレス~中天~」「ミスター主婦クイズ王」 ※作品の紹介は→コチラ

<大阪アジアン映画祭>(→公式サイト)は3/5(金)~3/14(日)、ということはもう先週から始まっています。私ヌルボ、2013年以来17、18、20年と過去4回大阪に観に行きましたが、17年の「マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白」、18年の「朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト」(「金子文子と朴烈」のように「これは観たい!」と思う目当ての上映作品があったから行ったわけです。しかし今回はそれなりに知っている作品はムン・ソリ主演の「三姉妹」(→コチラ参照)だけだし、その上映日は横浜で別のあるし、ということで行かないことにしました。
 ※むしろ心惹かれるのは福岡市総合図書館映像ホール・シネラで5月1~29日開かれる韓国映画特集(スケジュールは→コチラ)なんですが、まだ先の話なので委細は省略します。

▶この1週間で観た映画は以下の2本のみ。って2本観れば十分か。このところ週3本以上がフツーになってたからなー・・・。
 ・「粛清裁判」★★★★☆ (今から約90年も前のスターリン時代のソ連。<産業党>という反革命組織のメンバー8人の裁判記録映像が素材で、ほとんどが判事や検事の形式的な言葉と被告たちの陳述なのでなんとか事件の概要を把握しようと頑張って字幕を追う。閉廷の度に外の大勢の人々による熱気溢れるデモが映し出される。彼らが掲げる横断幕には「革命の敵に死刑を!」の文字。そんなフトドキな連中にしては皆従順に素直に罪を認めるんだな、と少し拍子抜け。後はどんな判決が下されるのか少し興味を持ってその場面を待ったが、それもほぼ予想通り。まあ最後までよく退屈さを堪えて観たもんだ、★3つか史料的価値(ソ連最初の発声映画等)の分で☆1つ足すくらいかな、と思っていたところ、最後の最後で「えっ、そういうことだったの!?」という電撃的衝撃が・・・。なんとなく敢えて全然事前情報を仕入れてなかったのが幸いした、のかな? おかげでいろいろ考えさせられた。)
 ・「すばらしき世界」★★★☆ (西川美和監督作品は見落とせないゾ、と映画館に足を運ぶが、ヤクザ、長期服役等々重なる点が多い「ヤクザと家族 The Family」と比べると距離感を感じてしまったのはそれぞれの主人公と私ヌルボ自身との相性ゆえか? 綾野剛と役所広司の演技力と関係なく、後者の方のキャラクターは付き合いにくい感じだし見ててハラハラする。それにしても今のヤクザはアワレさえ感じさせる存在になってしまったか・・・。)

         ★★★ NAVERの人気順位(3月9日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) ライブ・ハード(韓国)  9.60(10)
②(3) 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(日本)  9.50(999)
③(5) 復活: その証拠(韓国)  9.34(399)
④(6) ソウルフル・ワールド  9.31(8,958)
⑤(7) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(日本)  9.27(8,073)
⑥(8) 若おかみは小学生!(日本)  9.25(134)
⑦(9) 映画 ギヴン(日本)  9.24(70)
⑧(新) ラーヤと龍の王国  9.16(684)
⑨(-) 私のお姉さんチョン・ジヒョンと私(韓国)  9.16(684)
⑩(-) 夏時間[ハラボジの家](韓国)  8.96(417)

 ⑧「ラーヤと龍の王国」が新登場です。アメリカのアニメで、日本でも3月5日から公開されています。韓国題は「라야와 마지막 드래곤」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ソウルフル・ワールド  8.44(9)
②(3) 水を抱く女  8.00(6)
③(4) 夏時間[ハラボジの家](韓国)  7.83(12)
④(新) ミナリ  7.58(12)
⑤(5) 冬の夜に(韓国)  7.33(6)
⑥(6) 私は私を解雇しない(韓国)  6.88(8)
⑦(7) 光と鉄(韓国)  6.83(6)
⑧(8) 三姉妹 (韓国)  6.80(5)
⑨(9) 若おかみは小学生!   6.75(4)
⑩(10) フェアウェル  6.71(7)

