ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画の興行成績 [5月20日(金)~5月22日(日)]と人気順位 ►昭和を想起させる清州市の築30数年の低層団地 ►レジェンド級のフォーク歌手&社会運動家、チョン・テチュンを知っていますか?

2022-05-29 23:53:11 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
※日付を確認して下さい。1週間遅れのデータになってしまいました。

▶今回の記事中注目の韓国映画その1は「ポンミョン・ジュゴン」です。タイトル<ポンミョン・ジュゴン>の<ポンミョン>とは韓国忠清北道清州(チョンジュ)市興徳区の鳳鳴洞(ポンミョンドン)、そして<ジュゴン>とは、1980年代そこに建てられた低層アパートの名称です。それが再開発のため撤去されることとなり、人々の思い出やこのアパートの特色等を撮ったドキュメンタリーです。その特色というのが住民相互だけでなく住民が建物の周囲の動植物等と自然なふれあいが感じられること。ということで→本作の予告編をぜひ見てみて下さい。半世紀以上前の昭和時代のアパートが思い出されて、私ヌルボ、ちょっと懐かしさを覚えました(笑)。ただ韓国人は日本人のように住居周辺に繁った植物の枝葉をまめに刈り込んだり道の落葉やゴミの掃除をしたりはしないようなので実際の年数以上に古く感じられるのかもしれません。

▶韓国映画の注目作その2は「詩人の歌、チョン・テチュン」です。チョン・テチュン[鄭泰春.정태춘](1954~)は韓国のレジェンド級のフォーク歌手であり社会運動家です。しかし韓国フォークの草分け的歌手のソン・チャンシク(1947~)キム・ミンギ(1951~)ヤン・ヒウン(1952~)や、90年代のフォーク隆盛期最後の世代のキム・グァンソク(1964~96)やアン・チファン(1965~)等々に比して日本では高くないと思われます。
 彼の歌は1978年の初アルバムのタイトル曲→「詩人の村(시인의 마을)」にしても84年の(それなりの)ヒット曲→「出て行く船(떠나가는 배)」にしても社会批判的な歌詞や訴えかけるような歌い方ではなく、むしろ韓国伝統の情緒が漂う穏やかな曲調の歌です。しかし韓国公演倫理委員会による検閲すなわちレコード事前審議制度に引っかかって前者の歌詞中の「私は孤独の友、さすらいの友(나는 고독의 친구 방황의 친구)」が「私は自然の友、生命の友(나는 자연의 친구 생명의 친구)」と変えられてしまいます。
 「中央日報(日本語版)」の→コチラの記事にあるように、韓国の憲法裁判所が表現の自由に軍配を上げて公演倫理委員会のレコード事前審議制度を撤廃したのはやっと96年のことですが、その大きな契機になったのが90年のチョン・テチュンのレコード→「ああ!大韓民国」でした。
 先に名前をあげた歌手はもちろん、このチョン・テチュン夫妻の音楽人生をたどってみるだけでも韓国のこの半世紀を超える政治・社会の重い歴史が感じられます。(ところが今世紀に入ってから音楽も文学もずいぶん変わってきたような・・・。)

    ★★★ NAVERの人気順位(5月25日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 役割たち(韓国)  9.94(31)
②(新) 血は水より濃い(韓国)  9.65(23)
③(6) 犯罪都市2(韓国)  9.56(12,624)
④(3) しなやかに(韓国)  9.50(16)
⑤(5) SING/シング:ネクストステージ  9.39(2,665)
⑥(新) 詩人の歌、チョン・テチュン(韓国)  9.33(84)
⑦(7) マリムさんをよろしく(韓国)  9.27(124)
⑧(新) アンニョンハセヨ(韓国)  9.27(11)
⑨(8) 手紙と線路と小さな奇跡(韓国)  9.25(6,138)
⑩(9) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.25(1,505)

 ②⑥⑧の3作品が新登場です。
 ②「血は水より濃い」は韓国のアクション。最大請負暴力組織の白丁(ペクジョン)派は無慈悲で悪名高い解決師、ベールに包まれた<トッケビ>、実はドゥヒョン(チョ・ドンヒョク)を前面に出して一帯を掌握しています。しかし、ドゥヒョンは本当の兄弟のようだったヨンミン(イ・ワン)の罪をかぶり、10年の収監生活を送ることになります。一方、ドゥヒョンがいなくなった間トッケビのふりをして組織を占有したヨンミンはドゥヒョンの出所情報を聞いて不安に包まれます。そして彼はまずドンヒョンを叩くことにします。新しい人生を始めようとしていたドゥヒョンは結局本当の<トッケビ>の復活を宣言し、ヨンミンと組織を相手に戦いを始めるのですが…。原題は「피는 물보다 진하다」です。
 ⑥「詩人の歌、チョン・テチュン」については後述します。
 ⑧「アンニョンハセヨ」は韓国のドラマ。スミ(キム・ファニ)は19歳の女性ですが世の中にただ1人残されて頼る所もなく、孤独感に苛まれて死を決心します。そして死ぬ方法を教えてくれるという看護師長ユソン(チョン・ソジン)の提案に従って常春ホスピスの病棟を訪ねます。そこでスミは驚きます。「この人たちが人生の最後の時を迎えようとしているんですって !?」。思いもよらない愉快さと温かさがスミを歓迎し、一日一日を大切に生きている彼らに徐々になじんでいった彼女はやがて世界の温もりを感じ始めます・・・。原題は「안녕하세요」です。

     【記者・評論家による順位】

①(2) ファースト・カウ  8.40(10)
②(3) 偶然と想像(日本)  8.29(7)
③(4) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
④(7) マス  7.67(3)
⑤(5) アフター・ラヴ  7.60(5)
⑥(6) ベルファスト  7.50(10)
⑦(10) スペンサー ダイアナの決意  7.38(8)
⑧(-) モガディシュ(韓国)  7.27(11)
⑨(新) パリ13区  7.00(6)
⑩(新) ポンミョン・ジュゴン(韓国)  7.00(5)

