行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

三越伊勢丹の社長が任期途中で辞める?

2017-03-11 21:53:27 | Weblog
日本を代表する百貨店、三越伊勢丹は大西洋社長(61)が辞任し、杉江俊彦取締役専務執行役員(56)が4月1日付で昇格すると発表した。大西氏は収益の柱を増やそうと、多くの新規事業を進めてきた。これに現場が反発して、労働組合が辞任を要求。経営から距離を置きつつあった石塚邦雄会長(67)が辞任を迫る異常事態だった。との報道。
 
ことし3月までの1年間の決算で、最終的な利益が前の年度より51%減少する見通しとなるなど、業績が低迷し、構造改革を進めている最中のことで、道半ばで旗振りリーダーが辞めるとはどういうことなのか??
 
これは、全国ネット百貨店の構造改革の難しさに三越と伊勢丹という伝統あるデパートの合併という要因が重なったものだろう。単なる人事抗争ではないことは後任の杉江専務が伊勢丹出身ということで判る。構造改革は先ず、全社経営陣のある程度のコンセンサスを得て、労働組合の協力がないと成功はおぼつかない。
 
同社の場合、新規事業を遂行するマンパワーが不足して、現場から不満が出ていた。そして最も難しい不採算店の閉鎖をコンセンサスを得ないまま、また労使協議も不充分なまま社長が記者会見で発表してしまった。17年3月の三越千葉店(千葉市)と三越多摩センター店(東京都多摩市)の閉店については、首都圏であるし、従業員の再配置も可能であるが、記者会見場で他にはと聞かれ、三越松山店(松山市)と広島店(広島市)についても候補と言ってしまった。旧三越出身者からは「なぜ三越ばかりなのか」とか、地方店の従業員はショックを受け、不安が大きかったようだ。
 
要は、構造改革の内容は正しくとも手順を踏み、コンセンサスを得ないと社長といえども放り出される実例だ。
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