 ④「ミナリ」が新登場ですが、この作品については後述します。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績3月5日(金)~3月7日(日) ★★★
       「ミナリがやっぱり1位 しかし評価は最高とまでは・・・

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(65)・・ミナリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/03・・・204,700 ・・・・・・・276,873・・・・・・・2,518 ・・・・1,162
2(64)・・ラーヤと龍の王国・・・・・・・・・・・3/04・・・112,513 ・・・・・・・127,006・・・・・・・1,183 ・・・・1,056
3(1)・・劇場版「鬼滅の刃」・・・・・・・・・・・・1/27 ・・・・88,494 ・・・・・1,052,396 ・・・・・10,166 ・・・・・・637
       無限列車編(日本)
4(3)・・ソウルフル・ワールド・・・・・・・・・1/20・・・・・33,745・・・・・・1,965,139・・・・・18,299 ・・・・・・524
5(2)・・ミッション・ポッシブル(韓国)・・2/17・・・・28,059・・・・・・・・411,597 ・・・・・・3,748 ・・・・・・515
6(17)・・恋する惑星・・・・・・・・・・・・・・・・・2/24 ・・・・15,269 ・・・・・・・・35,743 ・・・・・・・・326 ・・・・・・336
7(5)・・トムとジェリー・・・・・・・・・・・・・・2/24・・・・・58,040・・・・・・・・・91,341 ・・・・・・・・767 ・・・・・・918
8(4)・・カオス・ウォーキング・・・・・・・・・2/24・・・・・・8,588・・・・・・・・108,864 ・・・・・・1,164 ・・・・・・406
9(6)・・告白[ゴー・バック](韓国) ・・・・・2/24・・・・・・2,714・・・・・・・・・30,453 ・・・・・・・・215 ・・・・・・140
10(新)・・ARKO LIVE ミュージカルHOPE(韓国)・・2,005 ・・・・・・・・・・2,757 ・・・・・・・・・55 ・・・・・・・10
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は1・2・10位の3作品です。
 1位「ミナリ」はアメリカのドラマ。1980年代に見知らぬアメリカの地アーカンソー州にやってきた離れた韓国人家族たちの物語です。家族たちに何かできることを見せたい父親ジェイコブ(スティーヴン・ユァン)は自分だけの農場を作り始め、母親のモニカ(ハン・イェリ)もまた仕事を探します。まだ幼い子供たちのためにモニカの母スンジャ(ユン・ヨジョン)が一緒に暮らすことになって、バッグ一杯に唐辛子粉、イワシ、韓方薬と、どこでもよく育つというセリ(ミナリ)の種を詰め込んで到着します。おっとりした長女アン(ネイル・ケイト・チョ)といたずらっ子の末息子デビッド(アラン・キム)は、ふつうのおばあさんとは思えないスンジャおばあさんが全然気に入らないのですが…。一緒にいれば新たに開始することができるという希望を持って、一日一日根を下ろして生きていく。そんな家族の特別な旅が始まります・・・。韓国題は「미나리)」。日本公開は3月19日です。
 2位「ラーヤと龍の王国」は、上述のように日本でも3月5日から公開されています。
 10位「ARKO LIVE ミュージカルHOPE」は韓国の公演記録。ARKO LIVEとは、地域の舞台芸術のコンテンツ活性化のため韓国文化芸術委員会が2019年末にCGVと業務協約を締結して本格化した事業で、国内最高の創作プラットフォームである公演芸術創作産室による演劇、ミュージカルや、パンソリ等の伝統芸術等の公演を全国CGV13の劇場等で公開するというもの。そしてこの「HOPE」というミュージカルは、カフカの遺稿の所有権をめぐりイスラエル図書館とその保管者の間で実際に起こった係争事件をヒントに創作された作品で、<読まれない本と読まれない人生>という副題がついています。本作ではカフカではなくヨーゼフ・クラインという架空の作家になっていますが、その彼の原稿をエヴァ・ホープという女性がなぜ30年もの間その原稿を大切に保管し、また裁判でも正当な所有者であることを主張し続け位てきたのか?という物語。詳しくは→コチラや→コチラ参照。また4分のハイライト映像はコチラ→YouTube。原題は「아르코 라이브 뮤지컬 호프」です。
 なお6位「恋する惑星」は、ウォン・カーウァイ監督による1994年の香港映画の佳作の再上映。韓国題は原題の「重慶森林」をそのまま韓国風に読んで「중경삼림」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(5)・・告白[ゴー・バック](韓国)・・・・・・・2/24・・・・・・・2,714・・・・・・・・・・・30,453 ・・・・・・・215・・・・・・・140
2(3)・・ザ・レーサー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/24・・・・・・・1,433・・・・・・・・・・・10,918 ・・・・・・・・89 ・・・・・・・・52
3(30)・・フェイク、ベートーベン(韓国)・・2/25 ・・・・・・・487・・・・・・・・・・・・3,429 ・・・・・・・・20 ・・・・・・・・・6
4(2)・・グランパ・ウォーズ・・・・・・・・・・・・・2/24 ・・・・・・・・462・・・・・・・・・・・13,702 ・・・・・・・113・・・・・・・・45
       おじいちゃんと僕の宣戦布告
5(9)・・復活: その証拠(韓国) ・・・・・・・・・10/08 ・・・・・・・・394 ・・・・・・・・・・31,875・・・・・・・・256・・・・・・・・・3

