クルマでは「シート」をレカロ等に交換する事はありますが、モーターサイクルで「シート交換」をする人は少なく、また、リプレイス品もまず無いような状態。それでも私は「クルマ」でも「レカロ SR-6」にしていますし、以前所有していたモーターサイクル「K1200S」も「サージェント」のシートに交換しています。まぁ、この時はシート表皮が破れてしまいどうせ交換するならとリプレイスにしたのですが。
しかしながら、この「サージェント」のシートがかなり座り心地が良く、気に入っていたので、「K1600GT」にした時も「いつか交換しよう」と思っていたわけですよ。そして何とか予算の都合がついたので今年の3月17日に発注したのですが、いかんせん「受注生産品」な上に「U.S製」なので、納品まで2ヶ月半以上かかるコトに…。そして、やっと納品となったのですよ。
あまりする方はいないでしょうが、シートの交換方法を解説します。「シート交換なんて、ただ乗せ換えるだけでしょ?」と思われるのですが実際そうでは無いんですよ。ちなみに「写真→解説」の流れになっています。
それでは交換開始です。
今回「サージェントスポーツシート」は「Webike」にて購入しましたので、U.Sから送られた来たままの梱包では無く、日本にて再度梱包しなおしたようです。ただ、シートはビニール袋に入っただけの状態でダンボール箱に入っていました…。そして「直輸入品」だからでしょうか?「日本語マニュアル」は無く、「英語マニュアル」のみ。ただし解説図があるので、全く英語ができなくても何とかなると思います。また、同梱品には「タッピングビス」X5、「シート固定用ハンドルビス」X2に何かに使う「キーマウント」と「テストフィット用」L字のアルミ角棒。
まずはフロントシートから外しましょう。
日本仕様の「K1600GT」には「シートヒーター」が標準装備されているので、シートヒーター用の配線を外します。
フロントシート裏面から伸びている配線が1つだけありますので、それをリヤシートに近い側の「コネクタ」を外しましょう。
コネクタには簡単に外れないように「ツメ」が有りますので。「爪部分」を押しながら引き抜きます。ただし「ツメ」の部分はそんなに大きく浮かないので、その時は「-ドライバー」で浮かしましょう。
取り付け前にとりあえず「ノーマルシート」と「サージェントスポーツシート」を比較してみましょう。
始めは「表面」から、「サージェント」の方が前方部分が少し細く、後部が広いように感じます。そして、座面もフラットです。
「サージェント」では「シート縁」の「パイピング」の色を「指定色」から選ぶ事ができ、今回は車体色に合わせた「G-058」にしました。
次は裏面。
裏面は表面に比べて異相箇所が多いですね。、特に「サージェント」の方は「小物入れ」がついており、ここに整備手帳や車検証を入れておけます。ノーマルはバンド留めなので、結構雨に濡れたりしてしまうので、この部分は「リプレイス」を感じさせます。
側面は
「手前」が「ノーマル」で「奥」が「サージェント」です。こう見ると「ノーマル」の方が後ろ部分が上がっているような感じがあります。実際にシート高は「サージェント」の方が「ノーマル」に比べ「5mm」ほど低い数値、「約80.5 - 82.5cm (EU純正 : 81 - 83cm)」なのです。
こうして比較するとやはり「表面幅」が「ノーマル」よりも「広く」感じますので、重ねてみる事に、
並べてみた感じでは「サージェント」の方がかなり広い印象でしたが実際には「左右5mm程度」の差でしたね。
ただ正面からや背面から比較するともう少し、高さや幅の差が明確になると思いますが、そこまではやっていませんのであしからず。
しかし、この左右5mmの拡張が大きく変わるのですよ。
比較もしたところで、次はリヤシートを外します。
「リヤシート固定ビス」を外してからこちらもフロントと同じく「シートヒーター用の配線」の「コネクタ」を外します。
フロント同じくシートからの配線は1本しか無いので間違える事は無いでしょう。
こちらも「コネクタ」に「ツメ」があるので、押し開いてから引き抜きます。
そして、リヤも「ノーマル」と「サージェント」との比較です。
「表面」から見ても形状の違いは一目瞭然ですね。「長方形」然とした「ノーマル」に対し「サージェント」は「サドル形」をしていますので、リヤシートの安定性はかなり良くなるでしょう。まぁ、私はリヤシートは使いませんが…。
ちなみにサージェント」には「オプション」で「フロントシート用バックレスト」が装着できるようにジョイントが設置されています。なお、バックレストだけで「8万円以上」しますし、何より「スポーツ走行」には無用の品です。
そして「裏面」。フロントに比べてノーマルとの差はあまり有りませんね。「バックレスト用ジョイント」部分が出っ張っているのが気になりますね…。
後端部の厚みが若干「サージェント」の方が厚身があるように思えます。そして「ノーマル」に比べて「立体的」に作られているのも解りますね。
実際に並べてみるとやはり「サージェント」の方が厚みがありますね。それと座った時の安定性も高そうな形状をしています。
では、このまま乗せ換えと思ったら…。
