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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [5月25日(金)~5月27日(日)]

2018-05-30 14:25:50 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸6月22日から一般公開予定の韓国映画「天命の城」(原題:南漢山城)の試写会に行って来ました。ほぼ<予測通り>の内容です。<期待通り>と書かなかったのは、少なくとも娯楽作としては最初から期待していなかったから。時代と、物語の主舞台は1636年の丙子胡乱(→ウィキペディア)の時、朝鮮国王・仁祖の軍が立て籠もった南漢山城です。同年国号を後金から清に改め、皇帝を称するに至ったホンタイジの率いる女真の圧倒的な軍勢の前に、臣従を拒んだ仁祖も結局は屈服を余儀なくされて・・・という史実に沿った歴史ドラマ。となると、韓国人の観客がスカッとする場面は皆無。いや日本人でも見てて心が重~くなります。イ・ビョンホン、パク・ヘイル、キム・ユンソク、コ・ス(←もうけ役だったかも)と人気スターはそろえたものの、女優はといえばチョ・アインちゃん(7歳)くらいで、全然花がありません。(蓮池薫さん訳の「孤将」の作者)金薫の小説の映画化ということで、歴史の勉強をしたい人及び娯楽性を排した重厚感を味わいたい人にはオススメ。あ、それから今の韓国の外交上の苦心(悲哀?)ともオーバーラップして・・・ということも多くの韓国人自身も感じたに違いありません。
 なお、字幕では清の軍のことを<賊軍>と訳していましたが、元の韓国語は<오랑매(オランケ)>で、<野蛮人>といった差別語です。文化文明の大本である漢民族の王朝・明のすぐ下の朝鮮のずーっと下、と女真族を蔑視している言葉です。で、私ヌルボだったら<蛮族軍>とでも訳した方がそうしたニュアンスは伝わるかなと思った次第です。(うわ、根本理恵さんに異論を唱えてしまった!)
 なお、仁祖がホンタイジの前で屈辱的な三跪九叩頭の礼をした場所・三田渡(サムジョンド)は今のロッテワールドの辺りで、その時結んだ<三田渡の盟約>を刻んだ三田渡碑(→ウィキペディア)があります。つまり、映画の冒頭の凍り付いた川は漢江で、渡し場が現在のロッテワールド近くにあったというわけです。

▸6月30日公開予定の「ワンダーランド北朝鮮」についての感想等はまだ終わってません。いやはや・・・。
 → ドキュメンタリー映画「ワンダーランド北朝鮮」のあれこれ [その1]北朝鮮の普通の人々と1対1で対話し、暮らしや仕事等を自然に撮る。 しかし、「疑念」もフツフツ・・・・
 → ドキュメンタリー映画「ワンダーランド北朝鮮」のあれこれ [その2]「美しい映像を撮りたかった」と監督は語ったが・・・
    
「朝鮮日報」5月25日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

남자들의 수다도 재밌다
두 중년 남자는 레스토랑 리뷰를 쓰기 위해 함께 차를 몰고 스페인 여행을 떠난다.

 《週末の劇場街》で紹介

  「スペインは呼んでいる」



   男たちのおしゃべりもおもしろい


 [写真説明] 2人の中年男はレストランのレビューを書くために一緒に車に乗ってスペイン旅行に出かける。

 「バーニング」
   鮮やかでなく、より勇敢な ★★★



 「ケーキメーカー」

   欲張らないことを知る。★★★



 「トゥルース・オア・デア」

   浅いが噛めば味はある ★★


 上記の作品については以下の記事または先週の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(5月29日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) ダンガル きっと、つよくなる  9.63(1,316)
②(2) グレイテスト・ショーマン  9.37(12,726)
③(4) 新世紀、パリ・オペラ座  9.32(19)
④(5) KING OF PRISM -PRIDE the HERO-(日本)  9.26(892)
⑤(7) ゴッホ~最期の手紙~  9.19(5,202)
⑥(6) トゥルース・オア・デア  9.23(60)
⑦(10) ピーターラビット  9.14(1,091)
⑧(8) 無門関(韓国)  9.10(88)
⑨(-) 霊魂の巡礼道  9.06(16)
⑩(-) ビー・バップ・ア・ルーラ  9.03(496)

 ⑨「霊魂の巡礼道」だけが今回の新登場です。トロント、ロッテルダム、釜山
各国際映画祭に公式招待された中国のドキュメンタリー。チベットの小さな村のニイマでは、「神々の土地」といわれる聖地ラサと聖山カイラス山に巡礼に行くことが生涯の夢です。死ぬ前に巡礼に旅立ちたい老人、生活のため殺生を重ねてきた牛の業者、出産を前にした妊婦から幼い少女に至るまで、3家族の計11人がそれぞれ希望を抱いて共に巡礼へと旅立ちます。その巡礼の旅というのがあつうの徒歩旅行のようなものではありません。1年間で2,500kmにも及ぶ距離を<三歩一拝>つまり3歩進むごとに1回ひれ伏すというもの。そして肉体的苦痛を克服しつつ疲れた魂を癒し平安を祈るのです。韓国題は「영혼의 순례길」です。
 ※この<三歩一拝>は、韓国では2003年セマングム干拓による環境破壊に反対して各宗教団体が合同で始めてからさまざまな要求を掲げたデモの一形態としてしばしば行われています。(日本では少なくとも市街地では認められそうにない?)

     【記者・評論家による順位】

①(1) フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法  8.50(10)
②(2) レディ・プレイヤー1  8.36(11)
③(3) ファントム・スレッド  8.22(9)
④(4) シェイプ・オブ・ウォーター  8.18(11)
⑤(5) レディ・バード  7.82(11)
⑥(6) 君の名前で僕を呼んで  7.80(10)
⑦(7) エセルとアーネスト  7.75(4)
⑧(8) バーニング(韓国)  7.69(13)
⑨(9) 共同正犯(韓国)  7.67(9)
⑩(-) ゴッホ~最期の手紙~  7.50(8)

 今回の新登場はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月25日(金)~5月27日(日) ★★★

         韓国の犯罪アクション「督戦[トクジョン]」が1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(25)・・督戦[トクジョン](韓国) ・・・・・・5/22 ・・・・・・・1,092,711・・・・・・・1,796,079 ・・・・・・・15,952 ・・・・・・・1,357
2(1)・・デッドプール2・・・・・・・・・・・・・・・5/16・・・・・・・・・424,322・・・・・・・3,164,112 ・・・・・・・28,934・・・・・・・・・933
3(2)・・アベンジャーズ・・・・・・・・・・・・・・4/25・・・・・・・・・107,617・・・・・・11,012,994 ・・・・・・・98,141・・・・・・・・・546
       /インフィニティ・ウォー
4(新)・・ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー・・5/24・・104,379 ・・・124,629 ・・・・・・・・1,198・・・・・・・・・569
5(47)・・トゥルース・オア・デア・・・・・・・5/22・・・・・・・・・・95,470 ・・・・・・・・182,802 ・・・・・・・・1,587・・・・・・・・・520
6(4)・・ピーターラビット・・・・・・・・・・・・5/16・・・・・・・・・・75,119 ・・・・・・・・310,360 ・・・・・・・・2,402・・・・・・・・・542
7(3)・・バーニング(韓国) ・・・・・・・・・・・・5/17 ・・・・・・・・・・48,716 ・・・・・・・・448,678 ・・・・・・・・4,033 ・・・・・・・・468
8(6)・・私を月に連れてって・・・・・・・・・・5/16 ・・・・・・・・・・13,369 ・・・・・・・・・91,791 ・・・・・・・・・719・・・・・・・・・115
9(22)・・ぼくらベアベアーズ・・・・・・・・・5/24 ・・・・・・・・・・11,633 ・・・・・・・・・13,115 ・・・・・・・・・104・・・・・・・・・301
10(5)・・レスラー(韓国) ・・・・・・・・・・・・・5/09 ・・・・・・・・・・・4,758 ・・・・・・・・765,510 ・・・・・・・・6,444 ・・・・・・・・149
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・4・9位の3作品です。(5位のアメリカのホラー「トゥルース・オア・デア」については先週紹介しました。)
 1位「督戦[トクジョン]」は韓国の犯罪&アクション。原題の「독전.(トクジョン)」は見慣れない言葉ですが、辞典によると「戦いを督励して気勢を高めること」。同じスペルの<毒戦>という言葉はないようです。謎の爆発事故が起こった後、長い間麻薬組織を追跡してきた刑事ウォノ(チョ・ジヌン)の前に組織の後見人オ・ヨノク(キム・ソンニョン)と組織に捨てられた男ロック(リュ・ジュニョル)が現れます。彼らの助けを借りて、アジア麻薬市場の大物チン・ハリム(キム・ジュヒョク)と組織の隠し玉ブライアン(チャ・スンウォン)と会ったウォノは組織の実体について決定的なカギをつかみますが・・・。
 4位「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」は、アメリカのSF。「スター・ウォーズ」シリーズの人気キャラクター、ハン・ソロを主人公にしたスピンオフ作品で、彼の知られざる過去を描いた物語です。日本公開は6月29日で、すでに公式サイト等で諸情報が伝えられています。韓国題は「한 솔로: 스타워즈 스토리」です。
 9位「ぼくらベアベアーズ」は、元は2015年スタートしたアメリカ連続TVアニメで、日本でもNHKBSプレミアムで放映されていました。基本は「3匹のクマたちの視点を通じて現代っ子たちの生活や心理を描いたコメディアニメ」。韓国でも2015年からTV放映されていて、劇場版も2017年に公開され、今作は2作目。副題が「ベビー・ベアーズ」ということで、おなじみのクマブラザーズの子供の頃のお話が主な内容とのことです。韓国題は「위 베어 베어스: 베이비 베어스」です。日本では劇場版の公開はなさそう?

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・私を月に連れてって・・・・・・・・・・・・5/16・・・・・・・・・・13,369・・・・・・・・・・・・91,791・・・・・・・・・・・719・・・・・・・・・115
2(25)・・ケーキメーカー・・・・・・・・・・・・・・・5/24・・・・・・・・・・・3,013・・・・・・・・・・・・・4,708・・・・・・・・・・・・42・・・・・・・・・・65
3(2)・・私たちをつなぐもの・・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・2,610・・・・・・・・・・・・46,548・・・・・・・・・・・405・・・・・・・・・・31
4(26)・・ムーミン谷とウィンターワンダーランド・・2/08・・1,540・・・・・・・・・・・・21,781・・・・・・・・・・・120・・・・・・・・・・・2
5(4)・・スペインは呼んでいる・・・・・・・・・・5/17・・・・・・・・・・・1,503・・・・・・・・・・・・・9,224・・・・・・・・・・・・74・・・・・・・・・・28

 2・5位の2作品が新登場です。
 2位「ケーキメーカー」(仮)は、イスラエル・ドイツ合作のドラマ。ドイツ人のパティシュエのトーマスは、ベルリンで頻繁にビジネスをしているイスラエル人の既婚男性オレンと不倫関係にありました。そのオレンがイスラエルで自動車事故のため死ぬと、トーマスはエルサレムに行って彼の死の理由を探ります。オレンの妻だったカフェの女主人アナットは愛するオレンを失くして必死に堪えています。トーマスは密かに彼女の生活に入り込みます。ところが、予想を越える展開の中で、彼は嘘を重ねることに・・・。傷ついた心を癒すフードセラピームービーとの触れ込みの作品です。韓国題は「케이크메이커」。日本公開は未定のようです。
 5位「スペインは呼んでいる」(仮)は、イスラエル・ドイツ合作イギリスのドラマ&コメディ。イギリスのコメディアン兼俳優のスティーヴ・クーガンとロブ・ブライドンの2人が「イタリアは呼んでいる」(2014)に続いて今度はスペインに向かいます。サンタンデール、グラナダ、マラガまでスペインの全域を、見て、食べて、楽しんで周遊します。韓国題は「트립 투 스페인」。日本公開は未定のようです。
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ドキュメンタリー映画「ワンダーランド北朝鮮」のあれこれ [その2]「美しい映像を撮りたかった」と監督は語ったが・・・

2018-05-27 23:44:52 | 韓国・北朝鮮に関係する映画
 → <ドキュメンタリー映画「ワンダーランド北朝鮮」のあれこれ [その1]北朝鮮の普通の人々と1対1で対話し、暮らしや仕事等を自然に撮る。 しかし、「疑念」もフツフツ・・・・>

「ルールさえ守れば安全な国」と監督。しかし、その「ルール」をどう考えるのか?

