ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [10月12日(金)~10月14日(日)]

2018-10-17 09:00:19 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸→1つ前の記事もちょっとだけ韓国映画関連。その続き記事は今日明日中に仕上げる予定です。

▸→先週の記事で書いた「教誨師」大杉漣さん(今年2月逝去)は同郷(小松島市)で私ヌルボの数年年下。面識はありませんが、映画のパンフには子供の頃近くの勝浦川で泳いだこと等が書かれていました。ヌルボにとっても思い出の川です。そして去る11日には元官房長官の仙谷由人氏が亡くなりました。彼は高校の数年先輩です。年を取るとともに同じ世代の人たちが1人また1人と先立っていくのは世のならいとはいえ、ホントにさびしいものです。

▸15日(月)シネマ・ジャック&ベティの21:20~の回で観た「止められるか、俺たちを」は観客が5人。これも個人的に「いろんなこと」を想起させる「やっかいな」映画でした。→先々週の記事の冒頭で「69年アートシアター新宿文化」のこと等を少し書きましたが、まさにその時代の新宿に直結する若松孝二監督とその周辺の人たちの物語。その周辺の人たちというのが大島渚、松田政男、荒井晴彦、大和屋竺等々錚々たる名前がずら~り。多くのことをこの映画を観て初めて知りました。「赤軍 PFLP 世界戦争宣言」(1971)制作のためレバノンに行ったこともその1つ。コマンドたちからの取材(訓練?)を終えてベイルートに戻った直後、その戦士たちがヨルダンの攻撃を受けて死んでしまった云々の話は(先週書いた)「判決、ふたつの希望」にも少し出てきましたね。「赤軍 PFLP 世界戦争宣言」は観ていませんが、重信房子のインタビューが入っているとか。そういえば高校の卒業式でヌルボの隣の席に座ってた同級生の女子はデモで捕まった後拘置所でたまたま一緒の房だった重信の感化を受けて筋金入りになっちゃったという話もあったな・・・。あと、「処女ゲバゲバ」が云々と関西弁で熱っぽく語っていた大学の同級生のこととかも思い出されて・・・と、これはもうキリがありません。

▸「止められるか、俺たちを」の主人公、若松プロの女性助監督・吉積めぐみについてももちろん今まで知りませんでした。どうも私ヌルボと同学年か1つ違い。彼女を若松プロに誘ったフーテン仲間の秋山道男も。もしかしたら新宿のどっかで彼らとすれ違ったことがあったかも。(今ウィキペディアを見たらその秋山道男さんも先月19日に亡くなっていたのか・・・。)
 で、映画「止められるか、俺たちを」ですが、吉積めぐみを主人公にしたことが◎! そして演じた
門脇麦が◎! 井浦新の若松孝二や高岡蒼甫の大島渚をはじめ他の俳優陣もよかったと思います。
 白石和彌監督自身は1974年生まれなのに、「彼女がその名を知らない鳥たち」や「孤狼の血」等の嗜好(?)がどこらへんに由来するのか・・・。熱気が充満していた69年前後と今のフンイキは比べるべくもないのに・・・。完成披露試写会の時に舞台挨拶で監督は「今日、日本の政権は据え置きになることが決まり。とてもいい政権だとは個人的には思えない中で、それを壊せない民衆、大衆、世の中に対して刃を突きつけたいと思います」と語ったとのこと。今後も目が離せない監督です。

※先週は「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」と「週末の劇場街」は掲載されませんでした。

         ★★★ NAVERの人気順位(10月16日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(2) 万引き家族(日本)  9.24(2,798)
②(-) ミス・ペク(韓国)  9.24(2,166)
③(-) ハロー カボット:白亜紀時代(韓国)  9.23(2,046)
④(1) アリー/ スター誕生  9.20(2,271)
⑤(3) カメラを止めるな!(日本)  9.17(785)
⑥(6) ターシャ・テューダー 静かな水の物語  9.15(317)
⑦(4) 私の最後のスーツ  9.15(72)
⑧(7) 劇場版 ポイン:スーパー変身の秘密(韓国)  9.11(87)
⑨(5) 蝶よ蝶よ(韓国)  9.05(38)
⑩(10) ルイスとエイリアンたち  9.00(441)