 ⑨⑩の2作品が新登場です。
 ⑨「パリ13区」は日本でも4月22日から公開されているので説明は省略します。韓国題は「파리, 13구」です。
 ⑩「ポンミョン・ジュゴン」は韓国のドキュメンタリー。冒頭に書いたように、清州(チョンジュ)市内の鳳鳴洞(ポンミョンドン)に1980年代に建てられた<ジュゴンアパート>という低層アパートの名称です。清州の第1世代マンションですが再開発のため撤去されることとなり、これを記憶しようとする人々の話や思いをキム・ギソン監督が長編第1作という本作に盛り込みました。この作品の最大の魅力は何と言ってもボンミョン・ジュゴン自体にあります。建物の周囲あちこちに深く根付いた木々、大勢で集まってキムチを漬ける住民たち、のんびりと昼寝をする野良猫、樹上で休んでいる鳥たちの静かな姿は今の高層マンション世代では見られない独特の魅力です。またそこに住んでいた人々に動植物も含めて、家の意味を生態学的な視点から描き出したドキュメンタリーでもあります。本作が<第18回ソウル環境映画祭>(2021)で大賞と観客審査団賞を受賞したのも当然の結果と言えそうです。原題は「봉명주공」です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月20日(金)~5月22日(日) ★★★
              「犯罪都市2」が400万人を超え1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(2)・・犯罪都市2(韓国)・・・・・・・・・・5/18 ・・・2,534,158 ・・・・・3,550,834 ・・・・・37,258・・・・2,498
2(1)・・ドクター・ストレンジ ・・・・・・5/04 ・・・・・328,098 ・・・・・5,472,113 ・・・・・58,317・・・・1,113
       /マルチバース・オブ・マッドネス
3(3)・・バッドガイズ ・・・・・・・・・・・・・5/04 ・・・・・・35,946 ・・・・・・・375,407・・・・・・・3,577・・・・・・404
4(5)・・映画おしりたんてい ・・・・・・・5/05・・・・・・・・8,007・・・・・・・・147,178 ・・・・・・1,363・・・・・・174
       スフーレ島のひみつ(日本)
5(16)・・詩人の歌、チョン・テチュン(韓国)・・5/18・・6,798・・・・・・・・14,336 ・・・・・・・・140・・・・・・149
6(17)・・熱い血(韓国) ・・・・・・・・・・・・・3/23 ・・・・・・・5,499 ・・・・・・・390,772 ・・・・・・3,737・・・・・・・15
7(10)・・おんぶ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・5/11 ・・・・・・・3,173 ・・・・・・・・19,809 ・・・・・・・・164・・・・・・・30
8(29)・・マス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/18 ・・・・・・・2,712・・・・・・・・・・5,361・・・・・・・・・・50・・・・・・・61
9(13)・・劇場版 呪術廻戦 0(日本) ・・・2/17 ・・・・・・・2,573・・・・・・・635,802 ・・・・・・6,313・・・・・・・32
10(6)・・ファンタスティック・・・・・・・・4/13 ・・・・・・・2,559 ・・・・・1,191,661・・・・・12,276・・・・・・・46
       ・ビーストとダンブルドア
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 先週先行上映で2位に入った「犯罪都市2」が18日以降一気に上昇、24日には400万人を超え、27日には500万人を突破、25日には589万人に達して「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」を追い抜きました。
 入れ替わりは4作品ありましたが、新登場は5位「詩人の歌、チョン・テチュン」だけです。韓国のフォーク歌手チョン・テチュンのドキュメンタリー。彼は苦難の20世紀に妥協することなく時代を歌ってきたミュージシャンであり、また闘争の現場でいつも民衆と共にいた社会運動家でもありました。
 本作はそんな彼のデビュー当時からの主なTV報道、歌謡事前審議の撤廃運動、小劇場公演ツアー等未公開アーカイブ映像を豊富に活用し、時代の質感をあらかじめ伝える。チョン・テチュンと(夫人の歌手)パク・ウノクのデビュー40周年を記念して28ヵ所で行われた全国ツアーコンサート実況(→YouTube.約30分)を4Kで撮影したものです。原題は「아치의 노래,정태춘」です。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・おんぶ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/11・・・・・・・・・3,173・・・・・・・19,809・・・・・・・・・164・・・・・・・・30
2(9)・・マス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/18 ・・・・・・・・2,712 ・・・・・・・・5,361・・・・・・・・・・50・・・・・・・・61
3(5)・・恋する惑星・・・・・・・・・・・・・・1995/4/20・・・・・・・・・2,301・・・・・・・96,760・・・・・・・・・907 ・・・・・・・・・9
4(2)・・偶然と想像(日本) ・・・・・・・・・・・・・・5/04 ・・・・・・・・1,826・・・・・・・18,480・・・・・・・・・184・・・・・・・・45
5(3)・・WALK WITH ME ・・・・・・・・・・・・・・5/12 ・・・・・・・・1,273 ・・・・・・・・5,116・・・・・・・・・・49・・・・・・・・24
       マインドフルネスの教え

 今回新登場の作品はありません。
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韓国内の映画の興行成績 [5月13日(金)~5月15日(日)]と人気順位 ►マ・ドンソク主演「犯罪都市」の続編公開 ►緊迫の会話劇「Mass」(米)の日本公開希望

2022-05-20 01:22:13 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事中の韓国映画の中で一般的な注目作はやっぱり「犯罪都市2」ですね(右画像)。「犯罪都市」(2017)から4年後という設定の続編ですが、今回は舞台をベトナムにまで拡げます。ももちろんマ・ドンソクが活躍するのは同じ・・・って何か新味もあるのかな? もちろん日本でも公開確定のようですが、いつになるかは不明。

▶韓国映画以外でぜひ日本で公開してほしい作品は《記者・評論家による順位》で⑦位に入っているアメリカ映画「マス(Mass)」(仮)です。ストーリーは下の記事を読んでくださいね、ということで、要は大部分が教会内の一室で2組の夫婦が話をするだけ(!)という会話劇なのですが、設定からして緊迫感が漂う目が離せない作品のようです。数多くの映画賞を獲得し、釜山国際映画祭でも上映された作品。観た人のレビュー中に「本作がアカデミー賞作品賞にノミネートされなかったのはテーマが重なる部分が多い「ドライブ・マイ・カー」が選ばれたからだ」という記述があったのは(当否は措くとして)なるほどなーと思った次第です。

