ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

高齢者になって初めてわかった大切かもしれないこと

2020-11-29 23:26:03 | エッセイ・雑文(韓国・朝鮮関係以外)
高齢者になって初めてわかった大切かもしれないこと
     = 自分本位?のシニア向け公開講座 =

 こんにちは。今日はいつもの韓国・朝鮮の話じゃなくて、年の話をします。年齢のことね。あ、あまり楽しい話題じゃない?・・・ですよね。皆さんもほぼ私と同じ世代ですから。
 実は私、昨年一月満七十歳になったんですよ。還暦が数え年で六十一歳だから、古稀もてっきり数え年七十一歳つまり今年かと思ったら、古稀は数え七十歳、つまり一昨年だったんですね。初めて知りましたよ。

 それにしても、時間が過ぎるのが早いですね。最初三十歳頃に以前より時の過ぎるのが早くなってるなと思ったのですが、その後はどんどん早くなっていって、この十年なんかあっという間に過ぎた感じで・・・。
 もしかすると、身体の動きが鈍くなると時間を感じる密度もまばらになるんでしょうか? 小学生の頃は授業の合間の10分ほどの短い休憩時間にサッと外に出て遊んでサッと教室に戻ったりしてましたからねー。病院などの待ち時間など子どもが我慢しきれないのも当然でしょう。逆にこの年になるとボーとしてるだけで一時間なんかすぐ過ぎちゃいますよね。
 若い頃読んだ筒井康隆の短編小説で「急流」という作品があって、これが時間の進み方が加速度的に早くなる話で、「朝便所に入って出てくるともう夜になっている」とか、「家を出る時には雪が降っていて会社に到着した時は夏のまっさかりで汗びっしょり」というほどで、最後は「二〇〇一年から先に時間はなかった。そこでは時間が滝になってどうどうと流れ、落ちていたからである。」で終わるんですが、ホントにそんな感じ。([右]「筒井康隆全漫画」より)

 さて、年を取ると体が利かなくなってきたり、記憶力が衰えたりというのは当然のことで、皆さんも実感されているのではないでしょうか?
 人の名前が出てこないことはよくあるというか、ありすぎ。子どもの頃テレビを見ていて母親がよく、「ほら、あの女優よ、あの、・・・誰だっけ?」などと騒いでいた姿を思い出しますが、今は私の番。言葉のど忘れは固有名詞から普通名詞に進んでいきますが、今の私はまさにその段階です。
 私はもともと物覚えがよくなくて失敗談もいろいろありますが、二十年ほど前に愕然としたことがありました。
 ある日図書館にいた時、ど忘れしたことを思い出そうとしていたのです。ところが結局思い出せないまま外に出てまもなく、ふと今まで自分が何を思い出そうとしていたかが思い出せないことに気づいたのです。ややこしいですが、わかりますよね? いやあ、皆さんもそこまでいかなくても、それに近いことはあるんじゃないですか? 忘れちゃいけないと思ってメモしておいたのに、メモ用紙をどこに置いたか探したりとか・・・。そういえばバカボンのパパの名セリフに「忘れようとしても思い出せない」というのがありましたねー・・・。

 視力で、これも年のせいかな?と思ったのは、四十代だったか五十代だったか、「逢魔が時」とよく言われる淡い夕闇の時間帯がどうも短く感じるようになったんです。なんか明るかった状態がストンと暗くなる感じで。もしかして、と思い起こしたのは高校の生物の授業で習った視細胞のことですよ。視細胞には棒細胞と円錐細胞の二種類があって、棒細胞は明暗を感知し、円錐細胞は色彩を識別するということですが、今は桿体(かんたい)細胞、錐体(すいたい)細胞と言ってるようですね。で、この桿体細胞が衰えてきたというのがやっぱりこの原因のようですよ。皆さん、感じていましたか? 少し前、私よりそれなりに年下の美術の先生とそんな話をしていると、色合いの見え方も鈍くなるそうですよ。つまり錐体細胞の衰えですね。これは気づいてなかったです。そういえば、数年前に東京都美術館にモネ展を観に行ったことがありましたが、そこで初めて見た彼の最晩年の作品がなんかヘンなんですよ。明るく澄んだ色調という印象だったのが、暗くて濁った感じになっていて・・・。彼は白内障を患っていたそうで、それで見え方も変調をきたしたようですね。私も気づかないうちに色の見え方が変わっているのかもしれません。

 皆さん聴力はいかがですか? 小さい声が聞こえにくくなるだけじゃないんですね。何十年も前、テレビを見ていたら子どもから高齢者まで三十人くらいだったか集めて聴力検査をしてるんです。最初は全員手を上げていて、ピーという電子音を徐々に高くしていって、聞こえなくなった人は手を下ろすというものなんですが、手を下ろすのはまさに高齢者から順々になんですよ。私も中年グループの人たちとほぼ一緒に続いて手を下ろしましたが、小さい子はずっと手を上げたままなんですよ。
 そしてつい先日の話。「宮本から君へ」という映画を観に行ったら、登場人物が感情むき出しでやたらに怒鳴ったりするんですよ。実際そんな人が大勢いるものでしょうかねー?・・・という話は措(お)くとして、どうもその怒鳴り声が音が割れる感じで意味が聞き取れないんです。周りの人を見たらちゃんと聞き取って反応してるようだし、これも聴力の衰えのあらわれかなと帰ってググってみたら案の定でした。
 あるサイトに「加齢性難聴の4つの特徴」というのが上げられていました。
  ①高い周波数が聞えない-高い音から聞こえなくなる。
  ②リクルートメント現象-小さい音は聞こえにくく、大きい音はうるさく感じる。
  ③周波数分解能が落ちる-ぼやけた、割れた、歪んだ音に聞こえる。
  ④時間分解能が落ちる-早口の声は、分かりにくくなる。
 ・・・というもので、なるほど、思い当たることばかりですよ。

 ところで、皆さんの中で蚊によく刺される方はいらっしゃいますか? 私は十数年前から蚊に刺されなくなったなと思ってました。ところがある時自分の足の甲に蚊がとまっているのを見たんですよ。でも痛みも痒みもナシ。刺されなくなったんじゃなくて、刺されても感じなくなってたんですね。ハハハ。それも高齢化のためだと物識りの知人が言うので調べて見たら、過去何百回、何千回と刺されまくった高齢者は体内に免疫ができて痒さを感じにくくなるんですと。これっていいことのようにも思えますが、そうともいえないかもしれません・・・。

 と、ここまで高齢化による身体的衰えや感覚の衰えについていくつか話してきましたが、実はここまではなが~い前置きで、本論はここからなんです。すみません。

 この夏、名古屋に行った時久しぶりに学生時代の友人に会いました。クラス会の折に顔を合わせたりもしていますが、二人だけでいろいろ話したのは学生時代以来。つまり半世紀ぶりです。でも、何年経っても人は変わらないものですねー。いろんなことを昨日の話の続きのように話しましたよ。
 その当時、つまり一九七〇年頃、前後の脈絡は記憶にありませんが、彼の話した言葉は今も覚えています。
 「僕は大人になっても若者に対して『キミも大人になったら分かるよ』というような大人には決してならないぞ」
というのがその言葉です。
 私は高校教員という仕事柄ということもあって、座右の銘ということでもないですが、しばしばこの言葉を思い出しました。「キミも大人になったらわかるよ」という言葉は生徒とのコミュニケーションを自ら閉ざす「逃げ」の言葉になってしまいます。まだ大人になっていない若者に通じる言葉を、どこまでも探すのが教師の務めではないでしょうか。それで必ずしも通じるわけでもないですが・・・。

