[【電子号外】有権者4分の1超確実 県民投票 知事、日米通知へ (琉球新報 2019年2月24日)↑]
琉球新報の【<社説>緊急逮捕違法の判決 国家権力の暴走許されぬ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-891118.html)。
《捜査当局による人権侵害に一定の歯止めをかける司法判断が示された。芥川賞作家の目取真俊さんが、名護市辺野古の新基地建設への抗議活動中、身柄を拘束されて人身の自由などの権利を侵害されたとして国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、那覇地裁が8万円の支払いを命じたのである。目取真さんは2016年4月1日、米軍キャンプ・シュワブ周辺をカヌーで抗議活動中、立ち入り禁止の臨時制限区域に入ったとして米軍に拘束された。8時間にわたり基地内に留め置かれた揚げ句、海上保安庁・中城海上保安部によって緊急逮捕されている。釈放されたのは米軍による拘束から34時間後だった。判決は、海保が身柄の引き受けを遅延させたことに違法性があり、それに続く緊急逮捕も違法と断じた。捜査当局は重く受け止めるべきだ》。
沖縄タイムスの記事【芥川賞作家の目取真俊さん勝訴 那覇地裁、国に8万円の支払い命じる】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/398262)によると、《名護市辺野古の新基地建設に反対する抗議活動で米軍に不法に長時間拘束されたとして、芥川賞作家の目取真俊さんが国に損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、那覇地裁であった。平山馨裁判長は、海上保安官による身柄の引き受けが遅れ、約8時間にわたり拘束された違法性を認定。国に慰謝料8万円の支払いを命じた》そうだ。
アベ様らに忖度した政治判断乱発な裁判所には珍しく、《捜査当局による人権侵害に一定の歯止めをかける司法判断が示された》。《法が定めた手続きを無視した、恣意(しい)的な身柄の拘束がまかり通るのなら、日本は法治国家とは呼べなくなる》…アベ様独裁による人治主義国家、非民主主義国家には珍しくまともな判決。
《見せしめのための不当逮捕》は明白だった。《最初から、逮捕ありきで動いていたことは明らかである。目取真さんが著名な作家であることから、見せしめにしたい意図があったと疑わざるを得ない》《違法な逮捕は国策に反対する人々への弾圧であり国家権力の暴走にほからならない》。アベ様や番犬様に忖度する海のイヌな海保のやることはデタラメ。民意を無視して辺野古破壊は今も続き、彼らは、抗議のために行動する市民に暴力をふるい続けている。「アベ様の威」を借りた「犯罪」。
『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人が
その嘘っぱちを信じている、というよりも、信じたいんでしょう」』
「辺野古破壊や高江破壊による「住民分断」「沖縄差別」を
恥じぬアベ様や、スガ殿・百田尚樹氏などのその酷い取巻き連中。
何のためらいも無く、「番犬様」に貢ぐ非道」
《辺野古で米軍に拘束 芥川賞作家が体感した治外法権の現実》
《リテラ…芥川賞作家が辺野古での不当逮捕を告発
辺野古で米軍に拘束された芥川賞作家・目取真俊が「不当逮捕」の
実態を告白! 百田尚樹の沖縄ヘイトデマ批判も》
『●「沖縄の大衆運動そのものを取り締まっていく
国策捜査だと思う」…山城博治さん「予防拘禁、プレ共謀罪」』
『●沖縄でのプレ「平成の治安維持法」実験…
《実験の結果、今の国民の無関心は国に自信を与えてしまった》』
『●「誰が見ても安倍政権による政治的弾圧」…
山城博治さん「沖縄の大衆運動を潰す政府の方策」』
『●「基地の偏在を沖縄が訴えても「裁判所はほとんど答えない」」…
「政治判断」しかできない司法の悲劇』
『●目取真俊さんの不当逮捕…「お前ら法的根拠も
あいまいなまま、人を長時間米軍基地内に拘束したのか」!』
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【https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-891118.html】
<社説>緊急逮捕違法の判決 国家権力の暴走許されぬ
2019年3月20日 06:01
捜査当局による人権侵害に一定の歯止めをかける司法判断が示された。
芥川賞作家の目取真俊さんが、名護市辺野古の新基地建設への抗議活動中、身柄を拘束されて人身の自由などの権利を侵害されたとして国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、那覇地裁が8万円の支払いを命じたのである。
目取真さんは2016年4月1日、米軍キャンプ・シュワブ周辺をカヌーで抗議活動中、立ち入り禁止の臨時制限区域に入ったとして米軍に拘束された。8時間にわたり基地内に留め置かれた揚げ句、海上保安庁・中城海上保安部によって緊急逮捕されている。釈放されたのは米軍による拘束から34時間後だった。
判決は、海保が身柄の引き受けを遅延させたことに違法性があり、それに続く緊急逮捕も違法と断じた。捜査当局は重く受け止めるべきだ。
違法な逮捕は国策に反対する人々への弾圧であり国家権力の暴走にほからならない。
日米地位協定の合意議事録では、米軍当局によって逮捕された者で米軍の裁判権に服さないものは、直ちに日本国の当局に引き渡されなければならない―とされている。
にもかかわらず、海保は米軍から連絡を受けた後、いたずらに身柄の引き受けを遅延させた。逮捕要件の有無や身柄引き受けの方法などを判断するのに時間を要したためだという。
最初から、逮捕ありきで動いていたことは明らかである。目取真さんが著名な作家であることから、見せしめにしたい意図があったと疑わざるを得ない。
那覇地裁は、海保による緊急逮捕について「先行する身柄の引き受けが遅延したことにより違憲、違法な手続きであったと考えられ、海上保安官としては原告を直ちに釈放すべきであった」と判示した。
法が定めた手続きを無視した、恣意(しい)的な身柄の拘束がまかり通るのなら、日本は法治国家とは呼べなくなる。
看過できないのは米軍による人権侵害だ。目取真さんは基地内で拘束されている間、弁護士との面会を拒否され、濡れたウエットスーツを着替えることも許されなかった。
判決は、目取真さんの精神的苦痛を、海保による身柄の引き受けの遅延によって生じた損害と認定した。
米軍の違法性については「海上保安官の行為が違法であるとの認定に重ねて、米軍の行為の適否を判断する要をみない」としている。残念だ。
海保の対応に起因するとしても、米軍が長時間にわたって身柄を拘束し続けることは日米合意にもとる。米軍による違法行為に司法が目をつぶれば、その傍若無人な振る舞いにお墨付きを与えることにもなりかねない。
目取真さんは基地内に監禁され、憲法で保障された当然の権利を行使できない状況に追いやられた。「治外法権」状態を許してはならない。
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琉球新報の【<社説>報道立ち入り規制 表現の自由を侵す暴挙だ】(http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-430232.html)。
《明らかに工事の加速化を意図したメディア排除だ。許し難い取材妨害であり、言論の自由を侵す暴挙と言わざるを得ない。…報道の目が届かなくなることで、抗議活動に対する著しい暴力行為や人権侵害が横行する可能性は否定できない。臨時制限区域を無法地帯にしてはならない》。
『●最近のつぶやきから: 「原発」「沖縄」「戦争」「教育」「改憲」』
『●国会記者会vsフリージャーナリスト、次のステージに』
『●金平茂紀さん、「No Justice No Peace.