 3位「フェイク、ベートーベン」が新登場です。幼い頃から小心者でかっとなることはあってもそれを表に出せなかったというのがソ・ジョンウ監督(ソン・ドンファン)のキャラクター。そして一人で想像だけで怒っていたそうです。しかし、現在では、「俺がまだ昔のしょうもないヤツだと思ってるんじゃないの?」とこんな感じ。脚本・監督をやった映画はいつも興行し、若い女優出身の夫人と結婚して、すべてのものを備えたボンス監督(ボンス)の助監督としてスタートして、ソ・ジョンウの映画人生が変わります。ソ・ジョンウは師匠であるボンス監督を神のように信じて従い、どこまでも信頼します。ところがある日、映画1本の主人公をやっただけで映画界から完全に消えたある女優、つまり心の中で理想と考えていたその女優がボンス監督の夫人(キム・ミンギョン)であることを知ってソ・ジョンウは驚きます。ところが、幼い頃からすべてのものを心の中で想像するのが常だった彼は、ボンス夫人に会っても、心の中ではまだ崇拝しているのです・・・。まお、この作品自体がボンス監督の作品なので、どこまでが創作なのかちょっとわかりにくいかも・・・。原題は「구라, 베토벤」。<구라(グラ)>=ウソという単語の語源は多くの韓国人は日本語起源と思っているとか・・・。
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韓国内の映画の興行成績 [2月26日(金)~2月28日(日)]と人気順位 ►「「鬼滅の刃」無限列車編」 待望の1位だが・・・ ►日本アニメが人気ベスト10中半数! ►「あのこは貴族」は後味さわやか◎

2021-03-03 23:45:30 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶先々週まで1位の「ソウルフル・ワールド」の観客動員数が下り坂となり、先週1位の韓国映画「ミッション・ポッシブル」も早くも勢いが鈍って、「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」が待望の1位の座につきました。と言っても、今週末は3月3日公開の話題の「ミナリ」の1位が確実なので、「鬼滅の刃」の1位は今回だけになりそうです。

▶記事中で前回から目立つのは、ネチズンによる人気順位の1~10位中日本のアニメが5作品も入っていること。私ヌルボが観たのはうち3作品ですが、やっぱり日本のアニメは絵も物語も心理描写等も繊細でレベルが高いです。

▶新型コロナのため延期になっていた横浜・港の見える丘公園の神奈川近代文学館での「神々の履歴書」(前田憲二監督:1988)上映は3月13日(土)13:00開場、13:30上映開始です。当日800円。※上映会参加者は展示(「生誕100年 金達寿展」と常設展)の観覧料が無料。→コチラ参照
 14日(日)には作家・黒川創さんの講演「いま、新しく読む金達寿」があります。13:30開場、14:00開演。→コチラ参照
 ※「生誕100年 金達寿展」は14日(日)までです。
    

