行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

日産米国工場での労組結成失敗の結果は?!

2017-08-14 18:03:27 | Weblog

米国からのニュースでは白人と黒人、貧富などで国民を分断するものがここのところ目立つ。
ミシシッピ州キャントンの日産工場で、全米自動車労組(UAW)が組合結成の賛否の投票を実施した。工場の約3,500人の従業員のうち、60%以上が組合結成に反対し、組合は結成できなかったが、ニューヨークタイムズが報じるところによれば、この間の日産経営とUAWの確執は凄まじく、工場労働者を分断する結果となった。

米国南部では労働組合の結成も自由でない。「働く権利法」という州法を制定し、労働者が、労働組合に入らない権利とか、チェックオフ(給料天引きの組合費徴収)を禁じるなど労組結成を妨げている。米国労働法では日本だと不当労働行為になる経営側の労組結成反対キャンペーン(例えば、社長が各従業員に労組がなくとも労働条件は確保するといった手紙を書く)は許される。

しかし、今回の日産経営側のキャンペーンは南部という労組があまり知られてない地域を利用し、「組合ができてストを打ったら解雇されるかも」といったフェイクニュースを流し、1人1人上司が面接し圧力をかけるといった手段に及んだ。キャントン工場の労働者は日産の時間給26ドルはミシシッピ州では平均以上で、休暇も四週間あり、周囲と比較しても恵まれていることもあって、UAWの組織化は失敗に終わった。

同じ南部のテネシー州で2014年2月チャタヌーガ、フォルクスワーゲン工場でもUAWは従業員投票で712対626で労組結成を阻まれたが、VW社経営は労組結成には反対せず、その後従業員代表と労使協議会を結成するなど、労使関係は順調に発展した。日産の場合はゴーン社長が労組結成に前向きながら現地経営者の強攻策で、労組賛成派と反対派のしこりは残ることになる。


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