(正義のないところに平和は来ない)…高江には、ない」』
《取材活動にあたっていた本紙・沖縄タイムスの記者や琉球新報の
記者らを強制排除し一時的に身柄を拘束した。由々しい取材妨害である》
《報道立ち入り規制》のための臨時制限区域…沖縄での《抗議活動に対する著しい暴力行為や人権侵害が横行》する可能性が非常に高い。《作業の安全確保》ですって?、噴飯ものです。
アベ様らや沖縄防衛局は、そんなに見られたら拙いことでもあるのだろうか? 沖縄タイムスや琉球新報など一部の報道機関・報道者を除けば、アベ様のおかげで、どうせ「本土」マスコミの大半は「報道」する気なんてありませんってば。もはや、大半は「広報」機関。そこに、「沖縄イジメ」、「沖縄差別」が加わるのですから、沖縄は悲惨…。
『●「政権批判を封じ込めるかのごとく…「政府広報予算」を
ドーンと弾んで」もらったマスコミ…最早「広報」』
《総選挙前の政権批判を封じ込めるかのごとく、対メディア向けの
「政府広報予算」をドーンと弾んでいるからだ》
「《税金で行う新聞拡販》という鋭い指摘。《新聞はその使命を放棄…。
税金で賄われる新聞は政府広報とか機関紙と呼ぶべき》と続く。
本日刊ゲンダイの記事でも、《税金を投じた言論買収》と指摘」
「世も末です…室井佑月さんは、「政府が間違ったことをしていたら、
間違ってると言えるのが愛国者」。「本土」マスコミこそが、非愛国者」
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【http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-430232.html】
<社説>報道立ち入り規制 表現の自由を侵す暴挙だ
2017年1月20日 06:02
明らかに工事の加速化を意図したメディア排除だ。許し難い取材妨害であり、言論の自由を侵す暴挙と言わざるを得ない。
米軍普天間飛行場の移設に伴う辺野古新基地建設で、沖縄防衛局は沖縄県政記者クラブに加盟する報道各社に、刑事特別法の条文を示し、辺野古沖の臨時制限区域に立ち入らないよう求める文書を送付した。
沖縄防衛局は「臨時制限区域の境界を明示するとともに、作業の安全確保に万全を期すため」という理由で海上フェンスを設置した。抗議行動を展開する船舶の進入を阻止するためだ。
防衛局の文書には「1年以下の懲役または2千円以下の罰金もしくは科料に処する」という刑特法の罰則規定を示し「許可なく立ち入ることのないようお願いする」と申し入れている。刑特法適用をちらつかせた取材妨害であり、報道各社に対する許し難い脅しだ。到底容認できない。
そもそも刑特法は米軍の軍事機密保護や訓練妨害の抑止を狙いとした法律である。建設現場の取材活動は軍事機能に直接関係しない。
基地問題に詳しい横田達弁護士は「法の趣旨を逸脱して報道に脅しをかける国の姿勢は、表現の自由に直接介入するような行為だ」と厳しく批判している。
米軍北部訓練場におけるヘリコプター着陸帯に反対する抗議行動に対しても政府は刑特法を適用し、市民を逮捕した。しかし、市民の抗議行動は軍事機能に関わるものではない。刑特法を盾にした不当な市民弾圧ではないのか。
危惧することは報道の監視が広大な海域に行き届かなくなることだ。報道各社の取材を通じて市民の抗議行動に対する海上保安官の過剰警備が明らかになり、社会問題化した。
報道の目が届かなくなることで、抗議活動に対する著しい暴力行為や人権侵害が横行する可能性は否定できない。臨時制限区域を無法地帯にしてはならない。
561・8ヘクタールもの臨時制限区域の存在自体問題だ。軍事機密があるとは言えない。設定以前は遊漁船や観光遊覧船も航行していた。広大な制限区域の設定は市民の正当な権利である抗議行動やマスコミの取材活動を排除する狙いが明白だ。
国が取るべき道は工事中止と制限区域撤廃だ。刑特法を振りかざす言論弾圧は直ちにやめるべきだ。
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沖縄タイムスの渡辺豪氏による記事【「土人」VS「土民軍」の背景にあるもの】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/69899)。
《沖縄の人々の心奥に刻印されたであろう、東村高江のヘリパッド建設に抗議活動する市民に向けた10月18日の大阪府警機動隊員の「土人発言」は、在京メディアでは既に過去のことにされつつある。本土社会は、この発言を単に「特異な事例」として受け流そうとしているのではない。事態はより深刻かつ醜悪だ》。
沖縄差別・「歴史的暴言」に対してヘイトな対応をする方々。そこで出てきたのが「どっちもどっち」論と云う暴論。そして、さらにその上を行く、鶴保庸介沖縄北方相による「差別だと断じることは到底できない」論。タマゲタネ!
東京新聞の記事【「土人」発言「差別と断定できない」 鶴保沖縄北方相が答弁】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201611/CK2016110802000255.html)によると、《沖縄県の米軍北部訓練場の工事反対派に大阪府警の機動隊員が「土人」と発言した問題に関し「差別だと断じることは到底できない」と述べた。…「第三者が一方的に決めつけるのは非常に危険だ」と指摘。「現在は差別用語とされるものも、過去に流布していた例はたくさんある」と強調》。
そして、リテラの記事【鶴保庸介沖縄担当相が「土人」発言を擁護!「差別とは断定できない」「昔は差別語じゃなかった」】(http://lite-ra.com/2016/11/post-2682.html)…《これは差別の上塗りだ。…「土人」と人を罵る行為が差別に当たるかどうか判断できない。……まったく見識を疑わざるを得ない発言…頓珍漢にも程がある》。
ホントに《頓珍漢にも程がある》! 自身や家族がそう呼ばれても気にしない!?、ってことですかね。《反対する市民を弾圧できない官僚は容赦なく吹き飛ばすのが、今の官邸流人事》…アベ様の閣僚が「あぁ成る」のも納得。そして、《沖縄で起きていることにあまりに鈍感な本土社会》。《日本人が沖縄を見放すことによって、実は日本人が沖縄の人々から見放されつつある》。
『●沖縄差別、その究極の姿:「報道の自由」「知る権利」の
破壊に立ち向かわない「本土」マスコミの差別意識』
『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」?
…沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」』
『●「第二の加害者」として「悪質なデマ」「事実関係を
無視した沖縄攻撃」「蔑視・差別」、沖縄イジメに加担』
『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」』
『●「歴史的暴言」、アベ様のシモベらの度の過ぎた
差別意識の酷さ…無数の「沖縄差別」の氷山の一角が露見』
『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々』
「沖縄タイムスのコラム【我々は皆「土人」である 【金平茂紀の
新・ワジワジー通信(20)】】」
『●高江破壊と歴史的暴言: 「みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、
無用な衝突を招いている張本人は誰か」?』
「「民意圧殺」=高江破壊での「歴史的暴言」とその周辺の酷い反応。
それを「歴史的暴言」と感じないヘイトな人々。ニッポンの
社会そのものが相当に歪んでいる…《今の日本の病んだ空気》。
《みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、無用な衝突を招いている張本人は
誰か》?、を理解できないようだ」
『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」
…ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘』
『●前泊博盛さん「在日米軍は、本土から…
ウルトラマンに見えるが、沖縄から見ると怪獣でしかない」』
『●沖縄差別: 「両論併記は比較すべきものでもないものすら
“論”に昇格させてしまう危険なロジックだ」』
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【http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/69899】
「土人」VS「土民軍」の背景にあるもの
2016年11月6日 14:02 土人発言問題 安倍晋三首相 防衛省機動隊員
渡辺豪
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渡辺 豪(わたなべ つよし)
フリージャーナリスト(元沖縄タイムス記者)
1968年兵庫県生まれ。関西大学工学部卒。92年毎日新聞社入社。98年沖縄タイムス社入社、2015年3月に退職。現在、東京都内在住。主な著書に『「アメとムチ」の構図』(沖縄タイムス)、『国策のまちおこし』(凱風社)、『私たちの教室からは米軍基地が見えます』(ボーダーインク)、「日本はなぜ米軍をもてなすのか」(旬報社)、共著に『この国はどこで間違えたのか~沖縄と福島から見えた日本~』(徳間書店)、「波よ鎮まれ~尖閣への視座~」(旬報社)、4月に「普天間・辺野古 歪められた二〇年」(集英社新書)を刊行。
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(目取真俊さん(左端)を4人がかりで押さえ込む警察官
=18日、東村高江・米軍北部訓練場N1地区表側出入り口
(撮影:沖縄タイムス))
沖縄の人々の心奥に刻印されたであろう、東村高江のヘリパッド建設に抗議活動する市民に向けた10月18日の大阪府警機動隊員の「土人発言」は、在京メディアでは既に過去のことにされつつある。本土社会は、この発言を単に「特異な事例」として受け流そうとしているのではない。事態はより深刻かつ醜悪だ。
大阪府の松井一郎知事は発言翌日、自身のツイッターに
「ネットでの映像を見ましたが、表現が不適切だとしても、
大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのが
わかりました。出張ご苦労様」
と労うようなニュアンスを含む感想を投稿。記者会見では「混乱を引き起こしているのはどちらか」と抗議する市民の側にも非があるような見方を示した。一部メディアやネットはこれに沿う形で、「どっちもどっち」の論を展開した。
極め付けは、以下の広告見出しで記事を特集した主要週刊誌だ。
「なぜ土人発言だけが報道されるのか?