▶2月25日~3月1日に観た映画は以下の4本です。2月は計15本。このままだと年間150本になっちゃう。先週の記事で「ペースを落とさなければ・・・」と書いたのに。
 ・「少女ムシェット」★★★☆ (登場人物ほとんど無表情。主人公の少女が笑顔を見せるのは1シーンだけ。ウィキペディアのロベール・ブレッソン監督の項目の「感情表現をも抑えた作風」「極限まで虚飾を廃して大胆かつ慎重に作り上げられた繊細な各作品」「一般の観客にはなんらかのかたちで「映画とは何か」という問いかけを感じさせずにはおかない」等の説明を見てナルホドね。<ぴあ映画生活>に「客に解釈を強制する思い上がった作品。よって、解釈しません(0点)」というクチコミがあり、半分同感。本来的に映画は<作り物>じゃん。)
 ・「あのこは貴族」★★★★☆ (1人の男と2人の女性。その女性同士が争ってシッチャカメッチャカにならない!? ふーむ、こういう考え方もあるのか、と目からウロコ。高良健吾以外の主要登場人物4人&監督は皆女性。門脇麦、渋谷松濤にお住まいの<貴族>に見える! 後味のよい作品で★5つでもいいんだけど、現実はどうなんだろ?と少し疑問も感じて☆1つマイナス。→このブログ記事も参照されたし。(ヌルボ愛読ブログ)。)
 ・「シャドー・ディール 武器ビジネスの闇」★★★☆ (「“武器ビジネス“の実態を、告発者や検察官、軍事産業関係者、ジャーナリストらの証言から浮き彫りにしていく」というフレコミで期待したが、彼らの証言を次々に流すだけで専門家の説明や資料の提示等もナシ。レーガン、息子ブッシュ、ブレア、サッチャー等の米英の首脳や、長く駐米大使を務めたサウジアラビアのバンダル王子等が登場して武器・兵器の取引の話をしてもそれだけでは驚きも何もない。たとえば「イラクでは戦闘機が数秒で600万ドル分の弾を使う」という誰かの言葉がほんの数秒字幕に表示されるが、知りたいのはそれらの兵器がどこで作られ、どれほどの金で誰が買い、誰がどこで<消費>し、どんな人たちがそれで死んで、また誰がもうけるのか?といった具体的な構図と、それを壊すための方策なのだが ・・・って、それは最初から無理筋? ※韓国の皆さんには、現代の<戦犯企業>にも関心を向けてほしい。)
 ・「ある人質 生還までの398日」★★★★☆(「ISの人質 13カ月の拘束、そして生還」(光文社新書」)の映画化作品。つまり実話に基づく物語。2013年シリアで取材中の若いデンマーク人カメラマンのダニエル・リューがISに拉致され、70万ドル(その後200万ユーロ)の身代金が要求される。デンマーク政府は彼の家族に助言はするが金銭援助はしないので家族は奔走するしかない。結末は副題でわかるが、それでも人質に対する非人間的扱いは酷く、緊張を強いられる。国によって対応は異なり、スペインやフランスは交渉に応じたため両国の人質は解放される。ダニエルもやがて解放されるが、その後同じ部屋の人質で、オバマの軍用ヘリによる救出作戦が失敗した米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリーは2014年公開斬首され、8月19日その処刑動画が全世界に向けてアップロードされた。彼の最終的な身代金は1億ユーロだったとか・・・。この作品も★5つでもいいが、ISのこととか、ダニエルと家族のその後とか、国の対応とか、それにしても人がなんでここまで残酷になれるのか、それもここまで大きな勢力になりえたのか等々、いろいろシコリが残るので☆1つ分引いた。)
 ※黒井文太郎「イスラム国の正体」(ベスト新書)には当時拘束されていた欧米人23人の国籍内訳等直接関連する記述もあり参考になりました。
 日本人が人質になったら・・・って実際ありましたね。ISに拘束された後藤健二さんと湯川遥菜さんはISによる身代金要求の動画が公開されたりしましたが、殺害されてしまいました。3年間拘束された後帰国した安田純平さんはこの作品のトークイベント(→コチラ参照)に登壇。ジェームズ・フォーリーと12年シリアの内戦取材中に同じ部屋で過ごしたこと等を語り、またあの<自己責任>論をめぐって「日本社会で人質救出は無理」との私見を述べたとのことです。ところで、何かにつけ<自己責任>論を唱える人は<共助>や<公助>をぜひとも求めたい!というピンチが過去になく将来も絶対ないと思ってるのかな?