 先の記事でも書いたように、映画を観終わった時の印象は良かった方でした。ところが、その後シンポジウムでチョ・ソンヒョン監督の話を聞くうちに疑問が膨らんでいきました。
 とくに問題に思った発言を2つ紹介します。

 監督が「ふつうに生活している人々を撮りたかった」という意図に続いて語ったのは、撮影の事前打ち合わせのため北朝鮮を初めて訪れた前後のこと。で、実際に現地に降り立った時、まず目に入ったのは軍人たちの姿。他の同行者たちは先に行ってしまった1人残されたそうですが、入国審査のやり取りは、Q.どこで生まれましたか? A.プサン。Q.今は? A.ドイツで暮らしています。・・・と、それだけでOKだったそうです。
 事前に、周りの人たちからは「抑留されるよ」と言われたりしたそうですが、実際行ってみた感想は「ルールさえ守れば安全な所」というものでした。
 「郷に入っては郷に従え」ですから、それは当然。ところが、監督は続けて次のように言ったのです。
 「たとえば、サウジアラビアに行ったら「女性の肌の露出はダメ」といったルールのような・・・。」

 北朝鮮では、外国人旅行者が行ける所は限られているし、常に<案内員>が2人ついて回ります。
 外国人ばかりか、北朝鮮の一般の人たちも外国に行けないどころか、国内でさえも居住地域から離れる場合は通行証が必要で、それも親戚訪問等の理由がないと認められません。(危篤の母の家にかけつけようとしても認められなかったという脱北者の手記を読んだこともあります。)
 そのような<ルール>がはたしてイスラム国家の<女性の肌の露出はダメ>ということと同様のものとは、私ヌルボには思えません。
 「ふつうの人々の自然の姿を撮りたい」という監督の意図はわかるもものの、撮影に際して批判的視点をも封印して、あるものをあるがままに撮り、「ありのままを見て考えてくれればよい」と判断は観た人に丸投げするというのは、ドキュメンタリー映画の監督としての主体は奈辺にあるのかと問わざるをえません。(そもそも、撮影した映像というのも現場の一部を意識的・無意識的に「切り取った」ものなので、厳密な意味で「ありのまま」の映像はありえない。)
 ※ここで思い出したのが想田和弘監督の<観察映画>のことです。予断と先入観を排除して撮るというそのドキュメンタリーが実に厳しい方法論によって制作されているかは、本人による<観察映画の十戒>(→コチラ)を読めばわかります。(この方法では北朝鮮で撮ることはできませんが。)

「美しい映像」、「感じのいい人」を撮りたいという監督の意図からふるい落とされるもの

 取材対象者の1人に、万寿台(マンスデ)創作社の画家がいました。彼は紡織工場に足を運び、女性労働者にポーズをつけて写真を撮り、作業場でその写真を元に絵を描き進めるのですが、顔の部分だけは別の所で撮ったテニスをしている女性の顔に代えるのです。(この場面では、会場から笑い声が起こりました。) 「美人じゃないのが現実では?」との問いかけに、画家は「見苦しいものは描く気になりません」と、なんとも率直な返答。
 このことに関連して、シンポジウムの中でイ・ヒャンジン教授から監督に次のような質問がありました。
 画家が美人画に変えたことと、監督が「登場人物(主な取材対象者)を代える権利がある」と言って感じのいい人に代えたこととは同じではないですか? それだとステレオタイプになるのでは?
 私ヌルボ、これは鋭い指摘だと思いました。
 これに対し、監督は「きれいな顔に描くことに腹を立てる人はいない」とか、「北朝鮮は美しさを追求する社会だということが理解されればいい」等と答えていましたが、なんでそんなにも甘い見方ができるのでしょうか?
 では、北朝鮮で「美しくないもの」を撮ったり絵に描いたりすることがどれほど可能なのか? 監督も実は承知しているはずだと思いますが・・・。カメラマンの初沢亜利さんは北朝鮮を撮った写真集「隣人。38度線の北」の後書きの中で「本当は、トラックの荷台に乗っている人や牛車を押している人、路上でしゃがみ込んでいる群衆を撮ってほしくない、と思っていることが彼の背中から伝わってきた。」と記しています。
 そんな「感じのいい人」や「美しい映像」ではないものに監督はどれだけ目を向けようとしたのでしょうか? それは対象をより深く理解する姿勢であ姿勢であって、「北朝鮮に対する悪意」といったような皮相的なものではないはずです。「この映画は北朝鮮のいい所だけを見せているのでは?」という質問に対し、監督が「コチラは「お客さま」ですから」と答えているのも甘いな~といった感が否めませんでした。(前出の「甘い」もそうですが、これは北朝鮮に対する甘さではなく、ドキュメンタリー映画の監督としてのことです。)

北朝鮮側の担当者・同行者との信頼関係はうかがわれる

 監督の撮影には、高麗映画製作会社、万寿台創作社等の人たちがずっと同行したとのことです。
 ところが、実際にインタビューする段となると、彼らがいるため取材対象者の言葉がなかなか出てこないという事態になったとか。(まあ、そうでしょう。) そこで監督が求めたのは彼らに席を外してもらうこと。「このままだと「北側の人たちはみんな馬鹿か?」と思われてしまいます」と主張し、最後には「<祖国と民族のために>席を外してください」と言って、結局認められたとのことです。
 この話を聞いた時、<祖国と民族のために>と言ったのは要求を容れてもらうための方便と思ったのですが、どうも監督の本心でもあったようです。

  先に「訪朝した外国人には常に<案内員>が2人ついて回る」と書きました。
 基本的に<案内員>ガイド兼監視役で、2人いるのは相互監視のためですが、→コチラの詳しい記事の中にも「数多い制限の中で最大限の努力をしているように思う」とあります。また上述したように初沢亜利さんの案内員氏が内心「撮ってほしくない写真を「黙って撮らせてくれた」のも、案内員氏が初沢さんに「それでもみんな懸命に生きている。初沢さんだったらそれを悪いなく伝えてくれると私は信じました。・・・もしかしたら写真集が出ることによって私は職を失ってしまうかもしれません。私はもう老いぼれだから良いのですが・・・」と直接語ったほどの信頼関係ができていたことを物語っています。(<祖国と民族のために>という言葉よりも深い所で通じ合ったものがあった、とヌルボは思います。)

 当初1回読み切りの記事のつもりで書き始めたら、この[その2]でも収まらず。あと1回続きます。やれやれ。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [5月18日(金)~5月20日(日)]

2018-05-22 21:35:17 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸21日はブルク13で「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」を鑑賞。「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」に続いてアメリカの貧困層が物語の中心。いやあ、ディズニーランドに隣接して、こうした人たち用のモーテルがいくつもあるのですね。で、子供たちはそれでも元気に遊んでいて・・・。2作品とも、ストーリーは直接重なるところはないものの、「根は同じ」といった感じです。それにしても、明るく元気な子供たちも、自然と(?)「タトゥー」とか「でかい声とうるさい音楽」とか「口ピアス」とか「すぐ切れる」といった共通項を持つオトナになっていくのでしょうか? (・・・という見方はヘタしたら差別につながる?)

▸6月30日公開予定の「ワンダーランド北朝鮮」について、「私ヌルボ自身の感想や意見は、次の記事で詳しく書くことにします」と書きましたが、まだ→前半だけです。後半は明日です。
 たまたま19日毎日新聞の夕刊で鈴木琢磨記者による「写真家・初沢亜利さんが見た素顔の北朝鮮」(→コチラ)という記事をよんで、北朝鮮という国の<素顔>をどう撮るか?(撮ったか?)ということを、「ワンダーランド北朝鮮」と比較してあれこれ考えた、ということも遅くなっている一因です。※初沢亜利さんの写真集「隣人。38度線の北」(徳間書店)を紹介している→コチラの記事にも目を通してみて下さい。

▸18日は韓国文化院3で「地獄花」(1958)を鑑賞。今年の<韓国映画企画上映会>の3作目ですが、4月16日に主演の崔銀姫さんが亡くなったため<追悼上映>となりました。私ヌルボ、この作品は初めてです。→YouTubeにもあるんですけどね。字幕が韓国語と英語だけなもので・・・。それにしても、「崔銀姫は今まで演じてきた純情派女役とは正反対の悪女を演じ、破格的な変身を図る」云々といった作品とのことで、私ヌルボも最初に観た「常緑樹」の印象がその後も残っていただけに驚きました。なお、映像には朝鮮戦争後の荒んだ光景が随所に見受けられ、そんな点でもためになりました。
    
「朝鮮日報」5月18日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

토끼 구경만으로도 즐겁다
토머스는 장난꾸러기 토끼 피터 래빗 때문에 이성을 잃는다.