 そして今、先に言ったような高齢化による劣化を考えていてふと思い当たったことがあるのです。
 それは「大人になったら分かる」どころか、逆に「大人になって分からなくなってしまったこと」がたくさんあるんじゃないか?ということ。
 たしかに、長年生きてきた人は経験知を豊富に蓄積しているのは事実ですが、その一方でいろんな物事を感知する能力などは高齢者はあきらかに衰えている、あるいは失われているのではということですよ。
 視力や聴力が衰えたというだけじゃなくて、たとえば場の雰囲気を読むとか、人の心を推し量る感度なんかもそうかもしれませんね。それが劣化すると自分だけ我を通して周りの人たちを困らせたり、またそのこと自体に気がつかなかったり・・・。「頑固おやじ」というのも元々の性格よりもそんな年のせいかもしれません。それ以外に、芸術的感性、文学的感性なども同様でしょうね。若い時だから分かること、感じることができるものは必ずあった。それが失われただろうことは分かるとしても、それが何だったかはもう分からない。いや、おおかたの大人は、それが失われたことさえ気づいていないのではないでしょうか? さびしいことですけど、こればかりはどうしようもありません。ただそのことを多少なりとも自覚して若い人たちに接すれば少しはいいかも・・・。
 あまり経験知を振りかざさないことと関連して、最近何かで「年寄りは若者に教えたがる傾向があるが、それはやめることです」という注意を読みましたがごもっともです。私なんぞ、あきらかにその傾向がありますからねー。それからよく言われるのが高齢者の話は長いということ。私もよく言われますが、今回もずいぶん長くなってしまいました。どうもすみません。では終わります。あ、最後にひとつ付け加えますと・・・ってこれは冗談。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国内の映画の興行成績 [11月20日(金)~11月22日(日)]と人気順位 ►大阪韓国映画祭、「移葬」は良かった! ►「思い出の黒いゴム靴」、原作漫画の連載開始から28年ぶりに劇場公開アニメ化

2020-11-24 23:55:35 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶11月22~23日は大阪韓国映画祭で新幹線の旅。コロナ禍突入以降首都圏を離れるのは9月の名古屋行きに続き2回目です。5作品中観たのは「私を救わないでください」「オ!ムニ」「移葬」の3つで、観られなかったのは「ユニへ」「修理工場」の2つ。個人的評価は次の通りです。
 「私を救わないでください」★★★★(ネチズンの高評価[後掲]はわかる。ただ貧困ゆえの母子家庭の親子心中といった実際の事件を素材としているわりには掘り下げ不足で、同級生男子との淡い恋(?)等とのバランスが今イチ) 「オ!ムニ」★★★☆(ナ・ムニさんはもちろんイ・ヒジュンもよかった。観客から笑い声もおこるコメディだが、「認知症をコメディ映画のモチーフにした点はいかがなものか」との見方はついて回る・・・) 「移葬」★★★★☆(日本だと「移葬」じゃなく「改葬」じゃないの!? それはそれとして期待以上! 家族の土葬墓を自治体の都合でパワーシャベルで掘ってお骨を火葬した上で改葬するのだが、その件で老父母のいる実家に集まった長女[+やんちゃな息子]以下の4姉妹と一番末の長男、+長男の元カノで堕胎の費用を要求している女性。火葬や相続等についての世代や男女の違い等による意識の相違が具体的に描かれ、総じて家父長制の終わりを感じさせる。それらのネタが時にはつかみ合いになるほどだが、しかしそれでも家族同士。笑っちゃう場面もあり、一方でいろいろ考えさせてくれる。★5つでもいいかな?)

▶今回の記事で注目は・・・
 1993年の漫画本刊行以来TVアニメにはなったが劇場用アニメは初めてという「思い出の黒いゴム靴」の公開。ただネチズンの評価は当時子どもだった40代は平均9.83と突出して高いものの、全体では7.26とアニメとしてはかなり低い・・・。まあそうでしょ。

         ★★★ NAVERの人気順位(11月24日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) ディア・マイ・ジーニアス(韓国)  9.74(34)
②(3) 蒸発(韓国)  9.73(26)
③(5) さすらいのシェフ(韓国)  9.61(146)
④(4) 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(日本)  9.55(568)
⑤(8) 私を救わないでください(韓国)  9.51(99)
⑥(-) モンマルトルのパパ(韓国)  9.50(155)
⑦(9) フォードvsフェラーリ  9.49(8,181)
⑧(10) ブータン 山の教室  9.47(119)
⑨(6) 復活: その証拠(韓国)  9.46(367)
⑩(-) 犬と猫のための時間(韓国)  9.46(13)

 新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃ゆる女の肖像  9.22
②(-) 恐怖分子  8.22(9)
③(2) ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語  8.00(10)
④(3) マーティン・エデン  8.00(8)
⑤(新) Mank/マンク  8.00(6)
⑥(4) ハラボジの家(韓国)  7.83(12)
⑦(5) マロナの幻想的な物語り  7.83(6)
⑧(6) フォードvsフェラーリ  7.63(8)
⑨(-) 未来を乗り換えた男  7.60(5)
⑨(7) ガールフッド  7.60(5)

