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●脱メディアコントロールを! 《そもそも、野党に対して<批判ばかり>などと報道しているメディアは一体、何のために存在している》?

2021年11月09日 00時00分10秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日、ブログ主が改変)↑]


――――――― (狙撃兵)《歴然としているのは、選挙に行かないこの5割の有権者こそが今日の政治状況を変えうる最大勢力であるという点だ。そのうち2~3割が動いて投票率が70~80%の選挙が展開されるだけでも局面はガラリと変わることになる》。#投票倍増委員会 会員として、いつも通り、当然に、#わたしも投票します

――――――― (神保哲生さん)《ほとんど政治に変革が期待できない日本でも、選挙の投票率が先進国の平均レベルに達した瞬間に、大きな変革が起きているのです。つまり、どうせ政治に変革なんて期待できないから投票に行っても意味がない、のではなく、投票に行かないから政治が変わらないだけのことだったのです。そして、この低い投票率が、決してメディア報道とは無関係ではないことを…》

――――――― 故・石川真澄さん《『死票を大量に生む小選挙区制では民意を国会に反映できない』などと、小選挙区制導入に反対の論陣を張った》新聞記者

――――――― 中島岳志さん「今回の選挙の総括をまちがえてはいけない野党共闘が否定されたのではない野党共闘が徹底できなかったことが問題なのだ



(2021116[])
日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/公正なルールを欠いた岸田自民は日本経済の衰退を加速させる】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/296583)。

 《医療崩壊が起きた大阪では100万人当たりの死者が344人に達した病院削減が原因にもかかわらず、張本人の維新が「身を切る改革」をシレッと訴え続けているのは、本質的な追及を受けていないからだ。…安倍、菅、そして岸田へと続く9年間の自民党政治が日本社会をぶっ壊したメディアの検証能力が著しく減退したことで、根本的な問題が忘れられている》。

 《公正なルール》…《公正》 《公平》と最も程遠い自公お維。
 やはり今回も、脱メディアコントロールを進めなきゃ…。酷い状況だ。神保哲生さん「政治が活気を保つためには、選挙と並んでもう一つ重要な条件があります。それは、多くの人を惹きつけることのできる魅力的な政治報道が存在するかどうかです」「伝え手の腕や能力次第ではとても面白くもなり得る素材を、日本のメディアはきちんと料理できているでしょうか」「日本ではメディア、とりわけ政治メディアが正常に機能していないと考えざるを得ない」「この低い投票率が、決してメディア報道とは無関係ではない」。

   『●(ヨナオシフォーラム2020)《アベにスガるキシダメ内閣》よりも、
         #政権交代で命を守る新しい政権を! #わたしも投票します!
   『●経産省内閣復権でいいの? …デモクラシータイムス【総選挙の争点③
      どうするエネルギー EVと原発(古賀茂明×飯田哲也×山田厚史)】
   『●#VoiceProject #わたしも投票します #投票はあなたの声
      #投票倍増委員会 #YourVoteIsYourVoice #ImVotingToo
   『●「2/4」の選挙に行かない眠り猫の皆様が間接的に自公お維を
     支持する、それではいけない… #投票はあなたの声 #投票倍増委員会
   『●古舘寛治さん「『投票に行こう』というのが『異例』というなんて、
     どれだけ恐ろしい国なんだ。主権者は僕らなのに、みんなが黙っている…」
   『●神保哲生さん《…期待できないから投票に行っても意味がない、のでは
     なく、投票に行かないから政治が変わらないだけのことだったのです》
   『●あとの祭り…アベノカビマスク《当初は配布の目的を「品薄対策」と
     しながら、…「再流行への備え」を強調。批判の回避に懸命》だったが…
   『●あとの祭り…自公お維政治屋は《民を飢えさせない、安全な食べ物の
      供給、そして絶対に戦争をしないことが政治家の役目》を担い得ない

 自公お維ではなく、#政権交代で命を守る新しい政権を!…からほど遠い結末でした。地獄一歩手前の最悪な結果。いつもながらの、後悔先に立たず。

 選挙の時期、いつも思い出す ――― 森達也さん、「僕はもうあきらめた」「これから4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」(2014.12)。

   『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」「これから4年間で
         この国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」

 2019年参院選以来、脱メディアコントロールはほとんど進まず。
 【巻頭特集 野党共闘競り負け こんな自民党政権が続く痛恨と絶望<中>】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/296850)によると、《いろいろ大メディアは書き立てるだろうが、野党共闘の成果はあった 全289小選挙区の7割強にあたる217選挙区で野党候補が一本化した結果は、野党の62勝だった。立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の野党4党が政策協定を結んだことに対し、自民党は「立憲・共産主義」などとイチャモン批判を展開それに乗っかった大メディアは立憲の敗北に…》。
 最悪の結果。しかし、共闘なければ「地獄」だった。それにしても、メディアは酷い。

   『●次の国政選挙に向けて、先ずは脱メディアコントロール…
     …2019年7月参院選「あとの祭り」を繰り返さぬために

 あとの祭り…(ヨナオシフォーラム2020)《アベにスガるキシダメ内閣》がニッポンを破壊。
 日刊ゲンダイの記事【巻頭特集 野党共闘競り負け こんな自民党政権が続く痛恨と絶望<下>】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/296851)によると、《この先、自公政権の経済政策はどうなるのか。もし、自民党が大敗し、単独過半数を下回っていたら、経済政策もドラスチックに変わる可能性があった。しかし、自公の“安定多数”という結果になったことで、従来の政策が継続されるのは間違いない。この総選挙は、貧富の格差を拡大させたアベノミクス…》。

 (石川真澄さん)《死票を大量に生む小選挙区制では民意を国会に反映できない》。
 東京新聞の記事【投票率の低迷は自民有利の傾向 獲得票数は大敗した2009年と同程度】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/140331)によると、《衆院選の小選挙区(定数289)では、自民党が追加公認の無所属を含め計189議席を獲得した。2017年の前回衆院選から26議席減らしてもなお全体の65%を占める。小選挙区全体での獲得票数は2762万票で、同党が下野した09年衆院選とほぼ同じ。一方で投票率は、政権復帰を果たした12年衆院選以降、低迷している。近年の同党の強さは、獲得票数よりも投票率と連動する傾向がある》。

 中島岳志さんのつぶやき:

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https://twitter.com/nakajima1975/status/1455403373469986823

中島岳志@nakajima1975

今回の選挙の総括をまちがえてはいけない野党共闘が否定されたのではない野党共闘が徹底できなかったことが問題なのだ」という趣旨の論考を、5日発売の『週刊金曜日』に書きました。

午後2:16 2021年11月2日
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 日刊ゲンダイの記事【立憲と共産は野党共闘やらなきゃもっと負けていた…「“失敗論”は自公の思うツボ」と識者】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/296898)によると、《1区の星取表を前回と比較すると、2017年は野党が12勝35敗と大敗したが、今回は17勝30敗だった。17勝のうち、岩手、長崎、大分を除く14選挙区は野党一本化が実現していた。前回、一本化できず自民に敗れ、今回一本化により野党が勝った選挙区は7つ(茨城、千葉、神奈川、兵庫、奈良、徳島、宮崎)もある。…金子勝氏(憲法)が言う。「野党共闘を失敗と評価するのは間違っています。野党がまとまっていなければ、獲得できなかった議席もあるし、接戦にすら持ち込めなかった選挙区もあるでしょう。今回は競り負けた選挙区も少なくなく、力不足は否めない。選考方法など課題も多い。ブラッシュアップは必要ですが、野党が共闘に後ろ向きになれば、自公の思うツボです」》。

