手打ちうどんまつ奈日記  2011年秋 さいたま市浦和区岸町3丁目にて夫婦で手打ちうどん屋を始めました。

大人の時間を手打ちうどんと揚げたて天ぷらと店主の選んだこだわりの日本酒でどうぞ!

お久しぶりです

2013-02-25 09:57:02 | 店主独り言
ごぶさたをしております。店主です。

毎日寒い日々ですが皆様いかがお過ごしでしょうか?

今回は前回の「独り言」で予告をいたしました包丁のご紹介です。

うまくいけば年内に(昨年の)と思っていたのですが、気が付いたらもう2月も終わりかけています。

時の経つ早さに感心などしていると横から「何をするにもとにかく遅い!」と言われるに決まっているので、気を取り直していきましょう。

今日もお付き合い下さい。


こちらは



蕎麦用の包丁です。

私が修行させていただいたお店で10年ほど前に作っていただいたものです。

「作る」と言っても包丁を始めから作るわけではありません。

この包丁は刃の部分と柄(木に鮫皮が巻いてあります)が別売りというか、別に用意されていて使う人の手の大きさや力によって刃と柄をそれぞれ組み合わせて使います。

包丁は微妙に重さや重心が異なり、柄は形や太さが違います。

なので、購入する際には私のことを考えて経験を活かし選んで下さった大変ありがたいものです。

これをいただいた時の事を今でもよく覚えています。

特に予告もなく、ある朝「築地に行ったついでに、はい。がんばってね」と言われ手渡されました。

当時の私の蕎麦打ちはまだ練習の域を出ないような状態だったため、とても驚いたのととても嬉しいのが同じくらいありました。


手にした時の重さに反してわりと簡単な包装紙に包まれていたので、包装紙をはがし手に持った瞬間、、、

前にあったステンレスのテーブルに軽く刃を当ててしまい、火花を散らして刃が欠けてしまったのは映像で記憶しています。

今ではその時の傷がどこかわからないくらいに使いこんでしまいましたが、私にとってとても大事なものです。


こちらは




店を始める時に用意したうどん用のものです。

上のものでもよかったのですが鉄でできているため錆びやすく、塩を多く含むうどんを切るのには向いていないと思い、うどん用のものを選びました。

はじめは慣れない包丁に不安もあったのですが、今では余計な心配だったと思います。

使い始めて1年半ほどになりますが、とても使いやすいです。

上の写真の蕎麦用包丁の正確な価格はわからないのですが、聞いたところによるとそれ1本でうどん用のものを15本以上は買えるとのことでした。

今回初めて重さを量ってみたのですが蕎麦のほうは1280g、うどんの方は680gでした。

あたりまえですが価格ほど差はないですが結構違いますね。

こんなところで価格の話をしたらおかしいとは思ったのですが、ふと以前からの私の考えをお話しようと思い失礼させていただきました。

それは私の価値観のような話です。

物は大きく2つに分けられると思っています。

「本物」と「偽物」です。

「本物」であるのに必要なことは、その価格のなかで精いっぱいの仕事がしてあるかということです。

極端にいえば10円の物にも本物はあるし、10万円の物にも偽物はあると思っています。

この2つの包丁はそういった意味でどちらも「本物」だと思いました。

私の店や作るものも、広い意味の中で「本物」であるように精進しなければいけないとあらためて感じました。

今日も長々とお付き合いありがとうございました。

今年もこんなペースになってしまうと思いますが、よろしくお願いいたします。

まだまだ寒い日が続きますが皆様お元気で。



明日から3日間お休みを頂きます。

オープン以来初めて関東を離れて、いろいろ勉強してきます。

よろしくお願いいたします。
コメント
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