元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「キューティーハニー」

2011-10-07 18:20:52 | 映画の感想(か行)
 2003年作品。おなじみ永井豪の同名代表作の実写映画化だ。とにかく開巻20分間がやたら面白い。誘拐された宇津木博士をめぐって犯罪結社パンサークローの怪人と如月ハニー、それに警察の三つ巴のバトルが賑々しく展開されるのだが、スピード感とアホアホなギャグが絶妙のマッチングで大いに沸かせてくれる。ヘタウマを狙ったSFXも効果的で、シークエンスの最後はお約束の“大爆発”というのもウレシイ。



 しかし、映画が進むにつれ次第にテンポが遅くなり、パンサークローの首領シスター・ジルが画面の真ん中に登場する部分に至ってはジックリ描きすぎてドラマ運びが停滞してしまう(まあ、そのためにラスト近くの愁嘆場が活きるのも確かなのだが)。最後まで脳天気路線を全うしてほしかった。

 とはいえ、出てくるキャラクターの楽しさは特筆もの。ハニー役の佐藤江梨子は健闘しているが、それより市川実日子扮する仏頂面の女警部と村上淳が演じるナゾの新聞記者がサイコーだ。パンサークロー四天王に扮する片桐はいり、新谷真弓、小日向しえ、及川光博らも実に楽しそうに悪役を演じている。庵野秀明の演出は「ラブ&ポップ」の頃に比べると随分と独りよがりな態度が後退。往年のテレビシリーズ(私は見たことがないが)の映画版としては及第点に達していると思う。

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