 日刊ゲンダイの記事【野党論客の落選に「批判ばかり」と報じるメディアのトンチンカン 元NHK政治部記者も使命放棄と指摘】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/296934)によると、《「ようやくモリ・カケ・桜もおしまいだな」 政府・与党内でこんな声が漏れている。31日に投開票された衆院選で、モリ・カケ・桜疑惑を徹底追及してきた野党の「論客」たちが軒並み落選したからだ。…一部メディアでは、落選した野党候補に対し、<批判ばかりしてるから落選した><有権者は見透かしている>などと報じているが、「合同ヒアリング」などがなければ、モリカケ・桜疑惑は曖昧なままで終わっていたことは確かだ》。

 マガジン9のコラム【言葉の海へ 第185回:異形の夜(鈴木耕)】(https://maga9.jp/211103-5/)によると、《最後に指摘しておかなければならないのは「選挙制度」である。ヘンじゃないか、復活当選制度って? 甘利自民党幹事長の選挙区落選は、この異形の夜の、ほぼたったひとつの溜飲の下がる出来事だった。しかし、その甘利氏「比例復活当選」という形で議席を確保した。落選議員がゾンビ復活、国会議事堂に棲息する。こんなおかしな制度も珍しい。ぼくは「小選挙区制」には、これが議論された時から反対してきた「死に票」が異常に多い制度は問題だからだ。1人しか当選しない小選挙区制では、51対49で、当選が決まる。つまり49%の人の票が死んでしまう。それを救うための妙な手段としてつくられたのが「比例復活」という制度だ。この制度を強引に推し進めたのが、小沢一郎氏だった。当の言いだしっぺが、岩手3区で落選した。自分が作った制度で敗れたのだ。これも歴史の皮肉というしかない。このコラムでも何度か指摘したけれど、歪なものは直さなくてはならない。選挙は終わった。すぐにでも「選挙制度改革委員会」を発足させて、もっと民意がストレートに反映される制度に改革すべきだと、強く主張しておく。ぼくは、31日の日が改まる前にテレビを消した。チャラチャラと後出しじゃんけんで騒ぎまくる「選挙特番」には反吐が出た。ぼくの「異形の夜」はこうして終わった。ベッドに入って本を読み始めたのだが、うまく眠れなかった。本音を言おう、口惜しいいいいいいいなあ……。》

   『●内省の〝無い〟国 ~不適切かつ無責任で、道徳的に誤った国~

 …さらなる恥さらし。恥の上塗り。あぁ自公お維、あとの祭り…内省の〝無い〟国 ~不適切かつ無責任で、道徳的に誤った国~。
 東京新聞の記事【官房長官、化石賞に反論 「日本へ高い評価」と強調】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/140870?rct=politics)によると、《環境団体が地球温暖化対策に後ろ向きな国に贈る化石賞に日本を選んだことに反論した。岸田文雄首相が国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で表明した発展途上国の温暖化対策支援に「多くの参加国から高い評価と歓迎の意が示された」と強調した。同時に、2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」への取り組みを推進し「脱炭素社会の実現に向けて国際社会を主導していく」と述べた》。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/296583

金子勝 立教大学大学院特任教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。

金子勝の「天下の逆襲」
公正なルールを欠いた岸田自民は日本経済の衰退を加速させる
公開日:2021/10/27 06:00 更新日:2021/10/27 06:00
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     (岸田首相の「新しい資本主義」とかいうスローガンは、
      “アベスガ政治”との決別を印象付ける単なる小道具
      (C)日刊ゲンダイ)

 総選挙をめぐる報道を見ていると、大手メディアは与党に忖度していると思えてならない。本当に問わなければいけないのは、安倍・菅・岸田政権のありようだ。ところが、取り上げるのは表面的な政策ばかり。給付金支給の有無とか、スローガンに過ぎないところを争点化することで、有権者の選択は歪められかねない。

 この4年間、この国で何が起きたかをハッキリさせないといけない。問題は大きく3点ある。まず、コロナ失策によって死者は1万8000人を超えた。東日本大震災と同等の被害だ。英国では国会議員が超党派でまとまり、科学者もリーダーシップを発揮してコロナ対策を検証し、ジョンソン首相が謝罪する局面があった。しかし、日本ではそうした動きは全くない。政策を間違えても責任を問われず、間違え続けるのであれば、政策論争の意味はない。

 医療崩壊が起きた大阪では100万人当たりの死者が344人に達した病院削減が原因にもかかわらず、張本人の維新が「身を切る改革」をシレッと訴え続けているのは、本質的な追及を受けていないからだ

 次に、アベノミクスの失敗についても検証されていない。20年以上も実質賃金が下落しているのは日本だけで、韓国にも抜き去られた。成長戦略に掲げた原発輸出、カジノ、リニア中央新幹線、東京五輪によるインバウンド拡大。すべて失敗した。大臣の暴言やNTTによる高額接待を見る限り、デジタル戦略もうまくいっているとは思えない。「成長と分配の好循環」がどうすれば生まれるのか、岸田首相の口からはキチンとした説明がない。

「新しい資本主義」とかいうスローガンは、安倍・菅政治との決別を印象付けるための小道具だ。だから中身はなく、古くさい縁故主義がはびこっている。口利きワイロ疑惑を抱える甘利幹事長の復権は象徴的だ。アベ、アソウ、アマリ、キシダとみな世襲でまるで江戸時代に逆戻りだ。政権交代によって、モリカケ桜問題をはじめとするあらゆる疑惑に関連する公文書をオープンにし、国家私物化を白日の下にさらさないといけない公正なルールを欠いた資本主義は経済を衰退させるからだ

 安倍、菅、そして岸田へと続く9年間の自民党政治が日本社会をぶっ壊したメディアの検証能力が著しく減退したことで、根本的な問題が忘れられている
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/296934

野党論客の落選に「批判ばかり」と報じるメディアのトンチンカン NHK政治部記者も使命放棄と指摘
公開日:2021/11/04 06:00 更新日:2021/11/04 14:24

     (野党の尽力があったからこそ(C)日刊ゲンダイ)

「ようやくモリ・カケ・桜もおしまいだな」

 政府・与党内でこんな声が漏れている。31日に投開票された衆院選で、モリ・カケ・桜疑惑を徹底追及してきた野党の「論客」たちが軒並み落選したからだ。

 立憲民主や共産などの野党はこれまで、不祥事が発覚する都度、「合同ヒアリング」を立ち上げて疑惑を追及してきた。憲法62条には、<両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる>との国政調査権に関連した規定があり、野党は森友問題では改竄された財務省の決裁文書の提出を求めたり、桜疑惑では安倍元首相の事務所とホテルでやり取りされた資料の提出を求めたりしてきた。

 安倍・菅政権で起きた数多くの不祥事をめぐり、予算委などで参考人招致などが実現し、国民の知る権利につながったのも、こうした野党の尽力があったからだ

 ところが、今回の選挙では、野党「合同ヒアリング」の常連だった、立憲民主の辻元清美氏(大阪10区)、黒岩宇洋氏(新潟3区)、今井雅人氏(岐阜4区)、川内博史氏(鹿児島1区)などが落選してしまった。

 こうした状況に対し、ネットでは<黒岩さんや今井さん、川内さんがいなくなって、合同ヒアリングはどうなるの?><モリカケ・桜は?><まさかこのまま終わりじゃないよね>といった書き込みがチラホラ。

 一部メディアでは、落選した野党候補に対し、<批判ばかりしてるから落選した><有権者は見透かしている>などと報じているが、「合同ヒアリング」などがなければ、モリカケ・桜疑惑は曖昧なままで終わっていたことは確かだ

 そもそも、野党に対して<批判ばかり>などと報道しているメディアは一体、何のために存在しているのか本来であれば、政府、与党の姿勢を批判するのはメディアの役目であり、その使命をメディアが放棄しているため、代わって野党議員が前面に立たざるを得なくなったのではないか

 元NHK政治部記者で評論家の川崎泰資氏はこう言う。

野党が政府・与党の姿勢をただすために批判する当たり前じゃないですか政治の原点ですよ野党が与党と一緒に『いいね、その通り』と言っていればいいのであれば野党である必要がないし、国会もいらないメディアが政府・与党応援団と化しているから、野党議員の批判が目立っているのです」

 落選した野党前職は捲土重来を期待したい
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●「個人攻撃」の何が問題? 「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」が国会議員、自民党総裁でいいのか?

