四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

冬から春が旬である貝がそろそろ終盤、初鰹・鰈・鱸・鯵など夏の魚が出てきました。

4月4日(木)

2024-04-04 15:16:53 | 4/1~4/30


野上啓三インスタグラムsushi43nogami2←こちらに変更しました。
すべての魚・貝、天然ものです。
◇営業時間について◇火曜~土曜17:30~21:55※ラストオーダー(酒類・酒類以外全て)21:25まで
日曜お子さんデーは11:30~17:30です。※日曜はお子様の日です
店には月曜(+第一日曜日)以外10:30~営業終了+aおりますのでお気軽にご連絡ください!03-3356-0170
※レストラン予約代行サービス『オートリザーブ』でのご予約は日付・時間帯にかかわらず受け付けておりません

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おかみノート
主人の実家はお寿司屋さん
。私はなんにも知らないドシロウト。
今まで見たり聞いたり体験した 寿司屋のいろんなことを書いておきたいと思います。

『 シャリ 』
店のオープン日を決めたあと主人がまず始めに取りかかったのは、シャリのことだった。
実家の寿司屋は福島に移ってしまっていたので、東京に馴染みのお米屋さんもなく、一人で思案しているようだった。
「とにかく親父に訊いてみる」
受話器を取った主人は、お父さんにシャリの配合を尋ねた。
「どうだった?」
話を終えた主人に声を掛けてみると
「“コメ?どうだったっけかなぁ~…”とか言ってさ。ダメ、話にならない」
オープンまで日もないので、考える間もなく主人は知り得るお米屋さんを一軒ずつ訪ね、試作サンプルを取り寄せ、試し炊きを繰り返した。
「水分が何パーセントかが知りたいんだよな。来週実家に帰るから直接米屋さんに訊くわ。親父のところのヤツ、水分計で測ってもらう」
実家に帰った主人は、早速お米屋さんを訪ねて訊いた。すると
「あのな啓三、それは秘密だ。のんちゃんと俺との間で始めに米の水分量とか配合とかどうすっかってのを決めてんの。だからよ、たとえ息子であっても、教えるわげにはいがねぇの」
お米屋さんからそう言われて、主人は腹を括ったようだった。
それから東京に戻ってすぐに自らの腕を頼りに試行錯誤しオープンの日には“これが自分のシャリ”というものを作り出した。
四年半経った今でも主人はたまに言う。
「親父は俺にわざと教えなかったのかな。自分でやれってことで」
お父さんは手伝いに来ていた一ヶ月のあいだ、「啓三の指示に従う」と言って、黙々と手を動かしていたことを思い出す。

『 助六寿司 』
「おいなりさんとかんぴょう巻きが入っているとどうして『助六寿司』っていうんですかねぇ」
お客様からのご質問に主人も私も答えられず一気にその場がシラけてしまったことがある。
こういうときは軽く落ち込む。
休日のある日 “江戸東京博物館” に行った。
展示物の最後に歌舞伎の十八番「助六縁江戸桜」の実物大模型があった。
見回してみたが『助六寿司』についての解説はなかった。
思い切ってガイドさんに『助六寿司』の由来を訊いた。
すると
「いろんな説があるかもしれませんが、助六の恋人の花魁が“揚巻”って名前だから、あげ=油揚げ=おいなりさん。で、まき=かんぴょう巻き で、その弁当の名前が揚巻のまんまじゃ粋じゃねぇってことでシャレで“助六”って名付けたんじゃないんでしょうかねぇ」
と答えてくれた。
「おぉぉ!そういうことだったのかぁ~!!」
主人と小さく叫び、小躍りしながら喜んでいるとその初老のガイドさんが言った。
「こんなに喜んでくれるなんてガイド冥利に尽きるねぇ。ところであんたたち何やってる人?寿司屋さん?あ、でも寿司屋さんなら助六寿司の由来は知ってるか。う~ん、なんだろうなぁ…」
それでも「寿司屋なんです」という勇気はなかった。