 《週末の劇場街》で紹介

  「ピーターラビット」


   ウサギ見物だけでも楽しい


 [写真説明] トーマスはいたずら好きのウサギ、ピーターラビットのために理性を失う。

 「エセルとアーネスト」
   平凡な夫婦、偉大な旅程 ★★★



 「劇場版 マジンガーZ/INFINITY」

   オヤジ世代向けの郷愁 ★☆



 「私を月に連れてって」

   爽やかなはずが、酸味が・・・ ★☆


 上記の作品については以下の記事または先週の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(5月22日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) ダンガル きっと、つよくなる  9.64(1,211)
②(6) グレイテスト・ショーマン  9.38(12,690)
③(-) アイ・キャン・スピーク(韓国)  9.35(13,831)
④(-) 新世紀、パリ・オペラ座  9.29(17)
⑤(-) KING OF PRISM -PRIDE the HERO-(日本)  9.27(890)
⑥(-) トゥルース・オア・デア  9.23(60)
⑦(-) ゴッホ~最期の手紙~  9.20(5,191)
⑧(4) 無門関(韓国)  9.18(78)
⑨(-) 天国でまた会おう  9.16(124)
⑩(-) ピーターラビット  9.13(490)

 大きく入れ替わりましたが、新登場は④⑥⑩の3作品です。
 ④「新世紀、パリ・オペラ座」はフランスのドキュメンタリー。日本では昨年12月に公開されています。韓国題は「파리 오페라」です。
 ⑥「トゥルース・オア・デア」(仮)はアメリカのホラー。YouTuberのオリヴィア(ルーシー・ヘイル)は大学の友人たちと共にメキシコ旅行に出かけます。到着した一行は酒盛りに興じ、<真実(Truth)か挑戦(Dare)か>というゲームに軽い気持ちで参加します。(1700年くらいからヨーロッパではやり始めたというパーティー・ゲームだそうです。) ところが、それは悪魔が支配するゲームでした。真実ではなく嘘を述べたり、挑戦に失敗したりした者には死が与えられるのです・・・。韓国題は「트루스 오어 데어」。日本公開は未定です。
 ⑩「ピーターラビット」については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法  8.50(10)
②(2) レディ・プレイヤー1  8.36(11)
③(3) ファントム・スレッド  8.22(9)
④(4) シェイプ・オブ・ウォーター  8.18(11)
⑤(5) レディ・バード  7.82(11)
⑥(6) 君の名前で僕を呼んで  7.80(10)
⑦(7) エセルとアーネスト  7.75(4)
⑧(-) バーニング(韓国)  7.69(13)
⑨(8) 共同正犯(韓国)  7.67(9)
⑩(9) ナチュラルウーマン  7.67(6)

 ⑧「バーニング」が今回の新登場ですが、この作品については後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月18日(金)~5月20日(日) ★★★

         日本より2週間早く公開の「デッドプール2」が1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(21)・・デッドプール2・・・・・・・・・・・・・・5/16 ・・・・・・・1,355,644・・・・・・・1,973,380 ・・・・・・・18,110 ・・・・・・・1,576
2(1)・・アベンジャーズ・・・・・・・・・・・・・・4/25・・・・・・・・・304,257・・・・・・10,689,668 ・・・・・・・95,413・・・・・・・・・760
       /インフィニティ・ウォー
3(新)・・バーニング(韓国) ・・・・・・・・・・・5/17 ・・・・・・・・・220,709 ・・・・・・・・277,898 ・・・・・・・・2,511 ・・・・・・・・739
4(新)・・ピーターラビット・・・・・・・・・・・5/16 ・・・・・・・・・102,397 ・・・・・・・・112,487 ・・・・・・・・・882・・・・・・・・・599
5(2)・・レスラー(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・5/09 ・・・・・・・・・・78,486 ・・・・・・・・724,548 ・・・・・・・・6,135 ・・・・・・・・552
6(新)・・私を月に連れてって・・・・・・・・・5/16 ・・・・・・・・・・36,896 ・・・・・・・・・48,835 ・・・・・・・・・385・・・・・・・・・155
7(新)・・劇場版 マジンガーZ・・・・・・・・・5/17 ・・・・・・・・・・11,441・・・・・・・・・・13,924 ・・・・・・・・・114・・・・・・・・・332
       /INFINITY(日本)
8(3)・・チャンピオン(韓国) ・・・・・・・・・・5/01 ・・・・・・・・・・11,231 ・・・・・・・1,117,493 ・・・・・・・・9,395 ・・・・・・・・175
9(新)・・ウォーキング with ダイナソー・・5/17 ・・・・・・・・・8,534・・・・・・・・・・・8,838 ・・・・・・・・・・72・・・・・・・・・168
10(9)・・私たちをつなぐもの・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・5,954・・・・・・・・・・37,801 ・・・・・・・・・330・・・・・・・・・・38
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」が2位に落ち、「デッドプール2」が1位に。なんのかんの言っても、アメリカの特撮アクション大作は強いです。
 今回の新登場は1・3・4・6・7・9位の6作品です。
 1位「デッドプール2」は2016年に続くアメリカのアクションの続編。平穏な日々を送っていたデッドプール(ライアン・レイノルズ)の前に、未来からやってきたマシーン人間ケーブル(ジョシュ・ブローリン)が現れて・・・。日本でもも6月1日公開なので、そこまでにしておきます。韓国題は「데드풀 2」です。
 3位「バーニング」は、韓国を代表する監督の1人イ・チャンドン監督が村上春樹の短編小説「納屋を焼く」を原案に制作し、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にも出品した話題作です。流通会社でアルバイトをしているジョンス(ユ・アイン)は、配達の途中、子供の頃近所に住んでいたヘミ(チョン・ジョンソ)に会い、ヘミがアフリカ旅行に行っている間、飼い猫の世話をしてくれと頼まれ、引き受けます。アフリカから帰ったヘミは、アフリカで出会ったというベン(スティーブン・ヨン)という正体不明の男性をジョンスに紹介します。ある日、ヘミとベンはジョンスの家にやって来て、自分の秘密にしている趣味について告白します。その時からジョンスは恐ろしい予感に囚われます・・・。原題は「버닝」です。
 4位「ピーターラビット」は、日本でも2日遅れの5月18日公開されています。韓国題は「피터 래빗」です。
 6位「私を月に連れてって」は、大ヒット作「あの頃、君を追いかけた」(2011)以降続いている台湾の青春回顧映画の新作で、今年3月<大阪アジアン映画祭>でも上映されました。夏の日の台北。高校時代にバンド“月球幫”を結成していた汪正翔(劉以豪=ジャスパー・リュウ)たち5人の同級生は、自ら命を絶ったヴォーカリスト・李恩佩(宋芸樺=ビビアン・ソン)の葬儀で再会します。彼女は正翔の初恋の人でした。帰り道、謎めいた玉蘭売りのおばあさんの誘いで(?)正翔は1997年にタイムスリップしてしまいます。それは高校卒業の3日前。1997年自動車事故がきっかけとなってこの世を去った台湾の伝説的ミュージシャン張雨生の歌声が街に流れる、恩佩の運命を決めたあの日でした・・・。韓国題は「안녕, 나의 소녀」です。日本での一般公開は未定のようです。
 7位「劇場版 マジンガーZ/INFINITY」については、例によって私ヌルボ何にも語れません。韓国題は「마징가 Z: 인피니티」です。
 9位「ウォーキング with ダイナソー」は、イギリスのアニメ、というよりも実写とCG技術を駆使して恐竜の姿を再現した冒険ロマン。日本では2013年に公開されました。韓国題は「다이노 헌터: 티렉스VS파키리노 대격돌」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・私を月に連れてって・・・・・・・・・・・5/16・・・・・・・・・・36,896・・・・・・・・・・・・48,835・・・・・・・・・・・385・・・・・・・・・155
2(3)・・私たちをつなぐもの・・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・5,944・・・・・・・・・・・・37,801・・・・・・・・・・・330・・・・・・・・・・38
3(2)・・ルビー・スパークス・・・・・・・・・・・・・5/10・・・・・・・・・・・2,956・・・・・・・・・・・・27,524・・・・・・・・・・・243・・・・・・・・・・98
4(1)・・巨大な梨の信じられないような物語・・5/03・・・・・・・1,539・・・・・・・・・・・・92,817・・・・・・・・・・・733・・・・・・・・・・38
5(新)・・瑞山[ソサン]開拓団(韓国) ・・・・・・5/24・・・・・・・・・・・1,442・・・・・・・・・・・・・1,442・・・・・・・・・・・・14・・・・・・・・・・・6

 5位「瑞山[ソサン]開拓団」だけが今回の新登場です。初期の朴正煕政権時代の非道を明らかにし、糾弾した韓国のドキュメンタリー。1961年、朴正煕政権は「大韓青少年開拓団」という名前で全国から青年、婦女子をかき集めます。いや、街の若者を拉致したりもしたとか。彼らは毎日殴られる等犬のように扱われます。無賃金で働きながら、「苦労は土地で保証する」という国の約束を信じて、ただ分配される土地のことだけ考え、青春を捧げました。しかし、土地が沃土に変わるのを待っていたかのように国は約束を覆します。「瑞山開拓地は国有地である」と・・・。それは朴正煕政権による国民詐欺劇の巨大な序幕でした・・・。原題は「서산개척단」です。
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ドキュメンタリー映画「ワンダーランド北朝鮮」のあれこれ [その1]北朝鮮の普通の人々と1対1で対話し、暮らしや仕事等を自然に撮る。 しかし、「疑念」もフツフツ・・・・

2018-05-18 18:14:09 | 韓国・北朝鮮に関係する映画
 5月12日(土)、立教大学で開かれたシンポジウム「北朝鮮とコリアン・シネマ」に行き、そこで上映された映画「ワンダーランド北朝鮮」を観てきました。ドイツ国籍の韓国人女性チョ・ソンヒョン監督によるドキュメンタリーです。

 北朝鮮を撮ったドキュメンタリーでは、まず「金日成のパレード ~東欧の見た“赤い王朝“~」(1989年/ポーランド)が最初に広く話題を呼んだ作品でした。1988年9月の建国40周年を祝う100万人の大パレードの模様を「そのまま撮った」ものですが、北朝鮮当局の意に反して、そのマスゲームとパレードの映像から外の国の大多数の観客が感じたのは、これほどまでに統制された国家の異様さでした。
 近年で注目されたのは「太陽の下で-真実の北朝鮮-」(2015年)です。ロシアのスタッフが平壌で暮らす少女の一家に密着してドキュメンタリーの撮影を進めるうち、その一家(実は本当の家族ではない)が北朝鮮のシナリオに沿って演技をしていることが明白になり、以後はカメラのスイッチをonにしたまま置き去りにして撮り、その虚構の<北朝鮮の平均的家族の日常>を暴き出した作品です。


「北朝鮮もハードルが低くなったのかな?」と思ったが、監督さんの話を聞いたら・・・

 これらのある種<異様な>ドキュメンタリーに対し、「ワンダーランド北朝鮮」は内容も雰囲気もまさに対照的です。平壌だけでなく、むしろ地方の都市や農村での撮影が多く、また監督自身が現地の人と1対1で<自然に>話をしています。
 将子江(チャンジャガン)人民遊園地のプール監視員の青年とその家族、美谷(ミゴク)共同農場の農場員(農民)は家の中までいろいろ説明してくれてます。元山市の縫製工場の女性労働者とは一緒に元山の松涛園海水浴場(ただしオフシーズン)を一緒に歩きながら、将来の夢などを聞き出しています。(あ、松涛園海水浴場は、私ヌルボ1991年に行ったゾ。)
 そういうドキュメンタリーなので、観終わった時点での私ヌルボの印象は、「淡々と、穏やかに北朝鮮の景物をとり話を聞いた映画だな。北朝鮮側は「これはダメ!」というハードルをさげたのかな? 監督としてはもっと聞きたい話もあったのだろうけど、それは「寸止め」にしたんだろうな」といったものでした。
 ところが、上映後チョ・ソンヒョン監督のトークを聞いて、この作品についての疑問の多くが氷解するとともに、一方で別の疑念がフツフツとわき起こってきました。その後メモを元に細部を検証してみると、疑念はさらに膨らんでいきました。


「<ふつうの>北韓の人」というだけで韓国人がプラスイメージを持つ理由

 シンポジウムでは、チョ・ソンヒョン監督の他、主催団体の立教大学異文化コミュニケーション学部の浜崎桂子学科長、今年2月刊行された「コリアン・シネマ」(みすず書房)という大部の著者イ・ヒャンジン教授、同書の翻訳を担当した武田珂代子教授(司会)、そして通訳の方の計5人がステージに上がりました。このような全員が女性というシンポというのは私ヌルボ、初めてです。