2018年08月30日 00時00分05秒 | Weblog

[※ 《#ケチって火炎瓶 》「選挙妨害を暴力団に発注した方は、素直に挙手願います!東京新聞2018年8月27日)↑]



リテラの記事【石破茂「正直、公正」が安倍首相の個人攻撃という噴飯! 安倍独裁化で首相批判が完全タブーのディストピア】(http://lite-ra.com/2018/08/post-4213.html)。

 《だが、ちょっと待ってほしい。そもそも「正直、公正」って、別に政治家として当たり前の志だろう。それを自民党は「安倍首相への個人攻撃」になると騒いでいるのだから、コレ、裏を返せば、安倍首相は「正直、公正」ではなく「嘘つき、不正」と自民党が認めてしまったということではないのか(笑)》

 日刊ゲンダイの記事【仰々しかった総裁選会見 安倍首相が維新を気取る気味悪さ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/236314)によると、《またもや「明治維新」である。延ばしに延ばした自民党総裁選への出馬表明。安倍首相は26日、視察先の鹿児島県で、雄大な桜島をバックに立候補の決意を語った。地方での出馬表明は異例。地方票に重きを置いているというアピールとともに、鹿児島を選んだのは…》。
 記者は、「選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」が国会議員、自民党総裁でいいのか?」をなぜ問わないのだろう、不思議だ。

   『●《 #ケチって火炎瓶 》…「選挙妨害を暴力団に発注する」アベ様が
                       国会議員、自民党総裁、ましてや首相?
    「「ケチ」ったという人間的なせこさは笑えるのですが、問題の本質は
     そこではない。火炎瓶を投げ込むというのも許される行為ではないし、
     アベ様御夫妻にはお気の毒。でも、アベ様が選挙妨害をしていた
     さらには、アベ様がそれを暴力団につながるような方に依頼していた
     というところが、たとえ時効でも、国会議員として大問題です。ましてや、
     天下の自民党の総裁でいいのですか?」
    「山岡俊介さんがスクープし、以前から問題提起し続けていました。
     もはや地元の安倍事務所が勝手にやったではすまされない大問題。
     政治家失格(それ以前に、人間失格)。首相になどしてはいけない
     ダークさでした。
    「そして、なんと、山本太郎さんが、本年7月17日午前の参院内閣委員会で、
     アベ様のこの「ダーティな政治手法」「ダーティな本質」について質問!! 
     アーカイブもあります
     (http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?ssp=34887&type=recorded)」

 個人攻撃でなく、「選挙妨害を暴力団に発注する」人が国会議員、自民党総裁というのは、一般論としても、相当に醜悪だ。あり得ない話。
 でも、個人攻撃で何が悪いのだろうか? 《だが、安倍首相とそのシンパたちはこうした声に絶対に耳を貸さない。だとしたら、もう「個人攻撃」で結構である。わたしたちは今後いっそう、安倍政権に対する批判の声を大きくしていかねばならない》。全く同感。

 《Twitter上には「#石破氏の新キャッチフレーズ」なるハッシュタグが登場。…つまり「石破氏の新キャッチフレーズ」の体裁をとりながら、安倍首相に総理大臣としての、いや、そもそも政治家としての資質が皆無であるということを、人々が思い思いに皮肉ったわけである》。素晴らしい。「息吐く様にウソをつきません」「ご飯論法を使いません」もあります。
 でも、考えようによっては、現状のニッポンが独裁国家であり、《ディストピア》である…哀しさ。そんなアベ様の「政」がまだまだ続くのですから、気が滅入るばかり。

   『●「草の根でリベラルな価値そのものを広めていく…
       正面からリベラルな価値を訴え、裾野を広げる戦いを」!
    「マガジン9の鈴木耕さんによるコラム【言葉の海へ/第9回:安倍政治
     行き着く先の ディストピア】…でも、《小選挙区での自民党の得票率は
     47.1%だが議席数に占める割合は74.39%(215議席)、
     比例では33.2%の得票で議席占有率は37.5%(66議席)だ(…)。
     比例では、ほぼ得票率に応じた議席数しか獲得できていないのに
     小選挙区では「死に票のおかげで大勝利したのだ》」

   『●ニッポンは民主主義国家? 《明白な事実や数字を
         権力者が都合のいいように変え、信じ込ませようと》…
    「【論壇時評「思考を奪う言葉の操作」中島岳志】…《言葉が書き換えられ、
     消去されるという事態》…ニッポンは民主主義国家なのか?」
    「ジョージ・オーウェルの小説『1984年』の《ディストピア(反ユートピア)》
     …そして、「ビッグ・ブラザー」。ニッポンではとっくに、斎藤貴男さんの言う
     《明白な事実や数字を権力者が都合のいいように変え、
     信じ込ませようとする》社会に」

 そもそも、誰が総裁になろうが腐りきった自民党が変わる訳もないことが分かりきっている…虚しさ。自民党内の「壊憲論者」「核信者」同士の優劣を考える…虚しさ。

   『●よっぽど人財が居ないのね、自民党には…
      誰が自民党総裁になろうが、絶対にな~んにも変わりませんってば
    「村上誠一郎氏あたりならまだしも、ミリタリーオタクとエエ格好しいのジュニア、
     こんな二人に何を期待…?? 小泉パパは、「自民党をぶっ壊す」と宣言して、
     「ニッポンをぶっ壊」してしまった人だし」
    「引用した東京新聞の記事、大笑いだ。口では《自分はまだまだだ》
     と謙遜しつつも、《「反軍演説」自らと重ね》って、何かの冗談? しかも、
     「核信者」の御言葉とは思えないですね。《反骨の政治家に共感する
     姿勢を示している》? 《反骨の政治家》…アベ様らと〝同根の政治家〟
     だと思うのですが」

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http://lite-ra.com/2018/08/post-4213.html

石破茂「正直、公正」が安倍首相の個人攻撃という噴飯! 安倍独裁化で首相批判が完全タブーのディストピア
2018.08.28

     (「正直、公正」を堅持すると表明した石破氏だが…(公式サイトより))

 9月20日に投開票の自民党総裁選。今月26日に出馬宣言を行った安倍首相と、すでに立候補を表明していた石破茂元幹事長との一騎打ちとなる模様だが、そんななか、石破陣営の選挙戦略に対する自民党内の反応が実に噴飯ものだ

 周知の通り、森友加計問題などに対する安倍首相の対応に批判的な石破氏は、今回の総裁選を「正直、公正」とのキャッチフレーズで戦うと宣言してきたわけだが、25日、ネット番組のなかで突如このフレーズを封印・変更することを示唆。番組終了後、記者団に対しても「別に人を批判するつもりはまったくない。そういうふうにとらえる方がいるなら、変えることだってあるだろう」と語ったという。

 しかし昨日、石破氏は昨選挙公約を公開した記者会見で「正直、校正」のフレーズを堅持すると表明。最後まで安倍首相を党内から批判する立場として総裁選に臨む方針を固めたのだ。

 当然だろう。おかしいのは、石破氏が「正直、公正」の撤回を示唆する原因となった、自民党の状況のほうだ

 すでに多数のメディアが指摘しているように、石破氏が一度はキャチコピーを取り下げるポーズをとったのは、党内から安倍首相への個人攻撃だなる批判を受けてのことだとみられている。実際、参院では石破氏を支持するとしている竹下派の吉田博美参院幹事長も「相手への個人的なことでの攻撃は非常に嫌悪感がある」などと述べていた。

 だが、ちょっと待ってほしい。そもそも「正直、公正」って、別に政治家として当たり前の志だろう。それを自民党は安倍首相への個人攻撃になると騒いでいるのだから、コレ、裏を返せば、安倍首相は「正直、公正」ではなく「嘘つき、不正」自民党が認めてしまったということではないのか(笑)。