 ⑤「Mank/マンク」が新登場です。1930年代に名作「市民ケーン」を手掛けた脚本家の<マンク>ことハーマン・J・マンキーウィッツに焦点を当てたアメリカのドラマ。アルコール依存症に苦しみながらも、社会風刺に強くこだわったマンクの半生と、「市民ケーン」誕生の裏側を描いた作品です。日本でも2日遅れの11月20日に公開されています。韓国題は「맹크」です。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月20日(金)~11月22日(日) ★★★
        「盗掘」が3週連続1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・盗掘(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・11/04・・・・・・・・156,394・・・・・・1,276,614 ・・・・11,772・・・・・1,084
2(31)・・Run:ラン・・・・・・・・・・・・・・・11/20 ・・・・・・・101,113・・・・・・・・115,977・・・・・・1,114・・・・・・・799
3(2)・・サムジングループ・・・・・・・・・・10/21 ・・・・・・・・50,114 ・・・・・・1,533,755 ・・・・13,668・・・・・・・621
       英語TOEIC班(韓国)
4(3)・・私が死んだ日(韓国) ・・・・・・・・11/12 ・・・・・・・・35,501・・・・・・・・212,976・・・・・・1,971 ・・・・・・・623
5(66)・・思い出の黒いゴム靴(韓国)・・11/19・・・・・・・・10,839・・・・・・・・・13,615・・・・・・・・115 ・・・・・・・215
6(新)・・ザ・タックス・コレクター・・・・11/18 ・・・・・・・・・7,569・・・・・・・・・14,499・・・・・・・・112 ・・・・・・・293
7(新)・・マリー・キュリー・・・・・・・・・・・11/18 ・・・・・・・・・7,293・・・・・・・・・16,543・・・・・・・・139 ・・・・・・・403
8(5)・・オクトノーツとグレート・バリア・リーフ・・11/12・・6,153 ・・・・・21,904・・・・・・・・147 ・・・・・・・166
9(4)・・劇場版 ヴァイオレット・・・・・・11/12 ・・・・・・・・・6,087 ・・・・・・・・・32,630・・・・・・・・280 ・・・・・・・103
       ・エヴァーガーデン(日本)
10(10)・・21ブリッジズ・・・・・・・・・・・・・1/01・・・・・・・・・・3,472・・・・・・・・127,763・・・・・・・・979・・・・・・・・・10
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は2・5・6・7位の4作品です。
 2位「Run:ラン」(仮)はアメリカのスリラー。18歳の女の子クロエ(キエラ・アレン)は未熟児として生まれ、足が麻痺しているため人里離れた家でお母さん(サラ・ポールソン)と一緒に暮らし、車椅子の日々を送っています。お母さんは愛する娘の面倒を懸命に看てくれますが、過保護のレベルかも。クロエは学校へは行かず、お母さんが勉強を教えていますが、生活にはさまざまな制約が設けられています。そんなある日、クロエはお母さん宛に処方された緑色の薬が自分に与えられていることに気づき、不審に思います。そしてすべての日常が揺れ始めます・・・。韓国題は「런」。日本公開は未定のようです。
 5位「思い出の黒いゴム靴」は韓国のアニメ。本作の原点は1992年「少年チャンプ」で連載が始まった「黒いゴム靴(검정고무신)」というイ・ヨンイルの漫画。当時はまだウェブトゥーン時代以前で、93年刊行のシリーズ最初の単行本(下左画像)も時代を感じさせます。(「映画のチケットが10ウォン、牛1頭が5万ウォンだった時代」とあるのはいつ頃?) その後TVアニメとして放映され、世代を超えて人気を呼んできましたが、映画化は今回が初めて。物語の基本設定は、わんぱく小学生ギヨンと中学生ギチョル兄弟を中心とした家族や友人たちの平凡な日常の中での笑いと感動を描いたもの。今回のアニメでは、原作者イ・ヨンイル作家が脚本に参加して、新しいエピソードとビハインドストーリーが盛り込まれているそうです。原題は「추억의 검정고무신」です。
     
【右は「思い出の黒いゴム靴」のポスター。描き方がずっと洗練されています。】
 6位「ザ・タックス・コレクター」はアメリカのアクション。デビッド(ボビー・ソト)とクリーパー(シャイア・ラブーフ)はウィザード(ジミー・スミッツ)の下で働いており、LA地域の傘下のギャングたちを管理して上納金を集金する最高のパートナーです。ところがある日、ウィザードの因縁の相手のコネホ(ホセ・マーティン)がLAにに舞い戻ってきます。コネホは組織を丸ごと呑み込もうとしますが、2人はしぶとく生き残り、組織とすべてのことを守るために無慈悲な血の戦争を開始します・・・。韓国題は「택스 콜렉터」。日本公開は未定のようです。
 7位「マリー・キュリー」(仮)はイギリスのドラマ。原題は「Radioactive(放射能)」ですが、内容はマリー・キュリー(ロザムンド・パイク)の伝記なので、韓国題「마리 퀴리」同様「マリー・キュリー」を仮題としました。マリー・キュリー(1867~1934)は周知のように物理学と化学の2分野でノーベル賞を受賞した唯一の人物です。彼女の放射能研究の成果はその後の世界に大きな影響を及ぼしました。しかし女性科学者の草分けである彼女の人生は決して順風満帆なものではありませんでした。女性に対する偏見との闘い、被爆による健康状態の悪化等々に苦しめられ、また夫のピエール(サム・ライリー)の事故死という悲劇にも見舞われました。ピエールの死後、マリーはその弟子で既婚者のポール・ランジュバンと恋に落ちますが、そのことはマスコミによって袋叩きに遭ったとか・・・。科学研究だけでなく社会的にも大きな貢献をした彼女ですが、フェミニストとしても先駆的存在です。そんなマリーの波瀾に満ちた人生を、本作は新しい視点から描き出していきます・・・。あ、監督はイラン出身の女性監督マルジャン・サトラピではないですか! あの漫画「ペルセポリス」を書き、そのアニメも監督した・・・。本作の日本公開は未定か? こういう作品はぜひ観てみたいんだど・・・。ん、Amazonが配給権取得?

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(新)・・マリー・キュリー・・・・・・・・・・・・・・11/18・・・・・・・7,293・・・・・・・・・・16,543・・・・・・・・139 ・・・・・・403
2(2)・・オクトノーツとグレート・バリア・リーフ・・11/12・・6,153 ・・・・・・21,904・・・・・・・・147 ・・・・・・166
3(1)・・劇場版 ヴァイオレット・・・・・・・・・11/12・・・・・・・6,087・・・・・・・・・・32,630・・・・・・・・280 ・・・・・・103
       ・エヴァーガーデン(日本)
4(26)・・アンティゴネ ・・・・・・・・・・・・・・・・11/19・・・・・・・3,102・・・・・・・・・・・5,627・・・・・・・・・52・・・・・・・122
5(4)・・きみに読む物語 ・・・・・・・・・2004/11/26 ・・・・・・・2,402・・・・・・・・647,241・・・・・・4,600・・・・・・・・74

 1・4位の2作品が新登場です。
 1位「マリー・キュリー」については上述しました。
 4位「アンティゴネ」はカナダのドラマ。2019年の第44回トロント国際映画祭でカナダ長編映画賞を受賞した作品です。カナダのモントリオールに定着した移民者一家の末っ子アンティゴネに悲劇がふりかかります。2人の兄のうち1人が警察の銃で撃たれ死亡し、もう1人はその場で拘束されたのです。愛する家族を守りたいアンティゴネは兄の代わりに監獄に入ります。勇気ある彼女の行動に対して、人々はSNSでアンティゴネを英雄とみなし始めますが・・・。韓国題は「안티고네」です。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国内の映画の興行成績 [11月13日(金)~11月15日(日)]と人気順位 ►「盗掘」が2週連続1位 ►「蒸発」は6歳の時行方不明になった娘を20年間捜し続ける親のドキュメンタリー

2020-11-18 13:31:12 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事で注目は・・・
 ・目下日本全国で上映中のアニメ「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」がもう韓国で公開。なんでこんなに早いの!?
 ・11月12日公開された「エビギュハン」(「阿鼻叫喚」のもじり)でガールズグループf(x)のメンバーのクリスタルが妊婦約主演。
 ・韓国のドキュメンタリー「蒸発」は突然いなくなった6歳の娘を20年間捜し続ける父親の話。韓国で同じような張り紙を一度ならず見たなー。えっ、日本でも行方不明になる9歳以下の子どもの数は年間900人以上。つまり1日に約3人の子どもが行方不明になっているんだって!? それでも世界ではまだ少ない?→コチラコチラ参照。

▶この1週間に観た映画は1本だけ。「マーティン・エデン」★★★★(子どもの頃熱読した「荒野の叫び声」のジャック・ロンドン、社会主義者だったことは知ってはいたが・・・。こんなKYな人、身近にいたら困ったちゃん?)