 チョ監督が最初に語ったのは、上述のような<異様な>姿ではない、ふつうの北朝鮮を撮りたかったということでした。それにしても、釜山生まれの監督が北朝鮮で映画制作を⾏うため韓国籍を放棄してドイツ国籍を得て北朝鮮に⼊国したとは、たいした情熱です。
 「북한에서도 보통 사람이 살고있다.」(北朝鮮でもふつうの人が暮らしている。)
という言葉が監督の口から出てきました。

 私ヌルボの個人的な記憶がよみがえります。
 1992年夏、最初の韓国旅行。関釜連絡船から降り立った日、釜山の竜頭山公園に行った時、話しかけてきた韓国人と(日本語で)いろいろ話をした中で、ヌルボが「実は私、去年北韓に行ってきたんですよ」と言ったら、彼は別に驚くでもなく「北韓でもふつうの人々が暮らしているということですよ」という言葉を返してきました。なぜか気になったその言葉の背景がわかってきたのはかなり後でした。
 つまり、軍事政権の時代、反共教育の中で育った韓国人たちにとっては、北朝鮮の人は「悪魔といったイメージ」(イ・ヒャンジン監督)だったのです。「えっ、そんなお年なの?」と意外に思って後で探索したら1966年生まれでした。
 したがって、韓国人たちが、ふつうに話をし笑ったりする北朝鮮の人を見た時の反応も、特別なものがあるように思います。4月27日の南北首脳会談で金正恩委員長が「文大統領が、遠くから運んできた平壌冷麺をゆっくりと・・・。遠くからってのは、言っちゃまずかったか。とにかく美味しく召し上がっていただければ幸いです」などと語ったことだけでも彼の評価が急上昇したのも、そんな過去の反共教育も逆に作用したのではないでしょうか?
 ※関連過去記事 →<韓国歴史博物館で見た往時の反共展示物>


撮影地や取材相手の大枠は北朝鮮側が提示

 監督によると、事前にまず海外で作られた北朝鮮を撮った映画をすべて観た上、撮影に入る前に4回北朝鮮を訪れて打合せをしたとのことです。
 その際、「先手を打って提案した」という条件は次のようなことでした。
  ①「若い人」を主な取材対象とする。
  ②平壌ではない、地方の農家を取材する。
  ③港町の工場労働者に取材する。


 これらの提案は「細かいところまで同意された」そうです。
 取材対象者の「青年」については、当初金日成総合大学の教員や平壌国際サッカー学校の先生等が北朝鮮側から提示されましたが、結局大規模な遊園地のプール監視員の青年を監督が現地で選びました。基準はイケメン(!)とのこと。感じのいい独身青年です。
 元山の縫製工場の女性労働者の場合も、北朝鮮側推薦の女性はとても恥ずかしがり屋さんだったのでダメ出しをし、現地で「イメージに合う人」を2人推薦してもらって、うち1人を選んだとのことでした。
 こうした「作為」に対して、ドイツでは「個人的な尺度で撮るとはフェアではない!」との批判も出たとか。


北朝鮮当局が<見せたい所>はちゃんと入っている

 次に、地方の農家や、港町の工場その他、撮影地となった施設等について具体的に見てみましょう。
  ・将子江(チャンジャガン.장자강)人民遊園地(江界市)
  ・平壌国際サッカー学校
  ・金正淑平壌紡織工場

 これらは共に金正恩の時代になって建設された施設です。

 将子江((장자강.チャンジャガン)人民遊園地(江界市)は、韓国でもまだ大きくは報じられていないようです。韓国の脱北者新聞ニュー・フォーカス(代表:チャン・ジンソン)の2014年1月の記事(→コチラ)によると、前年(2013年)6月に江界市を訪問した金正恩が将子江の河畔に憩いの場を造るようにとの「貴重な教え」と、必要な建設資材を優先的に確保するように「温情深い措置」により、短い期間で完成したこと、金正恩がその報告を受けて喜びび、遊園地の名前までつけたことを「労働新聞」の記事に拠って伝えています。敷地面積は1万8千㎡で、ローラースケートリンク、バスやバレーボールのコート等々の施設などが整っているとも。
 「ワンダーランド北朝鮮」では、大規模なプールが大勢の人でにぎわっているようすが映されていました。個人的には、いろんな動物の人形(造形物)が韓国のものとよく似ていて興味を持ちましたが、それらは画像検索しても見つからないのが残念です。
 しかし、上記のイケメン青年が「1日に2万人が来場する」と説明していたのはホンマカイナ?といったところ。その彼がパソコンで仕事をしていたり、監督の「電気は?」との質問に待ってましたとばかり(?)「地熱を利用しています」と答え、「軍人たちが苦労して掘ったんですよ」等説明を加えていました。また「ある時、夜3時(!)に元帥様(金正恩)がいらっしゃったのですよ!」と弾む声でエピソードを話しています。「ここは、元帥様の愛と情熱(だったかな?)が感じられる場です」という言葉も、たしかに丸暗記などではない「自然さ」で発せられていたと思います。

 平壌国際サッカー学校は2013年5月に設立されました。日刊SPAの記事(→コチラ)によると、スカウト制で全国から選抜された(その時点で)8~15歳の男女生徒120人が在籍しているそうです。全員が全寮制で、最終目的は国家代表の選出だとのことです。この学校については、共同ニュースの動画(2013.→コチラ)や、ANNnewsの動画(→コチラ)でうかがい見ることができます。

 「地方の農村」として撮影地とされたのは平壌と板門店の中間にある美谷(미곡.ミゴク)共同農場(沙里院市)です。これも日本語のネット情報はほとんどありませんが2010年の時事ドットコムニュースの中に→コチラなど4枚の写真が見つかりました。
 そのキャプションには、この農場は「機械化農業のモデル農場」で、「今年(2010年)から有機農法を導入。除草剤代わりになる朝鮮タニシの養殖を始めた」こと、「昨年目標にしていた1ヘクタール当たり10トンの米の収穫を実現した」こと、「集合住宅から2LDKか3DKの戸建て住宅に変更が進んでいる」ことが記されています。
 「ワンダーランド北朝鮮」では、農場員が1人だけでコンバインで一気に収穫作業を終えるようすが撮られていました。
 監督はその中で「大勢でにぎやかに作業するものと思っていました」と驚いたように話していましたが、上記のような予備知識はなかってのでしょうか?
 なお、監督の「余ったお米はどうするのですか?」という問いに、「<愛国米>として国に捧げます」という答えが返ってきました。この<愛国米>ですが、監督はもしかして初耳だったのでしょうか? 北朝鮮ではすでに1970年代から食料不足に直面し、その中で一部の農民が自発的に国に収めた<愛国米>がその後積極的に奨励され、さらには人民に供与すべき規定の配給米まで最初から差し引かれるいていました。

 こうして見てみると、撮影場所はほとんど例外なく北朝鮮側が今=金正恩時代に宣伝したいことに直結した所だということがわかります。ということは、これらの施設や農場は北朝鮮の中で決して<ふつう>の場所ではないと言えます。
 そうした点で、プロパガンダ臭が感じられるのはむしろ当然です。ただ、そうしたことを監督自身がどう意識していたか(orしていなかったか)はわかりません。

 この先まだまだ続きそうなので、続きは[その2]で、ということにします。もしかして、いつものヌルボと違って(?)ハッキリとした主張を書くかもしれません。(・・・という書き方自体ハッキリしてないですね。)

 中休みとして作中でも流されていた北朝鮮歌謡「이 땅에 밤이 깊어갈 때(この地に夜が更けゆく時)」の動画を貼っておきます。金正恩の賛揚歌ですが、軍歌調ではなく、美しいメロディのうたで、私ヌルボも気に入りました。もちろん歌詞を除いてです。※歌詞と日本語訳は→コチラ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [5月11日(金)~5月13日(日)]

2018-05-15 15:29:58 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸5月12日立教大学で開かれたシンポジウムの中で、ドイツ国籍の韓国人女性監督によるドキュメンタリー「ワンダーランド北朝鮮」を観てきました。同じドキュメンタリーでも「太陽の下で-真実の北朝鮮-」とは対照的な作品です。シンポジウムでは、チョ・ソンヒョン監督ご自身がいろいろ興味深いことを語っていらっしゃいました。私ヌルボ自身の感想や意見は、次の記事で詳しく書くことにします。ポイントを予告しておくと、「監督は自分では意識しないまま北朝鮮の<プロパガンダ映画>を作ってしまったのではないか?」ということです。まあ監督を批判するよりもまず北朝鮮の体制が問題だし、疑問点はあっても観るに値する作品なんですけどね。6月30日シアター・イメージフォーラムで公開とのことですでに公式サイトもできています。(→コチラ。)

▸13日はブルク13で「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」を鑑賞。素材となったあの特異な(?)事件はボンヤリと記憶していましたが、1994年のことだったのですね。それにしても、トーニャの鬼母!のすごいこと! 演じたアリソン・ジャネイのアカデミー助演女優賞受賞、十分以上にナットク。内容は事件の真相に迫っている印象はありますが、それでも疑念は残ります。上記の「ワンダーランド北朝鮮」にも言えることですが、真偽を見極めることはホントにむずかしいものです。作品の映像だけでなく、その制作過程や構成等も含めた問題として。
 また、アメリカの労働者階級の生活と、それを取り巻く問題についても考えさせられました。近いうちに「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」も観なくては。
    
「朝鮮日報」5月11日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

눈앞에 나타난 꿈속의 그녀
소설가 캘빈(왼쪽)은 작품 속 루비(오른쪽)와의 연애를 꿈꾼다. 연애는 뜻밖에도 현실이 된다.

 《週末の劇場街》で紹介

  「ルビー・スパークス」


   目の前に現れた夢の中の彼女


 [写真説明] 小説家カルヴィン(左)は作品の中のルビー(右)との恋愛を夢見る。恋愛は思いがけなく現実になる。

 「レスラー」
   私の大切な2hを返せ ☆


 「ボルグ/マッケンロー」

   熾烈かつ鋭利な心理劇 ★★★☆



 「追憶の森」

   巨匠の欲が生んだ惨事 ★★☆



 「私たちをつなぐもの」

   ワイン1杯が愛おしい ★★★

 「ルビー・スパークス」は日本では2012年12月に公開されています。「ボルグ/マッケンロー」は、1980年のウィンブルドン選手権で対決したマッケンローとボルグを描いたスウェーデン・デンマーク・フィンランド合作のドラマ。日本公開は未定のようです。「追憶の森」は2015年のアメリカのミステリー。日本では2016年に公開されました。他の作品については以下の記事または先週の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(5月15日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) ダンガル きっと、つよくなる  9.63(983)
②(2) トック(韓国)  9.50(1,943)
③(3) 特別版 Free!-Take Your Marks-(日本)  9.46(70)
④(4) 無門関(韓国)  9.46(69)
⑤(6) ワンダー 君は太陽  9.41(1,972)
⑥(7) グレイテスト・ショーマン  9.38(12,653)
⑦(8) バナナソングの奇跡(韓国・インド)  9.35(57)
⑧(10) ギリシャへのケンカ旅行  9.29(17)
⑨(-) ブリーズ  9.22(188)
⑩(-) お母さんのノート(韓国)  9.18(119)

 今回の新登場はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法  8.50(10)
②(2) レディ・プレイヤー1  8.36(11)
③(3) ファントム・スレッド  8.22(9)
④(5) シェイプ・オブ・ウォーター  8.18(11)
⑤(6) レディ・バード  7.82(11)
⑥(7) 君の名前で僕を呼んで  7.80(10)
⑦(-) エセルとアーネスト  7.75(4)
⑧(8) 共同正犯(韓国)  7.67(9)
⑨(9) ナチュラルウーマン  7.67(6)
⑩(10) まぶた(韓国)  7.60(5)

 ⑦「エセルとアーネスト」が今回の新登場です。レイモンド・ブリッグズの(欧風)漫画「エセルとアーネスト ほんとうの物語」(小学館.下画像)を原作としたイギリスのアニメ。1986年にアニメ化された「風が吹くとき」の原作も彼の作品でしたね。タイトルのエセルとアーネストはブリッグズ自身の両親のことで、その2人の41年にわたる結婚生活を描いた<ほんとうの物語>です。1928年、牛乳配達のアーネストとメイドだったエセルは出会い、結婚します。やがて息子レイモンドが生まれ、育ちます。そして第2次世界大戦中の苦難の日々の中を生き抜きます・・・。韓国題は「에델과 어니스트」。日本公開は決まっていません。しばしば利用させていただいている<海から始まる!?>中の「2018年に日本での公開/上映を期待したい外国映画200!」(→コチラ)という記事に入れられています。アニメといっても、日本人の慣れ親しんでいる絵柄とは言えないし、地味そうな物語ということもあるのでしょうか? なんとか公開してほしいものです。(直接関係ないけど、アニメといえば「The Breadwinner(生きのびるために)」はいつ公開されるんだ?
    