▶本ブログで「ぜひ日本で公開してほしい」と書いたり内心で思ったりしていた作品がそれなりにすでに公開されたり近日公開となったりしています。下の2作品のポスターはいずれも5月16日徒歩圏内のkino cinema 横浜みなとみらいで見かけて撮ったものです。この他にも中国の作家閻連科[えん・れんか]の小説「人民に奉仕する」を原作とする韓国映画が「愛に奉仕せよ」というタイトルに変わって6月24日公開されます。小説は先月読み、さすがノーベル文学賞の有力候補と思いました。(が映画の方はそんなに期待はしてません。)
     
【 「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」(5月20日公開)と、「リコリス・ピザ」(7月1日公開)。】

    ★★★ NAVERの人気順位(5月18日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 役割たち(韓国)  9.94(31)
②(-) ログブック(韓国)  9.69(39)
③(2) しなやかに(韓国)  9.50(16)
④(6) アクション童子(韓国)  9.40(15)
⑤(3) SING/シング:ネクストステージ  9.39(2,661)
⑥(新) 犯罪都市2(韓国)  9.36(108)
⑦(4) マリムさんをよろしく(韓国)  9.32(121)
⑧(-) 手紙と線路と小さな奇跡(韓国)  9.25(6,135)
⑨(5) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.25(1,490)
⑩(7) コーダ あいのうた  9.14(934)

 ⑥「犯罪都市2」が新登場ですが、この作品については後述します。
 ②「ログブック」は2014年4月16日のセウォル号沈没事故の時に真っ先に救助活動に当たった民間潜水士たちについてのドキュメンタリーです。もう8年経ったのですね。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ドライブ・マイ・カー(日本)  8.44(9)
②(-) ファースト・カウ  8.40(10)
③(2) 偶然と想像(日本)  8.40(5)
④(3) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
⑤(4) アフター・ラヴ  7.60(5)
⑥(5) ベルファスト  7.50(10)
⑦(新) マス  7.50(2)
⑧(6) パラレル・マザーズ  7.43(7)
⑨(8) 8月のエバ  7.40(5)
⑩(9) スペンサー ダイアナの決意  7.38(8)

 ⑦「マス」(仮)が新登場です。アメリカのドラマ。ある教会内の一室で2組の夫婦がずーっと喋っている場面が続く会話劇です。両夫婦とも6年前のある事件で高校生の息子を失くしたという共通点があります。ジェイ(ジェイソン・アイザックス)&ゲイル(マーサ・プリンプトン)夫妻はその悲しみから立ち直れず、セラピストの勧めでリチャード(リード・バーニー)&リンダ(アン・ダウド)夫婦と会って話し合うことになったのです。観客は彼らの話を聞くうちにその事件のことを知り、また両夫婦の立場が決定的に異なることがわかります。それはそれぞれの息子が被害者と加害者であるということ。親たちははたしてその深い溝を越えて理解し合うことができるものなのか・・・。原題の「Mass」は<多数/大量>と<(教会の)ミサ>の2つの意味を含んでいるとか・・・。韓国題は「매스」。冒頭にも記しましたが、日本公開を期待したい作品です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月13日(金)~5月15日(日) ★★★
       「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」が他を圧倒して2週連続1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ドクター・ストレンジ ・・・・・・5/04 ・・・・・808,954 ・・・・・4,906,570 ・・・・・52,379・・・・2,495
       /マルチバース・オブ・マッドネス
2(新)・・犯罪都市2(韓国)・・・・・・・・・5/18 ・・・・・131,736 ・・・・・・・182,937・・・・・・・1,980・・・・・・463
3(2)・・バッドガイズ ・・・・・・・・・・・・・5/04 ・・・・・・58,825 ・・・・・・・330,859・・・・・・・3,159・・・・・・720
4(4)・・親の顔が見たい(韓国)・・・・・・4/27 ・・・・・・23,729・・・・・・・・393,163 ・・・・・・3,778・・・・・・444
5(3)・・映画おしりたんてい ・・・・・・・5/05 ・・・・・・19,194・・・・・・・・137,231 ・・・・・・1,276・・・・・・500
       スフーレ島のひみつ(日本)
6(5)・・ファンタスティック・・・・・・・・4/13 ・・・・・・14,743・・・・・・1,184,371 ・・・・・12,200・・・・・・300
       ・ビーストとダンブルドア
7(24)・・オペレーション・ミンスミート・・5/11 ・・13,365・・・・・・・・・25,723 ・・・・・・・・254・・・・・・459
       -ナチを欺いた死体-
8(40)・・オンマ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/11・・・・・・10,417・・・・・・・・・16,040 ・・・・・・・・141・・・・・・187
9(6)・・ソウル怪談(韓国)・・・・・・・・・・・4/22 ・・・・・・・9,248 ・・・・・・・109,060 ・・・・・・1,041・・・・・・143
10(新)・・おんぶ(韓国)・・・・・・・・・・・・・5/11 ・・・・・・・6,847 ・・・・・・・・13,364・・・・・・・・・122・・・・・・289
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 2・7・8・10位の4作品が新登場です。
 2位「犯罪都市2」は観客動員数約688万人を記録した「犯罪都市」(2017)の続編です。
 加里峰洞(カリボンドン)掃討作戦から4年後、衿川[クムチョン]署の対ヤクザの強力班はベトナムに逃走した容疑者を引き連れて来いとのミッションを受けます。強力班の<怪物刑事>マ・ソクト(マ・ドンソク)とリーダーのチョン・イルマン(チェ・グィハ)班長は容疑者に怪しさを感じて、彼の背後に無慈悲な悪行を重ねているカン・ヘサン(ソン・ソック)がいることを知ります。マ・ソクトと衿川署強力班は韓国とベトナムを行き来し、歴代級の犯罪を目論むカン・ヘサンを本格的に追い始めるのですが・・・。悪い奴を捕まえるのに国境はない! 痛快で強烈な犯罪掃討作戦が再び繰り広げられます・・・。原題は「범죄도시 2」です。
 7位「オペレーション・ミンスミート -ナチを欺いた死体-」はイギリスの戦争ドラマ。日本では2月18日に公開されているので説明等は省略します。韓国題は「민스미트 작전(ミンスミート作戦)」です。
 8位「オンマ」はアメリカのホラー。「死霊のはらわた」等カルト映画の監督として知られるサム・ライミのプロデュースによる作品です。英題(原題)は「UMMA」、韓国題は「엄마(オンマ)」=<お母さん>で、ポスターも画面いっぱいの(ちょっと不気味な)韓国人女性の顔なので韓国映画かと思ったらアメリカ映画でした。しかし監督はアイリス・シムは移民韓国人の家に生まれ育ったアメリカ人で、主演女優で過去ゴールデングローブ賞(テレビ部門)を受賞したサンドラ・オーも生まれも国籍もカナダですが両親とも移民韓国人です。本作はそんなアジア系アメリカ人等のアイデンティティや世代論などにも関わるようです。そして物語の基調にはハリウッド注目の<K-カルチャー>があるとか。具体的には祭祀(チェサ)、韓服、仮面(タル)、あやとり遊び等が登場して韓国の雰囲気を醸し出します。
 物語の舞台はアメリカのある田舎の農場。そこでアマンダ(サンドラ・オー)は10代の娘クリス(ファイベル・スチュワート)と2人で静かに暮らしてきました。彼らは養蜂場を持っていて蜂蜜を売って生計を立てています。アマンダは子供時代のトラウマのためあえて電気のような技術文明を忌避しているため、2人はテレビを見る代わりにボードゲームを楽しんでいます。ところがある日、叔父が彼女の所に韓国で最近亡くなったオンマの遺灰を届けると、その時から正体不明の現象が起こり始め、彼女たちの牧歌的なライフスタイル生活は崩壊します。アマンダにとってオンマに少しでも似ることは恐ろしく、そのため彼女は自分や娘が子供時代を思い起こすような過去を隠してきました。しかしオンマの遺灰が契機となってアマンダは自分が死んだオンマ自身になるという恐怖に取り憑かれてしまったのです。それは彼女の静かな生活がホラーに変わる時でした・・・。
 10位「おんぶ」は韓国の家族ドラマ。<おんぶ号>の船長ジョンボム(チョン・ジュノ)は釜山の海沿いの浦口の伊達男。分別のない弟ジョンフン(チェ・デチョル)の突然の結婚宣言と、せがれノマ(イ・エルビン)の初恋、友達との友情まで、愛する家族を守るために日々孤軍奮闘しています。そんなある日、自身の分身であり息子ノマにとっては母親のような存在の<おんぶ号>が奪われる危機に瀕する事態になってしまいます・・・。愉快に笑う場面もあればジーンと涙が滲む場面もある家族のドラマです。原題は「어부바」です。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・おんぶ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・5/11・・・・・・・・・6,847・・・・・・・13,364・・・・・・・・・122・・・・・・・289
2(1)・・偶然と想像(日本)・・・・・・・・・・・・・・5/04 ・・・・・・・・3,010・・・・・・・14,803・・・・・・・・・148・・・・・・・・54
3(11)・・WALK WITH ME・・・・・・・・・・・・・5/12 ・・・・・・・・1,626 ・・・・・・・・2,316・・・・・・・・・・22・・・・・・・・53
       マインドフルネスの教え
4(新)・・死霊匣 SHIRYOBAKO・・・・・・・・・5/12・・・・・・・・・・・714・・・・・・・・・1,123・・・・・・・・・・11 ・・・・・・・45
5(2)・・恋する惑星 ・・・・・・・・・・・・・1995/4/20・・・・・・・・・・・549・・・・・・・・94,211 ・・・・・・・・889・・・・・・・・14