沖縄ヘリパッド『反対派』の『無法地帯』現場レポート」
正直に告白すれば、都内の地下鉄でこの中吊り広告を目にしたとき、筆者は腐った食べ物を無理矢理口に放り込まれたような吐き気をもよおした。刺激的でインパクトのある見出しを並べたこうした「報道」は、沖縄に興味や関心のない首都圏の人々の注意も引くだろう。中吊り広告だけを見て、「なるほど、そういうことなのか」と得心したような気になる人も少なくないのではないか。そんなことを考えながら、筆者も無意識のうちに「なぜ土人発言だけが報道されるのか」という見出しの文字を反すうしていた。そして、あるフレーズを思い出した。
「土民軍」という言葉だ。
防衛施設庁をある程度長く取材、リサーチしたことがある記者や研究者なら、一度は彼ら(防衛施設庁職員)が自分たちの組織をそう表現するのを聞いたことがあるはずだ。
昨年上梓した拙著「日本はなぜ米軍をもてなすのか」(旬報社)から一部引用させていただく。
【防衛施設庁は、〇六年一月に表面化した空調設備工事の発注をめぐる競売入札妨害事件に絡む一連の不祥事で「解体」が決まります。事件を通じて、防衛施設庁が20年以上前から民間業者に天下りを受け入れさせる見返りに不正な受注調整がおこなわれていたことや、事件後の内部調査に際して施設庁内で組織的に証拠隠滅が図られていたことも発覚しました。不正の根の深さから、「再生不能」と判断されたのです。
〇七年一月に防衛庁が「省」に昇格した後、防衛施設庁は同年九月に防衛省に吸収統合されました。旧防衛施設庁に在籍した職員の中には、「省昇格のために施設庁が召し上げられた」という見方をする人もいます。
この廃止・統合に当たって防衛施設庁は、歴代の長官、次長経験者らに意見を求めたようです。『防衛施設庁史』が「貴重な意見」として紹介した一つに以下の内容があります。
「防衛施設行政を担当する防衛施設庁を『外局』として設置してきたのは
先人の知恵である。防衛施設庁という『外局』が、これまで
自衛隊施設及び米軍施設に係る各種の業務を一元的に実施してきた
メリットを踏まえた組織改編とすべきである」
「先人の知恵」とは具体的にどういう知恵で、「メリット」とは具体的にどういうメリットなのでしょうか。
安全保障政策にかかわる職務のうち、「汚れ仕事」のパーツを引き受ける「外局」として防衛施設庁を防衛庁とは別部隊に切り離した「先人の知恵」によって、日米同盟をはじめとする防衛政策に対する国民の信頼を維持できたという「メリット」を忘れてくれるなよ、という思いが込められているのではないでしょうか。
『防衛施設庁史』の編さん後記で、編集にかかわった職員のうちの一人の文章に目が留まりました。「施設庁の廃止、『内局』への統合が現実味を帯びてくるにつれ、施設庁に思い入れのある先輩職員などからは、『<土民軍>の仕事を内局にできるのか』などという声も聞かれました」という下りです。】(引用ここまで)
文中にある「防衛施設庁史」は、防衛施設庁が解体される直前の2007年に同庁職員によって編さんされた、施設庁の足跡をたどる記録・証言集だ。
旧防衛施設庁職員が自分たちを「土民軍」と称するのは、自分たちが官僚組織の下層に位置しているという意識と、「現場」の仕事に携わっているという自負があるからだろう。
ある防衛施設庁OBは筆者にこう語った。
「要するに自分たちのやってきたのは外務省の尻ぬぐいですよ。
防衛施設庁の仕事は日米安保の土台を支えるための、
いわば汚れ仕事。でも、安保体制を縁の下で支えてきたという
自負はありますよ」
大臣の国会答弁やコメントを振り付けたり、各国との外交交渉や日米間のさまざまな取り決めを議論する非公開の日米合同委員会に出席したりと、大所高所から外交・防衛政策を検討するのは外務・防衛省のキャリア・エリートだ。一方、日米安保条約の履行のため外務省がレールを敷いた日米地位協定や、基地政策にまつわる日米合意の実施機関として、防衛施設庁の末端の職員はまさに「安保の現場」で住民と米軍の間に立ち、ときには住民の「嫌われ者」になることも承知でその役割に徹してきた。
日本国内でさまざまな特権に守られた米軍人関係者が住民感情を逆なでする事件や事故を繰り返すたび、「抗議」や「要請」の窓口として対応し、平身低頭する姿を見せ、世論や住民をとりなすのも防衛施設庁職員の仕事だ。かつては「内灘闘争」や「砂川闘争」といった日本本土での熾烈な米軍基地反対運動の現場でも、防衛施設庁職員は機動隊員とともに前面に立ってきた。日本本土と沖縄の米軍専用施設の比率が逆転し、74%が沖縄に集中する現在、勢いのある根強い米軍基地反対運動は「沖縄限定」の様相を帯びるようになった。
防衛施設庁の仕事はなくなったわけではなく、防衛省に吸収統合される形で温存されている。しかし沖縄では今や、高江や辺野古といった米軍基地の建設現場で、防衛省の沖縄の出先機関である沖縄防衛局職員の姿はあまり目に付かない。代わりに機動隊員や海上保安庁の海上保安官、民間の警備会社従業員らが組織の命を受け、反対派市民と対峙させられるようになった。この中には、沖縄以外の都府県警から派遣されている機動隊員も混じる。
誤解を恐れずに言えば、彼らはみんな「土民軍」ということになる。その土民軍の1人が今回、対峙する市民を「土人」と言い放ったのだ。
大阪府警から派遣された若い機動隊員はおそらく、沖縄が「本土」によって負わされてきた歴史的痛苦も安保政策の意味も基地問題の実情も十分把握していなかったのではないか。ただ上司に命じられた通り、任務を遂行していたはずだ。派遣を命じたのは、形式はともかく日本政府にほかならない。
辺野古や高江の工事を強行せよ、との官邸の意向は関係省庁に浸透している。地元世論に配意し、反対派市民の排除命令を現場に徹底できず更迭される幹部官僚もいれば、弾圧姿勢を貫き官邸の覚えがめでたい幹部官僚もいる。後者はキャリア官僚として出世の道が約束される。ある政府関係者はこう打ち明けた。
「反対する市民を弾圧できない官僚は容赦なく吹き飛ばすのが、
今の官邸流人事です」
権力機関は絶対的なたて社会、階級社会で構築されている。14年5月の内閣人事局発足後、官僚人事は官邸が完全掌握するようになっている。
われわれは末端の役人だけを見るのではなく、本質を見極めなければならない。
すべての住民に歓迎される国策というのはないのかもしれない。しかし、権力の中枢に近い人たちが決めた国策が不条理なゆがんだものであればあるほど、現場の摩擦は大きくなり、その尻ぬぐいは地元の住民と末端の役人が負わされることになる。
9月26日の所信表明演説で安倍晋三首相は、安全保障環境の変化や高江のヘリパッド移設にも言及した上で、こう訴えた。
「現場では夜を徹し、今この瞬間も海上保安庁、警察、自衛隊の
諸君が任務に当たっている。今この場所から、心からの敬意を
表そうではありませんか」
安倍首相に促された自民党議員は一斉に立ち上がって手をたたき続け、約10秒間、演説が中断した。この異様さは、「起立」と「拍手」だけによるのではない。国家や為政者に忠誠を尽くす立場の特定の職業従事者に絞って首相自らが喝采を送り、周囲にも同調を促す、というのは「自己翼賛」ともいえる異様な構図だ。これは自画自賛ではないのか。にもかかわらず、演説内容に異論をはさむ余地はない、というのが日本本土社会の常識的受け止めになっているが、本当にそれでいいのか。
国会での安倍首相の振る舞いも松井・大阪府知事の見解も、高江や辺野古で抗議活動する市民に対峙させる任務を機動隊員らに付与することへの躊躇や苦渋は微塵も感じられない。それは、彼らにとって国の政策に従わない者は、明確に「敵」と識別されているからではないか。
その感覚は正常と言えるのか。
「国民」を分断する政権の沖縄政策は「国益」や「安全保障政策」の観点から本当に有益といえるのか。日本本土の「国民」は今一度立ち止まって真剣に考えなければならない。
しかし、沖縄で起きていることにあまりに鈍感な本土社会では、「土人発言」をきっかけに、沖縄の歴史に思いを馳(は)せ、現在も続く「過重な基地負担」という差別と不条理に向き合おうとする動きが活発化する期待はもてない。これが日本社会の現実だ。
同じ時代に、同じ価値観を共有する社会に属しながら、大半の日本人は、沖縄を見放している、という自覚もないまま沖縄を追い込んでいる。日本人が沖縄を見放すことによって、実は日本人が沖縄の人々から見放されつつある。そんな気がしてならない。
