四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

冬から春が旬である貝がそろそろ終盤、初鰹・鰈・鱸・鯵など夏の魚が出てきました。

6月16日(金)

2023-06-16 19:04:58 | 6/1~6/30


野上啓三インスタグラム、←こちらに変更しました。 
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すべての魚・貝、天然ものです。
◇営業時間について◇
火曜~土曜17:30~21:55※ラストオーダー(酒類・酒類以外全て)21:25まで
日曜お子さんデーは11:30~17:30(変更なし)です。
店には月曜(+第一日曜日)以外10:30~営業終了+aおりますのでお気軽にご連絡ください!
03-3356-0170
※レストラン予約代行サービス『オートリザーブ』でのご予約は日付・時間帯にかかわらず受け付けておりません。
≪すべてのお客様へ≫
引き続き感染予防にご協力をお願いいたします。
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1dayアーカイブ2022年~2001年6月16日のおしながき
おかみノート
主人の実家はお寿司屋さん。私はなんにも知らないドシロウト。
今まで見たり聞いたり体験した 寿司屋のいろんなことを書いておきたいと思います。

『元禄寿司』
小学校三年生だった私は母と二人きりで千葉の繁華街に出掛けることになった。
弟が産まれ、母が退院して数日後だったと思う。
祖母が弟の面倒を見ている数時間のあいだ母を独占できる。
こんなチャンスはめったにないし弟が産まれた以上もうしばらくはないだろうと感覚でわかっていた。
「有紀ちゃん何食べる?好きなもの言っていいのよ」
瞬時に千葉そごうの『そごうランチ』を思い浮かべた。
これはもうダントツ好きな食べ物で、母と小六の兄と私とで千葉の街に出掛けた時には必ずと言っていいほど食べていた。
デミグラスソースにまみれたハンバーグの上にチーズ、その横にナポリタンとくたくたのインゲンと甘いにんじん。じゃがいもの揚げたの。ピクルス。小さい耐熱容器に入ったビーフシチュー。
そしてなんといってもエビフライにタルタルソースがかかっていてそれを食べながらお皿に盛られた白いご飯をひとくち、そしてカップに入ったコンソメスープをひとくち口の中に入れると西洋の世界にトリップというか、家ではありえない味覚がいっぱいで私にとっては“祭り”だった。
しかし帰ってから兄に「そごうランチを食べた」と自慢しても「だからどうした、オレだって食ったことある」くらい言われてへこむのも目に見えている。
生意気な妹としてはどうせならまだ兄が食べたことのないものを食べて羨ましがらせてやりたかった。
「あ!あそこ!回転寿司がある。あれがいい!」
テレビで話題になっていた“廻るすし元禄寿司”がショッピングセンター内にいつのまにか出来ていた。
「あら、ここに出来たのねぇ、じゃ入ってみようか」