 1・3・4位の3作品が新登場ですが、1位「おんぶ」のについては上述しました。。
 3位「WALK WITH ME マインドフルネスの教え」はイギリスのドキュメンタリー。世界中の人々に平和と幸福の教えを残したベトナムの禅僧ティク・ナット・ハン(1926~2022)はベトナム戦争中被災者や難民の救済を行ったり孤児たちの支援等の活動を続けてきました。しかし1973年のパリ平和会議の後ベトナム政府から帰国を拒否されたため1982年に南フランスのボルドー近郊に設立したプラムヴィレッジ瞑想センターを拠点に社会的活動を継続するとともに、その教えにひかれて集まる多くの人々に瞑想指導を始めました。そんな彼をマーク・フランシス監督が訪ね、美しい自然の中で共に歩き、食べ、働き、茶を飲みつつ3年にわたって過ごした日常を記録した作品です。またマインドフルネスとは彼が仏教の中心であると説いた瞑想の実践形態のことです。韓国題は「나를 만나는 길(私と出会う道)」。日本では2018年に公開されていたようです。
 4位「死霊匣 SHIRYOBAKO」はイギリスのホラー。ケイシーはおもちゃ博物館で管理係として働き始めます。彼はある日物寂しい気分を感じさせるジャック・イン・ザ・ボックスという寄贈品のおもちゃを見て、我知らずハンドルを回します。するとそこから飛び出したのは子供たちのおもちゃと呼ぶにはあまりにも不気味なピエロ人形でした。こうして1度開かれたピエロ人形はその後恐ろしい生き物になって接近する人々を1人2人と箱の中に引き入れます。ケイシーは人々が1人ずつ消えていく理由がジャック・イン・ザ・ボックスの呪いであることに気づき、その驚くべき秘密を調べますが・・・。はたしてケーシーはこの恐ろしい悪夢を終わらせる方法を見つけられるか? それとも自分も呪いの犠牲者になるのでしょうか・・・。韓国題は「잭 인 더 박스(ジャック・イン・ザ・ボックス)」。日本では2020年からレンタルDVDや配信はありますが劇場公開はありません。
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韓国内の映画の興行成績 [5月6日(金)~5月8日(日)]と人気順位 ►「おしりたんてい」韓国でも人気 TVアニメも本も・・・ ►フジコ・ヘミングのドキュメンタリー韓国で公開

2022-05-13 10:40:15 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事中の韓国映画はとくに興味を覚えた作品はありません。昨年9月の<第31回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭>でオンライン上映された「アクション童子」は寺に起居する童子僧たちが仏像を盗んでいった泥棒たちを捕まえる話ですが、主役中の主役というべき子役が画像を見ると見覚えのある女の子だったので「アレ?」と思って関連記事を読むとやっぱり「子供たちは楽しい(아이들은 즐겁다)」に主演格で出演していたホン・ジョンミンちゃん11歳(右画像)。本作では初めての男の子役で、声も男の子っぽく演技したとか・・・。今後注目。