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『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の水井多賀子氏の記事【安倍「拍手・起立」を井筒監督と松尾貴史が痛烈批判!「自衛隊員が死ぬたびに拍手送るつもりか」「ユーゲントのよう」】(http://lite-ra.com/2016/10/post-2610.html)。
《安倍首相のお仲間たちは、白紙領収書を「問題なし」と揃って開き直るなど、権力を笠に着て完全に増長…このような国民無視の“オレ様国会”となることは、所信表明演説の「拍手・起立」問題が起こったときから明々白々…あれはまさに安倍政権のグロテスクさが濃縮され露わになった瞬間》。
アベ王国国王様に「権力集中」。今国会やその他で顕在化したその種の《グロテスクさ》に何も感じないのでしょうか? 自公投票者や「癒(着)」党投票者、「眠り猫」の皆さん、ニッポンのおおよそ7割の皆さん、は何も感じず、だからこそ平気で、そういう投票行動をとってこられて来たのでしょう…。「あとの祭り」と感じることも無いようです。アベノサギに気付きもしない。
いい加減、ウンザリです。思考停止の「押しつけ憲法論」の押し付け。日々飼いならされ、「茹でガエル」が茹で上がってしまいそう。
『●総立ちで拍手: 三権分立、「権力分立」なんて
ニッポンには無いようで、アベ王国国王様に「権力集中」』
「立法・行政・司法の三権分立、「権力分立」なんてニッポンには
無いようで、人治主義国家・アベ王国国王様アベ様に「権力集中」。
あぁ…どの辺が民主主義国家、法治国家なんでしょうね?」
『●沈黙するマスコミ…「機動隊に加え、防衛省、自衛隊、
そして米軍が総掛かりで住民たちを排除し、監視」』
『●「平成の治安維持法」…「共謀罪の本質は
テロ対策に名を借りて「心の中で思ったこと」を処罰」』
『●争点は「壊憲」: 「ト」な自民党改憲草案は
「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」』
『●「ト」な自民党壊憲草案の「新たな三原則」…
「国民主権の縮小」「戦争放棄の放棄」「基本的人権の制限」』
『●「5月0日」?…内閣法制局は安保関連法案の審査を
いつ決裁したのか? そもそも審査したのか??』
『●稲田朋美氏はアベ様一押しの「未来の総理」だそうです。
あ~、カンベンシテクダサイ、オネガイデスカラ…』
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【http://lite-ra.com/2016/10/post-2610.html】
安倍「拍手・起立」を井筒監督と松尾貴史が痛烈批判!「自衛隊員が死ぬたびに拍手送るつもりか」「ユーゲントのよう」
安倍晋三 水井多賀子 2016.10.08
(左・「キネマ旬報」10年5月15日号(キネマ旬報社)より
/右・松尾貴史ツイッターより)
今国会でも、安倍首相が相変わらぬ横暴な態度を全開にしている。既報の通り、3日の衆院予算委員会では、野党に自民党憲法改正草案の中身に踏み込まれると「私じゃなく谷垣総裁が出したもの」とリハビリ療養中の谷垣氏に責任を押し付けたかと思えば、その態度をたしなめられると「デマゴーグだ!」と激昂。4日の同委員会でも介護保険見直しなどについて質問されると「厚労相を呼んで聞けばいい」と繰り返した。
他方、安倍首相のお仲間たちは、白紙領収書を「問題なし」と揃って開き直るなど、権力を笠に着て完全に増長している。
しかし、このような国民無視の“オレ様国会”となることは、所信表明演説の「拍手・起立」問題が起こったときから明々白々だったとも言えるだろう。あれはまさに安倍政権のグロテスクさが濃縮され露わになった瞬間でもあったが、あのパフォーマンスに対して、映画監督の井筒和幸が辛辣な意見をぶつけている。
井筒監督は、「アサヒ芸能」(徳間書店)10月13日特大号に掲載された連載エッセイのなかでアメリカ大統領候補のトランプ氏を批判し、〈アベノミクスも、美しい日本も、一億総活躍も、トランプの煽りパフォーマンスと大差ない。どっちも異常なたわ言だ〉とバッサリ。そして、例の安倍首相のパフォーマンスにこう切り込んでいる。
〈異常といえば、自民党の国会での拍手喝采事件。まるで宗教団体や。
大臣どもは「感動して自然に起こった」とイカれたことをヌカしていたが、
自然発生したなら、それこそ洗脳宗教だろうが。裏ではアベの腰巾着が
「皆で盛り上げてくれ」と台本書いてたらしいな。そのカラクリも宗教と同じだ〉
〈小泉の甘っちょろい倅も立ち上がって拍手してから「あれはおかしい」と。
だったら立つな、バカタレが! 本当に自民党はワケのわからない集団だ〉
さらに井筒監督は、〈何がわが国の領土、領海を防衛している自衛隊諸君に感謝だ。生活防衛でヘトヘトなのは、お前らの薄情な政治に唇を噛んで耐えてる末端の国民やろが〉と喝破。あのパフォーマンスが今後のための地ならしなのではと睨み、こんな恐ろしい未来予想を行う。
〈自演の拍手喝采で調子こいて、このまま憲法改正に乗り出し、
今度は自衛隊の兵隊が負傷し死んでいくたびに、
国会で“感謝”の拍手でも贈るつもりか〉
さすがは忌憚なく発言する井筒監督らしい鋭い政治批判だが、あのパフォーマンスにはもうひとり、敏感に反応した芸能人がいる。タレント、コラムニストの松尾貴史だ。
松尾は10月2日の毎日新聞日曜くらぶのコラムで、例の自民党議員総立ちの拍手パフォーマンスを〈嫌悪感しかなかった〉〈多くの人が感じているように、異様というか、面妖とすら言える光景だった〉と述べ、現在の自民党の異常さをこう書き綴っている。
〈私は昔のドキュメンタリー映画で見た何とかユーゲントのような集団の
興奮状態に似たものを感じて寒気がした。あれだけの大勢の自民党議員が、
皆同じ方向を向いていることの気色悪さに、自覚症状はないのだろうか。
「自民党は幅広い」と言っていた時代は、とっくの昔に終わってしまっているのか〉
そして松尾は、〈社会のために必死で働いている人は安倍氏の部下である海上保安官、警察官、自衛官だけではない〉といい、農業に従事する人や介護福祉士、保育士など、社会貢献する人々は数多くいると指摘。その上で、安倍首相の腹づもりを以下のように読み解いている。
〈今回のパフォーマンスは、「国家のために命を提供することも辞さない職業」
に対して、優位に評価する価値基準を定着させようという目論見の
一環であるとも感じられる。そして、この30分以上ある演説の中で、
弱者が虐待、虐殺されるような社会問題には一切触れられていない〉
松尾も井筒監督と同様に、このパフォーマンスの延長に憲法改正があることの意味を重く受け止めている。所信表明演説で安倍首相は“改憲案を国民に提示するのが国会議員の責任”などと改憲ありきの姿勢をより強く打ち出したが、松尾はこうした流れを〈茹でガエルのように、この動きについてじわじわと慣らされていく感触を禁じ得ない〉と危険視。これまで安倍政権が、特定秘密保護法や安保法制を強引に押し切り、新たに共謀罪を創設しようとしている点を踏まえて、憲法改正は〈現政権のもとでは、絶対に御免こうむりたい〉と断言する。
〈どうして憲法の質を低下させることが改正だと思えるのか、
不思議で仕方がない。私には、「改正」「思考停止してはいけません」
という言葉に、罠が潜んでいるとしか思えない〉
そもそも、原発事故や少子化、介護など問題が山積しているなかで、憲法改正を“喫緊の課題”に仕立て上げたのは安倍首相だ。しかも、自民党が示している憲法改正草案は、為政者に課せられている憲法遵守義務を国民にすり替え、基本的人権や表現の自由などの制約さえ掲げている。実際、「このままでは人権が制約されるのでは」という懸念の声が上がっているが、これを国会で追及されると、安倍首相はこう言ってのけたのだ。
「国民が心配しているというが、我々はこれを示した4回の選挙で、
みなさんよりは圧倒的勝利を収めている」
おいおい、いつ自民党は選挙で「これがぼくたちがつくった憲法改正素案です。よく読んで投票してください!」と国民に説明したというのだ。そんなことは一度たりともないし、今年7月の参院選の遊説で、安倍首相は憲法改正のケの字すら1回も出さなかったではないか。
さらには、今国会で憲法改正素案の中身について踏み込まれると、「憲法審査会で議論してよ」の一点張り。だが、憲法審査会がすべてテレビ中継される可能性は極めて低い。結局、安倍首相はテレビで国民が監視できる場では、憲法改正草案の中身には触れず、国民にとことん隠し通すつもりなのだ。
