東京二期会オペラ劇場/オペレッタ『メリー・ウィドー』全3幕(日本語上演)
2010年11月21日(日)15:00~ 日生劇場 C席 2階 H列 38番 8,000円
指 揮: 下野竜也
管弦楽: 東京交響楽団
合 唱: 二期会合唱団
演 出: 山田和也
日本語台本: 佐藤万里
訳 詩: 野上 彰(ワルツは堀内敬三)
出 演: ハンナ・グラヴァリ: 澤畑恵美
ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵: 星野 淳
ミルコ・ツェータ男爵: 加賀清孝
ヴァラシェンヌ: 菊地美奈
カミーユ・ド・ロジョン: 上原正敏
カスカーダ子爵: 大川信之
サン・ブリオッシュ: 北側辰彦
クロモー: 福山 出
ボグダノヴィッチ: 小川裕二
シルヴィアーヌ: 佐々木弐奈
オルガ: 加賀ひとみ
プラシコヴィア: 与田朝子
プリチッチュ: 米谷毅彦
マキシムの踊り子たち ロロ: 芝沼香織
ドド: 鈴木純子
ジュジュ: 浪川佳代
フルフル: 柿谷美雪
クロクロ: 後藤絵美
マルゴー: 鈴木美也子
ニェーグシュ: 鎌田誠樹
東京二期会の2010/2011シーズンの公演で、ベルリオーズの『ファウストの劫罰』(2010年7月)、モーツァルトの『魔笛』(2010年9月)に続いての第3弾が、レハールの傑作オペレッタ『メリー・ウィドー』である。公演は、2010年11月19日(金)・20日(土)・21日(日)・23(火・祝)日の4回で,本日はその3日目。いつものようにダブル・キャストが組まれ本日のキャストは19日・21日組である。
何よりも嬉しいのは日本語による公演だと言うこと。もともとオペレッタには上演地の言語で行うという習慣もあり、言語の壁に苦労しながら観てもしょうがない、というくらいにお気楽に楽しもうという面を持っている。歌と台詞によって物語を進めていくジングシュピールの形式で、軽妙洒脱な喜劇中心でだということも手伝って、台本も比較的気軽に翻案されてしまう。今回の東京二期会の公演も、単純に日本語化したというだけでなく、芝居っけたっぷりの楽しい台本に仕上がっていた。字幕を追いかける必要がないのは誰にでも共通だから、子供たちでも楽しめると言うことで、これはこれでとても素晴らしいことだと思う。
個人的にもオペレッタは好きな方なので、とくに人気の『メリー・ウィドー』やヨハン・シュトラウスIIの『こうもり』が上演されるときは、できるだけ足を運ぶようにしている。オペラやクラシック音楽とはちょっと違って、難しいことは一切考えずに、お気軽に楽しめるところが実に良い。今日はとても気持ちの良い3時間を過ごさせてもらって、大満足だった。
『メリー・ウィドー』の作品としての素晴らしさは、何といってもその魅力的な音楽にある。一度聞いただけてすぐに覚えてしまえるほど、単純で親しみやすい旋律、ワルツやフレンチ・カンカンなど浮き浮きするようなリズム感、底抜けに明るい、バカバカしいほど楽しげな音楽が、前奏曲からフィナーレまでぶっ続け。よくもまあ、これほどオメデタイ音楽を作ったものだというくらい陽気だ。そして描かれている物語が毒気のまったくない恋愛喜劇だ。主人公のハンナとダニロの恋の行方はともかくとして、サブ・ストーリー的に描かれているのは、男も女も皆「浮気」をしている。決して「不倫」のイメージではない、あくまで「浮気」なのだ。だから「浮気」がバレたとしても、どちらかが謝ってしまえば最後は簡単にハッピーエンドになるし、そういう結末を皆が望んだいるのだ。だから、円満な夫婦が連れ立って観に行っても楽しめるし、逆に不倫関係のカップルがお忍びで観に行っても、やはり笑えるのだ。だからこそ100年以上にもわたって世界中で愛され続けられる作品になったのだろう。
今日の上演について振り返ってみよう。