         ★★★ NAVERの人気順位(11月17日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) ディア・マイ・ジーニアス(韓国)  9.97(31)
②(2) アルピニスト - あるカメラマンの告白(韓国)  9.94(32)
③(新) 蒸発(韓国)  9.76(21)
④(新) 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(日本)  9.65(371)
⑤(3) さすらいのシェフ(韓国)  9.55(113)
⑥(4) 復活: その証拠(韓国)  9.52(346)
⑦(-) こんにちは、ミヌ(韓国)  9.51(49)
⑧(6) 私を救わないでください(韓国)  9.50(96)
⑨(5) フォードvsフェラーリ  9.49(8,180)
⑩(7) ブータン 山の教室  9.46(113)

 ③④の2作品が新登場です。
 ③「蒸発」は韓国のドキュメンタリー。韓国でも人が突然行方不明になることを<蒸発>といいます。これは6歳だった娘がいなくなってから20年以上あきらめることなく捜し続けている父親の話です。その父親はヨンジンさん。娘のジュヌォンちゃんは2000年4月ソウルの忘憂1洞のアパートの遊び場付近で姿を消します。友だちのスンイルの家に行ってくるねと言って家を出てそれっきり、20年が過ぎて26歳になった今も帰ってこないままです。世間はとっくにジュヌォンちゃんのことを忘れてしまってもヨンジンさんはあきらません。そんな中、17年目になってついに長期失踪専担捜査チームが作られ、新しい情報提供者まで登場します。捜査は大きな転換点を迎え、ヨンジンさんと家族に再び希望の灯がともりますが・・・。本作は真相探索もさることながら、社会の関心も薄れていく中で打ち棄てられたような長期失踪児童の家族の精神的苦痛に対してどのように向き合うべきか、という問題を提起しているようです。原題は「증발」です。
 ④「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」、日本で9月18日スタートのアニメがもう韓国で公開されるとは! 私ヌルボ、新型コロナ休館明けの5月末に「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -」を観ましたが、本作はさらに高い評価を得ているようです。近いうちに観に行くかな。韓国題は「극장판 바이올렛 에버가든」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃ゆる女の肖像  9.22
②(3) ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語  8.00(10)
③(4) マーティン・エデン  8.00(8)
④(5) ハラボジの家(韓国)  7.83(12)
⑤(6) マロナの幻想的な物語り  7.83(6)
⑥(8) フォードvsフェラーリ  7.63(8)
⑦(新) ガールフッド  7.60(5)
⑧(9) トムボーイ  7.33(9)
⑨(10) 逃げた女(韓国)  7.33(6)
⑩(-) 家族を想うとき  7.29(7)

 ⑦「ガールフッド」が新登場です。「燃ゆる女の肖像」で2019年のカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したフランスのセリーヌ・シアマ監督が2014年製作したドラマ。パリ郊外の労働者階級の街に住んでいるマリエム(カリジャ・トゥーレ)は、1人で一家の生計を立てている母親の代わりに2人の弟の面倒を見、家父長的で暴力的な兄の顔色を窺いながら一日一日を耐えています16歳の少女です。家でも学校でも自分の声を出せなかった彼女は、レディ、アディアトゥ、フィリという自分と同じアフリカ系フランス人の自由な魂(って不良?)の女の子3人に出会ってビッグという名前をもらい、大声て話したり笑いあったり、踊ったりしている間に次第に変わっていきます。そしてついに現実を乗り越え、本当に願っていた自分を探し出します・・・。本作を観た人の感想によると、この作品は、社会のレールから外れてしまった少年少女の問題を的確に捉えようとした作品で、心を揺さぶる音楽とカットの妙により観る者の心を騒つかせる傑作とのことでした。韓国題は「걸후드」。日本公開は未定のようですが、公開してほしいものです。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月13日(金)~11月15日(日) ★★★
        「盗掘」が2週連続1位で100万人超え

