****** 私見
地域の拠点病院への産婦人科医の集約化を実行しようとする時には、集約化される病院と撤退する病院とを決めなければなりません。その時、撤退する病院の地元住民の反対運動が必ず巻き起こると思います。しかし、将来のビジョンなく、ここ1~2年を何とか持ちこたえるだけの、単なる一時しのぎの人気取りの政策だけでは何にもなりません。
地域の周産期医療を絶滅の危機から守り、10年後、20年後も持続可能な地域周産期医療体制を確立するために、今やらねばならないことを断固実行してゆかねばなりません。
産婦人科医2~3人の体制では、どうしても過重勤務になってしまい長続きしないと思います。これから産婦人科医を集約化して新たに周産期センターを作るとすれば、やはり産婦人科常勤医10人体制くらいが理想的な規模だと思われます。当直はせめて週1回程度で、当直の次の日は非番になるような勤務体制を組める規模が望ましいと思います。(いきなりすべての産科施設を産科医10人体制にするのは現実的に無理だとしても、せめて最低5人体制程度にはしないとシステムの長期的な維持が難しいと思います。)
****** 毎日新聞
応援継続を要望--三春町長
県立大野病院(大熊町)の医療事故をめぐり、産婦人科医の1人勤務体制が課題となっている問題で、三春町の鈴木義孝町長は20日、県立三春病院(三春町)への県立医大からの産婦人科医の応援を継続するよう佐藤栄佐久知事に要望書を提出した。
三春病院は、県立病院としての廃止決定を受け、07年4月から町立病院に移行する。現在、産婦人科は常勤医1人と県立医大からの派遣1人の2人体制で運営している。
要望書は「県立医大では、医師不足から医師派遣取りやめや地域の拠点病院への集約化に向けて検討すると聞いている。仮に現体制が維持できないままに移譲を受けるようになれば、地域住民に不安が広がり、町の病院開設に危機感を持つ」と訴えている。
これに対し、佐藤知事は「体制についてはこれから検討するので、三春病院についてどうなると決まっているわけではない」と即答を避けた。鈴木町長は「田村地域で産婦人科があるのは三春病院だけ。しっかりした体制を組んだ上で病院の移譲を受けたい」と重ねて要望した。【上田泰嗣】
毎日新聞 2006年3月21日