初めて入る回転寿司は酢飯の匂いがした。
「らっしゃいませぇッ!」
二人分並んだ空席をなんとか見つけるとそこに座った。小学生にとっては高すぎるスツールだった。
湯呑みにティーバッグを入れて熱湯を注ぐシステムも初めての体験だった。
「好きなもの取っていいのよ。手が届かない?マグロ?はい、あと何?イカ、はい」
並んだお皿を見て嬉しくなり、さぁ醤油を取ろうと手を伸ばしたらスツールがぐらりとゆらぎ、慌てて体勢を立て直そうとしたら手の甲で醤油差しを払ってしまった。
「あっ」
プラスチックの醤油差しは隣の女性のひざの上にトンと乗って横倒しになった。そしてフタが取れた。
「ひっ」
驚いて立ち上がった女性のスカートから醤油は流れ落ちフタと本体は乾いた音を立てて床に転がった。
その女性は白いスーツを着ていた。
スカートをよく見ると粗く織ったキラキラした繊維が毛羽立っており、だから弾くかというとそんなことはなく醤油が滲みこんでいくのをどうすることもできずに見ているだけだった。
「申し訳ありませんッ!!」
母はスカートに飛び付くように駆け寄りお店の人にコップに入れた水をもらい、ハンカチに浸して叩いたり揉んだり、詫びの言葉を言いながらかなりのあいだ奮闘していた。
私も何かしようとスツールから降りようとすると
「あなたは邪魔だからじっとしてらっしゃい!」
と怒鳴られ、こぼした床の掃除をしたりテーブルを拭いてくれたりするお店の人にも遠慮しながら固まっていた。
「申し訳ありません。・・ほんとうにどうしましょう、どうお詫びしてよいのやら・・言葉もありません・・」
と母が言うと女性は
「けっこうです、けっこうですからどうぞお気遣いなく」
とお会計に向かおうとした。
「誠に失礼致しました・・あの、どうしたら・・」
「いえどうぞもうご心配なく」
「でも・・でも・・それでは・・あの、あぁどうしましょう」
いよいよ帰ってしまうという時、母はこっそりお財布やハンカチが入っている手編みの小さい手提げバッグからお財布を取り出し五百円札をものすごい速さで細かく四つ折りにしてチリ紙に包み、その女性に渡そうとした。
「大変失礼なのはわかっています!どうか納めてくださいお願いします!きっとシミになってクリーニングもこんなものじゃ済まないと思います。どうお詫びしてよいのかわかりませんので、誠に失礼なのですが・・本当に申し訳ありません!」
それをまた断る女性と母は何か言いながらレジの方に行ってしまった。
出入り口のところで母は腰から直角以上にお辞儀をして見送っていた。
サマーヤーンで編んだ手製バッグを提げた母は席に戻ってきた。
「さ、食べようか!」
「・・・ごめんなさい」
「しょうがないわよ、フタもゆるかったしねぇ。それに真っ白いスカートにお醤油!ドラマみたいよ。・・クリーニング出してもたぶん完全には落ちないと思うけど、心からお詫びするとして・・。さ、食べましょう」
マグロとイカ、あと何をとって食べただろう。ぜんぜん覚えていない。おそらく女性が去ってしまう前にスツールから下りて母と一緒に謝っているはずなのだがそれも記憶にない。
覚えているのは白いスカート、太ももの部分に拡がる醤油の色、そして青い五百円札。
私のせいで執り行われた母と知らないひととの生々しいお金のやりとり。
ああ、あとこれもあった。
帰ってから兄に自慢できなくなったどころか失態をからかわれること決定で参ったなという気持ち。
初めての元禄寿司はちょっと、いやかなり痛かった。

明日6/17は『スズキのアッリオーリオ』です
[2022年]
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[2014年]野上啓三が見ている築地の風景 寿司屋の七十二候6/16→6/20 [芒種・梅子黄うめのみきばむ]今、築地今、店今、築地

今、築地今、店今、築地今、築地6/21→6/25 [夏至・乃東枯なつかれくさかるる]今、店今、築地今、築地

今、店今、築地今、店

 

今、築地今、築地今、築地6/26→6/30 [夏至・菖蒲華あやめはなさく]今、店今、店今、築地今、築地今、築地今、築地今、築地今、築地今、築地今、築地[2013年]

007_2おはようございます。9:25、シャリ炊きの準備をしています。 

 

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[2012年]本日のお通しは神奈川・腰越(こしごえ)の生シラスです。築地で一番鮮度がいいのではと言われている生シラスだそうです。

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[2011年]

しんこ今シーズン初入荷です。100gで53尾あったそうです。6枚付けが8貫、5枚付けが1貫、です。あれ、計算‥合ってますよ‥ね?

 

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うに、5個を殻から全部出して4個分にあらてめて詰めるそうです。1個あたりのうにの中身が125%です。あれ、計算‥合ってますよ‥ね?(すいません、算数ニガテなもんで‥)

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[2010年]

にぎりで特におすすめなのが小羽いわし、小あじ、メジマグロの腹、シマアジ、マコガレイの昆布〆などです。

 

 

 

013[2009年]

三重・安乗(あのり)の車海老が入りました。“宝彩網(ほうさいあみ)”という網で漁をするので、『宝彩海老』と呼ばれるのだそうです。いつもの海老よりも少しだけ大きめかもしれません。010

 

今日は佐島のタコを煮ます。(足のみ)

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今日届いたばかりの『姿(すがた)』、栃木のお酒です。配達の方から受け取ると、番頭さんからの直筆メモが。“丸一日冷してから開けてください”と。 明日以降たのしみにしていてください。

 

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