ハンナ・グラヴァリ役の澤畑恵美さんは、東京二期会のプリマ・ドンナとして貫禄の歌唱と演技で観客を魅了した。ステージに現れるだけで華がある存在感は素晴らしい。艶のある柔らかな声と美しい立ち姿に加えて、煮え切らないダニロに苛立つ風情などは、女性的な仕草やオペレッタ風の大袈裟な演技がとても素敵だ。有名な「ヴィリアの歌」も拍手喝采で、観客の拍手に応えてしまう所などはオペレッタならではの楽しさだ。
ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵役の星野淳さんは、根は生真面目なのにマキシムで羽目を外す時のニヤケ方など、良い味を出していた。もちろん歌唱力も素晴らしく、第3幕最後の「Lippen schweigen(閉ざした唇に/メリー・ウィドーのワルツ)」の甘~い歌声はホロっとさせられた。星野さんは今シーズン2010年12月~2011年1月の新国立劇場の話題の新制作『トリスタンとイゾルデ』に出演されるなど、活躍中である。
ミルコ・ツェータ男爵役の加賀清孝さんはさすがにベテランの味わい。どこか抜けている公使役を楽しんで演じているようだった。台詞が多い役なのだが、よく通るバリトンが聞きやすい。
ヴァラシェンヌ役の菊地美奈さんは、明るいキャラクターがこの役にピッタリ。浮気っぽい女でありながら貞淑な妻でもあり、ちょっとわがままでお侠な役柄を生き生きと演じ、歌って、踊っていた。実際この役は、公使夫人でありながら元歌手という設定なので、第3幕はミュージカルのように歌って踊って、フレンチ・カンカンまでやらなければならないから、なかなか大変な役である。菊地さんはカン高い笑い声がよく通り、踊り子たちに中にいても存在感がある。スラリとした立ち姿もこの役によく合っているようだ。もちろん歌唱も素晴らしかった。若々しい躍動感があり、エネルギッシュで生き生きとした歌唱に、Brrrrava!! である。菊地さんは、東京二期会の来年2011年4月の公演『フィガロの結婚』でスザンナを歌うことが決まっていて、やはり活躍中だ。彼女のキャラクターはスザンナにもピッタリだと思うので、来年4月が楽しみだ。
カミーユ・ド・ロジョン役の上原正敏さんは甘いテノールが素敵だ。第2幕の後半、ヴァラシェンヌを口説いて東屋に連れ込むシーンの二重唱は、たっぷりと叙情的に歌い、人妻をよろめかせるだけの説得力のある(?)歌いっぷりだった。
もうひとり大事な役回りのニェーグシュ(歌のない台詞だけの役)は、ミュージカル俳優の鎌田誠樹さんが演じた。この役は年寄りのイメージが強いが、今回は大使館の書記官というよりは、若い使いっ走りのような演出になっていた。やはり大袈裟な身振りが芝居っけたっぷりで、大いに笑わせてくれた。
オーケストラの演奏については、指揮者の下野竜也さんが東京二期会で振るのは久しぶりらしいが、最近の彼の活躍ぶりと評価の高さをうなずかせるに十分な、素晴らしい演奏だった。『メリー・ウィドー』の音楽は明るく優雅で、全編が踊りのリズムに溢れている。それだけに演奏のリズム感が悪かったり、重くなってしまうと、ウィーンっぽい軽妙さやハンガリーっぽい躍動感がなくなり、ぶち壊しになってしまう。日本のオーケストラではしばしば真面目に演奏しすぎてカタッ苦しく重くなってしまうことがあるのだが、今日の下野さんは実に軽快にノリとキレの良い演奏で楽しませてくれた。
東京交響楽団も、音響の悪い日生劇場であることを忘れさせるほど、全体的に明快な音を聴かせていた。各ソロの部分なども切なく感傷的な音色で、オペレッタに色彩感を与えていた。下野さんと合わせて、Bravo! な演奏だった。
東京二期会のオペラ上演はいつも上質である。安易に海外から実力のある歌手を呼んだりもせず、二期会所属の歌手たちと合唱団だけで上演するという考え方も素晴らしく、共感できる。実際に彼らの音楽的なクオリティはかなり高く、ヨーロッパの地方都市の中堅歌劇場か、あるいはそれ以上の実力は十分にあると思うのだが(何よりも歌手たちの層が厚い)、悲しいことに常設の劇場とオーケストラを持たず、音楽監督も置かれていないために肝心の音楽が上演のたびにバラつきがあるように感じる。実に惜しいことだ。だか今日は、そんな思いを払拭させてくれた、非常に楽しい3時間だった。何より、指揮の下野さんを始め、歌手の方々、合唱団、オーケストラのまとまりが実に良かった。細かいことは気にならないオペレッタだったからというわけではないだろうが、聴衆も一緒になって手拍子をしながら、大いに楽しんだ、幸せに満ちた日曜日の午後だった。
珍しく、アフター・オペレッタのお話し。
日生劇場から歩いても5~6分、銀座7丁目の「音楽ビヤプラザ ライオン銀座店」に行った。この店は基本的にはビヤホールだが、店内にミニ・ステージとグランド・ピアノがあって、クラシックの音楽家たちが毎日ライブ・ステージを繰り広げるという趣向の店である。出演する音楽家たちは、皆さん本格的なレベルのプロの方たちで、歌曲を多く採り上げるためか、声楽家の方々も多い。実は、今日の『メリー・ウィドー』でヴァラシェンヌを歌った菊地美奈さんもここのメンバーのひとり。もちろん今日は日生劇場に出ているのだから、ここ「音プラ」への出演はないが、クラシック音楽やオペラ好きには楽しいお店なので、アフター・オペレッタと洒落込んだわけである。
そうして音楽と食事を楽しんでいたら、当の菊地美奈さんが来店。公演の打ち上げの前に顔を出してくれたようだ。今日は『メリー・ウィドー』からの流れのお客も何組かいらっしゃっていたようで、あちこちのテーブルでお話しが盛り上がっていた。私はといえば、『メリー・ウィドー』のプログラムを持っていたので、早速サインをいただいたり、記念写真を撮ったりと…。でも、ついさっきまでオペレッタの準主役を歌っていたご本人とお話しできるなんて、本当に素晴らしいことですよね(*^^)v。
なぜか出演者の写真が皆私服姿というプログラムにサインしていただきました。
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2010年11月21日(日)15:00~ 日生劇場 C席 2階 H列 38番 8,000円
指 揮: 下野竜也
管弦楽: 東京交響楽団
合 唱: 二期会合唱団
演 出: 山田和也
日本語台本: 佐藤万里
訳 詩: 野上 彰(ワルツは堀内敬三)
出 演: ハンナ・グラヴァリ: 澤畑恵美
ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵: 星野 淳
ミルコ・ツェータ男爵: 加賀清孝
ヴァラシェンヌ: 菊地美奈
カミーユ・ド・ロジョン: 上原正敏
カスカーダ子爵: 大川信之
サン・ブリオッシュ: 北側辰彦
クロモー: 福山 出
ボグダノヴィッチ: 小川裕二
シルヴィアーヌ: 佐々木弐奈
オルガ: 加賀ひとみ
プラシコヴィア: 与田朝子
プリチッチュ: 米谷毅彦
マキシムの踊り子たち ロロ: 芝沼香織
ドド: 鈴木純子
ジュジュ: 浪川佳代
フルフル: 柿谷美雪
クロクロ: 後藤絵美
マルゴー: 鈴木美也子
ニェーグシュ: 鎌田誠樹
東京二期会の2010/2011シーズンの公演で、ベルリオーズの『ファウストの劫罰』(2010年7月)、モーツァルトの『魔笛』(2010年9月)に続いての第3弾が、レハールの傑作オペレッタ『メリー・ウィドー』である。公演は、2010年11月19日(金)・20日(土)・21日(日)・23(火・祝)日の4回で,本日はその3日目。いつものようにダブル・キャストが組まれ本日のキャストは19日・21日組である。
何よりも嬉しいのは日本語による公演だと言うこと。もともとオペレッタには上演地の言語で行うという習慣もあり、言語の壁に苦労しながら観てもしょうがない、というくらいにお気楽に楽しもうという面を持っている。歌と台詞によって物語を進めていくジングシュピールの形式で、軽妙洒脱な喜劇中心でだということも手伝って、台本も比較的気軽に翻案されてしまう。今回の東京二期会の公演も、単純に日本語化したというだけでなく、芝居っけたっぷりの楽しい台本に仕上がっていた。字幕を追いかける必要がないのは誰にでも共通だから、子供たちでも楽しめると言うことで、これはこれでとても素晴らしいことだと思う。
個人的にもオペレッタは好きな方なので、とくに人気の『メリー・ウィドー』やヨハン・シュトラウスIIの『こうもり』が上演されるときは、できるだけ足を運ぶようにしている。オペラやクラシック音楽とはちょっと違って、難しいことは一切考えずに、お気軽に楽しめるところが実に良い。今日はとても気持ちの良い3時間を過ごさせてもらって、大満足だった。
『メリー・ウィドー』の作品としての素晴らしさは、何といってもその魅力的な音楽にある。一度聞いただけてすぐに覚えてしまえるほど、単純で親しみやすい旋律、ワルツやフレンチ・カンカンなど浮き浮きするようなリズム感、底抜けに明るい、バカバカしいほど楽しげな音楽が、前奏曲からフィナーレまでぶっ続け。よくもまあ、これほどオメデタイ音楽を作ったものだというくらい陽気だ。そして描かれている物語が毒気のまったくない恋愛喜劇だ。主人公のハンナとダニロの恋の行方はともかくとして、サブ・ストーリー的に描かれているのは、男も女も皆「浮気」をしている。決して「不倫」のイメージではない、あくまで「浮気」なのだ。だから「浮気」がバレたとしても、どちらかが謝ってしまえば最後は簡単にハッピーエンドになるし、そういう結末を皆が望んだいるのだ。だから、円満な夫婦が連れ立って観に行っても楽しめるし、逆に不倫関係のカップルがお忍びで観に行っても、やはり笑えるのだ。だからこそ100年以上にもわたって世界中で愛され続けられる作品になったのだろう。
今日の上演について振り返ってみよう。
ハンナ・グラヴァリ役の澤畑恵美さんは、東京二期会のプリマ・ドンナとして貫禄の歌唱と演技で観客を魅了した。ステージに現れるだけで華がある存在感は素晴らしい。艶のある柔らかな声と美しい立ち姿に加えて、煮え切らないダニロに苛立つ風情などは、女性的な仕草やオペレッタ風の大袈裟な演技がとても素敵だ。有名な「ヴィリアの歌」も拍手喝采で、観客の拍手に応えてしまう所などはオペレッタならではの楽しさだ。
ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵役の星野淳さんは、根は生真面目なのにマキシムで羽目を外す時のニヤケ方など、良い味を出していた。もちろん歌唱力も素晴らしく、第3幕最後の「Lippen schweigen(閉ざした唇に/メリー・ウィドーのワルツ)」の甘~い歌声はホロっとさせられた。星野さんは今シーズン2010年12月~2011年1月の新国立劇場の話題の新制作『トリスタンとイゾルデ』に出演されるなど、活躍中である。
ミルコ・ツェータ男爵役の加賀清孝さんはさすがにベテランの味わい。どこか抜けている公使役を楽しんで演じているようだった。台詞が多い役なのだが、よく通るバリトンが聞きやすい。
ヴァラシェンヌ役の菊地美奈さんは、明るいキャラクターがこの役にピッタリ。浮気っぽい女でありながら貞淑な妻でもあり、ちょっとわがままでお侠な役柄を生き生きと演じ、歌って、踊っていた。実際この役は、公使夫人でありながら元歌手という設定なので、第3幕はミュージカルのように歌って踊って、フレンチ・カンカンまでやらなければならないから、なかなか大変な役である。菊地さんはカン高い笑い声がよく通り、踊り子たちに中にいても存在感がある。スラリとした立ち姿もこの役によく合っているようだ。もちろん歌唱も素晴らしかった。若々しい躍動感があり、エネルギッシュで生き生きとした歌唱に、Brrrrava!! である。菊地さんは、東京二期会の来年2011年4月の公演『フィガロの結婚』でスザンナを歌うことが決まっていて、やはり活躍中だ。彼女のキャラクターはスザンナにもピッタリだと思うので、来年4月が楽しみだ。