 ②「ミス・ペク」だけが今回の新登場です。この作品については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(-) エクス・リブリス ニューヨーク公共図書館  8.50(2)
②(2) 暗数殺人(韓国)  8.14(7)
③(1) 万引き家族  8.13(8)
④(3) 生き残った子[最後の息子](韓国)  7.67(9)
⑤(4) search サーチ  7.60(10)
⑥(6) アリー/ スター誕生  7.43(7)
⑦(5) ビューティフル・デイ  7.40(10)
⑧(7) ザ・スクエア 思いやりの聖域  7.25(12)
⑨(8) 春川、春川(韓国)  7.25(8)
⑩(9) 暗い夜(韓国)  7.20(5)

 ①「エクス・リブリス ニューヨーク公共図書館」が今回の新登場です。アメリカのフレデリック・ワイズマン監督によるドキュメンタリー。2017年の第74回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、FIPRESCI賞を獲得した作品で、日本では17年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映されました。マルチメディア社会になって図書館も大きく変わってきています。世界の5大図書館の1つに挙げられるニューヨーク市立図書館でも、そんな時代に対応してさまざまな試みに取り組んでいます。また、図書館に集まる人々は民族もさまざま。そんなところからもアメリカの現在を明らかにしていきます。韓国題は「뉴욕 라이브러리에서」。日本での一般劇場公開は2019年のようです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月12日(金)~10月14日(日) ★★★

         韓国の犯罪ドラマ「暗数殺人」が「ヴェノム」を逆転して1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・暗数殺人(韓国)・・・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・552,981 ・・・・・・2,833,817 ・・・・・・・24,926・・・・・・1,064
2(1)・・ヴェノム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/03・・・・・・・・・・493,711 ・・・・・・3,249,353 ・・・・・・・28,707・・・・・・1,011
3(14)・・ミス・ぺク(韓国)・・・・・・・・・・・・10/11 ・・・・・・・・・161,468・・・・・・・・193,789 ・・・・・・・・1,701 ・・・・・・・624
4(38)・・アリー/ スター誕生・・・・・・・・・10/09・・・・・・・・・・・86,759・・・・・・・・153,395 ・・・・・・・・1,363 ・・・・・・・555
5(3)・・安市城(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・9/19 ・・・・・・・・・・72,286 ・・・・・・5,352,394 ・・・・・・・45,710 ・・・・・・・535
6(4)・・プーと大人になった僕 ・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・62,846・・・・・・・・395,867 ・・・・・・・・3,375 ・・・・・・・468
7(新)・・プラネット・ダイナソー・・・・・・10/09・・・・・・・・・・15,823・・・・・・・・・34,822・・・・・・・・・・269 ・・・・・・・322
8(新)・・ストレンジャーズ 地獄からの訪問者・・10/11・・14,727・・・・・・・・17,860・・・・・・・・・・155 ・・・・・・・266
9(23)・・エブリデイ・・・・・・・・・・・・・・・・・10/11・・・・・・・・・・14,359・・・・・・・・・21,620・・・・・・・・・・195 ・・・・・・・124
10(新)・・Kin/キン・・・・・・・・・・・・・・・・・10/11・・・・・・・・・・・9,224・・・・・・・・・12,260・・・・・・・・・・107 ・・・・・・・167

