行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

電気自動車の衝撃

2009-06-09 23:10:05 | Weblog
三菱自動車は2009年6月5日に電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」を7月下旬から販売すると発表した。1回の充電で160km走行でき、価格は459万900円だが政府の補助金を利用すれば、実質的な価格は約320万円となる。
日経の試算だと、深夜電気料金割引を利用すれば1kWhあたり9円17銭(東京電力)、i-MiEVのバッテリー容量は16kWhだから、単純計算するなら1充電あたりの電気代は160円以下となる。約160円で160km、約1円で1km走れる計算、ベース車「i」のターボモデルは10-15モード燃費が18.6km/Lだから、ガソリンが120円/Lとすると1km走るのにかかるガソリン代は約6.5円。あくまでも机上の計算だが、i-MiEVの燃料代はガソリン車よりも6倍以上安くなるとのこと。
しかも車からはCO2は一切出さない。これだけでも 衝撃的だがさらに技術面の分析は次のごとく分析してる。

i-MiEVのエンジンは当然電気モーター、その特性は最大トルク発生回転数が0~2000rpmと、ガソリンエンジンよりも圧倒的に低回転域のトルクが力強い。その加速感はガソリンエンジン車とは別次元の感覚だという。減速時にはエンジンブレーキの代わりに回生ブレーキが働き、モーターを発電機として動作させ、運動エネルギーで発電してバッテリーに充電するというすぐれもの。

電気自動車は技術的に難しいエンジンの代わりに扇風機でおなじみのモーターとバッテリーが主たる部品、特に軽くて長持ちのするバッテリーが勝負となるが、優れたバッテリーさえ買えればベンチャー企業でもできる。事実イタリアや米国のベンチャー企業がi-MiEVより安い電気自動車を開発している。
インドや中国では自国製のガソリンエンジン小型車を生産しており、簡単な組み立てで生産できる電気自動車に狙いを絞ってくると、先進国のメーカーにとって大きな脅威となる。こちらの衝撃の方が日本にとって大きいと私は思う。日本の自動車メーカーが米国ビッグスリーみたいに倒産する悪夢は見たくない。
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