明日は『寿司の自動販売機』『憧れの店』です。
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◎シャリ酢あわせ 動画アップしました(1分50秒)

◎かんぴょうを煮る動画アップしました(7分30秒)

◎玉子焼き動画アップしました(6分53秒)
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1dayアーカイブ2023年~2001年4月4日のおしながき[2023年]
[2022年] 野上啓三が見ている豊洲市場の風景 寿司屋の七十二候
[春分・第十二候・雷乃発声かみなりすなわちこえをはっす]3/31~4/4
・宮城 石巻 シャコ 今、豊洲
・和歌山すさみ ケンケンガツオ 初鰹 今、店
愛知 師崎 平貝と隠れエビ 今、店
・木の芽の鉢植え 今、豊洲
・神奈川 佐島 スミイカ 今、店
・長崎 対馬 紅瞳 ノドグロ 今、店

[2021年]野上啓三が見ている豊洲市場の風景 寿司屋の七十二候
[春分・第十二候・雷乃発声かみなりすなわちこえをはっす]3/31~4/4

・東京利島 アカイカ 今、豊洲
・青森 大間 ビン入りムラサキウニ 今、店

・千葉富津 キス 今、店
・木の芽の鉢 今、店
・富山滑川 生ホタルイカ 今、店
・シーズン初 小名浜 マコガレイ 今、店[2020年][2019年][2018年][2017年]
[2016年]今月の後半には自家製・新ガリの仕込みが始まると思います。新生姜の季節になります。

[2016年]野上啓三が見ている築地の風景 七十二候 3/30→4/3 [春分・第十二候 雷乃発声かみなりすなわちこえをはっす][2015年]

003[2014年]お通しは築地にも出たての新もずくです。右は能登産、左は下関産です。二種類を少しずつどうぞ‥002_2


004001_2玉子焼きのお皿、新調しました!002001_2 014_2 日本酒、入荷しました。鯛の子もすべて天然です。



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[2012年]ムラサキウニは八戸と大間、アジは三重と横須賀、イカは佐島スミイカ・勝山だるまいか・横須賀やりいか、こばしら(青柳)は伊勢と野付、コハダは岡山(片身付け)と佐賀(丸付け)、マグロは須崎の赤身と氷見のメジ、いろいろ食べくらべが出来ます。



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[2011年]

真鯛、シマアジ、ほうぼう、ヤリイカ‥

白いネタといってもいろいろな『白』があります。



 



 



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[2010年]

昔読んだ雑誌か本に“古代ローマではイカ墨を乾燥させておき、文字を書く時はその都度砕いて使い、イカの背骨の部分はペン先に使った…”というようなことが書いてあったと記憶しています。うろ覚えですが。

ちょうど大きめのスミイカが入り、そして大きめのヤリイカが入ったので、主人にお願いしてスミイカの墨玉は破れないようにそっと外してもらい、ヤリイカの背骨は捨てずにとっておいてもらいました。以前イカの墨を割箸に付けて何か書いたことはあったのですが、イカの背骨をペン先のようにしたことがなかったので今回実際やってみることにしました。結果、イカの背骨はメチョメチョに折れてアウト。墨玉の方はけっこういい感じに乾燥しました。

イカの背骨の先端でかろうじて“セピア”と書いたこの三文字、今は薄墨のような色ですが、時が経つとあのノスタルジックなセピア色になります。ラテン語でセピアは甲イカ(スミイカも含む)という意味なのだそうです。

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[2009年]白海老は一尾ずつ殻を剥いて、こんな感じになりました。003 小羽いわし、好評につきまた仕入れました。ヤリイカも新規です。新生姜の仕込みもスタートしました。003_2

アナゴは旨味をたっぷり含んだ煮汁が煮こごりになっていました。007 日本酒は四本、新たに入りました。004



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