▶記事中私ヌルボが観てない日本映画その1は「フジコ・ヘミングの時間」(2018)。TV放映がキッカケで大ブームとなってからもう20年以上も経つのですね。流行にはあまり関心を向けない性格なので今までYouTubeでもちゃんと聴いたことはなかったのですが、韓国でもこの彼女のドキュメンタリーが公開されたということでYouTubeでいくつか聴いてみました。その中で一番興味深かったのはフジコ・ヘミングを含む9人の<ラ・カンパネラ聴き比べ>(→YouTube)。まず音声だけ聴いて自分なりの感想をメモしてからピアニストの名前を確認し、多くの人のコメントと比べてみるというのがオススメ。
 もう1つは「映画おしりたんてい スフーレ島のひみつ」。このシリーズ、原作本は全世界で約1千万部も売れてるんだって!? 子供の感性は大人たちよりずっと世界共通かもねー。韓国でも日本同様TVアニメに本、そして映画と、子供たちの人気を集めています。アニメの主題歌ももちろん韓国語で歌われています。(→YouTube) ウィキペディアによると香港では「屁屁偵探」のタイトルで放映され、ロシアでは夜10時台から深夜にかけて放送・・・というのは、ロシアでは「検閲の都合で朝や昼の時間帯におしりを見せることができない」ためだとか。「ふうん」ですね。プーチン氏は見たことあるのかな?とチラッと思いました。
     
【 「映画おしりたんてい スフーレ島のひみつ」の韓国版ポスター(左)と、シリーズ本第1巻。】

    ★★★ NAVERの人気順位(5月11日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 役割たち(韓国)  9.93(30)
②(4) しなやかに(韓国)  9.50(16)
③(6) SING/シング:ネクストステージ  9.39(2,660)
④(3) マリムさんをよろしく(韓国)  9.37(110)
⑤(7) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.26(1,478)
⑥(新) アクション童子(韓国)  9.25(12)
⑦(8) コーダ あいのうた  9.14(929)
⑧(9) 幸せの答え合わせ  8.99(111)
⑨(-) SNS 少女たちの10日間  8.85(47)
⑩(-) BanG Dream! ぽっぴん’どりーむ!(日本)  8.78(67)

 ⑥「アクション童子」が新登場です。韓国のアクション、といっても主な登場人物は子供たちで、親の大人たちも楽しめるファミリームービーです。<第24回富川国際ファンタスティック映画祭>等の他、オンライン上映となった昨年9月の<第31回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭>にも招待され上映されました。
 ジング(ホン・ジョンミン)は臆病な性格のため転校したものの新しい学校でも同学年の連中とつき合えず、童子僧たちが起居する宝石寺に入ることになります。しかし童子僧たちともうまくつき合えない日が続き、同じ童子僧ジョンボプ(チェ・ヒョンジン)にもいじめられたりしますが、豚坊主ことヘリュン(ユン・リュン)だけは優しく面倒を見てくれます。そんなある日、寺に泥棒が入って仏像と仏画の掛け軸もうとしたを盗んで逃げ、これを阻もうとした和尚まで刃物で刺され入院してしまいます。唯1人泥棒たちの顔を目撃したジング(ホン・ジョンミン)は勇気を出してジョンボプ、ガジン(ハム・ヒス)リュンたちと共にこっそり寺を抜け出し、泥棒を捕まえに行きますが、はたしてジングと童子僧チームは盗まれた物を取り戻して無事に帰ってくるでしょうか・・・? 原題は「액션동자」です。
 なお、⑨「SNS 少女たちの10日間」は日本では昨年4月23日公開チェコのドキュメンタリーです。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ドライブ・マイ・カー(日本)  8.44(9)
②(2) 偶然と想像(日本)  8.29(7)
③(3) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
④(4) アフター・ラヴ  7.60(5)
⑤(5) ベルファスト  7.50(10)
⑥(-) リコリス・ピザ  7.43(7)
⑥(6) パラレル・マザーズ  7.43(7)
⑧(7) 8月のエバ  7.40(5)
⑨(8) スペンサー ダイアナの決意  7.38(8)
⑩(9) 熱帯往時  7.33(3)

 新登場の作品はありません。

  ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月6日(金)~5月8日(日) ★★★
          日韓で同日公開の「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」がスクリーンを席捲!

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(新)・・ドクター・ストレンジ ・・・・・5/04 ・・・1,716,945 ・・・・・3,496,877 ・・・・・37,170・・・・2,651
       /マルチバース・オブ・マッドネス
2(10)・・バッドガイズ・・・・・・・・・・・・5/04 ・・・・・110,328 ・・・・・・・256,411 ・・・・・・2,447・・・・・・763
3(新)・・映画おしりたんてい ・・・・・・5/05 ・・・・・・50,310 ・・・・・・・113,584 ・・・・・・1,061・・・・・・664
       スフーレ島のひみつ(日本)
4(2)・・親の顔が見たい(韓国)・・・・・・4/27・・・・・・42,819・・・・・・・・347,222 ・・・・・・3,310・・・・・・556
5(1)・・ファンタスティック・・・・・・・・4/13・・・・・・28,998 ・・・・・1,158,276 ・・・・・11,922・・・・・・419
       ・ビーストとダンブルドア
6(3)・・ソウル怪談(韓国)・・・・・・・・・・・4/22 ・・・・・14,802・・・・・・・・・95,071 ・・・・・・・・904・・・・・・145
7(5)・・ソニック・ザ・ムービー ・・・・・・4/06・・・・・・・7,394 ・・・・・・・305,032 ・・・・・・2,775・・・・・・108
       /ソニック VS ナックルズ
8(42)・・偶然と想像(日本)・・・・・・・・・・5/04・・・・・・・4,051 ・・・・・・・・・8,655・・・・・・・・・・87・・・・・・・56
9(11)・・劇場版 呪術廻戦 0(日本) ・・・2/17 ・・・・・・3,089 ・・・・・・・628,562 ・・・・・・6,233・・・・・・・38
10(63)・・小さなバイキング ビッケ・・5/04・・・・・・・3,017 ・・・・・・・・・7,837・・・・・・・・・・68・・・・・・158
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 1・3・8・10位の4作品が新登場です。
 1位「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」はアメリカのファンタジー&アクション。日本でも韓国と同日の5月4日から公開されているので説明は省略します。韓国題は「닥터 스트레인지: 대혼돈의 멀티버스」です。
 3位「映画おしりたんてい スフーレ島のひみつ」は例によって私ヌルボに語る資格ナシ。韓国では(日本でもか)シリーズ3作目。韓国題は「극장판 엉덩이 탐정: 수플레 섬의 비밀」です。
 8位「偶然と想像」については1つ前の記事で書いたので説明は省略します。韓国題は「우연과 상상」です。
 10位「小さなバイキング ビッケ」はドイツのファンタジー&冒険アニメ。日本では2020年10月に公開されているので説明を省略しますが、一応→<映画.com>のリンクを貼っておきます。韓国題は「토르: 마법 검의 전설(トール:魔法剣の伝説)」です。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・恋する惑星 ・・・・・・・・・・・・・1995/4/20・・・・・・・・・・・822・・・・・・・・93,234 ・・・・・・・・878 ・・・・・・16
2(4)・・小説家の映画(韓国) ・・・・・・・・・・・4/21・・・・・・・・・・・589・・・・・・・・・8,401・・・・・・・・・・77・・・・・・・31
3(29)・・福祉食堂(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・4/14・・・・・・・・・・・237・・・・・・・・・4,850・・・・・・・・・・38・・・・・・・14
4(43)・・ヨンヒ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・5/01・・・・・・・・・・・214・・・・・・・・・・・559・・・・・・・・・・・1・・・・・・・・4
5(8)・・フジコ・ヘミングの時間(日本) ・・4/27・・・・・・・・・・・192・・・・・・・・・1,018 ・・・・・・・・・・・8・・・・・・・・8