 まあ、そう考えると石破氏が下げる素ぶりを見せたのも、この倒錯的な党内に苦言を呈するメッセージのような気もしなくもないが、どちらかというと、世論の反応を見ての判断というところが大きいのだろう。

 というのも、石破氏の「正直、公正」撤回示唆発言を受けて、Twitter上には「#石破氏の新キャッチフレーズなるハッシュタグが登場。これがいわゆる大喜利状態となり、こんな盛り上がりを見せていたからだ。

憲法違反はしません!
お友だちを優遇しません
国民を“こんな人達”と呼びません!
強行採決を繰り返しません
災害時に宴会はしません
自分のフェイスブックへの差別的書き込みを放置しません
ネトウヨ作家をNHK経営委員にしません
ヤクザに汚れ仕事は依頼しません!!
公文書は改竄せずに保存しておきます!
聞かれたことに答えます
約束を守ります
自由と民主主義

 わざわざ解説するのも野暮だろうが、つまり「石破氏の新キャッチフレーズ」の体裁をとりながら、安倍首相に総理大臣としての、いや、そもそも政治家としての資質が皆無であるということを、人々が思い思いに皮肉ったわけである。

 振り返るまでもなく、安倍首相はこの間、森友加計問題だけでなく、財務省の公文書改ざん問題や防衛省の自衛隊日報問題などの不祥事や、安保法制をはじめとする政府法案などでの国会答弁で、さんざんウソやごまかしを重ね、果ては国民の疑問に答えずに逆ギレを繰り返しながら遁走を続けるという、おおよそ先進国政府のトップとは思えない無茶苦茶なことをやってきた。


■安倍独裁化がすすむ自民党、安倍首相に対する批判が完全タブーに!

 ゆえに、Twitterで流行した「#石破氏の新キャッチコピー」は、そうした愕然とせざるを得ない政治状況に対して、人々が明確に「NO」をつきつけたことのあらわれであり、言い換えれば、石破氏を素朴に応援するムーブメントではなくて、挙げられたコピーの集合体こそ、まさしく安倍首相と代わってもらいたい首相像”だと言っていいだろう。

 だからこそ、一度は党内からの批判に屈し、安倍首相との対決姿勢をトーンダウンさせようとした石破氏が、この尋常ならざる世論のうねりを目の当たりにして「正直、公正」に立ち戻った。そういうふうに思えてくるのだ。そして、その意味では「#石破氏の新しいキャッチコピー」のハッシュタグは、単なるネットの大喜利を超えて、一種の社会運動となったと評価するべきなのかもしれない。

 しかし、それにしても呆れるのは、すっかり安倍独裁状態と化した自民党だ

 すでに一線から身を退いた自民党の長老たちに言わせれば、以前の自民党はタカ派とハト派を抱える事情と派閥間の権力争いとが重なるなかで、党内からも時の首相を公然と批判する声があがり、その批判を受けて首相側も妥協点を探る議論を行なっていたという。

 しかし、いまや状況はまったく異なる。繰り返すが、「正直、公正」という当たり前のことを掲げる石破氏が、自民党内から「安倍首相への個人攻撃だ!」と血祭りにあげられているという事実が示すのは、もはや、党内は安倍シンパのロボット議員ばかりとなっていて、首相に対する批判が完全にタブー化しているということに他ならない。いやはや、いったいどこの独裁政権の話なのか

 思えば、これまでも政権周辺や安倍応援団は、政権のスキャンダルが浮上したり、法案の危険性や行政の問題行為が発覚したりして、国民から批判の声が上がるたびに「安倍さんへの人格攻撃だ!」などと散々がなりたててきたし、安倍首相もまた抗議のコールをあげた有権者に対してこんな人たちに負けるわけにはいかないんですよ!と暴言を放っている


■自由と民主主義を求めただけで、首相への個人攻撃と弾圧されるディトピア

 無理やり「批判者のほうが悪いのだ」とする印象操作と同時に、安倍政権に対する批判を封殺しようという弾圧行為だ。石破氏に対する自民党内からの「個人攻撃だ」とのバッシングも、まさに同じ狙いにほかならない。はっきり言うが、石破がどうこう以前の話で、こんな連中が政権与党であること自体がありえないのである。

 このままではマスコミや市民が「ウソで国民をごまかす政治はやめろ」「えこひいきのない公正な政治を求める」と、民主主義国家としてごく当然ことを言っただけで、誰もが安倍首相への個人攻撃なるレッテルを貼られ、政権から弾圧されてしまう。

 実際、例の「#石破氏の新しいキャッチコピー」のムーブメントのなかにはこんなツイートまで見られた。

   〈自由、民主主義、寛容、報道の自由、地方分権、開かれた政治、
    国民第一、弱者にやさしい政治、格差是正、公金の適正支出、
    討論・対話重視、誠実、三権分立、権力を私物化しない…
      ダメだ。何を言っても安倍への個人攻撃になってしまう。〉


 アイロニックではあるが、安倍政権下の日本の状況を端的に言い当てているだろう。冗談ではなく、こんなディストピアめいた状況が、安倍首相のもとで現実化しているのである。

 何度でも繰り返す。安倍首相の“対抗馬”に求められていることは、この国が民主主義国家を標榜する以上、どれも当たり前のことでしかない。「正直、公正」もまた、国民が政治に求めてごく当然のことである。だが、安倍首相とそのシンパたちはこうした声に絶対に耳を貸さない。だとしたら、もう「個人攻撃」で結構である。わたしたちは今後いっそう、安倍政権に対する批判の声を大きくしていかねばならない。

(編集部)
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●「勝者総取り」という「特異な民主主義」…得票率1/4で3/4の議席を占めるスゴイ「民主主義」的選挙

2017年12月01日 00時00分17秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



『マガジン9』のコラム【鈴木耕 言葉の海へ/第12回:憲法の言葉こそ】(http://maga9.jp/kotobano171122/)。

 《小選挙区制という制度の不備…それに対しては、批判や罵倒が山のように飛んできた…ここで多いのが「民主主義」という言葉だ。批判者はまるで勝ち誇ったように「民主主義」を連発する。ふだんはあまり「民主主義」を好んでいないような人たちがここぞとばかりにこの言葉を投げつけてくる。だから内田さんは、彼らが連呼するのは「特異な民主主義」だという。つまり、いまの日本の小選挙区制という政権与党が常に圧勝する仕組みによる、本来の意味での「民主主義」とは異なるものではないかというのだ》。

   『●争点は「壊憲」: 若者の皆さん、「もしあなたが
        投票に行かないと日本はどうなってしまうのか?」
    「WP『100% Go Vote!(全員、選挙に行こう!)』は、
     コチラです ⇒ 【http://www.japanteam.net/100vote/index.html】…
       少しでも投票率が100%に近づくことを願っています。
     大袈裟なことではなく、「20XX年、再び戦争が始まった…
     とならないために」

   『●争点は「壊憲」: 
     「若者よ、戦争に行かず、選挙に行こう」…1票でしか変わらない
    「asahi.comの斎藤健一郎記者による記事『投票率85%の村で聞いてみた
     「選挙行きますか?」』…。羨ましい。《投票率85%》、《95%》! 
     「尊敬」するスウェーデンでは、常に80%を超えるそうです

   『●争点は「壊憲」:「若者は、選挙に行かず、戦争に行った」… 
                 本当にいいの? 「しらけ」ている場合なの?
   『●石川真澄さんを思い出す: 小選挙区制、そして、低投票率
   『●小選挙区制という幻想: 「死票が7割も出る制度」
    「神保哲生さんのvideonews.comの記事
     (http://www.videonews.com/on-demand/601610/002622.php)。
     …「死票が7割も出る制度」なんてお話にならんでしょ。当初、
     二大政党制になり、死票が最高5割と言っていたはずなのに、
     大いなる幻想だった訳。いまや、一大政党制の体たらく。
     怖い世の中だ。これも選挙民が選んだものとはいえ、
     『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」
     の愚痴の一つも言いたくなる。
       小選挙区制が導入される直前、石川真澄記者は「守旧派」として
     批判されたが、小選挙区制を支持した当時の政治家やマスコミ記者連の
     目は節穴か、確信犯だったようだ」
    《マル激トーク・オン・ディマンド 610回(20121222日)
     われわれが選んだもの、選ばなかったもの
     ゲスト:小林良彰氏(慶応大学法学部客員教授)》

