Bravo! オペラ & クラシック音楽

オペラとクラシック音楽に関する肩の凝らない芸術的な鑑賞の記録

5/4(水)ラ・フォル・ジュルネ2011〈第2日〉/管弦楽めぐりは金聖響+兵庫芸術文化センター管がBravo!

2011年05月05日 02時01分20秒 | クラシックコンサート
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2011(「熱狂の日」音楽祭 2011)
~とどけ! 音楽の力 広がれ! 音楽の輪~


2011年5月4日(水・祝)東京国際フォーラム

 「ラ・フォル・ジュルネ2011」の2日目は、主にホールCでオーケストラ中心に聴くことにした。プログラム全体が縮小されてしまったことにより、管弦楽、とくに交響曲や協奏曲のプログラムが非常に少なく、もともとのテーマが「ロマン派の巨人たち」だったのに、残念でならない。フログラムをざっと見渡したところ3日間で全曲演奏されるのは、交響曲は、ブラームスの1番と2番、ブルックナーの4番と7番、シューベルトの2番の5曲だけ、協奏曲はブラームスのヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲1番と2番、ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲、リストのピアノ協奏曲2番、クララ・シューマンのピアノ協奏曲、シューマンのピアノ協奏曲などしかない。今日はこれらの内、ブラームスの交響曲第1番、ピアノ協奏曲第1番、ブルックナーの交響曲第7番を聴いた。

■公演番号C-24b 11:45~12:30 Hall C S席2階 16列 37番 2,500円
指 揮: 小泉和裕
管弦楽: 東京都交響楽団
【曲目】
ブラームス: 交響曲 第1番 ハ短調 作品68

 小泉和裕さんの指揮と東京都交響楽団の公演は、有料公演では本公演1回だけ。発売日に1時間ほどで売り切れてしまった。ログインできたときにはもう2階しかなかったのが残念。
 演奏は、ハギレの良いリズム感と、メリハリの効いたダイナミズム、そして緻密なアンサンブル。まあ、いつもの都響の演奏で、高いレベルでまとまっていた。昨日の無料コンサートとは違って、集中した演奏で、いつもながらに素晴らしい。とくに第4楽章のコーダなどは、力強いフィナーレを飾った。

■地上広場キオスクにおける無料公演《新村理々愛(フルート)》13:30~13:50
【曲目】不明
 まだ高校2年生の新村理々愛さんが屋外の無料コンサートに出演。ステージ近くの席に陣取り、目の前で聴かせてもらった。フルートのことはよくわからないが、その道に詳しい人によると、彼女は素晴らしい才能の持ち主ということだ。確かに上手いとは思うし、あどけない顔立ちの中から時折鋭い眼差しが見られる。奇抜に衣装はともかく、音楽に対する取り組みも本物である。この若さにして相当の演奏会をこなしているから、ステージ捌きも堂々としていて、プロの音楽家としての雰囲気はすでに備わっている。演奏曲目はご本人がマイクを使って紹介していたが、覚えられなかったので不明。20分間のコンサートで2曲演奏した。今日は音楽祭のイベントということで、失礼して演奏中の写真をカシャリ。

■地上広場キオスクにおける無料公演《国立音楽大学(ソプラノ&ピアノ)》14:30~14:50
【曲目】不明
 出演が「国立音楽大学(Sop.& Pf.)」としかなかったので、出演者名も曲目も不明。ドイツ語の歌曲を数曲歌ってくれた。ソプラノさんとしては見目麗しく、声もキレイで素敵だったが、名前もわからないまま。今回の主役であるブラームス、リスト、マーラー、ブルックナーなどはオペラがほとんどないので、声楽というと歌曲中心になる。R.シュトラウスにはオペラも歌曲も優れた作品が山のようにあるが、少なくともここで聴いた曲には知っているものがひとつもなく、作曲家も誰かわからずじまい。「あれはリストでしょう」「ブラームスじゃないかな」「いやいやシュトラウスっぽいのもあったぞ」周囲ではこんな声が。どなたか、今日歌われた曲名し作曲家を知っている人がいたらおしえてください。
 
■公演番号C-24d 15:15~16:00 Hall C S席 3階 1列 42番 3,000円
指 揮: ドミトリー・リス
ピアノ: 小山実稚恵
管弦楽: ウラル・フィルハーニー管弦楽団
【曲目】
ブラームス: ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 作品15

 小山実稚恵さんは昨年2010年9月にブラームスのピアノ協奏曲全曲演奏会を行っているだけあって、今日の演奏でも堂々たる安定感と、相変わらずスケールが大きくダイナミックな演奏を繰り広げた。3階まで音がガンガン飛んできていた。1方のウラル・フィルは昨日と同じで日本人のエキストラが多く(練習不足?)、アンサンブルに緻密さがなく、全体的にポンヤリした感じ。ドミトリー・リスさんは両手を振り回して指示を出すのだが、オーケストラの方が増え吹けど踊らずといった印象。ピアノが素晴らしかったので、協奏曲としては、まあまあの出来といったところか。