 4・5位の2作品が新登場です。
 4位「ヨンヒ」は韓国のコメディ。タフな性格のヨンヒ(キ・ウンス)は努力をしていますが共感能力が全然ない元カレを後にして完璧な理想型に近いチョルス(ソ・ボムソク)に一目惚れ。彼は違うと思ってチョルスとヨンヒは変わらない愛を約束して、周りからうらやましがられるほどイチャイチャと2人だけの愛を育みます。元カレは関係整理がすっきりしてないという理由でストーキングをして2人を悩ませますが、そのような妨害にもかかわらずめげずに彼を愛し続けます。そんな幸せそうな2人でしたが突然チョルスが行方不明になり物語は別方向に流れます。チョルスを見つけたヨンヒですが、泣きっ面で襲われた格好で結婚すれば家長だけのためだけに一緒に作った通帳のお金が全部引き落とされていて、疑わざるを得ない状況ですが、ヨンヒはチョルスを信じて、孤軍奮闘の末に元カレが関係していると考えます。しかし、はたしてその終わりに到達した真実は一体何なのか? ヨンヒの予測不可能なロマンチックコメディが始まります・・・。原題は「영희」です。
 5位「フジコ・ヘミングの時間」は2018年日本公開のドキュメンタリー。フジコ・ヘミングは1932年生まれの現役ピアニスト。ロシア系スウェーデン人画家・建築家の父と日本人ピアニストの間に生まれ、幼少時に日本に移住して戦後東京芸大を卒業。1961年に国立ベルリン音楽大学に留学し、その後ヨーロッパで音楽活動を続けるものの中耳炎の悪化による聴力の低下により演奏家としてのキャリアを一時中断する等困難な生活を送り、1995年に日本に帰国します。彼女の人生の大きな転機となったのは1999年NHKのETVで放映されたドキュメンタリー「フジコ〜あるピアニストの軌跡〜」(→YouTube)でした。視聴者の大きな反響を呼んでフジコブームが起こり、デビューCD「奇蹟のカンパネラ」は異例の大ヒットとなって多くの賞を受賞、同年10月東京オペラシティでの復活リサイタルを皮切りに本格的な音楽活動を再開し、以後国内外で活躍を続け今に至っています。このドキュメンタリー映画は私ヌルボは観ていないのでこメントはなんとも・・・。韓国題は「 파리의 피아니스트: 후지코 헤밍의 시간들」です。
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韓国内の映画の興行成績 [4月29日(金)~5月1日(日)]と人気順位 ►いじめ自殺事件を扱った韓国映画「親の顔が見たい」の原作は日本の演劇 ►濱口竜介監督作品「偶然と想像」韓国で公開

2022-05-08 23:57:32 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
※日付注意! 1週前の週末のデータです。