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・盗掘(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・11/04・・・・・・・・263,009 ・・・・・・1,001,217 ・・・・・9,276 ・・・・・1,185
2(2)・・サムジングループ・・・・・・・・・・10/21 ・・・・・・・104,211 ・・・・・・1,441,117 ・・・・12,816 ・・・・・・・806
       英語TOEIC班(韓国)
3(新)・・私が死んだ日(韓国) ・・・・・・・11/12 ・・・・・・・101,113・・・・・・・・128,465・・・・・・1,204 ・・・・・・・909
4(新)・・劇場版 ヴァイオレット ・・・・11/12 ・・・・・・・・14,586 ・・・・・・・・・20,342・・・・・・・・179 ・・・・・・・131
       ・エヴァーガーデン(日本)
5(78)・・オクトノーツとグレート・バリア・リーフ・・11/12・・12,000・・・13,270・・・・・・・・・89 ・・・・・・・187
6(新)・・親父叫喚(韓国) ・・・・・・・・・・・11/12・・・・・・・・・10,584・・・・・・・・・16,155・・・・・・・・148 ・・・・・・・432
7(34)・・キングダム・オブ・ヘブン・・・11/11・・・・・・・・・・9,054・・・・・・・・・15,059・・・・・・・・141 ・・・・・・・117
       :ディレクターズ・カット
8(4)・・きみに読む物語 ・・・・・・2004/11/26・・・・・・・・・・6,543 ・・・・・・・641,743・・・・・・4,555 ・・・・・・・113
9(5)・・TENET テネット ・・・・・・・・・・・・8/26・・・・・・・・・・4,216 ・・・・・1,986,083・・・・・18,339 ・・・・・・・・60
10(9)・・21ブリッジズ・・・・・・・・・・・・・・1/01・・・・・・・・・・3,268 ・・・・・・・123,309・・・・・・・・947・・・・・・・・・14
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は3・4・5・6・7位の5作品です。
 3位「私が死んだ日」は韓国のドラマ。台風が吹きつけた夜、離れ島の絶壁から遺書を1枚残したまま少女が消えます。長い間の空白を経て復職を前にした女性刑事ヒョンス(キム・ヘス)は犯罪事件の主要証人だった少女の失踪を自殺として終結させるためにその場所へ向かいます。少女の保護を担当した元刑事、連絡が途絶えた家族、そして少女を最後に目撃した村の住民の女性スン・チョンデク(イ・ジョンウン)に会い、彼女の行跡を追跡していったヒョンスは少女がひとり耐えていた苦痛に胸を痛めます。捜査が進むにつれ、ヒョンスは自分の姿と似ている少女にだんだん没頭していくにつれて事件の裏に隠された真実に一歩近づくのですが・・・。原題は「내가 죽던 날」です。本作も監督・主演をはじめ多くは女性・・・って、もうわざわざ書くことでもないか。
 4位「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」については上述しました。
 5位「オクトノーツとグレート・バリア・リーフ」はイギリスのアニメシリーズの新作。「すすめ! オクトノーツ」はイギリスBBCの子供向き人気アニメで、韓国でも「海探検隊 オクトノーツ(바다 탐험대 옥토넛)」というタイトルで放映されています。日本でもスカパー等でやっているようです。基本はいろんな動物たちで構成されるエージェント集団オクトノーツがタコ状の乗り物に乗って海中の仲間たちのピンチを救うべく出動するというお話。韓国でもTV放映されておなじみで、劇場公開作品も2015年以来(?)これが7作目かな(?)。本作は、舞台がオーストラリアのサンゴ礁。そこではさまざまな海の生き物が一緒に集まって暮らしています。オクトナッツも探索船Wに乗って大サンゴ礁探検に行き、そこで大きなサンゴに育つことを道夢見る赤ちゃんサンゴのコリに出会います。ところがこの時、平和を破って腹ペコのオニヒトデの群れが集まってきます・・・。オクトナッツと海の仲間たちはただちにサンゴ礁保護作戦を開始します・・・。韓国題は「극장판 바다 탐험대 옥토넛 : 대산호초 보호작전」。日本ではNetflixの配信、かな?
 6位「親父叫喚」は韓国のドラマ&コメディ。大学生トイル(チョン・スジョン= f(x)のクリスタル)は年下の彼氏ホフン(シン・ジェフィ)との炎の恋の結果妊娠します。出産後の5ヵ年計画まで準備して結婚を宣言しましたが、返ってきたのは「そのザマは一体誰に似たんだ!?」という両親の怒号だけ。誰に似たのか直接確認するために実父を訪れると期待とは逆に失望しただけで複雑な気持ちで家に帰ります。と、あら、ホフンの行方がわからない・・・。ぎこちない現在のパパ、分別のない元のパパ、そして家出した予備パパまで! 幾重にも重なった弱り目に祟り目。まさに阿鼻叫喚ならぬ親父(エビ)叫喚! この先一体どうなるの? 原題は「애비규환」です。
 7位「キングダム・オブ・ヘブン:ディレクターズ・カット」は、日本でも2005年に公開されたリドリー・スコット監督作品の再上映ですが、これは約50分も長い! ただこのディレクターズ・カット版、日本でもかなり前からDVD等が出てるんですけどね。韓国題は「킹덤 오브 헤븐: 디렉터스 컷」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(新)・・劇場版 ヴァイオレット・・・・・・・・11/12・・・・・・14,586・・・・・・・・・・20,342・・・・・・・・179 ・・・・・・131
       ・エヴァーガーデン(日本)
2(30)・・オクトノーツとグレート・バリア・リーフ・・11/12・・12,000・・・・13,270 ・・・・・・・・・89 ・・・・・・187
3(新)・・親父叫喚(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・11/12・・・・・・10,584・・・・・・・・・・16,155・・・・・・・・148 ・・・・・・432
4(1)・・きみに読む物語・・・・・・・・・・2004/11/26・・・・・・・6,543 ・・・・・・・・641,743・・・・・・4,555・・・・・・・143
5(新)・・ガールフッド ・・・・・・・・・・・・・・・・11/12 ・・・・・・・2,577・・・・・・・・・・・9,937・・・・・・・・・94・・・・・・・171

 4位以外の4作品が新登場ですが、すべて上述の通りです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国内の映画の興行成績 [11月6日(金)~11月8日(日)]と人気順位 ►台湾映画「チャンケ:よそ者」はほとんど韓国映画だった」 ► 9時間に及ぶ大作「死霊魂」は全然時間と金のムダじゃなかった

2020-11-11 07:41:43 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 ▶<東京国際映画祭>で観た「チャンケ:よそ者」(台湾)、「スレート」(韓国)、「トゥルーノース」(日本/インドネシア)の3作品中、一番よかったのは「チャンケ:よそ者」でした。セリフの9割以上は韓国語で、ほとんど韓国映画と言っていいくらい。主人公の高校生グァンヤンは中国人の父と韓国人の母との間のハーフで、韓国生まれですが国籍は父の強い意向で中華民国(台湾)籍で、自らのアイデンティティに悩む・・・というのが基本的構図。これはチャン・チーウェイ監督自身も同様で、主役も中華民国の国籍を保有していることが選定の条件だったとか。(→関係記事。)
 タイトルの「チャンケ」(짱개または짱깨)は韓国で中国人に対する蔑称として用いられている言葉、というのはこの映画で初めて知りました。原題は「醤狗」で、醤油臭い犬ということですが、他にも諸説あるようです。(その中に日本で使われていた(今も?)チャン○ロという語との関連も・・・) 本筋とは関係ありませんが、韓国の高校生にもやっぱりコッソリ喫煙している者はけっこういるようですが、彼らはタバコの臭いがつかないように割り箸でつまんで吸うんですね(笑)。この作品、一般劇場公開を強く希望。
 ▶この1週間に観た映画の評価と寸評です。「チャンケ:よそ者」★★★★☆(上画像右の彼女も隠れ喫煙常習者だったりして(笑)。いろいろあるけど後味のいい映画。) 「スレート」★★(Slateとは映画撮影で使うカチンコのこと、というのもこの映画を観て知った。寝てて目覚めたらタイムスリップしてたりして、もしかして夢オチなの?という疑問がずっと付きまとい、理解するのがタイヘン。これが東京国際映画祭で唯一の韓国映画だったんだけどなー・・・。) 「罪の声」★★★★☆(なかなか緻密な構成で見応えあり。個人的には半世紀前の<闘争>のイメージがこんな形で定着してはまずいかな?とも・・・。)  「死霊魂」★★★★★(2回の休憩を入れて約9時間とは「サタンタンゴ」を上回る。王兵[ワン・ビン]監督による超大作ドキュメンタリーだがナレーションも説明映像等も全然ナシ。50年代末の百家争鳴→反右派闘争で明確な根拠もなく辺地の収容所に送られた人たちは約55万人。そこに大飢饉が重なって生還率はわずか1割。その中で今世紀まで生き延びた人たちがこれまで抱いてきた思いを各々20~30分語り尽くす。カットなしで・・・。最初★3つだな、と思ってたのが観てるうちに引き込まれ、最後は3,900円(涙)だったけど観てよかった・・・(涙)。)  「まったく同じである彼女」★★★(韓国文化院の配信。原題の「감쪽같은 그녀」はこう訳すのか。今さら申し上げることのないナ・ムニさんとともに主役で12歳の少女コンジュを演じていたキム・スアンちゃんがなかなか頑張ってたなー。) 「わたしは金正男を殺してない」★★★★☆(期待以上のドキュメンタリー。事件に関わった大使館員を含む北朝鮮人8人中4人が事件後に逃亡、他も証拠不十分等で皆出国ってのはなんなんだ!? 一方金正男のことさえ知らなかったし、そもそも動機があろうはずもないのに2年以上拘留されるとは・・・。先にインドネシア人シティさんが理由もなく起訴が取り下げられ、その後ベトナム人のドアンさんが殺人罪から傷害罪へと軽減されて釈放され、ってマレーシアの裁判はどうなってるんだ !? 政府間の裏取引がいろいろあったようす。裁判以前に事件自体も? 金正男はCIAの情報提供者で暗殺時彼のバックパックには12万ドルの現金が入っていたというし、このアメリカのドキュメンタリーも裏でそういった組織とのつながりがあったとしても全然驚かんゾッ!) 「トゥルーノース」★★★★(北朝鮮の政治犯収容所の実態を描いたアニメだが、たとえば「現在も12万人以上が収容所に・・・」等々どこまで真実に迫っているかは確認が困難。日本からの帰国船のエピソードがもっとあるのかと思ったが・・・。来年の一般公開で皆さん観てくださいね。)
 ところで、この2つの北朝鮮関係映画、韓国でも上映されるのかな?

