先月末にシマノからアナウンスされました。
『平素よりシマノ製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
シマノ製品の模倣品が、一部店舗、フリーマーケットサイト、その他のオンラインストア等を通じて国内外にて違法に販売されております。
特に最近では、シマノ・クリートセットの模倣品が出回っており、下記の写真のように外観からは正規品との判別がつきにくいものとなっております。
シマノ製品(正規品)は、安全性に細心の注意を払って設計しております。
これに対し模倣品につきましては 、品質や安全性が確保されているものとは言えず、重大事故につながる可能性もあります。
つきましては、お客様がシマノ製品を購入される際には、十分にご確認の上、正規品をお買い上げ頂くようよろしくお願い申し上げます』
これ見てホントかなって疑ってしまいました。
偽物製造業者はこんな安い物でもパッケージまで作っちゃうの?って。
それと、フリマやオンラインストアでの販売は仕方ないとして(笑)、一部店舗ってウチ等のような路面店って事?
ありえるのかなぁ?
気になったので在庫しているクリート「SM-SH12」を確認してみました。
シマノのアナウンスの画像のようにクリートの青い部分のセンターにラインが有り、エジェクタピンの丸い押し痕が二つの物。
青い部分のセンターにラインは無く、エジェクタピンの丸い押し痕が一つの物というふうに二種類ありました。
えっ!?
もしかしてこれが模倣品!?
シマノ製品の仕入れ先のどこかがやっちゃったか!?
気になったのでシマノに電話して聞いてみました。
結論から言うと在庫していた物はどちらも本物です。そしてどちらも現行品です。
因みに「SM-SH11」黄色や「SM-SH10」赤色はセンターにラインは無くエジェクタピンの丸い押し痕は一つでした。
模倣品は青い部分の色が濃いとか薄いとかムラがあるとかそういうレベルの物でもないようです。
〇〇の仕方や〇〇があるとか〇〇が違うということです。
あの画像だけじゃ判りにくいよって言ったら、詳しく公表してしまうと偽物業者はそこを改善して作るので言わないんだって。シマノのMさんがそう言ってました。
ああ、そういう話は他の業界でも聞いたことがあるわ。
本物も使っていればいつかは擦り減って薄くなり割れます。
インジケーターがあるのでそこまで減ったら割れる前に交換しましょう。
模倣品らしきチェーンは見たことあるよ。表面の処理が違ったり、穴が開いてあるべきの所に穴が開いてなかったり。
単品で販売されることのないはずの中国製のシフターやディレーラーが販売されていたり……。
イギリスやアメリカのサイトで販売していますが怪しい物の発送先の多くは中国らしいです。
オークリーの時にも書きましたが画像は正規品だったりするので届くまで判らないし、届いても疑わない人は信じたままでしょうね。
バルク品と言われたりもしますが完成車の製造台数に合わせてパーツを供給しているのでバルク品というのはあり得ないですね。
魚沼産のコシヒカリが生産量よりも流通量が多いのと似ていますね。
正規品でも出荷する相手国によって仕様が異なる場合があります。
物価が安い国(平たく言うと貧乏な国)には安い仕様の物を安く作って送られます。
アルミで出来ている部分が鉄だったり、アルマイト処理の部分がただの塗装だったり。仕上げが雑だったり。公差が甘いので最初からガタがあったり……。
その国のユーザーがそこ迄求めていないのか、そのレベルまで達していないのか判りませんが、そういう物は元々が安い作りで安くその国で販売しています。
ある国で外人向けの店は高いけど、裏通りの地元民の店は安かったからそこで買ってきたという自転車を見たら、日本仕様と違ってクロモリフレームがただの鉄らしく重かったりアルミパーツが鉄だったりステンレス部分がメッキの鉄だったりしました。いくらその国の物価が安いからって、同じ物は安く売ってないのです。その国のユーザーレベルに合わせた製品をそれなりの価格で販売しています。
かつては日本もそちら側の国でした。ユーザーが成熟してなかったからそういう製品が送られてきたようですね。
シマノも同じような手法を取っているらしく、同じモデルでもマレーシア製の物と中国製の物がありました。
そのモデルは日本で販売している物はマレーシア製で中国製は完成車に組み込まれる物のようでした。一見同じように見えましたがよく見るとロット違いじゃすまされないくらい違いました。でも多分そちらも正規品です。本来は別な国で販売する製品だったのでしょうね。
そういう物が海外仕様の写真を使いその国の価格で海外向けに販売されているようです。
そりゃ物が違うんだから安いよね。
つまり、バルク品が出たとしてもリテール品とは品質が違うので安いのは当たり前ということになります。
歩留まりが出てB級品として処分するはずの物をバルク品と称してノンパッケージで販売している可能性もありますね。
品管が甘い国だったらあり得る話です。
そしてもし本当にバルク品だとしたら、完成車メーカーの契約違反か社員がちょろまかして小遣い稼ぎしているわけでこれらも横流し行為で違法ですね。
他のメーカーも同じモデルでヨーロッパ製とアジア製があったりします。
ホイールなんかはアジア製が安く出回っているようですね。
こちらはOEMの横流しでした。当然日本での保証は利きません。PL法も適応されないため何かあったら自分で販売元と交渉するしかありません。輸入して再販した場合は再販した人がPL法の対象業者となります。個人売買でも。中古品でも。
日本での正規品は高いと感じるかもしれませんが、国内での保証が効きます。その辺のリスクや国内での販促を行うのでその分コストの上乗せがあります。まあ、安心を買っていると思ってください。この辺は家電と一緒ですね。
家電もその国の仕様に合わせて作られていて、その販売した国で使用するときだけ保証が効くようになっています。
シマノは釣り具関係での模倣品がかなり出ていて個人売買も摘発されましたね。
個人で〇〇から仕入れて〇〇で売るって手法が成り立っているようです。
なんかマスクやゲーム機の転売と同じようだなぁ。
シマノもヴィトンやロレックス並みのブランドに育ったのかな。
特許や意匠でトラブった過去があるからサイクル部門でも本腰を入れるのかな。
類似品はいいのよ。
同様の機能を持った別製品だから。
SPD-SLもLOOKのクリップレスペダルの類似品だからね。
今でもパテントはLOOK社にあるんじゃないかな。