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月11日(金)~5月13日(日) ★★★

         「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」 もう1000万人を突破

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・アベンジャーズ・・・・・・・・・・・・・・4/25・・・・・・・・・782,776 ・・・・・・10,133,507 ・・・・・・・90,520・・・・・・・1,601
       /インフィニティ・ウォー
2(7)・・レスラー(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・5/09 ・・・・・・・・・365,595 ・・・・・・・・536,790 ・・・・・・・・4,627 ・・・・・・・・957
3(2)・・チャンピオン(韓国) ・・・・・・・・・・5/01 ・・・・・・・・・137,287・・・・・・・1,067,515 ・・・・・・・・9,013 ・・・・・・・・638
4(4)・・巨大な梨の信じられないような物語・・5/03 ・・・・21,918 ・・・・・・・・・89,511 ・・・・・・・・・710・・・・・・・・・215
5(3)・・アーリーマン・・・・・・・・・・・・・・・・5/03 ・・・・・・・・・・19,357 ・・・・・・・・115,954 ・・・・・・・・・893・・・・・・・・・312
       ~ダグと仲間のキックオフ!~
6(新)・・ルビー・スパークス・・・・・・・・・・5/10 ・・・・・・・・・・15,311 ・・・・・・・・・18,701 ・・・・・・・・・169・・・・・・・・・149
7(10)・・ダンガル きっと、つよくなる・・4/25 ・・・・・・・・14,896 ・・・・・・・・・84,768 ・・・・・・・・・712・・・・・・・・・114
8(新)・・映画 中二病でも恋がしたい!・・5/10・・・・・・・・・10,800 ・・・・・・・・・14,317 ・・・・・・・・・128・・・・・・・・・113
       -Take On Me- (日本)
9(11)・・私たちをつなぐもの ・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・9,414・・・・・・・・・・26,194 ・・・・・・・・・231・・・・・・・・・・54
10(8)・・その日、海(韓国) ・・・・・・・・・・・・・4/12・・・・・・・・・・・5,378 ・・・・・・・・534,623 ・・・・・・・・4,404 ・・・・・・・・119
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」、若干勢いが鈍ったといっても、2・3位の韓国映画に大きく水をあけ、独走が続きます。
 今回の新登場は6・8位の2作品だけとあまり変化なし。9位のフランス映画「私たちをつなぐもの」(仮)は前回紹介しましたが、韓国題の「부르고뉴,와인에서 찾은 인생(ブルゴーニュ、ワインから見つける人生)」の方がわかりやすかったですね。
 6位「ルビー・スパークス」は2012年のアメリカのラブストーリーですが、日本ではすでに同年公開されています。韓国題は「루비 스팍스」です。
 8位「映画 中二病でも恋がしたい! -Take On Me-」は、私ヌルボ、今内容等を確認した次第。で、何も書けませんです、はい。 韓国題は「중2병이라도 사랑이 하고 싶어! 테이크 온 미」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・巨大な梨の信じられないような物語・・5/03・・・・・・21,918・・・・・・・・・・・・89,511・・・・・・・・・・・710・・・・・・・・・215
2(新)・・ルビー・スパークス・・・・・・・・・・・・5/10・・・・・・・・・・15,311・・・・・・・・・・・・18,701・・・・・・・・・・・169・・・・・・・・・149
3(5)・・私たちをつなぐもの・・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・9,414・・・・・・・・・・・・26,194・・・・・・・・・・・231・・・・・・・・・・54
4(3)・・その日、海(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・4/12・・・・・・・・・・・5,378・・・・・・・・・・・534,623・・・・・・・・・・4,404 ・・・・・・・・119
5(2)・・マジックビーン・・・・・・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・4,497・・・・・・・・・・・・53,882・・・・・・・・・・・414・・・・・・・・・128

 2位「ルビー・スパークス」だけが今回の新登場ですが、上述の通り日本では2012年に公開されています。
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朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国の呼称 ①「北朝鮮」と「韓国」以外にあるの?

2018-05-14 23:53:27 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)
 この記事の日付は5月14日になっていますが、6月1日にいろいろ書き足したら長くなりすぎたので2分割することにしました。さらにその後にも続いて、全部で4回くらいになりそうです。

 朝鮮民主主義人民共和国大韓民国のことをふつうどう呼ぶか?
 かつての日本の統治下では「北鮮」「南鮮」と言っていました。 
 右画像は1930年代末頃の大阪商船の<北鮮・大阪急航航路>のパンフ(部分)。このように、ごくふつうに使われていました。
 この「北鮮」「南鮮」は、戦後は「差別語だ!」との抗議もあって用いられなくなっていきました。といっても1948年の両国の建国までは終戦以前と同じだし、その後も50年代はこの「北鮮」「南鮮」という呼称はけっこう使われていたようです。私ヌルボの記憶では、60年代にもそう言ってた年配者はいましたね。

 「北鮮」「南鮮」が本当に差別語かどうかについては、辻本武氏によるなかなか鋭い批判があります。(→コチラ。)
 右画像は、そこに挙げられていた1920年代白丁(ペクチョン)差別撤廃を訴えて結成された衡平社のポスター。なるほど、最上段に全朝鮮ではなく<全鮮定期大会>と記されています。
 ただ、私ヌルボとしては、戦後これらの言葉が「チョーセン人」同様差別語として<記憶>されたということを重視するしかないと思います。「バカチョン」の語源が朝鮮人とは無関係だとしても使わないのがよいのと同様。

 あ、最初から話が本筋から離れてる! 元に戻します。

 今では言うまでもなく「北朝鮮」「韓国」ですね。
 ところが、私ヌルボの高校時代の頃(60年代!)、親しかった級友U君は韓国のことを「南朝鮮」と言ってました。彼は民青(民主青年同盟=日本共産党系の青年組織)の同盟員で、当時は共産党の方針がそうだったわけです。同党が「韓国」という呼称に改めたのは1997年のことで、その経緯・理由については→コチラに党の公式見解が述べられています。内容的には疑問もありますが、今は深入りしません。
 しかし、現在でも「南朝鮮」と呼んでいる人はいないではないと思います。・・・と書いてふと頭に浮かんだのは、中核派の機関紙「前進」ではどう書いてるのだろう?ということ。おー、検索したら公式サイトがあった! →コチラです。サイト内の記事をいくつか見た中で、たとえば、

 「足元での戦争の最大の火点は東アジアであり、米帝トランプが日帝・安倍などとともに強行しようとしている朝鮮侵略戦争だ。それは北朝鮮スターリン主義の体制転覆と、民主労総を先頭とする韓国労働者人民の革命的なゼネスト決起の圧殺を狙った戦争である。」

 ・・・といった記述があるゾ。
 中核派を出したら、革マル派も出さずばなるまいて。機関紙「解放」のサイト(→コチラ)にはこんな記事が・・・。

 「南北の権力者どもによって朝鮮半島の「民族的和解」などとおしだされているこの瞞着は、だがしかし、「平和への激動」(日共委員長・志位)などというものでは断じてない。独占ブルジョアジーに支えられた権力の支配下で貧困と失業苦に突き落とされている韓国の労働者・人民。そして金一族によるネポティズム専制支配のもとで圧政に組み敷かれている北朝鮮の人民。現下の瞞着は、六十五年の永きにわたって南北に引き裂かれてきたこの南北朝鮮人民の悲劇を現在的に固定化する以外のなにものでもない。」

 いやあ、ドチラも久しぶりに見ましたが、ユニークというか、刺激的というか、あいかわらず(難解)というか・・・。現在の状況についての両者の違いはなんとなくわかりましたが、これも今は(今後も?)深入りしません。まあドチラも北朝鮮・韓国の呼称など、どーでもいいといったフンイキです。(ところで、今の学生たちにおける中核とか革マルの認知度なんてどんなレベルなんだろ??)

 私ヌルボ、ここで日常の世界に帰還したところで、次回に続きます。

 → 朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国の呼称 ②ホントに厄介な「北」の呼び方
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [5月4日(金)~5月6日(日)]

2018-05-08 23:41:26 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸先週紹介した「韓国語学習ジャーナルhana Vol. 25」<韓国語学習者に見てほしい 韓国映画130選>に目を通しました。46人のいろんな業界で活躍する人たちが計68作品を選んでいます。うち、私ヌルボが観たもものを数えたら45作品でした。) その後ページの<歴史年表で見る、韓国映画>の中に載っている74作品と合わせて、ダブっている分を引くと130になるということかな?
 全体的になかなか良いリストだと思います。予測していたのは、DVDがなかったり入手困難な昔の映画はほとんど選ばれないだろうな、ということ。公開年の古い順は①「迷夢」(1936)←桑畑優香さん・佐藤結さん、これは意外! ②「族譜」(1979)←なるほど、の兼若先生。 ③「キルソドム」(1985)←前田真彦さん、「離散家族の生の韓国語を聞くことができ、それだけで感動的」。「チルスとマンス」(1988)←桑畑さん、これはすご~く意外!!(私ヌルボ、<アジア映画劇場>の録画ビデオ持ってます。) ・・・といった例外もチラホラありますが、やっぱり予測通りでした。
 ところで、皆さんどれだけ<韓国語学習者に見てほしい>という点を意識されたのかな? そうした条件に直結する説明もたしかにありましたが、歴史・社会・文化等の理解を重視されている方もいらっしゃるのはむしろ当然かも。
 この作品をよく選んでくれました、と共感を覚えたのは「ワンドゥギ」←李承珉さん、「彼とわたしの漂流日記」←藤田麗子さん。そう、「チャジャンミョン愛」ですね(笑)。
 で、私ヌルボがもし選ぶとしたら、「風の丘を越えて 西便制<ソピョンジェ>」「僕が9歳だったころ」「息もできない」の3作品なのですが、どれも選ばれてなかったですね(笑)。「僕が9歳~」では初めて慶尚道方言の抑揚が少し理解できたし、「息もできない」に出てくる韓国語の多彩な侮蔑語については<映画「息もできない」に頻出する韓国語のスラング等>と題した記事(→コチラ)を書く時にいろいろ知識を得ました。あ、それ以前に3作とも(ヌルボにとっては)リクツ抜きの感動作なんですけどね。