前述したコラムのなかで松尾は、安倍政権や報道が他国からの脅威、恐怖をことさら煽っているのではと疑義を呈し、ナチス・ドイツの国家元帥だったヘルマン・ゲーリングの「国民を戦争に引きずり込むのは簡単である。外国に攻撃されつつあると言えばいい。それでも戦争に反対する者に対しては『愛国心がない』と批判するだけでいい」という証言を紹介。そして、こんな言葉で文章を締めくくっている。
〈今がそうではないと、誰か安心させてはもらえないだろうか。
「雰囲気がおかしい」と違和感を覚えた時に歯止めをかけないと、
悔やんでも悔やみきれないことになる〉
まさに茹でガエルのように、日々わたしたちは、勝手につくり出された空気に馴らされつつある。拍手喝采パフォーマンスは気持ち悪いし、憲法の改悪など必要ない。──そんな松尾や井筒のような真っ当で当然の反応が社会のなかで薄れてしまっている、その現状ほど怖いものはないのかもしれない。
(水井多賀子)
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『DAYS JAPAN』(http://www.daysjapan.net/)の最新号について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
ブログ主のお薦め記事は、斎藤美奈子さん【OUTLOOK 辺野古の報道をめぐる東京と沖縄の温度差】と中村卓哉氏【[営みの地球]119 森からサンゴの海へ 辺野古の海の守り主】。
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■①『DAYS JAPAN』(2015,APR,Vol.12,No.04) / 「人々の意志が戦争を止める日が必ず来る」「一枚の写真が国家を動かすこともある。フォトジャーナリズム月刊誌」「人々の尊厳が奪われている場所、そこを〝人間の戦場〟呼ぶ・・・広河隆一」。11周年記念号
■②『DAYS JAPAN』(2015,APR,Vol.12,No.04) / [特集・沖縄 国家の暴力にノーを! これは市民へのむき出しの弾圧である]、丸井春さん【1 辺野古 米軍による市民拘束 激化する権力の刃】。番犬様=米軍「拉致被害者」をアベ様達が「逮捕」ってどういうこと? 本当にバチアタリな人たち(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/9ff3af241f64ef510b5ba1d15ea47a89)
■③『DAYS JAPAN』(2015,APR,Vol.12,No.04) / 森住卓さん【2 破壊される海 潰されるサンゴ】、「自粛要請を無視したブロック投下・・抗議船に乗り込んで来た海上保安官に、後ろ手にさえ取り押さえられる市民」。「アベ様のイヌ」=「海のイヌ」と「陸(おか)のイヌ」が辺野古を破壊
■④『DAYS JAPAN』(2015,APR,Vol.12,No.04) / 森住卓さん【3 高江 森と民意切り裂く暴挙 オスプレイの訓練強行】、「村議会の禁止決議2日後の強行・・・「戦争ができる国」への地ならし」。「標的の村」高江・・・「我国は、易々と米軍基地やオスプレイを受け入れ、ましてや、子供にまでスラップ(SLAPP、SLAPP)する始末」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/fd058d8517aa8e656646c79d09fa4ab7)
■⑤『DAYS JAPAN』(2015,APR,Vol.12,No.04) / 丸井春さん【自衛隊基地配備の与那国島 宙に浮く住民の不安】、「日本最西端の「国境の島」は、島の活性化を自衛隊誘致にかける形になった」。「「進むも地獄、戻るも地獄」・・・選択すべきは、少なくとも「進むも地獄」ではなかったはずだ。かといって「戻るも地獄」との二択でもなかったはず」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/3b1486ca6a9bddc3505ae458018b0d2b)
■⑥『DAYS JAPAN』(2015,APR,Vol.12,No.04) / 広河隆一さん【事故10年目の健康調査 チェルノブイリ避難民6039人のアンケート】、「あらゆる被害の調査を 小出裕章 ・・・多種多様な被害も、おそらくは被曝に関係しているし、そうでない場合でも、事故による生活環境の変化とは当然関係している・・・原子力発電所の事故による被害が過酷であることを、改めて思う」、「事故前、事故後の体調の激変 広河隆一」、「事故後の日本への暗示となる調査 矢ヶ崎克馬」、「顕著に現れた放射線障害の症状 崎山比早子」、「被害実態伝える貴重な声 吉田由布子」、「飯館村住民の「鉄の味がした」証言に思うこと おしどりマコ」、「消化器官、気道系の炎症顕著。放射性微粒子被曝の症状 西尾正道」、「放射線被曝による健康調査を担う。更なる分析を期待する 野宗義博」、「高線量地域の子どもたちにみる兆候。早急な検診体制を 黒部信一」、「福島で思う、追加被曝拡大への懸念 鈴木薫」、「子どもたちの健康を守る活動続ける 木本さゆり」、「事故後の息子たちの症状に類似点 大山弘一」、「福島県内外の人々にあてはまる衝撃的結果 福島敦子」。『X年後』を怖れる・・・(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e289f8a7f8a99ebe0594a22f8672fd8b)
■⑦『DAYS JAPAN』(2015,APR,Vol.12,No.04) / 斎藤美奈子さん【OUTLOOK 辺野古の報道をめぐる東京と沖縄の温度差】、「辺野古への移設をめぐって、国の暴挙が止まらない。・・・特にテレビは完全にシカトである。・・・「沖縄タイムス」や「琉球新報」には及ぶべくもないとしても、東京発の全国紙の読者に、沖縄での国の暴挙はほとんど意識されていないだろう。沖縄のことを伝えよと、メディア関係者には強く訴えたい。特にテレビ、四十数年前の気概を取り戻してよ!」。「政府が右というものを左とは言えない」ジャーナリスト、ジャーナリズムには無理かも(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a9e8adad8140f17b9bc54246a62baf24)
■⑧『DAYS JAPAN』(2015,APR,Vol.12,No.04) / ダヴィッド・レンヘル氏【観光利用される子どもたち 「ダーティー・ツーリズム」】、「世界的に、孤児院やスラム街、ゴミ山などを訪問する「貧困ツアー」が人気を集めている。・・・ツアー業者の経済的利益のため、貧困のなかで生きる子供たちが見世物にされている・・・貧困で儲ける観光業・・・働く子どもたちと一緒に写真を撮る日本人観光客。・・・一行は携帯電話やカメラで、写真を撮り続けた」
■⑨『DAYS JAPAN』(2015,APR,Vol.12,No.04) / 中村卓哉氏【[営みの地球]119 森からサンゴの海へ 辺野古の海の守り主】、「多様なサンゴと魚たちが織りなす鮮やかな海中世界。何千年もの時を越えて湖の海を守り続けていたのは、海を囲む豊かな森や川、小さな生き物たちの命の連鎖である。辺野古を彩る、生命の記録」。そこに「コンクリートのブロック」・醜塊を落とせる神経を疑う。こころ醜き人たち(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/7b9d3cfcd73bbbeb41cee2815f434d0d)
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琉球新報の社説【<社説>辺野古強硬警備 誰から誰を守るのか】(http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-237572-storytopic-11.html)と、
東京新聞のコラム【【私説・論説室から】 辺野古で何が起きている】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015012602000132.html)。
「今月再開された普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、現場では海上保安庁と県警の強硬な警備でけが人が続出」・・・・・・。
「海のイヌ」と「陸(おか)のイヌ」=「アベ様のイヌ」の犯罪再び。「この風景は戦争」であり、「海のイヌ」と「陸のイヌ」がやっていることは「アベ様の威」を借りた「犯罪」。