▶今回の記事中で目に留まった韓国映画は「親の顔が見たい」です。
 中学校でいじめに遭っていた生徒が自殺しますが、彼が遺した手紙に4人の名前が記されていたことから加害者と思しき彼らの親が集められ・・・という設定。
 いじめといえば日本でも昨年4月から<文春オンライン>(→最初最新)で継続して報じられている<旭川女子中学生いじめ凍死事件>(→ウィキペディア)は、具体的な事実が明るみに出るたび加害者生徒たちの歯止めの効かない陰惨ないじめと学校側の見え透いた保身に気が重くなるばかりです。40年以上も前の1979年に<上福岡中1男子いじめ自殺事件>(→ウィキペディア)という事件がありましたが、こうした事件に対する加害生徒や保護者、学校側、地元教委等の姿勢がなんと似ていることか! 過去の悲劇がほとんど教訓化されていないことに驚くばかりです。
 韓国でも日本同様いじめが原因の自殺事件はめずらしいことではありません。(※日韓以外の世界各国でもいじめは頻発しています。) 2011年大邱市内の中学でのいじめ自殺事件では加害者生徒2人が実刑判決を宣告され(→コチラ参照)、昨21年7月には光州の高1の生徒がいじめで自殺したと報じられました。(→コチラ参照。)
 そんな中、日本ではすでに2008年2月にいじめ自殺事件をテーマにした演劇が上演されました。それが劇団昴ザ・サード・ステージ公演として新宿シアタートップスで初演された「親の顔が見たい」です。戯曲の作者は高校教師でもある畑澤聖悟さん。2006年の<福岡中2いじめ自殺事件>(→ウィキペディア)の報道で「加害者と思われる5人の生徒たちが葬儀場で笑いながら棺の中を携帯のカメラで撮ろうとしたり「せいせいした」などと言っていた」等の記事に触れて加害生徒の両親を見たいと思ったし、加害者側の話は報道されないので戯曲として残さなければと思った」というのが創作の動機とのことです。ただ、戯曲の設定は実際の事件と違って東京都内のあるカトリック系私立女子中学校に変え、また生徒は登場せず、学校に呼び出された(推定)加害者生徒の親5人と被害者の親、そして校長以下の教員が会議室でそれぞれ感情をぶつけあったりエゴや保身を露出したり・・・という内容になっているそうです。この戯曲は同年度の第12回鶴屋南北賞にノミネートされ(※受賞作は映画化された鄭義信作「焼肉ドラゴン」)、劇団昴の公演後も多くの劇団によってたびたび再演されています。
 そして韓国では2012年1月<第5回現代日本戯曲朗読公演>の中でこの戯曲が朗読されました。観客の反応は非常に大きく、衝撃を超えて興奮レべルだったとか。観客のお1人の感想は→コチラ(自動翻訳)。いろいろ興味深い内容です。「親の顔が見たい」という表現は韓国にはなく、「니 부모 얼굴이 보고 싶다(お前の父母の顔が見たい)」と訳されていますが、かなりキツい語感のようですね。
  ※→畑澤聖悟さんに聞く=この戯曲のあらましとインタビュー
 同じ2012年の数ヵ月後にはソウルの劇団神市による公演が行われます。(→東亜日報日本語版の記事。) 映画監督キム・ジフンさんも「公演を観てとても新鮮でとても痛く衝撃的だった」との感想を抱き、原作者・畑澤聖悟さんと連絡を取って映画にしたいと希望を伝えると、畑澤さんはキム・ジフン監督の「光州5・18」を観覧して快諾します。しかし学校暴力の問題が絶えず繰り返されていて、昨年には一部の芸能人等が学生時代にいじめ加害者だったことが明らかになり、再びいじめが社会問題として浮上したりもしました。(これを受けて「未成年裁判」「豚の王」等のいじめを題材にしたドラマも注目を集めています。)
 こうした中にあって映画化決定以降の過程は順調に進まず、企画からシナリオまで結局5年の時間を費やしてしまいましたが、ようやく公開に至りました。この映画作品は、後述のように舞台はハヌム国際中学校という名門校で、生徒たちは皆男子です。
 私ヌルボ、この映画もさることながら、まず元の演劇を観てみたいと思いました。何度も再演されているので遠からず観られるのでは?と期待してます。
      
【 「親の顔が見たい」のポスター(左)、2012年新国立劇場演劇研修所・第8期生試演会のポスター(中)、書籍化された戯曲(右) 】

▶韓国映画以外で公開してほしいのは香港映画の「はじめて好きになった人」。<第17回大阪アジアン映画祭>(←未見)でのABCテレビ賞(最優秀エンタメ作品賞)受賞作。近年女性同士の恋愛物がやたらたくさんあって観る前から食傷気味なのですが、これはあらすじ読んだだけで興味が湧いてくる感じ。

    ★★★ NAVERの人気順位(5月4日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 役割たち(韓国)  9.97(29)
②(2) お母さんと私(韓国)  9.94(16)
③(4) マリムさんをよろしく(韓国)  9.51(90)
④(5) しなやかに(韓国)  9.50(16)
⑤(7) SEVENTEEN POWER OF LOVE(韓国)  9.43(94)
⑥(6) SING/シング:ネクストステージ  9.39(2,658)
⑦(8) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.26(1,458)
⑧(9) コーダ あいのうた  9.15(919)
⑨(10) 幸せの答え合わせ  9.02(108)
⑩(-) 巫女図[アニメ版](韓国)  9.01(85)

 新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ドライブ・マイ・カー(日本)  8.44(9)
②(新) 偶然と想像(日本)  8.40(5)
③(2) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
④(3) アフター・ラヴ  7.60(5)
⑤(4) ベルファスト  7.50(10)
⑥(5) パラレル・マザーズ  7.43(7)
⑦(7) 8月のエバ  7.40(5)
⑧(8) スペンサー ダイアナの決意  7.38(8)
⑨(9) 熱帯往時  7.33(3)
⑩(-) スリー: まだ終わっていない(カザフスタン・韓国)  7.00(3)

 ②「偶然と想像」が新登場です。濱口竜介監督作品は昨年12月「ハッピーアワー」、「ドライブ・マイ・カー」が相次いで公開され、新作の本作品も5月4日から公開。初日の観客動員数は全体7位にランクインしました。韓国題は「우연과 상상」です。

  ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績4月29日(金)~5月1日(日) ★★★
          2位「親の顔が見たい」をはじめ韓国映画が6作品