■公演番号C-24e 17:00~18:10 Hall C S席 1階 15列 13番 3,000円
指 揮: 金 聖響
管弦楽: 兵庫芸術文化センター管弦楽団
【曲目】
ブルックナー: 交響曲 第7番 ホ長調

 言わずと知れたブルックナーの名曲。指揮が金聖響さんだったので迷わずチケットを申し込んだら、けっこう良い席が取れた。オーケストラの兵庫芸術文化センター管弦楽団というのが東京では馴染みがないせいか、この公演のチケットは昨日まで完売しないでいたようだ。私も佐渡裕プロデュースオペラで名前を見かけるくらいで、もちろん聴いたことはない。正直言うと期待半分であった。
 ところが曲が始まったらそなん懸念は吹っ飛んでしまった。とにかく素晴らしいの一語に尽きる。金さんの指揮も素晴らしく的確に音楽を構成していくが、それに見事に応えていたのがオーケストラ。弦楽の緻密なアンサンブル、限りなく透明なヴァイオリン、真摯な中にも豊かさを感じさせるチェロなど、第1楽章から天上の音楽がさざ波のようにホールを満たしていく。永遠に続くのような繰り返される主題に対しても、現れるたびに異なるニュアンスを見せ、全体的にも構成感がガッチリしている。しばしばも問題にされる金管楽器群もけっこう上手くまとめていた。ワグナーチューバも大きな問題なし。ホルンは完璧とはいえなくも、ここぞという時に艶のある豊かな音色を響かせていた。第3楽章のトランペットの主題もキレイな音で決めていた。第4楽章のコーダ、フィナーレの全合奏の清らかで厚みのある音の美しさ…。金さんの音楽作りとオーケストラの情熱がピタリと一致した、素晴らしい演奏だったと思う。在京オケの定期演奏会などを遥かに凌ぐ演奏だったと断言できる。これまでに聴いたブルックナーの7番の中でも1-2を争う名演だった。昨年2010年11月に聴いたフランツ=ウェルザー・メスト指揮クリーブランド管弦楽団の演奏に匹敵すると思う。

 今日は有料公演はオーケストラばかりだったが、最後のブルックナーで打ちのめされた感じ。

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【追加記載: 2011年5月6日午前3時30分】
上記の「地上広場キオスクにおける無料公演《国立音楽大学(ソプラノ&ピアノ)》14:30~14:50」に出演されていた方からコメントをいただきました(コメント参照)。不明だった点を教えていただきましたので、追加情報として以下の通り掲載しておきます。
■地上広場キオスクにおける無料公演《国立音楽大学(ソプラノ&ピアノ)》14:30~14:50
ソプラノ: 川辺 茜
ピアノ: 岡本知也
【曲目】
アルマ :「静かな町」
     「父の庭に」
     「あなたのそばでは打ち解けられる」
     「私は花の下をさまよう」 ※アルマはマーラーの妻です。
マーラー:「春の朝」
     「思い出」
     「夏の交代」
     「別離と忌避」

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2 コメント

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お聴きいただきありがとうございました! (川辺茜)
2011-05-06 01:20:12
突然のコメントで失礼いたします。たまたまこちらのページにたどり着きました。
地上広場キオスクにおける無料公演《国立音楽大学(ソプラノ&ピアノ)》14:30~14:50 で演奏させていただきました川辺茜(かわべあかね)と申します。(どこにも名前や曲目が出ていないことを、後になって知りました・・・)共演者は岡本知也さんです。私たちは国立音大の大学院で勉強を続けています。
曲目ですが、前半はマーラーの妻であったアルマの作品から〈静かな町〉〈父の庭に〉〈あなたのそばでは打ち解けられる〉〈私は花の下をさまよう〉を演奏いたしました。彼女の歌曲は14曲しか現存していないため、マイナーかもしれません。後半はマーラーの歌曲から〈春の朝〉〈思い出〉〈夏の交代〉〈別離と忌避〉を演奏いたしました。〈夏の交代〉はマーラーの交響曲第3番のスケルツォにメロディーが転用されていることでも知られています。
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ご本人様ですか!! (ぶらあぼ)
2011-05-06 01:36:02
川辺 茜 様
コメントありがとうございます。まさか出演者のご本人からコメントをいただけるなんて、恐縮です。
楽曲はマーラーとアルマだったのですね。リストでも、ブラームスでも、シュトラウスでもなかったですね。これだから素人は…好き勝手なこと書いてしまって申し訳ありませんでした。お祭りに免じてお許しください(反省)。
川辺様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。演奏会などのご予定がありましたら、ぜひお知らせください。PAを通さない歌唱を聴かせていただきたいです。
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