         ★★★ NAVERの人気順位(11月10日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) ディア・マイ・ジーニアス(韓国)  9.97(30)
②(2) アルピニスト - あるカメラマンの告白(韓国)  9.94(32)
③(4) さすらいのシェフ(韓国)  9.54(109)
④(3) 復活: その証拠(韓国)  9.53(335)
⑤(5) フォードvsフェラーリ  9.48(8,176)
⑥(6) 私を救わないでください(韓国)  9.48(93)
⑦(7) ブータン 山の教室  9.46(112)
⑧(8) カイラスへ行く道(韓国)  9.45(143)
⑨(-) 少年の君  9.40(1,418)
⑩(10) 帰郷[落葉帰根]  9.40(20)

 新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃ゆる女の肖像  9.22
②(3) 恐怖分子  8.22(9)
③(4) ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語  8.00(10)
④(5) マーティン・エデン  8.00(8)
⑤(6) ハラボジの家(韓国)  7.83(12)
⑥(7) マロナの幻想的な物語り  7.83(6)
⑦(-) 1917 命をかけた伝令  7.67(9)
⑧(8) フォードvsフェラーリ  7.63(8)
⑨(10) トムボーイ  7.33(9)
⑩(-) 逃げた女(韓国)  7.33(6)

 新登場の作品はありません。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月6日(金)~11月8日(日) ★★★
        「盗掘」が「サムジングループ英語TOEIC班」に替わって1位に

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・盗掘(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・11/04・・・・・・・・423,575 ・・・・・・・565,469・・・・・・5,271 ・・・・・1,634
2(1)・・サムジングループ・・・・・・・・・・10/21 ・・・・・・・185,182 ・・・・・1,257,444・・・・・11,141 ・・・・・1,080
       英語TOEIC班(韓国)
3(2)・・担保(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・9/29・・・・・・・・・17,990・・・・・・1,702,252 ・・・・14,611 ・・・・・・・407
4(再)・・きみに読む物語・・・・・2004/11/26・・・・・・・・・13,240 ・・・・・・・627,956・・・・・・4,435 ・・・・・・・144
5(7)・・TENET テネット・・・・・・・・・・・・8/26・・・・・・・・・・7,479 ・・・・・1,978,191・・・・・18,263 ・・・・・・・102
6(6)・・ミスタートロット・・・・・・・・・・10/22 ・・・・・・・・・5,719・・・・・・・・140,594・・・・・・1,212 ・・・・・・・159
       :ザ・ムービー(韓国)
7(4)・・セッション ・・・・・・・・・・・2015/3/12 ・・・・・・・・・5,684・・・・・・1,637,711 ・・・・13,087 ・・・・・・・194
8(8)・・劇場版 Fate/stay night ・・・10/22・・・・・・・・・・5,247・・・・・・・・・60,391・・・・・・・・552 ・・・・・・・・71
       [Heaven’s Feel]III.spring song(日本)
9(10)・・21ブリッジズ・・・・・・・・・・・・・1/01 ・・・・・・・・・・4,739 ・・・・・・・117,894・・・・・・・・909・・・・・・・・・21
10(179)・・レット・ヒム・ゴー・・・・・・11/05 ・・・・・・・・・・2,775・・・・・・・・・・3,810 ・・・・・・・・・25 ・・・・・・・・37
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は5・9位の2作品です。
 1位「盗掘」は韓国の犯罪ドラマ。カン・ドング(イ・ジェフン)は地面を掘ってその土の味だけでお宝を捜し出す生来の天才盗掘者。ジョーンズ博士(チョ・ウジン)は<韓国のインディアナ・ジョーンズ>を自称する古墳壁画の盗掘専門家。彼らは伝説のスコップの達人(イム・ウォニ)と出会い、幻想の(?)チームプレーで危険極まりないスリリングな盗掘現場を拡大していきます。一方、彼の才能を見て取った古美術界のエリートキュレーター、ユン室長(シン・ヘソン)はカン・ドングに魅力的だが危険な取引を持ちかけます・・・。原題は「도굴」です。
 10位「レット・ヒム・ゴー」は、アメリカの犯罪&ドラマ。ラリー・ワトソンの同名小説(未訳)の映画化作品です。マーガレット(ダイアン・レイン)は元保安官の夫ジョージ(ケビン・コスナー)と一緒に平穏な生活を送っていました。しかしある日、一人息子が事故死したとの一報が飛び込んできます。その後義理の娘ローナ(ケイリー・カーター)はすぐに再婚しますが、その相手ドニー・ウィボーイ(ウィル・ブリテン)は短気ですぐ暴力を振るう男でした。「大切な孫をこんな男に任せておけない。何としてでも取り返さねば」と思ったマーガレットは、ジョージを連れてウィボーイ家に向かいますが、一家の女家長ブランチ(レスリー・マンヴィル)はそんな2人を鼻で笑い飛ばします。話し合いでの解決が不可能だと判断した2人はやむなく実力を行使することにします・・・。韓国題は「렛 힘 고」。日本公開は未定のようです。
 4位「きみに読む物語」は日本でも韓国から約2ヵ月遅れで公開されたライアン・ゴズリングとレイチェル・マクアダムス主演のアメリカのラブロマンスで、けっこうヒットした作品ですが私ヌルボは観ていません。主人公の青年ノアが父親との会話で、小さい頃詩を朗読して吃音を矯正したということが語られたとのこと。これ、バイデンと同じじゃないですか。偶然? 韓国題は原題「The Notebook」に沿って「노트북(ノートブック)」。今の韓国ではノートパソコンのことをこう言うそうですけどね。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(再)・・きみに読む物語・・・・・・・・・・2004/11/26・・・・・・13,240 ・・・・・・・・697,956・・・・・・4,435・・・・・・・144
2(1)・・セッション・・・・・・・・・・・・・・・・2015/3/12・・・・・・・5,684・・・・・・・1,637,711・・・・・13,087・・・・・・・194
3(2)・・マーティン・エデン ・・・・・・・・・・・・・10/29・・・・・・・2,577・・・・・・・・・・・9,937 ・・・・・・・・・94・・・・・・・・49
4(3)・・復活: その証拠(韓国) ・・・・・・・・・・・10/08・・・・・・・2,396 ・・・・・・・・・16,559・・・・・・・・138 ・・・・・・・・15
5(新)・・フェビュラス・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/28・・・・・・・1,429・・・・・・・・・・・2,509 ・・・・・・・・・23 ・・・・・・・・64