『●辺野古「この風景は戦争」:
誇り高き「海猿」の実像は番犬様の飼い主「アベ様のイヌ」』
『●沖縄県民の民意は明白: 辺野古破壊者、沖縄で4度目の完敗』
『●沖縄県民の民意にお構いなし、
辺野古破壊者は沖縄で4度目の完敗だというのに』
「「戦争のできる国」へと向かう改憲はいらないと、赤いファッションの女たちが国会前で人間の鎖を作った十七日。沖縄から「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」・・・・・・が駆けつけた。二人が訴えたのは、今まさに名護市辺野古で起きている“戦争”だった・・・・・・辺野古に基地が新設されれば、恒久的に被害の島として、加害の島としてあり続けることになる」・・・・・・。
「加害の島」なんて・・・・・・そんな自虐な呼び方をさせるアベ様達って一体何なんだろう。「沖縄で4度目の完敗」、明確な「沖縄県民の民意」に全くお構いなしの辺野古破壊者達。
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【http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-237572-storytopic-11.html】
<社説>辺野古強硬警備 誰から誰を守るのか
2015年1月20日
今月再開された普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、現場では海上保安庁と県警の強硬な警備でけが人が続出している。15日にはゲート前で県警警察官と抗議行動の住民らが衝突し、80代の女性が転倒して頭部を強打して病院に搬送された。16日には海保のゴムボートに乗せられた男性が海上保安官に胸部を強く押されて肋骨骨折のけがを負っている。骨折するほど体を押しつけることが果たして適切なのか甚だ疑問だ。けが人を続出させている警備は常軌を逸している。
また19日には抗議船に乗り込んできた海上保安官が女性ともみ合いになり、ライフジャケットが破れた。ここまでくると警備とはほど遠い。単なる暴力行為であり、抗議行動に対する弾圧と受け止めざるを得ない。
政府は工事再開を前に、警察当局に対してゲート前で座り込んでいる市民の排除を徹底するよう指示している。こうした政府の意向を受けて、現場ではけが人が出るほどの歯止めがかからない強硬な警備が横行している。
海上保安庁は「海の事故ゼロキャンペーン」で「ライフジャケットの常時着用など自己救命策の確保」を重点事項に掲げている。乗員のライフジャケットが破れたことは、海を守る海上保安官の任務とは大きく懸け離れている。
県警はことしの運営指針に「県民の期待と信頼に応える力強い警察」を掲げている。県民は昨年の名護市長選と知事選で辺野古移設反対の候補を選んだ。衆院選では4選挙区とも移設反対の候補者が当選している。沖縄の民意は「辺野古ノー」だ。県警は、いったい誰から誰を守っているというのか。政府の指示で住民の排除を徹底している行為が果たして県民の期待と信頼に応えているといえるのか。
翁長雄志知事は「辺野古に新基地は造らせない」との立場を明確にしている。これに対して政府は6月にも本体工事に着手しようとしている。沖縄の民意を踏みにじってでも沖縄への基地建設を強行する考えだ。そのためには現地で異議を唱える人々を力ずくで排除するのもいとわない。
米統治下の沖縄で米軍によって土地が強制接収され、基地建設が強行された「銃剣とブルドーザー」に等しい暴挙だ。排除も移設作業も直ちにやめるべきだ。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015012602000132.html】
【私説・論説室から】
辺野古で何が起きている
2015年1月26日
「戦争のできる国」へと向かう改憲はいらないと、赤いファッションの女たちが国会前で人間の鎖を作った十七日。沖縄から「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代さんと、沖縄戦研究者の宮城晴美さんが駆けつけた。二人が訴えたのは、今まさに名護市辺野古で起きている“戦争”だった。
米軍普天間飛行場移設に伴う基地建設準備が進む現地では、反対派市民に海上保安庁などが暴力をふるい、けが人が続出している。県民は米軍キャンプ・シュワブ前に徹夜で座り込む。各地と辺野古をつなぐ「島ぐるみ会議バス」も走る。戦後沖縄で、米軍基地化に抵抗した「島ぐるみ闘争」再来のようだ。
辺野古に基地を造らせないという県民の意志は固い。昨年の名護市長選から、同市議選、知事選、衆院沖縄選挙区と、すべての選挙で「ノー」が示された。それでも安倍首相は辺野古移設を変えない。米国の戦争に日本も加担できるようにする集団的自衛権の行使容認が直結しているようにみえる。
沖縄戦から戦後もずっと、基地に苦しめられてきた沖縄は、一度だって「平和憲法」に守られてこなかった。辺野古に基地が新設されれば、恒久的に被害の島として、加害の島としてあり続けることになる。
国会開会前日の二十五日、辺野古移設反対の人間の鎖が作られた。主権者は誰かと問うた青は、沖縄の海の色だった。 (佐藤直子)
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nikkan-gendaiの記事【辺野古の「海猿」に批判噴出! 移設反対市民を羽交い締めに】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/152972)。
『マガジン9』の記事【三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉 第5回いつかは分かり合える日がくると信じたい。~8月30日、40人のカヌー隊と「海猿」との、壮絶な闘いの跡から】(http://www.magazine9.jp/article/mikami/14466/)。
東京新聞の社説【「辺野古」強行 拒絶する名護の民意】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014090902000141.html)と、
最後にコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014090902000120.html)。
「沖縄・辺野古沖の「海猿」に対して批判が噴出・・・・・・移設に反対する住民のカヌーを監視、執拗に追い回し、「警備活動」と称して手当たり次第、乗員をとっ捕まえているのだ・・・・・・まるで戦前の特高警察・・・・・・いやはや、TVで脚色された“虚像”とはいえ、これが正義のヒーロー「海猿」の姿とは驚きだ」。海猿=「アベ様のイヌ」は、ついに「アベ様の特高」とまで呼ばれる酷さ。どこが海を守り人を守る「正義のヒーロー」なのだろう。
『●辺野古「この風景は戦争」:
誇り高き「海猿」の実像は番犬様の飼い主「アベ様のイヌ」』
『●番犬様・米軍の飼い主の声は聞こえても、
辺野古市民の声は聞こえず「戦場」が見えない防衛省』
それに対して、名護市民らはカヌーなどで「彼らは世論に訴えるところにとどまらず、「本気で阻止」を決意しているのだ」・・・・・・「アベ様のイヌ」と死闘を繰り広げている。
でっ、アベ様は「最高の責任者は私だ。・・・・・・私たちは選挙で国民の審判を受ける」と仰いましたし、それに、「地元に丁寧に説明し、理解を求めながら進める」とも仰せられました! 今般の名護市議会議員選で再び名護市民の明確な辺野古移設への反対の民意が示されたのですが、・・・・・・「安倍内閣が強引に進めている名護市辺野古沿岸部での米軍基地新設は、市民に再び拒絶された。地元の市議選で示された民意は明白」・・・・・・にもかかわらず、官房長官は「そんなの関係ねぇ」だそうです。酷いものです。豪語したアベ様の顔に泥を塗っています。
『●丸腰市民へ掃海母艦派遣・・・アベ様豪語
「最高の責任者は私だ。・・私たちは選挙で国民の審判を受ける」』
東京新聞のコラム【筆洗】は、沖縄に対する「差別性の極み」を考えつつ、「新憲法の審議に沖縄の声がきちんと届いていれば、戦争の実相と基地化の現実を踏まえた九条論議ができた・・・・・・これは今へと続く問い掛けだ」と述べています。「平成の治安維持法」を制定し、「戦争できる国」へと地ならしを着実に進めています。しかし、市民の反対の声など、アベ様や自公議員は全く意に介していないようで、全く腹立たしい限りです。