     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 秋夕(チュソク)連休を制した「安市城」は500万人の中ヒットラインを超えたところで3位に後退しました。代わって久しぶりにアメリカ映画がトップです。
 今回の新登場は3・7・8・9・10位の5作品です。
 3位「ミス・ペク」は、韓国のドラマ。今月末開幕の東京国際映画祭で上映される唯一の韓国映画です。(残席ほんのわずか!) 幼い時に自分の身を守ろうとして前科者になってしまったペク・サンア(ハン・ジミン)は、誰も信じず、孤独に生きてきました。ある日、同じ年頃の子供に比べて小さく、やせた体にたった一枚の服を着て、過酷な現実から抜け出そうとしている子供ジウン(キム・シア)に出会います。なぜか自分に似ているようなジウンを無視することができないサンアは、ジウンを助けるためにこの世に立ち向かおうとするのですが・・・。原題は「미쓰백」です。
 7位「プラネット・ダイナソー」は、元は2011年制作のBBCのテレビ番組。中生代の恐竜の生態を最新の発掘と研究結果に沿って驚異のCGでドキュメンタリー風に再現した恐竜アドベンチャーです。日本ではNHK・Eテレの「地球ドラマチック」の中で放映されたこともあり、BBCオリジナル完全版DVDも販売されています。韓国では昨年に続いて2回目の劇場版です。韓国題は「다이노 어드벤처2: 육해공 공룡 대백과(ダイノ・アドベンチャー2:陸海空 恐竜大百科)」です。
 8位「ストレンジャーズ 地獄からの訪問者」は、アメリカのホラー。「ストレンジャーズ/戦慄の訪問者」(2008)の10年ぶりの続編です。無人のキャンプ場で謎の覆面3人組に命を狙われた家族の運命を描いたサバイバルスリラー。マイクと妻のシンディは、全寮制高校への入学を控えた娘キンジーと来年大学生になる息子のルークを連れて叔父のマーヴィンが経営するオートキャンプ場にやって来ます。深夜、一家がトレーラーで一息ついていると、見知らぬ少女がやってきてトレーラーのドアをノックして訊ねます。「タマラはいませんか?」 心当たりのない名前に一家が戸惑っていると、少女は暗闇の中へと消えていきます。実はこの少女、前作でも登場したドールフェイス。怖ろしい3人の殺人鬼の1人だったのです。そして、やがて惨劇が・・・。韓国題は「노크: 초대받지 않은 손님(ノック:招かれざる客)」。日本では今年8月新宿シネマカリテの特集企画<カリコレ2018>の中で上映されました。
 9位「エブリデイ」は、デイビット・レヴィサンによる同名のYA小説を映画化したアメリカのラブロマンス。Aという男の子が同世代の内気な女の子と出会い恋に落ちます。ところが、ある日ジャスティンという男の子だったAは次の日目覚めると違う人になっているのです。それが年配の女性の場合もあったりして・・・。という基本設定といえばハン・ヒョジュ主演の韓国映画「ビューティー・インサイド」と同じでは!?と思うのは私ヌルボも韓国の映画ファンたちも同じ。ところがこの小説「エブリデイ」は韓国語訳が「ビューティー・インサイド」の公開と同じ2015年初頭頃刊行されていて、すでにその両者の類似について「東亜日報」が→コチラの記事で書いているのです。それによると両者は関係ナシ。出版社側の説明によると、映画の主人公が外見だけ変わるのに対して、小説の方は主人公が毎日その1日限りで他の人の体に入って出てくるという点で違うというがあるとのことなんですが、それでもなんだかなー、ですよね。うーん。韓国題は「에브리데이」。日本公開は未定のようです。
 10位「Kin/キン」(仮)は、アメリカのミステリー&アクション。少年イーライ(マイルズ・トゥルット)は、デトロイトで廃屋ビルの廃材を集めては小遣い稼ぎをしています。そんな中、謎の兵士の死体とすごい破壊力を持つ謎の銃(?)を発見、その武器を持ち帰って部屋に隠します。ある日、兄が6年ぶりに刑務所から戻ってきますが父親と対立し、ギャングたちと共に父の会社の金庫を強奪しますが、その際居合わせた父をかばったためにギャングから追われることとなります。一方イーライもまた武器を取り戻そうとする謎の兵士の仲間たちからも狙われるはめに・・・。兄弟は一緒に彼らの手を逃れることを決意しますが、はたして無事生き残ることができるのか・・・。韓国題は「킨: 더 비기닝」。日本公開は未定のようです。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(7)・・エブリデイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/11・・・・・・・・・・14,359・・・・・・・・・21,620・・・・・・・・・・195 ・・・・・・・・124
2(10)・・グランド・ブダペスト・ホテル・・2014/3/20 ・・・・・・・・9,152・・・・・・・・794,815 ・・・・・・・・6,201 ・・・・・・・・・38
3(1)・・名探偵シャーロック・ノームズ・・・10/03・・・・・・・・・・・6,737・・・・・・・・・83,847・・・・・・・・・・635 ・・・・・・・・104
4(19)・・リズと青い鳥(日本) ・・・・・・・・・・・10/09・・・・・・・・・・・5,597・・・・・・・・・15,248・・・・・・・・・・131・・・・・・・・・195
5(2)・・ターシャ・テューダー・・・・・・・・・・・・9/13・・・・・・・・・・・1,731・・・・・・・・・36,280・・・・・・・・・・290・・・・・・・・・・32

 1・2・4位の3作品が新登場です。
 1位「エブリデイ」については上述しました。
 2位「グランド・ブダペスト・ホテル」は、日本では2014年に公開されたウェス・アンダーソン監督による英・独合作作品の再上映です。なかなか楽しい映画でしたね。韓国題は「그랜드 부다페스트 호텔」です。
 4位「リズと青い鳥」は日本では今年4月公開。日本アニメは観ていない作品が多くて「コメントする資格ナシ」と何度となく書いてますが、山田尚子監督作品は「けいおん」(2014)以来今作まで4作品全部観てます。女子高生の繊細なキモチをよく描いていて好感が持てました。韓国題は「리즈와 파랑새」です。
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