   『●自民党の長期「党勢の低迷」…それでも絶対得票率1/4で
              3/4の議席を占める小選挙区制という欠陥制度
   『●全く民意を正しく反映していない「勝者総取り」…
        絶対得票率1/4で3/4の議席を占める欠陥制度

 《勝者総取り》という《特異な民主主義》。「2/4は選挙にも行かず、絶対得票率1/4で3/4の議席を占める」というスゴイ「民主主義」的選挙制度。

   『●「自民党の補完勢力」「自民党の2軍」癒党が野党を破壊し、
                 与党自公の壊憲・緊急事態条項を推進…
    「2/4は選挙にも行かず、絶対得票率1/4で3/4の議席を占める
     という欠陥選挙制度。選挙制度を変えないと、民意が全く反映されない。
     《民意を正しく反映する選挙制度は、比例代表制なのではないか
     なぜなら民意は多様である。それぞれの民意を代表する政党に
     投じられた票を正しく議席数に反映できる唯一の方法だからだ。
     死票も出ない》、《現行制度が導入されてからもう二十一年たった。
     問題点も明らかだ。選挙制度の議論を始めるべきだと考える》…
     桐山桂一さんの意見に大賛成」

 本コラムの末尾、ブログ主も《大好きな文芸評論家の斎藤美奈子さん》の言葉が引用、《となると、立民が野党第一党にすべりこんだ今回の結果はけっして悪くなかったのではないか。災い転じて福となす。転んでもタダでは起きなきゃいいのだよ》。
 いま、「裸の王様」の政権が倒れないようならば、2017年10月衆院選がラストチャンスだった…ということになるのかも…。《議会制民主主義はもう機能していない》独裁政治下で、壊憲「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、そして、緊急事態条項の創設…。

   『●20XX年、再び戦争が始まった…: 
      立憲主義を否定し、クーデターで壊憲しといて、そりゃぁないでしょ
    「唯一引き返す最後のチャンスは2016年の参院選だった。救世主など
     必要なく、50%の「眠り猫」が目覚め、ネジレを取り返すことさえ
     できていれば…」

   『●「草の根でリベラルな価値そのものを広めていく…
      正面からリベラルな価値を訴え、裾野を広げる戦いを」!

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http://maga9.jp/kotobano171122/

言葉の海へ
第12回:憲法の言葉こそ (鈴木耕
By鈴木耕 2017年11月22日


特異な「民主主義」

 「サンデー毎日」(11月26日号)の内田樹さんの「知の巨人・内田樹氏 至極真っ当な提言! 安倍独裁制 ほんとうの正体」と題された論考が、ぼくにはとても腑に落ちた。
 いまの日本を覆う「特異な民主主義」の内実を解き明かし、それに対抗するにはどうすればいいのかを、ご本人の言葉によれば「歯に衣着せず全部書いてみたい」というのだ。
 まず論旨の前提として、内田さんは次のように述べる。


--- --- ---
 総選挙結果を見て、まず感じたのは小選挙区制という制度の不備である。比例区得票率は自民党が33.3%。議席獲得数は284で、465議席中の61.1%だった。立憲民主・共産・社民の三野党の比例得票率は29.2%だが、獲得議席は69で14.8%にとどまった。得票率と獲得議席配分の間には明らかな不均衡が存在する。
--- --- ---


 ほとんど同じことを、ぼくはこのコラムの第9回で書いたし、ほかにも多くの人が指摘している。
 それに対しては、批判や罵倒が山のように飛んできた

 「負け惜しみ」
 「負けは負け」
 「そんなことばかり言っているから勝てないんだ」
 「民意を無視するのか」
 「選挙こそ民主主義」
 「民主的手続きで決めた選挙制度ではないか」
 「民主主義を破壊するのか」
 「いつも民主主義と言いながら、負けると反対のことを言い始める護憲派」
 「自民党が他の野党よりたくさん票を得たのが分からないのか」
 「棄権者が多いのは野党に信頼がないから」
 「やっぱり安倍さん以外にいない」

 ここで多いのが「民主主義」という言葉だ。批判者はまるで勝ち誇ったように「民主主義」を連発する。ふだんはあまり「民主主義」を好んでいないような人たちがここぞとばかりにこの言葉を投げつけてくる。だから内田さんは、彼らが連呼するのは「特異な民主主義」だという。つまり、いまの日本の小選挙区制という政権与党が常に圧勝する仕組みによる、本来の意味での民主主義とは異なるものではないかというのだ。


安倍独裁政権のたくらみ

 そこで、内田さんは次のように分析する。


--- --- ---
 それは低投票率のせいである。有権者の選挙に対する関心が希薄で、投票率が低ければ低いほど、巨大な集票組織を持ち、既得権益の受益者たちから支持される政権与党の獲得議席数は増える。(略)
 そうであるとすれば、今の選挙制度下では政権与党の主たる関心はいかに無党派有権者に投票させないかにあるということである。(略)
 かつて「無党派層は寝ていて欲しい」と漏らした首相がいた。正直すぎる発言だったが、言っていることは理にかなっている。それゆえ政権与党は久しくどうやって投票率を下げるかにさまざまな工夫を凝らしてきた。そして、彼らが発見した最も有効な方法は議会制民主主義はもう機能していないと有権者に信じさせることだった。
--- --- ---


 なるほど! と、ぼくは膝を打った。
 確かに、安倍自民党のやっていることは、もうメチャクチャ民主主義の名に値しない多数をかさに着ての強引な議会運営は目に余るし、いざとなればお手の物の強行採決
 安倍首相自らが薄汚いヤジを飛ばすばかりか、本来なら法律制定しなければならない事項を、閣議決定というなまくら刀を振り回してむりやり通してしまう。なまくら刀であるはずなのに、安倍氏の意向がすんなり通ってしまうところが恐ろしい。流行語の「忖度」である。
 しかも、国会審議で安倍首相以下の閣僚たちが答えに窮する場面が続くと、なんと、国会そのものをまったく開かなくなってしまった。これでは多くの人が「民主主義は機能していない」と思って当然だろう。

 日本国憲法は、次のように定めている。

--- --- ---
 第五十三条 内閣は、国会の臨時会の招集を決定することができる。いづれかの議院の総議員数の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その招集を決定しなければならない
--- --- ---


 野党がこの規定に従って正規に「臨時国会の開催」を要求したにもかかわらず、安倍内閣は憲法上の規定を無視し続けた。9月28日、ようやく開催したと思いきや、あろうことか、首相や各新任閣僚の所信表明もないまま冒頭90秒で「解散」を行ってしまったのだ。
 つまり、今回の総選挙はあきらかに憲法違反解散」だったのである。そのために、今年は史上まれに見る国会開催期間の短さだったことも忘れてはならない。これでは「議会制民主主義はもう機能していない」と、有権者が思ってしまっても仕方ない。

 内田氏は続ける。


--- --- ---
 これら一連の行動は与党の驕りや気の緩みによってなされたわけではない。「国会は実質的にほとんど機能していないので、あってもなくてもどうでもよい無用の機関だ(現に国会閉会中も行政機関は平常通り機能していたし、国民生活にも支障は出なかったではないか)」という印象を国民の間に浸透させるために計画的に行われているのである
--- --- ---


