笑顔浴

優しい時間

私がここに居ます

2018年09月29日 | Weblog

 

交流分析で「存在を認める1単位」をストロークと呼びます。

「生きるための必須心の栄養素」とでも申しましょうか。

それなしでは、私達は生きていられないと考えます。

プラスのストロークは、挨拶する ねぎらう 楽しく話す(その場が居心地よくなる) 

マイナスのストロークは、暴言で脅す 嫌がらせをいう (その場がとげとげしくなる)

どちらの手段をつかうか、本人が選ぶのですが

目的はただ一つ、誰かに「私がここに居ますよ」と伝えて、

その返事である どちらかのストロークを得ること。

もしも全員に無視されたら、ストロークは0個です。

ストローク飢餓と呼びます。

 

 今朝から、1日かけて 提出してくれたレポートに目を通しています。

 小っちゃい文字でよく書けるわ~、と虫眼鏡を使って読んでいると・・

 

「(印象に残ったこと)

 先生の話し方の悪さのせいで、生徒のためにはならないだろうなと感じた。

 22歳以上の成人に話す話し方ではなく、無駄に長く、ストレスそのものであり

 ストレスや自殺についての授業だとは思えなかった。

 このような授業は、小学生までで十分であり

 勉強しなければならない時期に、これはとても無駄な時間であると思う。

 ただ、考える機会を得られたのは良かったと思う。」

 

 彼は無口な人で、1年生か2年生の講義の時にも 

「お金を払っているので、まともな授業をしろ」などと

 提出レポートに、極小文字でつづっていた。

「受講した君の役に立たなかったことは、申し訳ないが 

 私の雇用契約の相手は大学であって、君ではない。

 よって、君の指示は受けない」と返事を書いて

 信頼できる先生に、フォロー面談をしてもらった。

 ワークに全く参加できない、孤立度が心配だった。

 

 4年生になった今も、彼のストロークは飢餓状態であり

 ストロークなら何でもよいのだろう。

 たとえ嫌なストロークであっても、求めずにはいられない。

 彼の常套手段であることに、私はほのかに気付いている。

 今回も無視せず、お返事せねばなるまい。

 

「A君、22歳以上の成人になっても

 まだ、こんなことしかレポートに書けないのか。

 印象に残るとは、君の思考がどう深まったかということだ。

 私の話し方の悪さは、教えてくれずとも、自覚はできている。

 残念なことに、私もなかなか変わることができないのだ。

  君が望むなら、150人分の提出レポートを読んでみるかい?

 自分と向き合い、視野を広げて、人として成長したのが感じられるよ。

 「生徒のためにならない」は「ぼくのためにならない」が、正しい表現だ。

 それならば理解できる。

 君は何を感じても良いし、私から学ばないのも自由だ。

 最期まで退席せず レポート提出も嬉しいよ、ありがとう」

 

 私の授業はストレスそのものだ、無駄な時間だと訴えながら

 「ただ、考える機会を得られたのは良かったと思う」などと

 わざわざ追記するところが チャーミングじゃろう!

 

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