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ファンタスティック・・・・・・・・4/13・・・・・187,146 ・・・・・1,075,526・・・・・11,077・・・・1,256
       ・ビーストとダンブルドア
2(29)・・親の顔が見たい(韓国) ・・・・・4/27 ・・・・159,608・・・・・・・228,459 ・・・・・・2,129・・・・1,004
3(新)・・ソウル怪談(韓国)・・・・・・・・・・4/22 ・・・・・42,800・・・・・・・・・60,912 ・・・・・・・・568・・・・・・474
4(2)・・空気殺人(韓国)・・・・・・・・・・・・・4/22 ・・・・・30,542 ・・・・・・・143,624 ・・・・・・1,345・・・・・・611
5(5)・・ソニック・ザ・ムービー ・・・・・・4/06 ・・・・・28,123 ・・・・・・・287,690 ・・・・・・2,623・・・・・・439
       /ソニック VS ナックルズ
6(3)・・アンカー(韓国)・・・・・・・・・・・・・4/20 ・・・・・22,778・・・・・・・・157,773 ・・・・・・1,544・・・・・・575
7(6)・・SEVENTEEN・・・・・・・・・・・・・・・4/20 ・・・・・16,668・・・・・・・・・41,513 ・・・・・・・・830・・・・・・・80
       POWER OF LOVE:THE MOVIE(韓国)
8(4)・・ザ・ロストシティ・・・・・・・・・・・・4/22 ・・・・・15,062・・・・・・・・101,678 ・・・・・・・・946・・・・・・459
9(新)・・春の日(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・4/27 ・・・・・11,305・・・・・・・・・22,568 ・・・・・・・・167・・・・・・431
10(10)・・バッドガイズ・・・・・・・・・・・・・5/04・・・・・・11,088 ・・・・・・・・15,292・・・・・・・・・159・・・・・・272
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 2・3・9位の3作品が新登場。いずれも韓国作品で、先週ランクインの3作品と合わせて6作品になりました。
 2位「親の顔が見たい」は韓国のドラマ。冒頭に記したように学校内のいじめのため自殺した事件と、被害者・加害者の親等をめぐる作品です。
 名門ハヌム国際中学校の生徒キム・ゴヌ(ユ・ジェサン)が同じクラスの友人4人の名前が書かれた手紙を残し、意識不明の状態で湖畔で発見されます。病院理事長ト・ジヨル(オ・ダルス)の息子ト・ユンジェ(チョン・ユアン)。前警察庁長パク・ムテク(キム・ホンパ)の孫パク・ギュボム(パク・ジヌ)、ハヌム国際中学校教師チョン先生(コ・チャンソク)の息子チョン・イドゥン(チョン・テッキョン)、そして弁護士カン・ホチャン(ソル・ギョング)の息子カン・ハンギョル(ソン・ユビン)。加害者として浮上した子供たちの親は自身の権力と財力を利用し、事件を隠蔽しようとします。しかし担任教師のソン・ジョンウク(チョン・ウヒ)の良心宣言でゴヌの母(ムン・ソリ)も息子の死に関する真実を知ります。世間の注目がハヌム国際中学校に向いて、自分の子供を守るために必死な加害者の親たちの醜い素顔が現れていきます。「誰かの過ちでしょう。でも絶対うちの子ではありません」・・・。原題は「니 부모 얼굴이 보고 싶다(お前の父母の顔が見たい)」です。
 ※ソル・ギョングムン・ソリの共演「ペパーミント・キャンディ」(2000)、「オアシス」(2002)、「ザ・スパイ シークレット・ライズ」(2013)、「1987、ある闘いの真実」(2017)に続いて4回目。(かな?)
 3位「ソウル怪談」は韓国のホラー。暗いトンネルを1人で通る時の怖さ、隣の家から聞こえてくる謎の声、古い家具にまつわるミステリー、他人に向けられる筋違いの嫉妬。復讐、呪詛、欲望から始まった死より怖ろしい恐怖の実体がやって来ます・・・。
 本作の監督はホン・ウォンギ監督。2001年に設立されたミュージックビデオの制作会社ジャニブロスを立ち上げ、CF・ゲームコンテンツ・マネジメント等々多様な分野にわたり業務を展開してきた人物で、音楽と視覚的な表現に重点を置き、昔からあるおなじみの怪談を現代に即してオカルト、クリーチャー、サイコホラー、密閉スリラー等々のジャンルに分け、全く新しい現実密着恐怖を柱に再誕生させたとのことです。原題は「서울괴담」です。
 9位「春の日」は韓国のドラマ&アクション。一時はうまくいっていたが、現在は家族の厄介者で世間知らずの兄貴ホソン(ソン・ヒョンジュ)。8年ぶりに出所して見ると、人より何もできない弟ジョンソン(パク・ヒョックォン)は厄介者扱いされ、結婚を控える末娘ウノク(パク・ソジン)と久しぶりに会った息子ドンヒョク(チョン・ジファン)はホソンが恥ずかしいだけ。知っている人脈をすべてかき集めた父親の葬儀の香典で奇想天外なビジネスを計画し、第2の全盛期を夢見るのですが・・・。と見れば、よりによって勢力争いをしている2つの組織がここに一緒にいるのではないか! そこにちょうど空気を全然読めないホソンの友人ヤンヒ(チョン・ソギョン)が酔って人にからんでるような・・・。一触即発! 収拾不可! 果たしてホソンに春の日が訪れるのでしょうか・・・。原題は「봄날」です。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・恋する惑星 ・・・・・・・・・・・・・1995/4/20・・・・・・・・・3,979・・・・・・・・90,844 ・・・・・・・・852 ・・・・・・84
2(新)・・はじめて好きになった人 ・・・・・・4/27・・・・・・・・・1,542・・・・・・・・・2,854・・・・・・・・・・24・・・・・・・66
3(13)・・スペンサー ダイアナの決意 ・・・3/16・・・・・・・・・1,246・・・・・・・・82,582 ・・・・・・・・776 ・・・・・・10
4(2)・・小説家の映画(韓国) ・・・・・・・・・・・4/21・・・・・・・・・1,226・・・・・・・・・6,875・・・・・・・・・・63・・・・・・・45
5(新)・・狼たち(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・4/27・・・・・・・・・・・617 ・・・・・・・・・1,110・・・・・・・・・・・8・・・・・・・29

 2・5位の2作品が新登場です。
 2位「はじめて好きになった人」は香港の(女性同士の)ラブロマンス&ドラマ。今年の<第17回大阪アジアン映画祭>で上映されABCテレビ賞(最優秀エンターテインメント作品賞)を受賞した作品です。
 舞台は2001年の香港。それまで12年を通して名門の女学校に通い生徒代表をやってきたウィンラム(ヘドウィグ・タム[談善言])はサムユ(ヤン・シヨン[楊偲泳])と親しくなり、やがて友情と呼ぶにはあまりに激しい想いに流されるまでに至ります。ところが周囲の視線もあり学校から叱責を受けてサムユが転校することで2人の関係は一旦幕を引きます。数年後大学生になって偶然サムユと再会した時、2人は「30歳になって共に独身だったら結婚しよう」と約束します。そして今29歳のウィンラムは成功し始めた映画監督。未だ独身の彼女のところに、サムユから電話がかかってきます。それは「結婚式の介添え人になってほしい」というものでした。あのサムユとの約束だけを支えにしてきたウィンラムは動揺する気持ちのまま介添え人を引き受け、結婚式の場に臨むことに・・・。韓国題は「내가 처음으로 사랑한 소녀」です。日本での一般劇場公開は未定のようです。けっこうヒットしそうな感じなので期待できそうなんですけどねー・・・。
 5位「狼たち」は韓国のアクション。守ろうとするヤクザと奪い取ろうとする高麗人マフィアの避けられない戦争が始まる頃、女性たちが連続殺人魔の犠牲となる事件が発生し、警察が大々的な捜査に乗り出します。そんなある日、ヤクザのボスの娘が拉致され、事件は手の施しようもない方向に流れていきます・・・。原題は「늑대들」です。※<高麗人>とはスターリン時代に沿海州から現カザフスタンやウズベキスタン等の旧ソ連内陸部に移住させられた朝鮮人とその子孫のこと。
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