そうなんですよ、「シートロックキーシリンダー」と「リヤシートヒーター スイッチ」が「サージェント」にはついていませんから、「ノーマル」から「移植」しなければなりません。
ともかく、「ノーマルシート」から「キーシリンダー・スイッチユニット」を取り外します。
ここに使われている「トルクス」は「T20」と「車載工具」よりも小さいサイズだったりしますので、別途「T20レンチ」が必要。
ビス自体はほぼトルクがかかっていないほど緩く締められていますので、簡単に外す事ができますよ。
ビスを5箇所外したら「リヤシートヒータースイッチ」用の「コネクタ」がありますので、こちらも「ツメ」を押しながら引き抜きます。
「サージェント」の方に「同梱」されていた「シートロックシリンダー・リヤシートヒータースイッチ用パーツ」は「ノーマル」と全くの「同形状」ですので、わざわざ面倒な付け替え作業をしなくても、そのまま組み込む事ができますので、
「リヤシートヒータースイッチ」用のコネクタを接続しましょう。「サージェント」のシート側にある配線を先ほど取り外した「リヤシートヒータースイッチ」の「コネクタ」にはめ込みますが、この時「向き」があるので確認してから差し込み、
「キーシリンダー」がある側からスライドさせるようにはめ込み、「ビス穴」を合わせて、タッピングビスで固定するのですが、「サージェント」にもこの部分の固定用「タッピングビス」が同梱されているのですが、そちらは「+ネジ」なので、私としては「トルクス」の方が好きなので、こちらも「ノーマル」とサイズが同じなので流用。
「フロントシートヒーター」の配線の取り回しに注意しながらビスで固定。
ビスを締める際、「ノーマル」ではかなり緩く締められていたので、こちらも同じように緩めで締め、最後に「キー」を回して「フロントシート」を固定する「シートフック」が回るか確認します。コレで回らないようでしたら、再度はめ込み直しです。
「シートロックシリンダー・リヤシートヒータースイッチ」部分も取り付けたことですし、今度こそシートを設置しましょう。
こちらも「シートヒーター用」の配線をコネクタの向きを合わせて接続。「サージェント」の方が配線が長いので、配線の取り回しを注意しながらシートの位置を固定するのですが…。
私が懸念したとおり「ETCユニット」が「バックレスト用ジョイント」に干渉してしまい、設置ができません。
そこで、「ETCユニット」の配線が動く範囲で干渉しない場所である「前方」へ立てるようにして置けばユニットが干渉しないので、シートを正しい設置位置へ合わせ固定。
後は「フロントシートヒーター」の配線コネクタをさし込み、こちらも配線が長めなので、挟まないように取り回して、フロントシーをはめ込んで、シート交換は完了です。
シート交換自体は簡単で、特に特殊工具や、技術が必要では無いので、自分でできるのが良いですよ。
交換を終えて「サージェント」のシートに座ると、巧くハマリます。座った感覚も「ノーマル」よりもシックリ来るので、シートを交換した感じが無いくらい自然です。逆に「ノーマル」の方が違和感ありましたし。
座面がフラットなのと、沈み込みが最低限なので、体が安定していますし、何よりも、シートの端も使えますからコーナリングの重心移動がシッカリしていますし、ダイレクト感もあるので、コントロールがしやすく、バンク角も安心して深くできますよ。
衝撃吸収も「ノーマル」の「ボールの上に座っているよう」な反発も無いので、上体が安定して、上下のゆれも少なく着座位置がズレません。
足つきの方ですが、良くなっています。確かに5mm低くなってはいますが、それ以上にフロント部分が少しだけ絞られている為か、足を広げる事無く落とせます。ただ、腿の裏側が後部の広がっていく部分に当たる事もありますが、そんなに気にはなりません。
以前も「サージェントスポーツシート」を使用していましたが、ホント、このシートは私には合っていますね。さすが11万だけはあります。
最後に「ノーマル」と「サージェント」に交換後の装着比較はこんな感じ。
アングルが同一では無いので完全な比較にはなりませんが、ノーマルよりもサージェントの方が純正っぽいですよ。
やはりリヤシートの厚みは増えているようで、リヤキャリアとの段差は殆どありませんからリヤシートからリヤキャリアにかけての荷物を置くのも安定感が増しました。実際に私が使用している「リヤBOX」は「ノーマル」の時はリヤシートとキャリアに2cmくらいの段差が有ったので、リヤシートに板を噛ませて水平にしていたのですが、それが必要なくなりましたし。
後はワインディングを試すだけですよ。
それでは、本日の登場人物は私の「K1600GT」のキャラクターであるこの方。「天元界 気象制御管理省 第三惑星管理室 東亜支局 気象情報管理士」で階級は「第三階位第二級」、精霊の種類としては「風の上等精霊」で「大気の女神」の意味である「フィヨルギュン」を称号にもつ、「カティア・フィヨ ルギュン・エルトゥール」さんです。「ファル」さんから良いシートを紹介してもらった「カティア」さん。その座り心地に満足なようで…。ちなみに背景が私の所持するK1600GTに装着した「サージェント スポーツシート」なのです。