 5位「フェビュラス」(仮)が新登場です。昨年の<第24回釜山国際映画祭>のフラッシュ・フォワード部門でBusan Bank Awardを受賞したカナダのコメディで、原題はフランス語「Fabuleuses」で「素晴らしい」という意味。英語だとfabulous。(最近一部でけっこう使われてる? →コチラ) 「2万人のフォロワーがいてこそマガジンのトップに入れる!」 作家になりたい就職浪人のローリー。それに対し「インスタグラムに魂が汚染されるのはイヤ」。自然さを主張するクールなフェミニストのエリー。親友同士のルームメイトである2人の前に、ある日ハリウッドスター級の人気を誇るインフルエンサー、クララが現れます。「皆さ〜ん、いいですか? 共有と購読お願いしますね」と、彼女はSNSを武器に社会に影響力を持つインフルエンサーをめざしています。3人の特別な友情が始まります。ローリーはクララのインスタのフォロワーを増やし、だんだんクララの人気を追い越すことになります。一方エリーはSNSに魂を売ったようなローリーや女性を商品化しているクララが気に入らないものの、お互いの相違を認めて友情を築いていきます。 相違を認めた瞬間本当の友だちになるのです・・・。主演の3人も、メラニー・シャルボンヌ監督も皆女性です。韓国題は「페뷸러스」です。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国内の映画の興行成績 [10月30日(金)~11月1日(日)]と人気順位 ►小さなノートPCで配信を観るのはツライ! ►韓国のクィア映画「ツタ」のタイトルはト・ジョンファンの詩のタイトルだったのか

2020-11-03 23:04:02 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
>▶先週<東京国際映画祭>のチケット予約で悪戦苦闘し、「これに比べると韓国文化院のオンライン<コリアン・シネマ・ウィーク 2020>はまだマシ・・・」などと書きました。そして1日に「ソリクン」、2日に「風水師」と続けて観ましたが、やや戸惑いつつもなんとか接続し、無事観ることができました。しかし、今日3日の「晩夏」は2日前までに届くはずの案内メールが来てない! どうなってんだ!? 伝え聞くところでは、先の2作品もせっかく当選したのに観られなかった人(複数)がいるとか・・・。そんな予感がしてたんだよなー、やれやれ。それに私ヌルボの小さなノートPCのディスプレイでは観づらいし、音量も不十分。大きなスクリーンとか大画面のTVで、ソファーに寝そべって観られればねー・・・。しかしそれでも操作が面倒だし、映画館の座席に座った時のような解放感がぜ~んぜんない。やっぱりこういうのは昭和の映画ファンには向いてません。

▶配信映画の数少ない利点の1つは一時的に止めたり戻ったりできること。「風水師」のエンドクレジットで撮影場所をきっちり確認すると、ドラマや映画の撮影地としてよく使われる所がドサッと上げられていました。以下の通りです。
 韓国民俗村・龍仁大長今テーマパーク・河東崔参判宅・聞慶セジェ道立公園・醴泉草澗亭・河東土地セット場・聞慶セジェ第二関門・高敞邑城・丹陽メタセコイアの道(尊賢閣セット)・扶安映像テーマパーク・楽安邑城・慶州独楽堂・釜山アホプ山の森・慶州五峰山朱砂庵・全南求礼華厳寺・南揚州綜合撮影所 ※私ヌルボが行ったことがあるのは韓国民俗村は当然として、あと聞慶の2ヵ所と楽安邑城。まだまだです。

▶今回の記事で注目した韓国映画は、「ツタ」というクィア映画。このジャンルにも新たな視点からの作品が出てきているように思いました。タイトルの「ツタ」はどういう意味?と思ったら、ト・ジョンファン(都鍾煥)の詩とのこと。詳しくは一番下の記事で・・・。

▶上記の2つの韓国映画の評価と寸評です。「ソリクン」★★★(題名はパンソリの歌い手のこと。また「春香歌」とともにパンソリの代表的演目の「沈清歌」の梗概を全然知らないとまずいかな?と・・・。女の子の名のチョンも沈清の<清>です。途中ミュージカルという触れ書き通りに現代風の大合唱もあってビックリ!)  「風水師」★★★(最初の辺りで興宣[フンソン]なんて男が登場するので「もしや」と思ったらやっぱり・・・。韓国の人たち、史実と虚構の継ぎ目はわかってるのかな? 最後の方で洋服の若者が2人登場して風水師に独立のための武官学校を建てる適地を尋ねる・・・という予想外の展開にビックリ!)
 「風水師」の原題は「명당(明堂.ミョンダン)」。風水学上の良い土地のこと。しばらく前ハングルサークルで教わりました。で、武官学校の適地として風水師が教えた所は白頭山の西、西間島。そして新興武官学校と名前をつけます。ということで、時代劇と思って見ていたらアレアレ。そういえば18年に韓国陸軍がその名も「新興武官学校」と題したミュージカルを制作して上演してますね。文在寅大統領は抗日独立軍が韓国陸軍の淵源というようなことをたしか語っていましたが、新しい歴史が着々と創られていってるようです。

         ★★★ NAVERの人気順位(11月2日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) ディア・マイ・ジーニアス(韓国)  9.96(28)
②(2) アルピニスト - あるカメラマンの告白(韓国)  9.93(27)
③(3) 復活: その証拠(韓国)  9.54(320)
④(7) さすらいのシェフ(韓国)  9.54(108)
⑤(6) フォードvsフェラーリ  9.49(8,177)
⑥(-) 私を救わないでください(韓国)  9.48(93)
⑦(8) ブータン 山の教室  9.45(109)
⑧(9) カイラスへ行く道(韓国)  9.44(142)
⑨(-) きみ、ありがとう:キム・ホジュン 生涯初のファンミーティングムービー(韓国)  9.40(1,372)
⑩(-) 帰郷[落葉帰根]  9.40(20)

 新登場の作品はありません。韓国映画がさらに増えて7作品になりました。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃ゆる女の肖像  9.22
②(-) 小さな光(韓国)  8.67(3)
③(2) 恐怖分子  8.22(9)
④(3) ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語  8.00(10)
⑤(新) マーティン・エデン  8.00(8)
⑥(4) ハラボジの家(韓国)  7.83(12)
⑦(5) マロナの幻想的な物語り  7.83(6)
⑧(6) フォードvsフェラーリ  7.63(8)
⑨(7) 台北ストーリー  7.40(5)
⑩(8) トムボーイ  7.33(9)

 ⑤「マーティン・エデン」が新登場です。日本では9月18日に公開されています。韓国題は「마틴 에덴」です。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月30日(金)~11月1日(日) ★★★
        「サムジングループ英語TOEIC班」が独走で2週連続1位