▸5月2~4日にチェッコリで「무녀도(巫女図)(1972年)、「카인의 후예(カインの後裔)(1968年)、「나그네는 길에서도 쉬지 않는다(旅人は道でも休まない)の3作品を観たのは大収穫でした。なるべく早く記事にします。
    
「朝鮮日報」5月4日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

와인도 사랑도 시간이 필요해


 《週末の劇場街》で紹介

  「私たちをつなぐもの」


   ワインも愛も時間が必要


 
 「アーリーマン ~ダグと仲間のキックオフ!~」
   これを手で造ったとは ★★★☆


 「グッド・マナーズ」

   ラストが光る残酷童話 ★★★



 「ワンダーストラック」

   きれいだがやや間延び ★★★


 「マジックビーン」

   可愛いがビーンは一等 ★★☆

 「グッド・マナーズ」(英題)はブラジル・フランス合作のファンタジー&ホラー。
妊娠したアナに産まれてくる子の乳母として雇われたまはサンパウロのスラム出身のクララ。アナはだんだんクララに依存するようになっていきます。そして満月の夜、アナの叫びが響き渡ります。なんと赤ん坊は・・・。続きは→コチラで。他の作品については以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(5月8日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(2) ダンガル きっと、つよくなる  9.62(601)
②(3) トック(韓国)  9.50(1,834)
③(4) 特別版 Free!-Take Your Marks-(日本)  9.43(67)
④(1) 無門関(韓国)  9.42(59)
⑤(5) ポンゲマンと神秘の島(韓国)  9.41(222)
⑥(6) ワンダー 君は太陽  9.40(1,949)
⑦(7) グレイテスト・ショーマン  9.38(12,602)
⑧(8) バナナソングの奇跡(韓国・インド)  9.35(57)
⑨(-) 巨大な梨の信じられないような物語  9.32(117)
⑩(-) ギリシャへのケンカ旅行  9.29(14)

 ⑨と⑩の2作品が今回の新登場です。
 ⑨「巨大な梨の信じられないような物語」(仮)については後述します。
 ⑩「ギリシャへのケンカ旅行」(仮)はフランスのコメディ。原題は「Eyjafjallajokull(エイヤフィヤトラヨークトル)」で、これはアイスランドにある氷河に覆われた火山の名。それが2010年4月14日噴火して火山灰がヨーロッパ大陸上空に拡散・滞留し、ヨーロッパの航空路は欠航が相次ぐなど大混乱。18日には約30ヵ国で空港が閉鎖されたりしたそうで、約1週間後ようやく平常に戻りました。この作品もこの出来事が下敷きになっています。アラン(ダニー・ブーン)とヴァレリー(ヴァレリー・ボネトン)は元夫婦。2人の感情は、相手を嫌うどころか憎悪といったレベルにまでなっています。そんな2人が一人娘の結婚式のためギリシャ行きの飛行機に乗り合わせます。ところが上記のアイスランドの火山噴火のため飛行機の運航がストップしていまいます。なんとしても結婚式に出席したい2人は、車など他の交通手段でギリシャに行けることに気づき、やむなく<呉越同舟>の旅を始めることに・・・。原題そのままだとほとんどの人がわからないのは日韓共通。韓国題は「배틀트립 투 그리스(パトル・トゥ・グリース)」ですが、それを和訳して仮題としておきました。

     【記者・評論家による順位】

①(1) フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法  8.50(10)
②(2) レディ・プレイヤー1  8.36(11)
③(3) ファントム・スレッド  8.22(9)
④(4) パターソン  8.20(10)
⑤(6) シェイプ・オブ・ウォーター  8.18(11)
⑥(7) レディ・バード  7.82(11)
⑦(8) 君の名前で僕を呼んで  7.80(10)
⑧(9) 共同正犯(韓国)  7.67(9)
⑨(10) ナチュラルウーマン  7.67(6)
⑩(-) まぶた(韓国)  7.60(5)

 ⑩「まぶた」が今回の新登場です。済州島4.3事件を題材にした「チスル」のオ・ミョル監督によるドラマです。死者が最後に立ち寄ると言われている弥勒島に、この世に残された者たちの心を伝える餅を作る老人(ムン・ソッポム)がいます。ある日、暴風が海に吹き荒れる中、先生と生徒たちが島にやってきます。 しかし、米を搗く臼は壊れ、井戸の水は腐って、これ以上餅を作ることができなくのってしまいます・・・。原題は「눈꺼풀」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月4日(金)~5月6日(日) ★★★

         「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」 あっという間に800万人超え

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・アベンジャーズ・・・・・・・・・・・・・・4/25・・・・・・・・1,977,962・・・・・・・8,496,698 ・・・・・・・75,309・・・・・・・2,224
       /インフィニティ・ウォー
2(新)・・チャンピオン(韓国) ・・・・・・・・・5/01 ・・・・・・・・・440,690 ・・・・・・・・701,251 ・・・・・・・・5,904 ・・・・・・・・839
3(51)・・アーリーマン・・・・・・・・・・・・・・・5/03 ・・・・・・・・・・60,701 ・・・・・・・・・69,246 ・・・・・・・・・537・・・・・・・・・597
       ~ダグと仲間のキックオフ!~
4(新)・・巨大な梨の信じられないような物語・・5/03 ・・・38,781 ・・・・・・・・・41,937 ・・・・・・・・・333・・・・・・・・・347
5(新)・・マジックビーン・・・・・・・・・・・・・5/03 ・・・・・・・・・・35,096 ・・・・・・・・・38,804 ・・・・・・・・・300・・・・・・・・・534
6(5)・・レオナルド・ダ・ビンチ・・・・・・・・4/26 ・・・・・・・・・・22,145 ・・・・・・・・・51,220 ・・・・・・・・・404・・・・・・・・・207
7(145)・・レスラー(韓国) ・・・・・・・・・・・・5/09 ・・・・・・・・・・21,541 ・・・・・・・・・32,701 ・・・・・・・・・288・・・・・・・・・151
8(2)・・その日、海(韓国) ・・・・・・・・・・・・・4/12 ・・・・・・・・・・16,099 ・・・・・・・・519,403 ・・・・・・・・4,282 ・・・・・・・・209
9(70)・・ワンダーストラック・・・・・・・・・5/03 ・・・・・・・・・・・9,111 ・・・・・・・・・13,988 ・・・・・・・・・120・・・・・・・・・111
10(6)・・ダンガル きっと、つよくなる・・4/25 ・・・・・・・・・7,984 ・・・・・・・・・60,166 ・・・・・・・・・497・・・・・・・・・・68
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」が早くも800万人を超え、この先どこまで伸びるか注目。しかし、その上映スクリーン独占のあおりで上映機会を奪われた作品がどんなに多いことか・・・。少なくとも、こうした状況をみると韓国の上映方式が全面的に日本より優っているともいいきれません。
 5月5日は韓国でも<어린이날(こどもの日)>。アニメが多いのはそのためでしょう。
 今回の新登場は2・3・4・5・7・9位の6作品です。
 2位「チャンピオン」は韓国のドラマ。かつては腕相撲の世界チャンピオンを夢見ていたマーク(マ・ドンソク)は、今はロサンジェルスのクラブで働いています。そこに自称<最高のスポーツエージェント>のジンギ(クォン・ユル)がやってきて、その説得でマークは韓国に帰ってきます。そしてジンギから帰国プレゼント(?)として受け取ったのは、ずっと以前に生き別れた母の住所でした。それを頼りに訪ねていくと、そこにいたのは母ではなく初めて会った妹のスジン(ハン・イェリ)と2人の子供(兄妹)。・・・結局、彼らのために、マークは「俺には腕相撲しかなかった。信じてくれ!」と、再び挑戦を始めます・・・。原題は「챔피언」です。
 3位「アーリーマン ~ダグと仲間のキックオフ!~」は、「ウォレスとグルミット」や「ひつじのショーン」等の制作で知られるイギリスのアードマンによる新作アニメ。遠~い昔のある日、空から巨大な隕石が降ってきて多くの動物が死に絶えましたが、人類は生き残りました。その後ボールのような形に焼け残った隕石の核を蹴って遊ぶようになったのがサッカーのはじまりです。(・・・ってホンマかいな?) さらに長~い年月が過ぎて、といってもまだマンモスがいた時代。原始部族の少年ダグはボブナー長老が率いるユーモラスな仲間たちと共に小さな谷間の石器村で平和に暮らしていました。ところがある日、暴君ヌースの率いる青銅器王国の軍が攻めてきて石器村は彼の手に落ちてしまいます。村を取り戻すため、タグたちは青銅器王国とのサッカー対決に挑むことに・・・。周りから隔離された場所にあったため発展から取り残されていた石器村は、はたして青銅器王国に勝てるでしょうか? 韓国題は「얼리맨」。日本公開は7月です。
 4位「巨大な梨の信じられないような物語」(仮)は、デンマークのアニメ。いつも日差しが明るく、住民皆が幸せな都市サニータウン。ところがある日、市民の良い友だちでもあるJB市長が突然消えてしまいます。少し後、釣りをしていたネコのミチョは手紙が入ったビンを釣り上げます。友だちのゾウのセバスチャンと手紙を読むと、なんと「<神秘の島>に自分を救いに来てくれ」という市長の手紙でした。そして一緒に入っていた種はなんと一晩で巨大な洋梨に育ちました。緊急呼び出しを受けたグルコース博士は梨を新しい家にしてくれましたが、突然現れたトウィッグ副市長が言いがかりをつけて梨は海にドボンと落ちてしまいます。サニータウンの市長の地位をねらうトウィッグ副市長を抑えて市長を救うために、ミチョとセバスチャンは、グルコース博士と一緒に大きな梨に乗って神秘の島に向かいますが・・・。韓国語では梨も船も同じ배(ペ)なのでややこしいな(笑)。韓国題は「커다랗고 커다랗고 커다란 배(大きくて大きくて、大きな梨)」ですが、英題「The Incredible Story of the Giant Pear」を和訳して仮題としました。日本公開は未定のようです。
 5位「マジックビーン」は中国のアニメ。伝説的な師の教えに沿って、山で絶対魔法を修練する<豆族>たち。しかし、過酷な修練の繰り返しに疲れて、1人2人と脱落し、結局最後に残ったのは豆福(ビーン)だけ。そんなある日、村に絶対魔法禁止令が出され、さらに悪いことに泥棒たちが群がっている山の上に連れて行かれます。はたしてビーンはそんな苦境を生き抜いて村を守るスーパービーンになれるでしょうか・・・。実は→コチラの中国ドラマファンという方のブログ記事に詳しく紹介されています。韓国題は「매직빈」。日本公開はなさそう?
 7位「レスラー」は、韓国のコメディ。かつてはレスリング代表だったクィボ(ユ・ヘジン)でしたが、今はぐうたらの<プロ生活者>(?)で、趣味は息子自慢、残ったのは手あれだけ。彼の唯一の夢は、レスラーとして嘱望されている息子ソンウン(キム・ミンジェ)が金メダリストになること。今日も息子には温かい朝食を用意し、自分は残飯を食べて、レスリング体育館でおばさんたちに楽しくエアロビクスを教えていたクィボでしたが、国家代表選抜戦を前に、訓練に出ないというソンウンの青天の霹靂のような話を聞きます。突然の息子の反抗に慌てたクィボですが、さらに悪いことにクィボの母(ナ・ムニ)の小言はさらに激しくなり、隣家に住むソンウンの幼なじみのガヨン(イ・ソンギョン)はクィボにとんでもない告白をぶちまけます。そこに合コンで会った女医のドナ(ファンウ・スレ)の無謀ダッシュまで重なって、 平和だったクィボの日常はあっという間に反転してめちゃめちゃになっていきます・・・。原題は「레슬러」です。
 9位「ワンダーストラック」は、アメリカのドラマ。日本ではすでに4月6日公開されています。韓国題は「원더스트럭」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・巨大な梨の信じられないような物語・・5/03・・・・・38,781・・・・・・・・・・・・41,937・・・・・・・・・・・333・・・・・・・・・347
2(新)・・マジックビーン・・・・・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・35,096・・・・・・・・・・・・38,804・・・・・・・・・・・300・・・・・・・・・534
3(25)・・ワンダーストラック・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・9,111・・・・・・・・・・・・13,988・・・・・・・・・・・120・・・・・・・・・111
4(23)・・私たちをつなぐもの・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・7,212・・・・・・・・・・・・・9,865・・・・・・・・・・・・87・・・・・・・・・・45
5(4)・・無門関(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/19・・・・・・・・・・・1,356 ・・・・・・・・・・・・13,757・・・・・・・・・・・109・・・・・・・・・・18