 そこまで安倍内閣が周到に考え抜いて、あんなデタラメな国会運営を行っているとは、さすがにぼくも思いたくはないけれど、しかし、そう考えればなんとなく納得がいく。


対抗する手段として

 内田さんはさらに、そういう疑似的な民主主義には、サラリーマン議員たちが必要だと指摘する。つまり、政権の意向に抗うような見識を持った議員は安倍内閣にとっては邪魔なだけだから忌避し、むしろ、政権に唯々諾々と従うだけのサラリーマン議員たちを採用したというのだ。確かに「恐怖の2回生(現在は3回生)」と呼ばれる議員たちの無残なほどの低劣さは、自民党の長老議員たちも嘆くばかりの惨状である。
 こうなれば、有権者は機能していない議会制民主主義参加するためにわざわざ投票所まで足を運ぶ気にもならなくなる…。
 これらの指摘には、いちいちうなずかざるを得ない。では、そんな希望のない未来に対処する方法はないのか。内田さんの提言はこうだ。


--- --- ---
 国会の威信をいたずらに貶めている制度の見直しが必要である。
 第一に、政党の得票数と議席数が相関するような仕組みに選挙制度を改めること。第二に、首相が任意の時に「国民を代表する選挙された議員」を失職させることができるという憲法違反の7条解散を廃し、解散条件を憲法69条に定める通り、衆院で不信任決議案が可決されるかまたは信任決議案が否決された場合に限定すること。この二つは立法府再興のために必須である。
--- --- ---


 もちろんこれらのことが、すぐにできるとは思えないが、そこへ向かって早急に対応策を作っておかなければ、同じことはまた繰り返される。すなわち「憲法の厳密な解釈」と「選挙制度の抜本的な改革」である。

 ちなみに、憲法第7条と、69条とは、次のようなものだ。


--- --- ---

 第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
 二 国会を召集すること。
 三 衆議院を解散すること。
 四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
 (一から十まであるが、他は割愛)

 第六十九条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない
--- --- ---


 いわゆる「7条解散」とは、この第7条に依拠したものだが、これは首相がいつでも好き勝手に解散していい、ということを定めているわけではない。「天皇の国事行為」を規定しているに過ぎない。
 首相権限でいつでも勝手に国会を解散していいとなれば国会は首相の意に逆らえなくなる。議員たちは、首相の一存でいつ首を切られるか分からないのだから、首相の顔色をうかがうのに懸命にならざるを得ない。内田さんが「憲法違反の7条解散」というのは、こういうわけだ。
 そんな権力者の独断専行を許さない歯止めとして、例えばイギリスは「議会の3分の2の承認」という条項を定めている。日本でも、多くの憲法学者たちは、この「7条解散」には疑義を呈しているのが現状なのだ。


1票の格差是正と選挙制度改革

 また、国政選挙のたびごとに、各選挙区では「1票の格差」をめぐっての訴訟が起こされる。ひとりひとりの票に、選挙区によっては2~3倍もの格差が生じているためだ。各裁判所は「違憲状態」とか、場合によっては「違憲」との判決を下すけれど、なぜか「選挙のやり直し」はされたことがない
 この「1票の格差」について、「週刊金曜日」(11月17日号)では、訴訟提起者の升永英俊弁護士に、畠山理仁氏(開高健ノンフィクション賞作家)がインタビューしている。「違憲状態の選挙で当選した国会議員には国会活動の正当性がない」と、ズバリそのもののタイトルの記事だ。
 その中で升永弁護士は「一人一票が実現できていないために国民の意思と選挙結果に大きな隔たりが生じている」と語っている。
 このこともまた、内田さんと同じく、選挙制度改革への提言である。
 ぼくもたびたび「選挙制度改革」については言及して来た。なにしろ、こんなに「死に票」の多い現行の小選挙区制が民意を反映しているわけがない。「死に票」の少ない制度、もっとも民意通りの結果が出るのは「完全比例制」であることは間違いないけれど、地域の問題なども考慮しなければならないことは、ぼくにも分かる。そこをどう案配して、多くの人に納得してもらえる制度設計ができるか、とにかく議論を始めなければならない。

 ぼくの大好きな文芸評論家の斎藤美奈子さんが『DAYS JAPAN』(12月号)のコラムで、今回の選挙についてこんなことを書いていた。


--- --- ---
 もしも民進党が分裂せず、昨年の参院選と同じ民共自社の野党共闘が成立していたら野党はあと60~80議席はとれた、と未練がましく分析する新聞もあったけど、それは空しい皮算用。求心力の落ちた民進党では、どのみち起死回生は無理だったと思うよ。
 では前原氏のプラン通り、第2幕方式で選挙戦に突入していたら? 希望の党の正体がバレたいまとなっては、これがいちばんヤバいシナリオだった気もする。下手すりゃ翼賛体制への道だったかもしれないんですぜ
 となると、立民が野党第一党にすべりこんだ今回の結果はけっして悪くなかったのではないか。災い転じて福となす。転んでもタダでは起きなきゃいいのだよ
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 そういうことなんだよなあ…。
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●「草の根でリベラルな価値そのものを広めていく…正面からリベラルな価値を訴え、裾野を広げる戦いを」!

2017年11月05日 00時00分55秒 | Weblog

[※ 報道特集(2017年7月8日)↑]



リテラの〝社説〟【衆院選結果を受けてリテラが悲嘆にくれながらも社説を書きました! 自民圧勝でも光はある! 立憲民主党は共産党山本太郎と連携してネトウヨに対抗する草の根リベラルを育てよ】(http://lite-ra.com/2017/10/post-3534.html)。

 《従来から、多様な意見の排除、得票率と獲得議席数の乖離など問題点が指摘されてきた小選挙区制だが、あらためて民意をまったく反映しない欠陥制度であることが明らかになった》。

 5割が選挙にも行かず2.5割の得票で3/4の議席を独占する…まさに暗黒、独裁社会・大政翼賛体制を完成させる欠陥制度。

   『●「公平にしないと国民投票は成り立たないもの」…
       「公平・公正」、自公お維キトに最もほど遠い言葉
   『●アベ様は、「政治への強い志も知の蓄積の
      気配すらも見られなかった」(青木理さん)…原点回帰な9条壊憲
   『●「選挙の真の争点」は争われたか?  
       〔与党自公+癒党お維キト〕の狙いは成功したのか?
   『●自衛隊PKO日報問題…「森友捜査ツブシ」選挙の
        ドサクサに紛れて人治主義国家ニッポンの人事考査が再び
   『●逃げるは恥だし役立たず、国会からも「トンズラ総理」…
           「所信表明も代表質問も拒否」な国会軽視の横暴
   『矜持を取り戻し得るか?――—「排除の論理は
        逆に見れば「選ばれし者」との自負すらあったかもしれない」

   『●「国民に「痛み」を与えてでも消費税を上げよ」!? 
         自民党・核発電・戦争大好きな経団連なんて要らない

   『●経団連榊原定征会長は、アベ様への政治献金…
        「何か見返りを求めて呼びかけるわけではない」、白々しい!