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・サムジングループ・・・・・・・・・・10/21 ・・・・・・・384,252 ・・・・・・・931,708・・・・・・8,182 ・・・・・1,583
       英語TOEIC班(韓国)
2(2)・・担保(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・9/29・・・・・・・・・54,163・・・・・・1,665,264・・・・・14,287 ・・・・・・・620
3(4)・・音もなく(韓国)・・・・・・・・・・・・10/15・・・・・・・・・25,259 ・・・・・・・392,566・・・・・・3,463 ・・・・・・・486
4(再)・・セッション ・・・・・・・・・・2015/3/12 ・・・・・・・・22,970・・・・・・1,622,931 ・・・・12,948・・・・・・・・482
5(新)・・ただ悪から救いたまえ・・・・・10/28 ・・・・・・・・18,307 ・・・・・・・・・26,731 ・・・・・・・233 ・・・・・・・475
       ファイナルカット(韓国)
6(3)・・ミスタートロット・・・・・・・・・・10/22 ・・・・・・・・17,161・・・・・・・・126,596・・・・・・1,098 ・・・・・・・257
       :ザ・ムービー(韓国)
7(6)・・TENET テネット・・・・・・・・・・・・8/26・・・・・・・・・15,385 ・・・・・1,964,325・・・・・18,128 ・・・・・・・135
8(5)・・劇場版 Fate/stay night ・・・10/22・・・・・・・・・11,182 ・・・・・・・・49,976・・・・・・・・455 ・・・・・・・111
       [Heaven’s Feel]III.spring song(日本)
9(新)・・テスラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/28 ・・・・・・・・・・9,145・・・・・・・・・17,651・・・・・・・・140 ・・・・・・・424
10(17)・・21ブリッジズ・・・・・・・・・・・・1/01 ・・・・・・・・・・6,542 ・・・・・・・111,140・・・・・・・・861・・・・・・・・・28
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は5・9位の2作品です。
 5位「ただ悪より救いたまえ ファイナルカット」、これを新登場と言えるか疑問です。インナム(ファン・ジョンミン))の過去の話と、より強烈なアクションシーンが計6分14秒追加されたとのことですが・・・。原題は「다만 악에서 구하소서 파이널컷」です。
 9位「テスラ」は、現クロアチア出身の物理学者で電気技師・発明家のニコラ・テスラ[1856~1943]の生涯を描いたアメリカの伝記映画。ニコラ・テスラ(イーサン・ホーク)は交流電流伝送システムによりエジソン(カイル・マクラクラン)との競争で勝利を手にします。しかし小さな勝利に満足できなかった彼は世界のパラダイムを変える大発明に着手します。それは情報を全世界に無線で送信する革新的な技術でした。莫大な研究費が必要な彼はモルガン財閥の創始者J.P.モーガンの支援を求めるようになり、コロラド州の研究所で空に稲妻を打ち上げる研究を開始します・・・。韓国題は「테슬라」です。エジソンとテスラをめぐる物語は、6月に公開された「エジソンズ・ゲーム」でも描かれましたが、どうも「テスラ」の方はオーソドックスな伝記映画とは言い難い手法を用いているのが逆効果だったとみえて評価は高くなさそうです。日本公開は未定のようです。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(再)・・セッション ・・・・・・・・・・・・・・・2015/3/12・・・・・・22,970・・・・・・・1,622,931・・・・・12,948・・・・・・・482
2(13)・・マーティン・エデン・・・・・・・・・・・・・10/29・・・・・・・3,579・・・・・・・・・・・4,945 ・・・・・・・・・48・・・・・・・・59
3(5)・・復活: その証拠(韓国) ・・・・・・・・・・・10/08・・・・・・・1,778・・・・・・・・・・12,716・・・・・・・・107 ・・・・・・・・23
4(18)・・ツタ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/28・・・・・・・1,431・・・・・・・・・・・3,267 ・・・・・・・・・25 ・・・・・・・・93
5(1)・・熊出没:原始時代・・・・・・・・・・・・・・・10/22・・・・・・・1,403 ・・・・・・・・・・7,027 ・・・・・・・・・40 ・・・・・・・・39

 2・4位の2作品が新登場です。
 2位「マーティン・エデン」については上述しました。
 4位「ツタ」は韓国のドラマ。今年の第21回全州国際映画祭の招待作として上映され注目された作品です。ウンスとイェウォンは女性同士のカップルで、幸せな同棲生活をしていました。そんなある日、ひどい交通事故に遭ってウンスの姉ウネは死亡し、ウンスも重傷を負って障碍者となってしまいます。またウンスとイェウォンは孤児になったウネの娘スミンを引き取ることになります。事故の直後、「私たちは家族じゃない⁉ 家族がこんなこと起こったからといって捨てられるの?」とイェウォンが言うと、ウンスは「家族? 誰が私たちを家族と認めてくれるの?」と答えます。たまたま何かの風の吹き回しのように一緒に暮らすようになった3人の女性は家族になることを望み、(類似?)家族として生きようとします。しかし世間の規範はそれを妨げます。この映画の真の美徳は結末にあります。本作はありきたりなハッピーエンディングやサッドエンディングの代わりに、ト・ジョンファンの詩「ツタ」のように、迂回してでもあせらず少しずつ幸せに向かって進む道を選択します・・・。本作がクィア作品として画期的なのは、昨年以降公開された「ユニに」から「燃える女の肖像」まで、2人が恋に落ち、互いを愛する場面がメインであるのに対して、本作では現実的に差別意識をはじめ厳しい社会の中で家族として暮らしていく姿に力点を置いていること、だそうです。なるほど・・・。原題は「담쟁이」です。


    담쟁이

       도종환

 저것은 벽
 어쩔 수 없는 벽이라고 우리가 느낄 때
 그때
 담쟁이는 말없이 그 벽을 오른다.
 물 한 방울 없고 씨앗 한 톨 살아남을 수 없는
 저것은 절망의 벽이라고 말할 때
 담쟁이는 서두르지 않고 앞으로 나아간다.
 한 뼘이라도 꼭 여럿이 함께 손을 잡고 올라간다.
 푸르게 절망을 다 덮을 때까지
 바로 그 절망을 놓지 않는다.
 저것은 넘을 수 없는 벽이라고 고개를 떨구고 있을 때
 담쟁이 잎 하나는 담쟁이 잎 수천 개를 이끌고
 결국 그 벽을 넘는다.

   ツタ

        ト・ジョンファン(都鍾煥)

 あれは壁
 どうしようもない壁だと私たちが感じるとき
 そのとき
 ツタは無言で その壁を登る。
 一滴の水もなく 一粒の種も生き残れない
 あれは絶望の壁だと言うとき
 ツタは急がず前に進む。
 一寸でも必ず大勢が一緒に手をつないで登ってゆく。
 青く絶望をすべて覆い尽くすときまで
 間違いなくその絶望を捕らえて放さない。
 それは越えられない壁だとうなだれるとき
 ツタの葉一枚はツタの葉数千を率いて
 ついには その壁を越える。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする