ザヮヮヮヮ ―――
ピピ ・・・
ジャプ
空の青が減ってる・・・
もう半分ぐらいは暗くなっていて、星も見える。
夜になると危ないので、もうボートをとめる。
舵はガードさんが持っていて、マッチョさんも2階の外に出てる。
「とまったね」
「はい」
ハットさんやカールさんも2階に来ていて、ノロマさん達はテラスから見てる。
アンカーをおろして、少し川に流されて止まった。
「いい場所だね」
「あ・・・うん」
ソバさんもいる。
切り込んだ陸地が低くなって、1階から陸に板を渡せそう。
もう少し下流だと、2階からでないと上陸できそうになかった。
タッ
マッチョさんが階段を下りる。
ここで上陸するかは、明日の日の出後に決める。
なので今日は、船を安定させるために陸地にロープを繋ぎに行くだけ。
前部のテラスから後部のバルコニーまで、両サイドには通路がある。
その真ん中の辺りに、手すりのない場所がある。
水面に下りるためのはしごもあるけど、板も置くことができる。
トコ ・・・
「クゥ♪」
抱えたチワワと一緒に、階段を下りる。
下には、もう斧さんとノッポさんが金属の板を持って用意してる。
右舷から陸に行く。
「・・・・」
アンカーはいい場所に下せた。
少し後部が流されるので、ロープを張る。
川岸のギリギリまで木はあるので、ペグじゃなくてそこに結ぼうという事になった。
布を木に巻いて、そこにロープを固定する。
「私たちも行っていい?」
「うん」
トコ
「クゥ♪」
「♪」
チワワをノロマさんに渡す。
ガタ ・・・
板の長さは十分。
―――
ノッポさんが板を踏んで、陸地側の硬さを確認してる。
まぁ、1階だし落ちてもつめたいだけ。
川の流れは穏やか。
「行こう」
ト
ノッポさんを先頭に、マッチョさんが続く。
―― タ
「・・・・」
斧さんより先に、私が板にのった。
十分な厚みのある合金の板で、これが折れる心配はほぼない。
幅も十分スペースがあり、カートを直接押して行ける。
両サイドに少し縁があって、うっかりカートを落としてしまうこともないだろう。
トン
ロープは2本。
別々の木につなぐ。
カチ
もうマッチョさんたちはライトを点けているけど、私も腕ライトを袖の上から付けて点ける。
チュチュチュチュン ♪
ポ
森の中はもう暗い。
ジャリ ・・・
陸に来た。
所々、石が露出した土。
♪ ♪
ノロマさんやエレガントさんも、渡ってくる。
「・・・・」
大きな木。
高さもある。
表面は苔。
ポー
「ニャ~」
黒猫がいる。
航空写真を見る限り、どこまでも森が続いてる。
GPSは使えそうにない。
「・・・」
黒猫の耳がよくうごく・・・・
♪ ♪ ――
ポ ポ
ザヮヮヮヮ ・・・・・