ピピ
ザヮヮヮヮヮヮヮ ・・・・・・
バチチ ・・・
枝と葉の音がする・・・
外に出ると、空気がつめたい。
シャワーを浴びて、しっかり拭いたけどまだ髪は乾いてはいない。
紙短いし、すぐ乾くだろう。
空は日が沈んで、星空の明るさ。
それを背景に、樹冠の陰がゆれてる。
よく風が吹く。
ガャ ガャ ♪
ヮィ ヮィ ♪
バチチン
トレーラーからリンゴの木の広場までは、遠くない。
2か所でたき火していて、村の人たちが見てくれている。
街灯の様なものは無くて、マッチョさんがロープを張ってランタンライトを吊るしたからその灯りもゆれてる。
いつもより明るいだろう夜の広場に、村の人が集まってる。
せっかくの人が訪ねて来たので、みんなで歓迎してくれるらしい。
ただ、ざっくりと聞いた話では定期的に食べ物などを運んでいる様で、食事はわたしたちの方で準備することにした。
多少の余裕は持たせているのだろうけど。村の食料を消費させないため。
そろそろ雪が積もることもある時期らしいし。
ガタタ ・・・
台車で、斧さんが荷台からトレーラーに運んでる。
食料。
すき焼きである。
100人分用意するので、冷凍の肉は使い切るかもしれない。
1人分の肉は少なくても、しいたけとかもおいしい。
他にもいくつか料理は作るみたい。
ト
私も荷台に向かう。
着替えなどを入れるナイロン袋を、箱ベッドに置いてくる。
洗濯は後で。
ガタ
「あ、マロックさん」
リフが木箱を抱えて歩いて来る。
「今は空いてるよ」
「・・・うん」
私の髪を見たから、シャワーを浴びて来たのは分かった様。
今はシャワールームは空いている。
リフはまだだろう。
今日は、3台とも同じ方向を向いている。
ジャリ
チュン
日が沈んでも明るいから、森の小鳥たちも来てる。
「ニャ~」
黒猫がいた。
外はさむいのに、ウロウロしてる。
バレッタさんを探しに行った雪壁の村では、黒猫はいい服を着せてもらっていた。
ノロマさんが、きっと持っていると思う。
ギィ ・・・
荷台のドアは空いたまま。
ガタ
中に入ると、コックさんがいる。
「・・・・」
私はチラッと左の枠台車を見る。
秘密のゴミ袋は、気付かれていない様。
「俺も何か持って行こうか」
「もういい」
タブレットを押してる。
在庫をあれで管理しているらしい。
私がつまみ食いした分は、減ってないだろう。
今日のでだいぶ減っただろう。
それでも、まだ十分あるけど。
森を出たら、またたくさん買っておけばいい。
「・・・パンケーキなら、俺が焼くよ」
タブレットから顔を上げたコックさんに私は言った。
「今日はいい」
「そう」
タ
そしてコックさんは去った。
「ニャ~」
黒猫は足元。
袋置いて来よう・・・・
トコ
ォォォォォォ ・・・・・
キキ