袋を持って

2017年12月23日 23時33分01秒 | マーロックの日記

                        ピピ

                                             ザヮヮヮヮヮヮヮ ・・・・・・

             バチチ  ・・・

枝と葉の音がする・・・

外に出ると、空気がつめたい。

シャワーを浴びて、しっかり拭いたけどまだ髪は乾いてはいない。

紙短いし、すぐ乾くだろう。

空は日が沈んで、星空の明るさ。

それを背景に、樹冠の陰がゆれてる。

よく風が吹く。

                                       ガャ ガャ ♪

                             ヮィ  ヮィ ♪

              バチチン

トレーラーからリンゴの木の広場までは、遠くない。

2か所でたき火していて、村の人たちが見てくれている。

街灯の様なものは無くて、マッチョさんがロープを張ってランタンライトを吊るしたからその灯りもゆれてる。

いつもより明るいだろう夜の広場に、村の人が集まってる。

せっかくの人が訪ねて来たので、みんなで歓迎してくれるらしい。

ただ、ざっくりと聞いた話では定期的に食べ物などを運んでいる様で、食事はわたしたちの方で準備することにした。

多少の余裕は持たせているのだろうけど。村の食料を消費させないため。

そろそろ雪が積もることもある時期らしいし。

                ガタタ  ・・・

台車で、斧さんが荷台からトレーラーに運んでる。

食料。

すき焼きである。

100人分用意するので、冷凍の肉は使い切るかもしれない。

1人分の肉は少なくても、しいたけとかもおいしい。

他にもいくつか料理は作るみたい。

            

私も荷台に向かう。

着替えなどを入れるナイロン袋を、箱ベッドに置いてくる。

洗濯は後で。

       ガタ

「あ、マロックさん」

リフが木箱を抱えて歩いて来る。

「今は空いてるよ」

「・・・うん」

私の髪を見たから、シャワーを浴びて来たのは分かった様。

今はシャワールームは空いている。

リフはまだだろう。

今日は、3台とも同じ方向を向いている。

          ジャリ

                      チュン

日が沈んでも明るいから、森の小鳥たちも来てる。

「ニャ~」

黒猫がいた。

外はさむいのに、ウロウロしてる。

バレッタさんを探しに行った雪壁の村では、黒猫はいい服を着せてもらっていた。

ノロマさんが、きっと持っていると思う。

                  ギィ  ・・・

荷台のドアは空いたまま。

            ガタ

中に入ると、コックさんがいる。

「・・・・」

私はチラッと左の枠台車を見る。

秘密のゴミ袋は、気付かれていない様。

「俺も何か持って行こうか」

「もういい」

タブレットを押してる。

在庫をあれで管理しているらしい。

私がつまみ食いした分は、減ってないだろう。

今日のでだいぶ減っただろう。

それでも、まだ十分あるけど。

森を出たら、またたくさん買っておけばいい。

「・・・パンケーキなら、俺が焼くよ」

タブレットから顔を上げたコックさんに私は言った。

「今日はいい」

「そう」

           

そしてコックさんは去った。

「ニャ~」

黒猫は足元。

袋置いて来よう・・・・

                トコ

                                             ォォォォォォ   ・・・・・

                              キキ


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