 東京新聞の記事【<有権者発>小選挙区 問題点は 得票率48%で3/4占有】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201710/CK2017102402000127.html)によると、《自民党の小選挙区での得票率(有効投票総数に占める自民党候補全員の得票総数)は約48%でした。それなのに、小選挙区の議席占有率は約74%です。自民党には、小選挙区に投票した人の二人に一人しか入れていないのに、四分の三の議席を獲得した計算になります。今回の投票率は戦後二番目に低い53・68%有権者のうち半分近くの人は投票に行きませんでした。このため、全ての有権者のうち、何割の人が自民党に投票したのかをみる絶対得票率を計算すると約25%。自民党には有権者四人のうち一人しか投票しなかったことになります》。
 同様に、マガジン9の鈴木耕さんによるコラム【言葉の海へ/第9回:安倍政治 行き着く先の ディストピア】(http://maga9.jp/kotobano171025/)でも、《小選挙区での自民党の得票率は47.1%だが議席数に占める割合は74.39%(215議席)、比例では33.2%の得票で議席占有率は37.5%(66議席)だ(注・選挙後の追加公認を含めていないので、計281議席)。比例では、ほぼ得票率に応じた議席数しか獲得できていないのに小選挙区では「死に票」のおかげで大勝利したのだ》

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/若狭落選が典型、謙虚さ欠けた希望の失敗】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201710240000134.html)によると、《★今回の選挙の分析や総括はさまざまな視点で行うことが出来るが、特徴的なことは「国民に対しての謙虚さ」だった気がする…★自民党幹部が言う。「希望の党はまさにその謙虚さのなさで敗北した。その教訓を首相は見せつけられたのだろう」…若狭勝は「振り返ると、主な理由としては自民党の受け皿としての希望の党であったと思うが、新たに立憲民主党が立ち上がったことが一番大きかった」としている。 ★そうではない》。

 自公お維キトに「謙虚さ」など全くありません…共産党のあの態度を見ましたか? 身を削るどころか、骨まで傷つけてしまった、と思います。それでも、何の泣き言も、恨み言も言いません。キトとは大違い。立憲民主党はその点をよく考えてほしい。「謙虚さ」を失えば、直ぐに市民から見捨てられます。

 自公お維キトによる壊憲緊急事態条項創設への強力なブレーキを構築するという大変に困難な課題があります。リテラの〝社説〟にあるように、《草の根でリベラルな価値そのものを広めていく戦い…正面からリベラルな価値を訴え、裾野を広げる戦い》が必要です。
 保守だろうと革新だろうと、民主主義だろうと自由主義だろうと、トンデモの「ト」な自民党壊憲草案の云う「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」といったことだけは絶対に絶対に譲れない。真の野党をサポートしていかなければ。
 斎藤貴男さん《人間が人間であるために、最後まで抗おう》、木下昌明さん《いまがふんばりどきなのだ》。


 「2014年12月衆院選の直後の森達也さんの予言はものの見事に当たり、アベ様による数々の「政」は酷いものばかり。森達也さん曰く、《つまり法案はさくさくとすべて通る》という哀しい予測が的中、この間 …《特定秘密保護法安保関連法の制定、武器輸出三原則の緩和、…刑事訴訟法の改正共謀罪を導入する改正組織犯罪処罰法の制定、国家安全保障会議の発足、…内閣人事局の発足》 … その時々の選挙の争点とは関係なく、アベノサギの裏でこれらが実行されてきた」…地道に一つ一つ覆していく必要あり。

 何はさておき、まず、森友加計問題をアベ様に「丁寧に説明」させるべき。大見得・啖呵「議員辞職」を実行させるべきだ。
 でも……、「トンズラ総理」「国難総理」は「息吐く様に噓つく」「病的嘘つき」の本領を発揮し、肝心の国会を開かいなのだから呆れる。さらには、野党の質問時間を削りたいのだそうだ。一体、どんだけ「トンズラ総理」なんだ?

 日刊ゲンダイの記事【立憲・枝野代表が野党質問短縮に反対「妥協の余地ない」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/216624)によると、《政府提出の法案や予算案が与党の事前審査を経ていることを指摘。…「議院内閣制の基本が分かっていない」と批判…菅義偉官房長官は…「議席数に応じた質問時間の配分は、国民から見れば、もっともな意見だ」と重ねて強調。「現に参院では、それに近い時間割で(質疑を)行っているのではないか」と語った。これのどこが謙虚なのか》? 延長した与党議員の質問時間で、「般若心経」でも唱えるつもりか?

   『●《全国民を勝負師に》…「さすがに六時間で可決させるのは
                無理だろうな」「だったら、賭けるか」(筆洗)
    「《「般若心経」唱え時間消費》…アタマオカシイんじゃないのか? 
     そりゃぁ、《消費》じゃなくて、浪費。どこが「言論の府」なのか? 
     笑いさえ漏れたと云う。ニッポンの美しい「言論の府」で一体何が
     〝議論〟されていたのか? 放置する委員長、正気??
       アサヒコムの記事【カジノ審議中、「般若心経」唱え時間消費 
     自民・谷川氏】()、《推進派である自民党の谷川弥一・
     元文部科学副大臣(長崎3区)が「(質問)時間が余っている」と言って、
     法案の内容とは直接関係のない般若心経を唱えて解説し、
     自分の持ち時間を費やす場面があった》」

 逃げるは恥だし役立たず、国会からも「トンズラ総理」…「所信表明も代表質問も拒否」な国会軽視の横暴…情けない総理。

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http://lite-ra.com/2017/10/post-3534.html

衆院選結果を受けてリテラが悲嘆にくれながらも社説を書きました!
自民圧勝でも光はある! 立憲民主党は共産党や山本太郎と連携してネトウヨに対抗する草の根リベラルを育てよ
2017.10.23

     (上・自由民主党衆院選特設サイトより/下・立憲民主党特設サイトより)

 総選挙は、自民・公明で3分の2を超える圧勝に終わった。安保法制、共謀罪をはじめ度重なる強行採決、森友・加計問題に象徴されるお友だち優遇の国家の私物化……こんなひどい政治をやってきたあげく、600億円以上の費用もかけてまったく大義のない解散をした安倍政権が、ここまで勝ってしまうとは、まさに信じがたい
 ただ、国民は安倍政権の横暴を忘れたわけではなかった。実際、テレビ朝日の調査では政権交代をのぞむ声は50%を超えていたし、近々の各社の世論調査でも軒並み不支持率が支持率を上回っていた。
 にもかかわらず、自民単独でも過半数を超えるどころか280も超えほぼ公示前に迫る大勝。まったく民意を反映していない選挙結果になってしまっている。
 従来から、多様な意見の排除、得票率と獲得議席数の乖離など問題点が指摘されてきた小選挙区制だが、あらためて民意をまったく反映しない欠陥制度であることが明らかになった。
 さらに、台風も安倍自民党に味方した。マスコミ各社の終盤調査では、自民党、公明党の獲得議席数は30を下回るといわれていた。それがこんな数字になったのは、台風のせいで投票率が伸びず、安倍政権に批判的な無党派層が思ったほど選挙に行かなかったことが大きい。
 台風直撃によって、投票日を前日に前倒しにした地域や、通常の20時を大きく前倒して投票を締め切る選挙区が続出。多くの国民の投票の権利が奪われるのがみすみす放置された、その台風は同時に、安倍自民党を大勝させる要因にもなったのだ。
 しかし、こんな結果をつくりだしてしまった最大の原因はメディアの姿勢だろう。解散後のメディア報道はほとんど犯罪的と言ってもいい