 1~4位の4作品が新登場です。うち、1~3位の各作品については上述しました。
 4位「私たちをつなぐもの」(仮)は、フランスのドラマ。父危篤の知らせを受けて、ジャン(ピオ・マルマイ)はオーストラリアからブルゴーニュの実家に帰ってきます。父親に反抗してワイン造りの実家を飛び出してから10年ぶり。ワイナリーの運営を引き継いでいる妹のジュリエット(アンナ・ジラルド)は再会を喜びますが、末っ子のジェレミー(フランソワ・シビル)は「どこで何してたんだ?」等々兄に対して感情を露わにします。ジャンの帰りを待っていたかのように父親が亡くなった後、3人は今後の家業をめぐって論議することになります。相続税を払うためブドウ畑の一部か、家を売るか? そもそも3人は家業を継いでいけるのか? 実はジャンはオーストラリアに妻子がいてブドウ畑を待っている等々、3人それぞれに事情があり、話し合いがケンカになることも1度2度ではない・・・。やがて季節が変わっていき、ブドウの収穫が始まりますが、はたしてワイン作りは・・・。韓国題は「부르고뉴, 와인에서 찾은 인생(ブルゴーニュ、ワインから探す人生)」。日本公開は未定のようです。
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私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感[10] 神保町の古書店めぐりで仕入れた韓国関連本いろいろ

2018-05-07 23:45:51 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 1つ前の記事で近頃新刊書店にあまり行かなくなっていたと書きましたが、古書店についても同様です。
 団塊世代もいよいよ70歳前後。健康面や経済面の不安を日常的に抱えていて趣味にお金をつぎ込めない人はきっと多いのでは? そんな悩みは私ヌルボにとっても決して他人事ではなく、そんな心理的圧迫も働いているかもしれません。

 ま、それはそれとして、2日はすずらん通りの古書店<古書かんたんむ>に行ってきました。
 店の名は、→<日本の古本屋>のサイト等で以前から知っていて、通販を利用したこともありましたが、店舗を訪れたのは今回が初めてです。

      

 店の場所は、三省堂のすずらん通り側の出入り口の左隣の建物の5階。
 しかし、目立つ看板があるわけでもなく、ちょっと怪しげ(?)なエレベーターで上がるのですが、敷居が高い感じは否めません。まあ、「敷居が高い」といえば内山書店2階のアジア書房も同様だし、チェッコリの場合は蕎麦屋(嵯峨谷)の入口横の小さな階段を3階まで歩いて上がるのだから、それを思えばまだマシか。
 で、古書かんたんむですが、なるほど期待通りの品揃え。いわゆる「黒っぽい」本がずら~っとそろっています。全部の棚をじっくり見るのは無理。4分の1くらい丹念に見て、あとは後日ということに。
 とくに気に入ったのは、絶版文庫がずいぶん低価格で売られていること。あ、文庫以外も全体的にお手頃値段。私ヌルボ、ずいぶん前にどこかで読んでてっきり史実に基づいた話かとだまされた井伏鱒二「鞆ノ津茶会記」(講談社文芸文庫)等数冊を購入しました。

 その2日後。ある古書店の入口で古書展のお知らせポスターを見ました。(下左) そこで思い出したのが駿河台下の東京古書会館(→地図等)のこと。

      

  おりしも、今日は金曜日。もしかして古書展が開かれているのでは?と思い、行ってみると、案の定「古本市 開催中」の立て看板が出ています。(上右)


 (旧)東京古書会館が落成したのが1967年5月。してみると、私ヌルボが初めて行ったのはその1年後くらいだったのか? また、一番足繁くそこでの古書展に足を運んだのも学生時代でした。
 当時は神保町だけでなく、都内各地の古書店に「古書店地図帖」(右画像)を持って行ったものです。とくにヌルボだけの趣味ということでもなく、同好の士も仲間内にいました。
 新東京古書会館の竣工が2003年ということで、こちらの建物にはあまり馴染みはありません。この15年で5回くらい来たかな?
 地階の会場内を見渡すと、若い人はほとんどいないような・・・。あ、中学生くらいの少年が鉄道関係の本を漁ってるゾ。

          

 この4・5日は城北古書展。古書かんたんむ同様、この古書展でも設定価格がずいぶん安いなーと思いました。500円を超える本の方が少ないのでは、というくらい。
 私ヌルボが購入した本も200円か300円のものばかりで、全8冊(上右)でちょうど2千円でした。

 8冊中一番うれしかったのは「日本残酷物語 現代篇2」。1960~61年に刊行された第1~5部と現代篇1・2の全7冊のシリーズですが、古書店で購入したものには現代篇2だけ抜けていました。また1995年刊行された平凡社ライブラリー版には現代篇はナシ。その1冊のためだけに全揃を買うのもアホラシイし、・・・ということで今に至っていたのです。
 今、その内容を見ると、「若きテロリストたち」というタイトルで→コチラの過去記事でも書いた大正末期のテロリスト集団ギロチン社のメンバーのことがなかなか⑨詳しく書かれています。とくに、あまりよく知らなかった田中勇之進のこととか、「鉄窓の俳人」和田久太郎のこととか。ギロチン社の他に、本ブログでこの数ヵ月何度か書いた(朴烈事件の)金子ふみ子についても、約5ページにわたって記されています。ということで、この本は200円で買えたはことも含めて3重にラッキーでした。
 ※「日本残酷物語」の書名は、なんとなく映画「ヤコペッティの世界残酷物語」(1962)からとったものかなと思っていましたが、「世界残酷物語」からして原題とは関係なく配給会社が「青春残酷物語」(1960)を意識して考案した、とウィキペディアには書かれています。

 「季刊三千里 15号」は1978年8月発行。特集のテーマが「8・15と朝鮮人」だったので買いました。というのは、という以前から疑問に思っていたことがわかるかも・・・と思って。
 その疑問というのは・・・
 1945年8月15日。つまり韓国では<光復>の日。韓国各地で「独立万歳!」と太極旗を振って喜んだ人たちは、どんな政体、どんな指導者または政治団体をイメージしていたのか?
 ・・・ということ。それとも、それまでの支配者・日本が敗北し撤退すること=独立と思っていたのか? あるいは呂運亨を中心とする建国準備委員会が一定程度認知されていたのか?
 私ヌルボ、タイムマシンがあればその時太極旗を振っていた1人1人にぜひ訊いてみたいです。
 そんな意味で、この雑誌掲載の高峻石「ソウルで迎えた八・一五」は<正解>には至らないものの、けっこう当時の具体的な状況がわかりました。

 「朝鮮の女」の著者・角圭子は、以前→コチラの記事で詳しく紹介した<自伝小説>「鄭雨沢の妻」を書いた人です。

 柳舜夏(ユ・スンハ)「韓国人の癇癪 日本人の微笑み」は、会場でパラパラッと見て衝動買い。帯には「韓国で大論争を読んだ衝撃の「日韓比較論」」とか、「韓国人は、日本への「劣等感」で病んでいる!」といった、<嫌韓>の人たちにうけそうなキャッチコピーが書かれ、ページを開くと「福沢諭吉の脱亜論は妥当だった」といった見出しも目に飛び込んできます。しかし、なかなか説得力のある文章が冷静な筆致で書かれていて、元の韓国版(書名は「당신들의 일본(あなた方の日本)」)を読んだ韓国人読者にも★5つをつけた人は何人もいます。(→<YES24>参照) この本も200円とは安い買い物。(・・・って、こんな安価でないと売れない時代になっているということ??)

 あー、あと10分で1日の終わり。今日は2つ、あわよくば3つ記事が書けるかも、と思ったのに・・・。まあ毎日1つずつでも書いていけばだんだん在庫は減っていくでしょう・・・と、捕らぬタヌキだな、これは。 
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「週刊読書人」で<韓国文学のオクリモノ>シリーズ(晶文社)を翻訳者3人の対談で紹介

2018-05-06 23:52:37 | 韓国の小説・詩・エッセイ
 5月2~4日神保町のチェッコリで昔の韓国映画を観てきました。「무녀도(巫女図)(1972年)、「카인의 후예(カインの後裔)(1968年)、「나그네는 길에서도 쉬지 않는다(旅人は道でも休まない)の3作品です。いずれも小説が原作で、「巫女図」をはじめいろんなネタが一杯の映画でしたが、それらについては後回し。

 3日とも好天だったので、映画と昼食の後、近くの書店を廻ってみました。
 古書店の話も後回しにして、新刊の書店で真っ先に行くことにしているのは東京堂書店です。品揃えに(韓国語でいうところの)「概念がある」からです。


 私ヌルボ、学生時代にこのすずらん通りのパチンコ店ポニーによく行ってたという話は→過去記事でも少し書きました。半世紀近くも経った今、個々の店も街の景観もずいぶん変わりましたが、いつ歩いても懐かしさといったものを感じます。
 しかしこの頃は週4日くらい横浜市立図書館に通う生活になって、神保町にもあまり行かなくなりました。いや、それどころか近隣(横浜)の書店に足を運ぶ回数もかなり減りました。
 ところが、久しぶりに東京堂書店に行き、平台を眺めてほとんど愕然としてしまいました。
 「蔵書数170万冊の図書館にもないものがここにはある!」
 今どんな本が読まれているか? 今人々はどんなことに関心があるのか? 今日本や世界でどんなことが起きているのか? ・・・等々。つまり<今>が見てとれるということです。
 そんなわけで、私ヌルボ、いろいろ現今の生活を反省しましたです、はい。

 さて(と、ここから本論)、その東京堂書店でたまたま目に入って買ったのが「週刊読書人」の最新号(5月4日発行)。


 1面だけでなく、最終面(8面)もまるまる昨年10月から刊行されている晶文社の<韓国文学のオクリモノ>全6冊に充てているではないですか! ※7面にも作家(ファン・ジョンウンさん)の来日イベントの記事があります。

