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オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
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四国巡り 史跡巡り篇 道後、松山の巻

2009-09-03 02:04:45 | 日本史

 

四国の5日目の最後は、河野氏の居城であった湯築城跡です。
道後温泉の1つ手前の道後公園で伊予鉄道を降りた私の目の前に広がったのは、大洲城に負けず劣らず様相が一変をした光景でした。

ただ広いだけの公園だったはずが、入口には河野氏の家紋が入った旗が何流もはためいていました。
城跡を利用した公園から史跡としての城跡にと、この変革は非常に喜ばしいことです。

外堀の土塁裾石が発掘をされ、また庭園の池や武家屋敷を再現するなど、松山市の力の入れようが見て取れます。
あちらこちらに案内板もあり、ようやく史跡としての価値に気がついたのかもしれません。

しかしながら奥に行けば記憶どおりの風景が広がっており、このあたりは徐々にと言ったところでしょう。
本丸跡にある展望台が錆びまくっているのはご愛敬ですが、手すりを持った手が茶色くなるのは勘弁をして欲しかったです。

その展望台から見た松山市街、と言うよりは道後町です。
鎌倉時代から伊予で威を張っていた河野氏は、室町期に湯築城を築きます。
河野水軍を率いて河野氏は伊予で勢力を伸ばしますが、次第に一族内の争いで弱体化をしてしまい、長宗我部元親の伊予侵攻や来島氏の離反などもあって、遂には小早川隆景の配下として生き延びるしかなくなってしまいました。

そんな河野氏の興亡が分かる湯築城資料館、と紹介をしたいところなのですが、簡単な系譜や系図以外では発掘の際の資料が少しあるだけでした。
ボランティアの方が丁寧に説明をしてくださったのはありがたかったのですが、スタンプを勝手に色紙などに押そうとしたのにはちょっと閉口をしました。

そして遂に四国6日目、最終日となります。
前日の夜から降り出した雨は止む気配を見せず、そのためレンタサイクルを諦め、伊予鉄道で松山城に向かいました。
予定では黒門口登城道から徒歩で登るつもりもそれも諦めて、東雲口から一気にロープウェイで長者ヶ平まで行き、そこから徒歩で天守閣を目指しました。

松山城は連郭式平山城で、勝山の山頂にあります。
賎ケ岳七本槍で有名な加藤嘉明が関ヶ原の戦いの後に築いたもので、現存する12の天守の1つです。
ちなみに現存天守がある12城とは北から弘前城、松本城、丸岡城、犬山城、彦根城、姫路城、松江城、備中松山城、丸亀城、松山城、宇和島城、高知城であり、今回の旅で4つの現存天守を訪れたことになります。

この天守閣に連なるのが小天守で、天守閣も正しくは大天守と呼びます。
国の重要文化財である大天守とは違って、こちらの小天守は再建をされたものです。

この両天守と北隅櫓、南隅櫓は渡櫓で繋がっており、姫路城、和歌山城とともに日本三大連立式平山城と呼ばれています。
しかしながら北隅櫓、南隅櫓とも、残念ながら再建をされたものです。

松山城は喜ばしいことに、大天守を含む21もの国の重要文化財があります。
その全てを紹介したいところなのですが、例によってgooの文字数制限のためにそれも叶いませんので、文字数の許す限りの紹介をしたいと思います。

まずは戸無門、隠門、そして隠門に連なる隠門続櫓です。
戸無門は本丸の大手入口の最初に設けられた門であり、扉がないためにそう呼ばれています。
この戸無門を通ると大手を守る筒井門がありますが、隠門はその筒井門から隠れるように奥まったところにあり、筒井門に迫る敵を背後から攻撃をするための出入り口で、隠門続櫓はその隠門を守るための櫓です。

野原櫓と乾櫓は、城の西北を守る重要な櫓です。
野原櫓は日本で唯一現存する望楼型二重櫓であり、また乾櫓は弾丸が壁を貫けないように壁の中に小石や瓦を詰めて厚くする、太鼓壁構造となっています。

もう文字数がいっぱいになってしまいました。
この他にも筒井門、巽櫓、太鼓門、太鼓櫓、馬具櫓、艮門、艮門東続櫓、乾門、乾門東続櫓、一ノ門、一ノ門南櫓、二ノ門、二ノ門南櫓、三ノ門、三ノ門南櫓、天神櫓、筋鉄門、仕切門、紫竹門などなど、重要文化財に限らず紹介をしたいものがたくさんあるのですが、今回はこのあたりで締めることにします。

こんなことになるのであれば、この戸無門、筒井門、太鼓櫓のように、1枚で複数が入るような撮り方をすればよかったと後悔をしています。
参考までに、重要文化財を含む各遺構の位置関係が分かる図を貼っておきます。

松山城は半日程度で回る予定だったのですが、じっくりと見るには1日あっても足りないかもしれません。
見落としたものもありますし、いつになるかは分かりませんが、次に訪れるときにはもっと時間をかけて、そして天気もしっかりと見極めた上で見学をしたいと思います。


【2009年8月 四国の旅】
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