「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

ナニワイバラ

2007年05月05日 | 遊びと楽しみ
 先日、ブログ展(4月29日)の記事の中で、最後にUPしていた薔薇の正しい名前がわかりました。
 
 折にふれて、拙い当ブログに、適切で、ピリッと山葵の利いた小粋なコメントを入れてくださるRHさんが教えてくださいました。

 先代から既に棲み付いていた茨の系統の薔薇です。棘の多い一重咲きの白の大きな五辨は、夏椿を小型にしたような素朴で清楚な姿が私の好みでした。
 剪り詰められていたのをいとおしんで育てるうち、年々大きな姿になり、気に入られて、あちこちに嫁入りしてゆきました。

 いい継がれていたままの名前で、“やまとばら”といって送り出していました。
 念のためとネットで一応の検索はしてみましたが、8000点を越える四季の草花の掲載の中にも、どこにも該当する画像を見つけることができずにいました。

 今日のRHさんのコメントで、“ナニワイバラ”ではありませんかと、ご指摘いただき、早速調べてみましたら、まさしく我が家の“やまとばら”こと、“ナニワイバラ”に逢うことができました。

 名前違いのまま嫁いでいった子たちです。慎んで、改名をお願いします。
 ブログの効力で、たちどころに訂正ができるのを喜んでいます。

 それにしても、RHさんは、鳥に関しては、知識と造詣が深い方であることは、よく知っていましたが、ITに関わるお仕事の技術屋さんが、植物の領域にも詳しいとは驚きでした。

 ネットでナニワイバラを検索してみて、画像で確かめることができました。この薔薇に関しては、次の「野の花ガーデン」のホームページに詳細な検証がなされていて、これも驚きでした

   
http://www2.tcn.ne.jp/~urakawah/b.laevigata.htm
 
 和名を“己加女川留”コカメツルということ、貝原益軒は“金罌子”の漢字に「ナニワイバラ」と片仮名をふっているとか、平安時代の中ごろには、キンオウシの名前が知られていたとか、「延喜式」にも見えると書いてあって、一説には、江戸時代難波商人による渡来ではなく、古くから日本にあったとする人もあると紹介されています。

 正確なことも、詳しいこともわかりませんが、かなり由緒ある原種の一つのようなので、敬意を表して、雨の中、もう花は終わりで、一輪だけ、散り残っていた花をカメラに収めました。
 この花は、散り際も美しく、大きな五辨の花びらをハラハラと、潔く落として散っていきます。