「ソロモンの偽証: 第III部 法廷 下巻」
宮部 みゆき
新潮社 2014年10月29日
2014年11月13日 10:54
★5
★5は最後の短編『負の方程式』に対してね。
まぁ、『負の方程式』も『ソロモンの偽証』の一部と言えば言えるから。
中学生だった彼や彼女がどんな大人に成長したのか?
1人は本編の最後に出てきたけれど、他の子たちは?
短編に出てきた2人は納得の人生を歩き中。
いや、1人は走ってるか。
他の子たちの(ソロモンからの)未来も知りたいものだけど・・・いつかどこかで逢えたらいいな。
短編なのに読みごたえがあったのはバックグラウンドに長い長い『ソロモンの偽証』があったからだろうが、中身がギュッと詰まって最後まで気が抜けない、いい作品だったと思う。
最後が微笑ましく終わってくれたのも良かった。
やっぱり本編は、疲れたもん。
暗めのファンタジーみたいだし、本気の現実みたいだし。
中学生たちの”本気”に引きずられ、最終巻まできた。
それまでの道のりで告発状の”嘘”も裁判としての被告の罪の有無も分かっているのにどう裁判を終結させるのだろうと思っていたけれど・・・そうきたか!って。
宮部みゆきでしたわ。
これは映画になるそうで、昨日、たまたまキャストが発表された記事を読み、そして今朝の情報番組で動くヒロインを観た。
新人の女優さんで、演じる”藤野涼子”がそのまま芸名になったとか。
映画になることを知っていて読んでも中学生という年齢で、具体的な女優さんが浮かばなかったけれど、納得の藤野涼子だった。
この映画は中学生たちの演技にかかっているだろうと思っている。
作品の中学生たちがスーパー中学生であったように、演じる役者さんもスーパー中学生でなきゃね。
映画を観るかと言えば・・・もういいかなって。
原作を読み切るのに結構体力を消耗する作品だったからね。
作品が悪いって訳じゃなく、中に入り込まざるを得ないからしんどいのよ。