画像は講義のレジメより引用
今回の韓国では、丹青(タンチョン)の美しさに出会った旅でもありました。
日本にあっては正直、いささかの反撥というか、違和感を持って、異国のもので、日本人には所詮なじめない異質な存在と思っていました。
ところが、華やかさの中にも抑制された美しさを持つ丹青を、韓国の風土の中では素直に、あらためて美しいと感じることができました。
お寺の祠堂(サダン)を華やかに彩り、そこが異空間であるであることを告げています。色で聖なる空間であることを示し、その権威性さえも感じさせました。
丹青は五彩ともよばれる青・赤・黄・白・黒の五色で、青は東(木)、赤は南(火)、黄は中央(土)、白は西(金)、黒は北(水)をあらわす五方・五行に関わるもので、中国から伝来した僻邪進慶の色なのだそうです。
そういえば、あの能舞台の、橋掛かりへの揚幕に用いられているのもこの五彩だし、端午の節句の鯉幟の吹流しの色でもあります。七夕の短冊、寺院のはれの日の幔幕も。「青丹よし奈良」の都もかつては多くの五彩がみられたのでしょう。
「韓民族にとっての丹青の五色は、寿福招来の、幸せをもたらすシンボルカラーである」と、専門にしているメンバーの方に伺いました。
画像は佛国寺仏殿の枓栱や垂木、梁、桁に施された五彩の装飾 |