カミーユ・ド・ロジョン役の上原正敏さんは甘いテノールが素敵だ。第2幕の後半、ヴァラシェンヌを口説いて東屋に連れ込むシーンの二重唱は、たっぷりと叙情的に歌い、人妻をよろめかせるだけの説得力のある(?)歌いっぷりだった。
もうひとり大事な役回りのニェーグシュ(歌のない台詞だけの役)は、ミュージカル俳優の鎌田誠樹さんが演じた。この役は年寄りのイメージが強いが、今回は大使館の書記官というよりは、若い使いっ走りのような演出になっていた。やはり大袈裟な身振りが芝居っけたっぷりで、大いに笑わせてくれた。
オーケストラの演奏については、指揮者の下野竜也さんが東京二期会で振るのは久しぶりらしいが、最近の彼の活躍ぶりと評価の高さをうなずかせるに十分な、素晴らしい演奏だった。『メリー・ウィドー』の音楽は明るく優雅で、全編が踊りのリズムに溢れている。それだけに演奏のリズム感が悪かったり、重くなってしまうと、ウィーンっぽい軽妙さやハンガリーっぽい躍動感がなくなり、ぶち壊しになってしまう。日本のオーケストラではしばしば真面目に演奏しすぎてカタッ苦しく重くなってしまうことがあるのだが、今日の下野さんは実に軽快にノリとキレの良い演奏で楽しませてくれた。
東京交響楽団も、音響の悪い日生劇場であることを忘れさせるほど、全体的に明快な音を聴かせていた。各ソロの部分なども切なく感傷的な音色で、オペレッタに色彩感を与えていた。下野さんと合わせて、Bravo! な演奏だった。
東京二期会のオペラ上演はいつも上質である。安易に海外から実力のある歌手を呼んだりもせず、二期会所属の歌手たちと合唱団だけで上演するという考え方も素晴らしく、共感できる。実際に彼らの音楽的なクオリティはかなり高く、ヨーロッパの地方都市の中堅歌劇場か、あるいはそれ以上の実力は十分にあると思うのだが(何よりも歌手たちの層が厚い)、悲しいことに常設の劇場とオーケストラを持たず、音楽監督も置かれていないために肝心の音楽が上演のたびにバラつきがあるように感じる。実に惜しいことだ。だか今日は、そんな思いを払拭させてくれた、非常に楽しい3時間だった。何より、指揮の下野さんを始め、歌手の方々、合唱団、オーケストラのまとまりが実に良かった。細かいことは気にならないオペレッタだったからというわけではないだろうが、聴衆も一緒になって手拍子をしながら、大いに楽しんだ、幸せに満ちた日曜日の午後だった。
珍しく、アフター・オペレッタのお話し。
日生劇場から歩いても5~6分、銀座7丁目の「音楽ビヤプラザ ライオン銀座店」に行った。この店は基本的にはビヤホールだが、店内にミニ・ステージとグランド・ピアノがあって、クラシックの音楽家たちが毎日ライブ・ステージを繰り広げるという趣向の店である。出演する音楽家たちは、皆さん本格的なレベルのプロの方たちで、歌曲を多く採り上げるためか、声楽家の方々も多い。実は、今日の『メリー・ウィドー』でヴァラシェンヌを歌った菊地美奈さんもここのメンバーのひとり。もちろん今日は日生劇場に出ているのだから、ここ「音プラ」への出演はないが、クラシック音楽やオペラ好きには楽しいお店なので、アフター・オペレッタと洒落込んだわけである。
そうして音楽と食事を楽しんでいたら、当の菊地美奈さんが来店。公演の打ち上げの前に顔を出してくれたようだ。今日は『メリー・ウィドー』からの流れのお客も何組かいらっしゃっていたようで、あちこちのテーブルでお話しが盛り上がっていた。私はといえば、『メリー・ウィドー』のプログラムを持っていたので、早速サインをいただいたり、記念写真を撮ったりと…。でも、ついさっきまでオペレッタの準主役を歌っていたご本人とお話しできるなんて、本当に素晴らしいことですよね(*^^)v。
なぜか出演者の写真が皆私服姿というプログラムにサインしていただきました。
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