 このシリーズの内訳は次の通り。
  ハン・ガン「ギリシャ語の時間」(斎藤真理子 訳)
  パク・ミンギュ「三美スーパースターズ 最後のファンクラブ」(斎藤真理子 訳)
  キム・エラン「走れ、オヤジ殿」(古川綾子 訳)
  ファン・ジョンウン「誰でもない」(斎藤真理子 訳)
  キム・グミ「あまりにも真昼の恋愛」(すんみ 訳)
  チョン・ミョングァン「鯨」(斎藤真理子 訳)

 詳しくは→晶文社のサイトを参照してください。

 で、この「週刊読書人」の記事は翻訳者3人の皆さんの対談だけで構成されています。その内容というのが各作家や作品のことや翻訳に関することだけでなく、日本と韓国の作家性の違いとか、最近の♯Me Tooのこととか、韓国文学から社会状況にまで話が及んでいて、とても興味深く読みました。
 とくに注目したのは、斎藤真理子さんとすんみさんによる朴婉緒(パク・ワンソ)、呉貞姫(オ・ジョンヒ)以降の韓国文学の概観。すんみさんが「九十年代、韓国でもポストモダンが流行って、社会変革の気運が高まりました。ですが、韓国ではまだ一度も大きな物語が崩れたことはないのではないかと思うんです。一方で、日本では完全に大きな物語が忘れ去られて、近年まではそういうことをあまり意識しなくてもいい時代があったと思います」と語っていらっしゃるのは、なんとなく韓国の90年代以降の文学史を日本の70年代以降の文学史とダブらせて見ていたヌルボとしては「なるほど、そうなのか~」といった感じ。今世紀に入ってからの韓国小説はたいして読んでもいない(短編を入れて30作品読んでなさそう?)立場なので、何を言ってもうわべだけの感想になってしまいますが・・・。
半日後の付記] 韓国現代文学の歴史については、<KAJA>のサイト中の、きむふなさんの講座に基づく記事が参考になります。→コチラ

 あ、関係ないけど最近斎藤真理子さんの例の南北首脳会談の日ツイート(→コチラ)は共感を覚えました。・・・って、当日の本ブログ記事の続き、下書きのまま止まっちゃってるな・・・。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [4月28日(金)~4月30日(日)]

2018-05-01 21:14:31 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸「4月27日に開催された南北首脳会談に世界的な注目が集まった」ということで、<韓国と北朝鮮のカンケイが学べる映画3選>という記事が28日に出ましたね。(→コチラ。) 決して良くないラインナップではないんですけど、南北関係を扱った韓国映画は韓国人(とくに進歩系)の<願望>が多かれ少なかれ盛り込まれている作品がほとんどなので要注意ではあります。私ヌルボとしては、むしろ北朝鮮に重きをおいた作品をオススメしたいです。たとえば「クロッシング」。ドキュメンタリーでは「将軍様、あなたのために映画を撮ります」等。

▸5月1日発売の「韓国語学習ジャーナルhana Vol. 25」<韓国語学習者に見てほしい 韓国映画130選>は、まだ現物を見ていませんが楽しみ。「韓国業界で活躍する人たちに聞きました」とのことです。自分なら何を選ぶかな? 130作品選んで、どれくらい重なるか見てみようかな?
    
「朝鮮日報」4月27日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

차별을 뒤엎은 딸들의 한판승
아버지(가운데)는 두 딸(왼쪽•오른쪽)을 국가대표 레슬링 선수로 키우기로 한다.

 《週末の劇場街》で紹介

  「ダンガル きっと、つよくなる」






   差別をひっくり返した娘たちの一本勝ち

 [写真説明] 父親(中)は2人の娘たち(左・右)をレスリングの国家代表選手として育てることにする。

 「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」
   マーブルアニメ総合編 ★★★



 「クレアのカメラ」

   同語反復も糞力になる ★★★



 「レオナルド・ダ・ヴィンチ」

   子供に見せてやりたい ★★☆



 「赤ちゃん熊ボボ 救出大作戦」

   泣いてた子供も笑うね ★☆☆

  「クレアのカメラ」はホン・サンス監督による韓・仏合作作品。女優のマニ(キム・ミニ)はカンヌ映画祭に出張中不誠実だという理由で仕事からはじき出されてしまいます。その場で彼女が出会ったのはポラロイドカメラで写真を撮っていたクレア(イザベル・ユペール)という女性。クレアはマニの事情に共感するようになります。・・・って、けっこう事実が土台になっているような・・・? 他の作品については以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(5月1日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) 無門関(韓国)  9.62(48)
②(-) ダンガル きっと、つよくなる  9.55(322)
③(2) トック(韓国)  9.50(1,552)
④(3) 特別版 Free!-Take Your Marks-(日本)  9.42(65)
⑤(4) ポンゲマンと神秘の島(韓国)  9.41(222)
⑥5) ワンダー 君は太陽  9.40(1,890)
⑦(6) グレイテスト・ショーマン  9.38(12,453)
⑧(9) バナナソングの奇跡(韓国・インド)  9.33(57)
⑨(8) ブリーズ  9.34(170)
⑩(-) 天国でまた会おう  9.23(73)

 ②「ダンガル きっと、つよくなる」が今回の新登場です。日本では4月6日に公開されています。韓国題は「당갈」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法  8.50(10)
②(2) レディ・プレイヤー1  8.36(11)
③(3) ファントム・スレッド  8.22(9)
④(4) パターソン  8.20(10)
④(4) スリー・ビルボード  8.20(10)
⑥(-) シェイプ・オブ・ウォーター  8.18(11)
⑦(6) レディ・バード  7.82(11)
⑧(7) 君の名前で僕を呼んで  7.80(10)
⑨(9) 共同正犯(韓国)  7.67(9)
⑩(10) ナチュラルウーマン  7.67(6)

 今回新登場の作品はありません。
         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績4月28日(金)~4月30日(日) ★★★

         「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」が圧倒的な観客動員数で1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・アベンジャーズ・・・・・・・・・・・・・4/25・・・・・・・・3,186,945・・・・・・・4,763,262 ・・・・・・・41,761・・・・・・・2,553
       /インフィニティ・ウォー
2(2)・・その日、海(韓国) ・・・・・・・・・・・・・4/12 ・・・・・・・・・・38,100 ・・・・・・・・476,207 ・・・・・・・・3,944 ・・・・・・・・376
3(1)・・ランペイジ 巨獣大乱闘 ・・・・・・・4/12 ・・・・・・・・・・23,079・・・・・・・1,372,663 ・・・・・・・11,852 ・・・・・・・・343
4(新)・・殺人小説(韓国) ・・・・・・・・・・・・・4/25 ・・・・・・・・・・22,739 ・・・・・・・・・38,370 ・・・・・・・・・307・・・・・・・・・429
5(73)・・レオナルド・ダ・ビンチ・・・・・・・4/26 ・・・・・・・・・・16,527 ・・・・・・・・・18,142 ・・・・・・・・・147・・・・・・・・・150
6(39)・・ダンガル きっと、つよくなる・・4/25 ・・・・・・・・12,575 ・・・・・・・・・40,829 ・・・・・・・・・340・・・・・・・・・252
7(3)・・クワイエット・プレイス・・・・・・・4/12 ・・・・・・・・・・11,880 ・・・・・・・・502,880 ・・・・・・・・4,379 ・・・・・・・・139
8(新)・・赤ちゃん熊ボボ 救出大作戦 ・・4/25 ・・・・・・・・・・・7,735・・・・・・・・・・・9,224 ・・・・・・・・・・69・・・・・・・・・205
9(6)・・風、風、風(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・4/05・・・・・・・・・・・3,442 ・・・・・・・1,191,786 ・・・・・・・・9,765 ・・・・・・・・・78
10(9)・・トック(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・4/05・・・・・・・・・・・3,075・・・・・・・・・305,476 ・・・・・・・・2,325 ・・・・・・・・・43
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 日本より2日早く公開された「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の数字がハンパない!そのあおりを受けて2位でも10万人に達しないどころか、3万8千人にすぎないとは、今までなかったのでは?
 今回の新登場は1・4・5・6・8位の5作品です。
 1位「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」は、上述のように日本でも27日から公開されています。韓国題は「어벤져스:인피니티 워」です。
 4位「殺人小説」は、韓国のスリラー。キョンソク(オ・マンソク)は、市長選挙に与党から候補として指名され、人生最高の瞬間を迎えます。彼は有力政治家である岳父の裏金を隠そうと、愛人のジヨン(イ・ウヌ)と一緒に湖の別荘に立ち寄りますが、そこで怪しい青年スンテ(チ・ヒョヌ)と出会い、そして小さな嘘で始まった事件は予想を超えてますます大きくなっていきます・・・。原題は「살인소설」です。
 5位「レオナルド・ダ・ビンチ」は、イタリアの冒険アニメ。発明に絵画にと万能の天才少年レオナルド・ダ・ヴィンチ。ある日彼は宝物をいっぱい積んだ海賊船が沈没したというニュースを聞きます。じっとしてるわけがないレオと友人たちは、宝物を見つけるために恐ろしい海賊たちが待っているモンテクリスト島をめざして出発します・・・。韓国題は「레오나르도 다 빈치」。日本公開はどうだかなー・・・。
 6位「ダンガル きっと、つよくなる」は、上述のように日本ではすでに公開されています。
 8位「赤ちゃん熊ボボ 救出大作戦」(仮)は、ノルウェーのアニメ。神秘の森に住む小さなネズミのアンディは、リスおじさん、パン屋のウサギおじさん等々すべての動物たちと友だち。しかし小動物の友だちは大きな動物キツネのマービンを恐れています。アンディは皆が友だちになる方法を思いついて、森の中は住みよくなりますが、そんなある日、かわいい赤ちゃんクマのボボがいなくなる事件が発生! 動物たちは力を合わせて救出大作戦に出ますが・・・。韓国題は「아기곰 보보 구출 대작전」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ジャングル・バンチ・・・・・・・・・・・・・4/19・・・・・・・・・・・2,134・・・・・・・・・・・・35,403・・・・・・・・・・・280・・・・・・・・・・43
2(3)・・あなたのお願い(韓国)・・・・・・・・・・・4/19 ・・・・・・・・・・2,074・・・・・・・・・・・・23,894・・・・・・・・・・・192・・・・・・・・・・48
3(6)・・ムーミン谷とウィンターワンダーランド・・2/08・・・1,670・・・・・・・・・・・・19,294・・・・・・・・・・・107・・・・・・・・・・・2
4(7)・・無門関(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/19・・・・・・・・・・・1,646・・・・・・・・・・・・10,370・・・・・・・・・・・・82・・・・・・・・・・17
5(45)・・レット・ザ・サンシャイン・イン ・・4/26・・・・・・・・・・・1,224・・・・・・・・・・・・・3,024・・・・・・・・・・・・24・・・・・・・・・・25

 5位「レット・ザ・サンシャイン・イン」が今回の初登場作品です。昨年の第30回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門で上映されたフランスのクレール・ドゥニ監督による恋愛コメディ。アーティストのイザベル(ジュリエット・ビノシュ)はシングルマザー。2人の娘と暮らしていますが恋愛意欲は旺盛で、新しい人生の伴侶を求めてデートを繰り返しますが、なかなかうまくいきません・・・。韓国題は「렛 더 선샤인 인」です。日本では先頃<第21回カイエ・デュ・シネマ週間 in 関西>の中でも上映されましたが、一般劇場公開は未定のようです。
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