         ★★★ NAVERの人気順位(3月2日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) ライブ・ハード(韓国)  9.60(10)
②(2) デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆(日本)  9.56(710)
③(3) 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(日本)  9.50(993)
④(1) ソン・ガイン ザ・ドラマ(韓国)  9.41(352)
⑤(6) 復活: その証拠(韓国)  9.34(399)
⑥(5) ソウルフル・ワールド  9.31(8,626)
⑦(9) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(日本)  9.25(7,105)
⑧(7) 若おかみは小学生!(日本)  9.25(133)
⑨(8) 映画 ギヴン(日本)  9.23(69)
⑩(-) ネコの執事(韓国)  9.18(130)

 ①「ライブ・ハード」が新登場。韓国のユニークなモノクロの音楽映画で、ライブクラブでオーディションを受ける若いミュージシャンたちの物語です。オタクバンドのドラマー、ソプ(ガルチ)とベーシストのチョル(イ・ジェホ)の2人は、なんとか舞台に立ちたいと思っています。ところがバンドのリーダーの実力者のイムジェは毎回ライブクラブでのオーディションに姿を見せません。ギタリストのドッキュ(クリス・ライアン)も舞台に立ちたい気持ちは同じです。彼はブルース音楽を夢見ているものの現実と適当に妥協してラップで生計を維持している貧しい黒人ミュージシャンです。ある日ソプとチョルは弘大の小さなライブカフェの前で<ミュージシャン募集>と書かれた看板を見て中に入りますが・・・。来ない人物を延々と待つのは「ゴドーのようだ」との評も。ある評論家は「特別事件が起きないが、すぐに大変なことが起こるような緊張感に包まれている」と記しています。原題は「라이브 하드」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ソウルフル・ワールド  8.44(9)
②(2) Mank/マンク  8.14(7)
③(3) 水を抱く女  8.00(6)
④(4) 夏時間[ハラボジの家](韓国)  7.83(12)
⑤(5) 冬の夜に(韓国)  7.33(6)
⑥(6) 私は私を解雇しない(韓国)  6.88(8)
⑦(7) 光と鉄(韓国)  6.83(6)
⑧(8) 三姉妹 (韓国)  6.80(5)
⑨(-) 若おかみは小学生!   6.75(4)
⑩(10) フェアウェル  6.71(7)

 新登場の作品はありません。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績2月26日(金)~2月28日(日) ★★★
       「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」 待望の1位に

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(3)・・劇場版「鬼滅の刃」・・・・・・・・・・・・1/27・・・・・83,377 ・・・・・・・893,116・・・・・・・8,563 ・・・・・・688
       無限列車編(日本)
2(1)・・ミッション・ポッシブル(韓国)・・2/17 ・・・・83,023 ・・・・・・・331,132 ・・・・・・2,990 ・・・・・・785
3(2)・・ソウルフル・ワールド・・・・・・・・・1/20 ・・・・・78,101 ・・・・・1,880,643 ・・・・・17,411 ・・・・・・771
4(68)・・カオス・ウォーキング・・・・・・・・2/24・・・・・64,590・・・・・・・・・99,826 ・・・・・・・・824 ・・・・・・759
5(新)・・トムとジェリー ・・・・・・・・・・・・・2/24・・・・・58,040・・・・・・・・・91,341 ・・・・・・・・767 ・・・・・・918
6(25)・・ゴー・バック(韓国) ・・・・・・・・・・2/24・・・・・10,525・・・・・・・・・21,025 ・・・・・・・・147 ・・・・・・255
7(新)・・グランパ・ウォーズ・・・・・・・・・・・2/24・・・・・・6,025・・・・・・・・・10,379 ・・・・・・・・・83・・・・・・・309
       おじいちゃんと僕の宣戦布告
8(86)・・ザ・レーサー ・・・・・・・・・・・・・・・・2/24 ・・・・・・3,662 ・・・・・・・・・6,470・・・・・・・・・・53・・・・・・・146
9(6)・・アイ・ケア・ア・ロット・・・・・・・・・・2/19 ・・・・・・3,608 ・・・・・・・・21,576 ・・・・・・・・181・・・・・・・103
10(35)・・ラストレター ・・・・・・・・・・・・・・2/24 ・・・・・・3,533 ・・・・・・・・・6,652・・・・・・・・・・56 ・・・・・・160
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は4・5・7・8・10位の5作品です。
 4位「カオス・ウォーキング」はアメリカのSF&冒険。なぜか韓国での公開はアメリカより9日早い!・・・ってどういうワケなの? パトリック・ネスのYA向きSF小説「心のナイフ[混沌の叫び1]」(東京創元社)の映画化作品です。物語の舞台は近未来のニューワールドという星。そこでは未知の感染症が原因で世界中の女性が死に絶え、世界には1つの町プレンティスタウンしか残っていません。その感染症の後遺症が<ノイズ>といって他の人(エッ。動物も!?)の心の声が筒抜けになるというもので、主人公の若者トッド・ヒューイット(トム・ホランド)もその感染者です。しかしそこで生まれ育った彼にとってはそれがふつうの日常です。そんなある日トッドは近所の沼地に<ノイズ>が聞こえない場所があることに気が付き、それを養父たちに伝えたところ、彼らは血相を変えて「すぐにこの町から逃げろ」とトッドに命じます。<ノイズ>のためが原因で彼の思考が町全体に知れ渡っていたためです。訳も分からぬまま町を離れて沼地に向かったトッドは、そこでヴァイオラ(デイジー・リドリー)と名乗る女性と出会います。混沌の世界の中の隠された秘密に疑問を抱いた2人はニューワールドを脱出する計画を立てますが、プレンティスタウンの町長デビッド(マッツ・ミケルセン)は危険を直感し、彼らを追撃するためにあらゆる手段を動員します・・・。韓国題は「카오스 워킹」。日本公開は今年11月の予定です。
 5位「トムとジェリー」は、いうまでもなくずっと昔からおなじみのアニメシリーズの最新作。最初アメリカで誕生したのは1940年だそうです。検索すると日本での最初の放映は1964年5月から66年2月までTBS系で午後7時半からの30分番組。私ヌルボが少年時代見てたのもそれか別の時間帯の再放送だったのかわからず。今でも最初のあたりは憶えている三木鶏郎作詞・作曲の主題歌も→YouTubeで聴けるんですね。さて、今回の作品の舞台はニューヨークの高級ホテルでの“世界が注目するウエディングパーティー“とのことで、ドタバタ騒ぎにはもってこいの設定。トムジェリは2D風の3Dですが、周りはフツーの街や人。やっぱり半世紀以上経つとずいぶんフンイキは違います。3月19日に大々的に日本公開予定で、ぼちぼち予告編も出てる? 私ヌルボはまだ観てないけど・・・韓国題は「톰과 제리)」です。
 7位「グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告」はアメリカのコメディ。
おじいちゃんのエド(ロバート・デ・ニーロ)が奥さんを亡くして娘夫婦=サリー(ユマ・サーマン)&夫アーサー(ロブ・リグル)の家でで暮らすことになります。孫のピーター(オークス・フェグリー)は最初こそ喜んでいたものの、おじいさんが彼の部屋を使って自分は屋根裏部屋に追いやられることを知ると激怒してエドに宣戦布告状を送りつけます。そして繰り出されるイタズラの数々。一方おじいちゃんの方も負けずに対抗し、ご近所までも巻き込んだ騒動になっていきます・・・。ふーむ、ロバート・デ・ニーロもデビューして約半世紀。こういう役柄を演じるようになりましたか・・・。韓国題は原題「The War with Grandpa」そのままの「워 위드 그랜파」。日本公開は4月23日です。
 8位「ザ・レーサー」はベルギーのドラマ。<ツールドフランス>は3千kmを超える距離を3週間にわたって疾走する極限の自転車ロードレースの国際大会として知られています。本作は、その1998年のアイルランド大会が舞台です。主人公は優勝候補チームで20年間チームを勝利に導いてきた最高のペースメーカーのドーム・シャボル(ルイス・タルペ)。彼はレギュラーの座を奪われるかもしれないという不安の中で技量を認められるため薬物への誘惑にまでかられます。心理的不安と危機感の中で、彼は現在のチームの優勝ではなく、選手としての生命の危険さえ耐えようとしますが・・・。この大会はウィキペディアによれば「ドーピングスキャンダルが吹き荒れ、完走が2桁の96人という異様な大会となった」ということです。韓国題は、「더 레이서」。日本公開は未定のようです。
 10位「ラストレター」は、あの「Love Letter」以来韓国で人気が持続している岩井俊二監督の新作、なのですが、なぜか韓国映画オタクの私ヌルボが観てないとはねー・・・。自身説明できませんが、あえて言えば「Love Letter」のイメージをそのまま大切にしておきたい、ということですかねー。韓国題は「라스트 레터」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(5)・・ゴー・バック(韓国)・・・・・・・・・・・・・2/24・・・・・・10,525 ・・・・・・・・・・21,025 ・・・・・・・147・・・・・・・255
2(新)・・グランパ・ウォーズ・・・・・・・・・・・・2/24・・・・・・・6,025・・・・・・・・・・・10,379 ・・・・・・・・83・・・・・・・309
       おじいちゃんと僕の宣戦布告
3(37)・・ザ・レーサー ・・・・・・・・・・・・・・・・・2/24・・・・・・・3,662・・・・・・・・・・・・6,470 ・・・・・・・・53・・・・・・・146
4(6)・・花様年華・・・・・・・・・・・・・・・2000/10/20・・・・・・・・・810 ・・・・・・・・・107,571・・・・・・・951・・・・・・・・22
5(30)・・ヘレン・シャルフベック・・・・・・・・2/25 ・・・・・・・・756・・・・・・・・・・・・1,430 ・・・・・・・・11・・・・・・・・39
       わが魂の自画像

 2・3・5位の3作品が新登場です。
 2位「グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告」と3位「ザ・レーサー」(仮)については上述しました。
 5位「ヘレン・シャルフベック わが魂の自画像」(仮)はフィンランドのドラマ。ヘレン・シャルフベック(1862~1946)はフィンランドの国民的女性画家で、日本ではあまり知られていないかもしれませんが、2015~16年に東京芸術大学美術館、宮城県美術館、奥田元宋・小由女美術館[広島県]、 神奈川県近代美術館葉山で展覧会が開かれました。彼女は3歳の時の事故で腰を痛め、足が不自由になりましたが、フィンランドの芸術協会の描画学校で美術を勉強し始め、早くも11歳で絵の才能を見出され、18歳で奨学金を得てパリに渡り、女子学生を受け入れていた美術学校アカデミー・コラロッシで学びます。(※ほぼ同世代の久米桂一郎と黒田清輝もここで学ぶ。) その後26歳の時描かれた「回復期」は1889年のパリ万博では銅メダルを獲得し、彼女は国際的な名声を得ることになります。本作は、彼女の人生の一部の1915~23年、つまり50代~60代のを扱った作品です。ヘレン(ラウラ・ビルン)は高齢のお母さんと一緒にフィンランドの農村部に留まり、美術界の関心から遠ざかって静かに過ごしていましたが、そこに彼女の作品の熱烈な愛好者エイナー・ロイター(ヨハンズ・ホロパイネン)が現われ、次第に親密になっていきます。愛という見知らぬ感情を経験して迎える彼女の内面の変化を、本作では淡々としかし濃密に描いているとのことです。単に「Helene」だけの英題だと内容がわからないので、韓国題の「헬렌: 내 영혼의 자화상(ヘレン: わが魂の自画像)」に沿って仮題としました。なお、日本公開は未定のようです。
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