『●番犬様・米軍の飼い主の声は聞こえても、
辺野古市民の声は聞こえず「戦場」が見えない防衛省』
アベ様らは、一度目は名護市長選で敗退し、二度目は今回の名護市議選。そして、三度目の敗北は来る沖縄県知事選だと予想します。アベ様は三度敗れるはずです。アベ様が、「アベ様のイヌ」を使ってまで既成事実化を焦るわけですが、さて、三度に渡り民意を問うて三度敗れたアベ様達は、それでも、辺野古や高江の暴挙を続けるつもりだろうか、沖縄への「差別性の極み」を続けるつもりだろうか。
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【http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/152972】
辺野古の「海猿」に批判噴出! 移設反対市民を羽交い締めに
2014年8月30日
(羽交い絞め…(上)、押さえつけ(下)/ユーチューブから)
海上保安官の潜水士の姿を描き、人気となったTVドラマ「海猿」。危険を顧みず、人命救助に尽力する場面が話題となったが、沖縄・辺野古沖の「海猿」に対して批判が噴出している。普天間基地移設に反対する住民のカヌーを監視、執拗に追い回し、「警備活動」と称して手当たり次第、乗員をとっ捕まえているのだ。
「オラーッ」。
真っ青に広がる辺野古沖にドスの利いた声が響く。黒いゴムボートに乗った「海猿」の怒声だ。
「7月から始まった海上調査に対応するため、海保は全国の『海猿』を
辺野古沖に集中投入しています。基地移設反対派のカヌーを
見つけると猛スピードで近付き、写真を撮り、時には体当たりして
カヌーに飛び乗ってきます。まったく抵抗していないのに『確保!』と
叫びながら市民を羽交い締めにして強引にボートに引き上げる
こともあります。まるで戦前の特高警察です。このままだと
大事故が起きますよ」(地元住民)
一部報道によると、反対派の住民はこれまでに20人近くが拘束されたという。うち32歳の男性は、身柄を確保された際に頚椎捻挫のけがを負わされたとして、「海猿」を29日にも、特別公務員暴行陵虐致傷罪で那覇地検名護支部に告訴するという。
いやはや、TVで脚色された“虚像”とはいえ、これが正義のヒーロー「海猿」の姿とは驚きだ。
一連の行動に問題はないのか。第11管区海上保安本部に聞くと、「頚椎捻挫した男性がいた? 海保として事実は確認していません。(活動は)現場海域の安全確保と法令励行のためです」(総務課)と答えた。
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【http://www.magazine9.jp/article/mikami/14466/】
三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉
第5回いつかは分かり合える日がくると信じたい。~8月30日、40人のカヌー隊と「海猿」との、壮絶な闘いの跡から
8月30日。この日がカヌー隊のXデーになると知らされたのは直前だった。
この決戦計画は極秘で、それを証拠に放送局のカメラはひとつも海に出ていなかった。「反対アピール」が目的ならメディアをよぶだろう。彼らは世論に訴えるところにとどまらず、「本気で阻止」を決意しているのだ。
8月14日に、辺野古崎の周囲は赤いフロートで囲まれてしまった。その中に基地建設の第一歩であるボーリング機材が持ち込まれ、台船が組み上がり、海に穴を開けていく。
非暴力の抵抗を貫き阻止行動をしたいと、海保との直接対決も厭わずに集まってきたカヌー隊だが、このフロートに阻まれやぐらに近づくことができない。
2004年・2005年の沖合案の時には、反対する人々が海の中に立てられた4つのやぐら全てによじ登って座り込み、ボーリング機材を稼働させなかった。
政府が今回、海保を大量動員し、周辺の漁協も懐柔して、提供水域の形まで変えてなりふり構わず押さえ込もうとしているのは、海のやぐらやボーリング機材にしがみついてでも、あきらめずに反対する人々がいること、それを警戒するためである。
そして、あれから2週間、カヌー隊はフロートに近づいては海保に拿捕され、行く手を阻まれてやぐらには到達できないまま、効果的な阻止行動ができないでいた。
しかし、作戦は密かに進んでいた。
8月30日、決戦の日。満を持して集まった40人のカヌー隊が、この日一斉に台船を目指し、国が海に浮かべた見苦しい赤い鎖を次々と超えていったのだ。
この日の午前10時ごろ、辺野古は西から進んできた黒い雲に覆われ、一時、強い雨と雷に襲われた。海保や、防衛局が雇った漁師の船も一旦、港に戻って待機。灰色にそまった海上から一瞬、船の姿が消えた。
やがて雨が収まると、辺野古の浜から静かに20隻のカヌーが滑り出した。4隻の船も海域で配置につく。目指すは辺野古浜近くの掘削作業用のやぐら。赤いフロートに二重に囲まれたあのやぐらを占拠し、作業を止めるためだ。
異変に気づいた海保のゴムボートが猛スピードで集まってきた。
あっという間に10隻ほどが海域に結集し、「フロートに近づかないでください!」「それ以上接近したらわかってますね?」と拡声器で叫ぶ。カヌー隊は、淡々と打ち合わせ通りの配置に付く。そして、一斉に赤いフロートを超え始めた。
パドルで超えようにも、乗り上げている時間が長いと海猿に確保される。
そこはチームごとに打ち合わせたとおり、先に飛び込んでカヌーを引く者、2艇まとめて後ろから押す者、プカプカ浮いて注意をそらす隊員…。
作戦中止を訴える海保の怒号と、抗議船の拡声器で騒然とする中、次々にフロート間際で転覆させられるカヌー。投げ出される隊員、引き上げる海保。それでも、もみ合う一団をすり抜けて、何隻かのカヌーがやぐらに迫って行った。
しかし、海保のボートに追いつかれ、次々に飛び乗られて撃沈。中に入って行ったメンバーはすべて海保の黒いゴムボートに拘束された。乗り手がいなくなった色とりどりのカヌーが、あっちこっちの海面でひっくり返っていた。
壮絶な海上の戦いの跡。市民の無謀な行動に呆然とする海保の姿があった。
この40分、私の目の前で展開されていたのは、まぐれもない体当たり戦、だった。海のスキルを鍛え上げてきた海保の海猿たちにしてみれば、結局は捕まり、ゴムボートに拘束される運命とわかっていて、なぜ、カヌーのような弱い存在が次から次へと無駄な抵抗をするのか、理解できないだろう。
もはや気の毒にさえなったのか、当初のような手荒な行為を控える人もいた。
結論は出ているのに、秩序を乱すだけの集団。手のかかるならず者たちだと、我々を思うのかもしれない。
でも、船の数も、装備も、練度も完全に負けていて、権力も政治力も、なにも持たない彼らがなぜここまでのことをするのか。もしかしたら少しずつは考え始めてくれたかもしれない。
海保の皆さんはきっと、海を愛しているだろう。
だから、海を壊したくない気持ちはよくわかってくれるだろう。親しんだこの海の素晴らしさを知っているからこそ、大学生から70代の大先輩まで、年代も生きる世界もバラバラな人たちが、やむにやまれずパドルを手に、厳しい海上工事の現場まで来てしまうのだと。
それでも、まだ腑に落ちないだろう。
こんな負け戦に見える戦いを、なぜ彼らが繰り返し挑んでくるのか。そこは沖縄に来て数ヶ月では、わからないかもしれない
全てを失った沖縄戦から70年のできごと。伊江島で土地を守るために戦った阿波根昌鴻さんから、米軍の統治の横暴さに抵抗して投獄された瀬長亀次郎さんから、脈々とこの島で生きるものたちが受け継いできたもの。
沖縄が歩んだ道は、負けるとわかっていたって引き下がれないことばかりだった。
その歴史的な任務を引き継いで今を生きる人たちの覚悟について。圧倒的な力を持ってしても、決して根絶やしにすることはできない信念、希望、明日を変えられると信じる力。
そんなことを、できれば海保の皆さんの一人一人と話してみたいと、この日海に出た人や、浜で固唾を飲んで見守っていた人たちは皆思っていたに違いない。
この日は結局、誰ひとりやぐらに登ることはできなかった。
カヌーと身柄を返してもらい、夕方辺野古の浜に集まったメンバーに、周囲からは惜しみない拍手が送られた。確かに力でねじ伏せられたが、悲壮感はなかった。
その力を容赦なく行使するのは「国」であり、敵は海上保安庁の職員ではない。本当は、共に海を愛し、守るという理想を語り合える関係でいたいと、壮絶なぶつかり合いの後でも、私たちは思うことができる。