安倍政権の問題点を報じず、小池百合子劇場に踊り続けたメディアの罪

 今回の解散は、野党からの国会の開催要求を何カ月も無視しつづけたあげく、招集したとたん国会議論を一切しないままの冒頭解散という暴挙森友・加計疑惑隠しが目的の解散であることが明らかなのはもちろん、解散権の濫用、国会の否定という、民主主義の破壊行為だ。そして、この選挙はこの大義なき解散に象徴される、安倍政権の独裁政治そのものが問われた選挙だった。
 だとしたら、メディアは本来、安倍政権の問題点、そして改憲の是非についてもっと報じるべきだった。
 しかし、メディアは希望の党の登場と小池百合子劇場に踊りつづけた。前半は小池劇場を煽るだけ煽り、失速後はバッシング。希望の党に民進党が合流することになり、一気に過半数、政権交代も視野に入ったかに思われた9月末までならまだしも、排除発言と立憲民主党の登場で小池人気が失速し、候補者数からも政権交代はほぼ不可能であることが確定的となってからも、相変わらず、小池劇場一色。どのみち政権交代はできないという大勢は変わらないのに、毎日のように小池百合子の出馬確率が何%か、希望の党の首班指名が誰なのかをぐだぐだ報じつづけた。そして、たまに小池百合子の話題じゃないと思ったら民進党のゴタゴタ批判。選挙戦終盤にいたっては、『ひるおび!』(TBS)や『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)といった安倍応援団番組は、国内の選挙について報じず、中国の共産党大会についてえんえん報じていたほどだ。
 この報道で誰が得をしたのかといえば、むろん安倍政権だ。安倍首相はこのまま国民を眠らせたまま、選挙を盛り上げず、投票を迎えることを狙っていた殊勝な顔をして議席だけとってしまえばあとはなんでもやれる、と。結果はまさに、その狙い通りとなったわけだ。
 昨日、各局の選挙特番に出演した安倍首相は空気を読んで猫をかぶっていたが、これから確実に牙を剥いてくるだろう。昨日の記事でも指摘したように、大企業による労働者使い捨てがやりたい放題になる働き方改革、いわゆる「残業代ゼロ」と「定額働かせ放題」法案。子育てを家庭とりわけ母親だけに押し付け、公権力が家庭に介入し戦前戦中のように家族を国家の下請け機関に位置づける、家庭教育支援法案。そして、憲法改正も確実にやってくるだろう。
 しかも、それは自衛隊の9条明記にとどまらない。トランプ大統領が年明け、北朝鮮への軍事行動を準備しているという見方が強いが、これに乗じて、国民の権利を制限する緊急事態条項の創設や、9条2項の削除だってもち出しかねない。
 さらに、言論や報道への圧力も再び強めていくだろう。安倍首相はすでにこの選挙前から、ネトウヨ丸出しの和田政宗参院議員を自民党広報副本部長に据え、ツイッターでテレビ局への恫喝をさせていた。これから、加計問題を追及してきた朝日や毎日新聞、TBSやテレビ朝日に対して、卑劣な報復を開始この国から言論、報道の自由をさらに奪うような政策や圧力を展開するはずだ。


枝野総理、小池晃官房長官、山本太郎財務相のシャドウキャビネットを

 まさに、絶望しかない政治状況。ただ、ひとつだけ希望はある。それは、立憲民主党が野党第一党になったことだ。改憲・自民補完勢力である希望の党ではなく、立憲民主党が野党第一党となったことで、自民党の改憲への動きにも一定のブレーキ役を果たすことができるだろう。
 もちろん立憲民主党の議員たちのメンツだけを見る限り、どこまで信用できるのかという問題はある。本サイトとしては、野党としてなら、立憲民主党より共産党にこれだけの議席があったほうがはるかに頼りになったとも思う。
 しかし今回の立憲民主党躍進の立役者は、元SEALDsメンバーを含む市民連合であり、さすがに彼らを裏切ることはしないだろう。選挙戦途中、枝野幸男代表が二大政党制を肯定するような発言をしたり、野党共闘を組む共産党をないがしろにするような態度をとった際などは、市民たちが批判の声をあげ、枝野代表もそうした声を受け軌道修正してきた。
 消費税増税については、民進党時代よりも市民に寄り添った政策を打ち出した。沖縄の辺野古新基地についても、基本的に民進党時代は是としつづけていたが、立憲民主党は辺野古新基地建設は立ち止まり辺野古以外の選択肢も検討するとした。
 枝野代表は昨晩も、これまでの拙速な政権交代を目指しての数合わせの権力ゲームに対する反省を語ったり、憲法改正、対米従属に関連して、日米関係は重視するとしながらも、これまでの親米タカ派の人脈とはちがう、ハト派のアメリカとの人脈形成を模索したいと発言するなど、対米・外交においてもオルタナティブな路線を志向しているようだった。
 いずれにしても、今回の選挙結果によって、いま、多くの国民がリベラル勢力を求めていることが明らかになった。本サイトは、民主党、民進党の時代から、党内保守を切り捨て、明確にリベラル路線を打ち出したほうがはるかに支持を集められると主張してきたが、その正しさが証明されたわけだ。
 そういう意味では、立憲民主党は、希望の党に寝返った連中や無所属の保守派ともう一度野合してはならない。むしろ、いまこそ連中を“排除”し、山本太郎や共産党など、発信力をもったリベラルと強く連携し、具体的な政権構想を打ち出すべきだろう。
 たとえば、枝野総理、小池晃官房長官、山本太郎財務相という布陣のシャドーキャビネットを立てたっていい。これはギャグで言っているわけではない。共産党らしからぬ柔軟性と高い説明能力をもった小池を官房長官に、マクロ経済を懸命に勉強して国民への再分配の方法を模索している山本を財務相に立ててリベラルな政策を打ち出していけば、“旧民進党の仲間”といった内輪で固まっているより、はるかに強度と影響力をもてるはずだ。
 それは、国会という枠のなかでのことだけではない。自民党が下野時代にネトウヨを組織化し、たんに自民支持を広げるだけでなく、嫌韓ヘイト、弱者叩き、ミソジニーといった反人権・反民主主義的な価値観を煽っていったが、こうした動きに対抗して、草の根でリベラルな価値そのものを広めていくような戦いが求められる。民進党時代のように極右勢力の左派叩きに過剰反応して、ネトウヨ的世論に迎合して保守ぶるのではなく、正面からリベラルな価値を訴え、裾野を広げる戦いをすべきなのだ。海外でも移民排斥やトランプ現象が盛り上がる一方で、サンダースやコービンが高い支持を集めている。世界的に見れば、これもひとつの大きな潮流なのだ。
 従来、その頭の良さ、能力の高さの割に政治勘がないと言われていた枝野代表だが、今回の選挙を機に、本当に大事なものは何か、もっとも頼りになる味方が誰か、ということを強く認識してほしい

(編集部)
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●「抗うつ薬の〝白い闇〟」『週刊金曜日』(2013年8月2日、954号)についてのつぶやき

2013年08月05日 00時00分47秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年8月2日、954号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、【大藤理子の政治時評 日本人にとって自民党とは何度裏切られても帰る場所 そんな土壌で野党って育つ?】。

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■『週刊金曜日』(2013年8月2日、954号) / 漸く開封。おしどりマコ・ケン氏【東電の隠蔽体質に批難の声 福一原発で汚染水が海洋流出】。これひさかつこ氏【経産省スラップ訴訟のお粗末 被告人を人間違え】。経産省前テントひろば裁判(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a6b6b09551fccc7a72bf1c9a1bb5c0dc

■『週刊金曜日』(2013年8月2日、954号) / 【大藤理子の政治時評 日本人にとって自民党とは何度裏切られても帰る場所 そんな土壌で野党って育つ?】。内田聖子氏【TPP交渉、日本は「まだ間に合う」のか!? 参加直前に結んだ秘密保持 「異常な契約」TPPの行方】

■『週刊金曜日』(2013年8月2日、954号) / 桐嶋瞬氏【普天間基地野嵩 深夜に強行鉄柵工事、住民の抗議行動を排除か】。取材班【名護市長選(来年一月)に向け、勢いづく基地受け入れ派 自民党が沖縄県名護市へ「容赦なき介入」】

■『週刊金曜日』(2013年8月2日、954号) / 矢崎泰久http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/79c141612aecbf3f471a3beffcaf970c)さん【発言2013】、「悪夢のような参院選が終わって、自公偽善政権は大喜び。まさにバカ丸出しである。低投票率にもかかわらず死に票の山は大量に築かれ、前回を下回る得票数で自民党は一人勝ちした・・」

■『週刊金曜日』(2013年8月2日、954号) / 矢崎泰久http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/79c141612aecbf3f471a3beffcaf970c)さん【発言2013】、「・・つまり、とんでもないことが起きたのだ。忘れられないほどの屈辱を有権者は受け、悪魔の跳梁跋扈を許してしまった

■『週刊金曜日』(2013年8月2日、954号) / 浅野健一さん【天皇制ある限り人権は確立しない 免田栄さん無罪30年】、「日本では一九八〇年代に四人の死刑囚が再審無罪になり解放された。初めて死刑台から生還したのが免田坂栄さん・・・報道界は天皇制と死刑制度の廃止を議論すべきだ」
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