そうやって、作り上げられた対立の構図に落とし込まれずに、いつかは分かり合えると信じられる力こそが、希望そのものなのかもしれない。
三上智恵監督新作製作のための
製作協力金カンパのお願い
沖縄の基地問題を描く、三上智恵監督新作の製作を来年の2015 年完成を目標に開始します。製作費確保のため、皆様のお力を貸してください。
◎製作協力金10,000円以上、ご協力いただいた方(もしくは団体)は、映画HPにお名前を掲載させていただきます。
◎製作協力金30,000円以上、ご協力いただいた方(もしくは団体)は、映画エンドロール及び、映画HPにお名前を掲載させていただきます。
※掲載を希望されない方はお申し込みの際にお知らせ下さい。
■振込先
郵便振替口座 00190-8-513577
名義:三上智恵監督・沖縄記録映画を応援する会
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014090902000141.html】
【社説】
「辺野古」強行 拒絶する名護の民意
2014年9月9日
安倍内閣が強引に進めている名護市辺野古沿岸部での米軍基地新設は、市民に再び拒絶された。地元の市議選で示された民意は明白だ。政府にはこのまま工事を進めるのではなく、再考を求めたい。
沖縄県内では七日、一村長選と二十四の市町村議選の投票が行われた。無投票で決まった自治体を含め、県内四十一市町村のうち約三分の二で選挙が行われた沖縄県版「統一地方選」である。
全国的な統一地方選は来年春に行われる。沖縄県では米軍占領下の一九四六年九月、本土に先駆けて首長・議員選挙が行われたため時期がずれている、という。自治体選挙の実施時期からも、沖縄県民が強いられた苦難の歴史がうかがえる。
今回、全国的にも注目を集めたのは名護市議選だろう。同県宜野湾市の米軍普天間飛行場を日本側に返還するため、代替施設を辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に建設する「県内移設」に対する市民の判断が問われたからだ。
しかし、米軍基地の新設は、市民には負担増にほかならない。
辺野古移設反対を掲げて再選された名護市の稲嶺進市長は市議選でも反対派候補を支援した。「市長与党」は一議席減らしたものの引き続き過半数を確保した。名護市民の意思は明白である。
公約を破って県内移設容認に転じた仲井真弘多知事が三選を目指す十一月の県知事選への影響も避けられないだろう。政府は市議選結果を重く受け止めるべきだ。
安倍内閣は八月中旬、埋め立て地盤の強度や地質を調べる海底掘削調査を始めた。知事選前に建設を既成事実化し、県内移設の争点化を避けたいのだろう。
安倍晋三首相は内閣改造で、菅義偉官房長官に新設した「沖縄基地負担軽減担当相」を兼任させ、記者会見では「沖縄の方々の気持ちに寄り添い、これまで以上に全力で当たってほしい」と語った。
住宅地に囲まれた普天間飛行場の固定化を避けるのは当然だ。基地閉鎖、日本側への土地返還は喫緊の課題ではある。
とはいえ、同じ県内で基地をたらい回しにしては、在日米軍基地の約74%が集中する沖縄県民全体では負担軽減になるまい。
菅氏は名護市議選後、「辺野古移設は淡々と進めていきたい」と述べた。沖縄の気持ちに寄り添うというのなら、県内移設の強行ではなく、「国外・県外移設」の実現にこそ政治力を傾注すべきだ。あらためて強調しておきたい。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014090902000120.html】
【コラム】
筆洗
2014年9月9日
憲法制定をめぐる重い事実がある。戦争放棄という人類の理想をうたった新憲法案を議論した帝国議会に、沖縄県選出の議員は一人もいなかったという事実だ▼終戦の四カ月後、衆議院で沖縄選出の漢那憲和(かんなけんわ)議員は訴えた。「これは、見ようによっては沖縄県に対する主権の放棄」「帝国議会における県民の代表を失うことは、まことに言語に絶する痛恨事であります」▼批判の矛先は、衆院選挙法の改正案。憲法改正に先立って選挙も男女同権など新時代にかなうものにする。戦後民主主義の第一歩であったが、この改正で沖縄県民は選挙権を停止されてしまった▼戦争の地獄を見た沖縄県民を「戦後の平和」から切り捨てるのか。漢那の悲痛な思いは昭和天皇にも届いていたろうか。皇太子時代に訪欧した際、お召し艦の艦長として随伴し厚い信頼を得た軍人こそ漢那だった▼しかし、平和憲法制定と沖縄の基地化は、車の両輪のように進んだ。公表された『昭和天皇実録』にも、米軍による沖縄占領継続こそ日米双方の利となると、天皇が米側に伝えたとの文書が引用された▼憲法制定史に詳しい古関彰一氏は、労作『「平和国家」日本の再検討』で、新憲法の審議に沖縄の声がきちんと届いていれば、戦争の実相と基地化の現実を踏まえた九条論議ができたのではないだろうかと指摘している。これは今へと続く問い掛けだ。
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CMLに出ていた記事を孫コピペさせてもらいます。
尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船との衝突のビデオについて、『日刊ゲンダイ』への田中康夫氏の「緊急寄稿」です。
神戸の海上保安官(主任航海士)が流出させたそうですが、その理由・目的がよくわかりません。
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2010-November/006274.html】
【緊急寄稿】「尖閣ビデオを観て・・・」期待外れだった これが「衝突」なのか
11月1日(月)午前8時から衆議院第一議員会館内の特別室で、衆参両院予算委員会理事懇談会が開催され、今年9月7日の尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船との「衝突事案」の映像記録の視聴が行われました。出席した29名の1人として田中代表も視聴し、「日刊ゲンダイ」に緊急寄稿しました。
「見れば一目瞭然」と前原誠司外務大臣が、海上保安庁を所管する国土交通大臣時代に豪語していたヴィデオが、遂に公開されました。本日11月1日午前8時から衆議院第一議員会館地下一階の特別室で開催された、衆参両院予算委員会理事懇談会の場で。
限定29名の中の1人として、海上保安庁の鈴木久泰長官の説明と共に、9月7日午前10時15分からの3分20秒、同10時56分からの3分30秒、都合6分50秒のヴィデオを視聴した限りに於いては、豈図(あにはか)らんや、「う~む、この程度だったのか」が偽らざる印象です。
前編は、巡視船「よなくに」の左船尾に中国漁船の左船首がぶつかった前後。後編は、その約40分後に巡視船「みずき」の右舷中央部に中国漁船の船首がぶつかった前後。が、それを「衝突」「追突」「接触」の何(いず)れと捉えるか、批判を恐れず申し上げれば主観の問題ではないか、と思われる程度の「衝撃」なのです。出席していた複数の議員も、同様の見解を僕に呟きました。
鈴木長官の説明に拠(よ)れば、2度目の衝突から2時間後の午後零時56分、「領海外」で2隻の巡視艇が中国漁船を挟む形で拿捕(だほ)。然(さ)したる抵抗も無く、船長以下の乗組員は任意の事情聴取に応じます。公務執行妨害での逮捕は、その14時間後の8日午前2時3分です。
既に9月30日の予算委員会でも指摘した様に、領海侵犯や違法操業、入管法違反という毅然たる「王道」でなく、公務執行妨害という「覇道」で逮捕の意気地なき判断ミスを前原氏が下したのが、その後の迷走の原因。
まっ、斯(か)くなる”お子ちゃま大臣”を糾(ただ)した所で詮方ないので話を先に進めれば、反政府デモが禁じられている鬱憤(うっぷん)を、反日デモの形で発散している可哀相な存在が中国国民。それと同じ土俵で日本も激高した所で問題は解決しません。
貪欲に国益を追求するナショナリズムの大国が中国。が、アメリカとて同じく、貪欲に国益を追求するデモクラシーの大国なのです。国家とは本来、国益を追求してこそナンボの存在。とするなら、こちらが成熟した国家として、笑顔で握手しながら机の下では”急所”を握る、大人の外交戦略を打ち立てるべき。
が、不幸にも、理念も哲学も覚悟もなき日本政府は、上げ潮路線ならぬ”下げ潮路線”で右往左往、内外から押し切られるばかりなのです。う~む。
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