四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

冬から春が旬である貝がそろそろ終盤、初鰹・鰈・鱸・鯵など夏の魚が出てきました。

月曜日は定休日となっております

2024-04-15 22:15:53 | 4/1~4/30

[2024年]野上啓三が見ている豊洲市場の風景 寿司屋の七十二候
[清明・第十三候・玄鳥至つばめきたる ]4/4~4/8
[清明・第十四候・鴻雁北こうがんかえる]4/9~4/13 


兵庫淡路島マダコを煮る ここから約30分【動画】
・三重 桑名 蛤 はまぐり 今、豊洲
・蛤の煮詰め 出来ました 今、店
・長崎 佐世保 天然 鯛の子 今、店
・久しぶりに北海道 厚岸 ホタテ貝 今、店
・秋田 男鹿半島 本桜鱒(ホンサクラマス) 今、店
野上啓三インスタグラムsushi43nogami2←こちらに変更しました。
すべての魚・貝、天然ものです。
◇営業時間について◇火曜~土曜17:30~21:55※ラストオーダー(酒類・酒類以外全て)21:25まで
日曜お子さんデーは11:30~17:30です。※日曜はお子様の日です
店には月曜(+第一日曜日)以外10:30~営業終了+aおりますのでお気軽にご連絡ください!03-3356-0170
※レストラン予約代行サービス『オートリザーブ』でのご予約は日付・時間帯にかかわらず受け付けておりません。
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おかみノート
主人の実家はお寿司屋さん。私はなんにも知らないドシロウト。
今まで見たり聞いたり体験した 寿司屋のいろんなことを書いておきたいと思います。

『 負け 』
「すいませーん!」
振り返るとすごい勢いで走ってくる女将さんが見えた。
「これ・・店の、ハァ、すいません湯呑みです。つまらないものですけどよかったら使ってください。今日は、ほんとに遠いところをありがとうございました」
私たちに会釈をするといま来たであろう踏み切りをまた戻って行った。レールの上を跨ごうとして小さく飛ぶように走る後ろ姿を目で追った。オレンジ色の綿のエプロン。背中の、太く“H”になっている部分をじっと見た。
「行こうか」
「いや、まだ」
主人の言葉を遮り店に戻って行く女将さんを見ていた。扉が閉まり、しんとなった店構えをもう一度見た。
「よしっ行こうかっ」
黙々と歩いている私を見て主人は言った。
「先輩だけど・・違う課なの?」
「そう。お名前は知っているけど、一緒に仕事をしたことはない」
「ふーん・・。旦那さん、銀座の○○鮨にいたって言ってたね」
それには答えず駅の階段を上りきったところで言った。
「こういうの“勝ち負け”で言うことじゃないのはわかっているけどさ」
「うん」
「あちらもべつにそんなことさらさら思ってなくて、むしろ自慢にならないようにじゃないけどものすごく気を遣ってくれていたのもわかっているけどさ」
「うん」
「負けた。やっぱり実際に店やんないと何も言えないね」
「・・・・」
「うちらはさ、店やろうとはしてるけどじゃあリスク背負って始めているか?っていうとそうじゃないもんね。そりゃ多少書類とか集めて融資の手続きどうしようとか言ってるよ。でも実際に何にも進んでないし。やっぱりやってる人は強いよね。余裕っていうかさ」
「・・・・」
「先週ガツンとやられたじゃない。“野上君がやる気になってるのになんで協力しないんだ?”とか言ってさ。先週のことも今日ここに来たのも、もうつべこべ言ってないで早く店出せっていうことなんじゃないのかな?」
「そうだね」
「正直羨ましかったもん。“醤油差しと小皿はどうしても自分で選びたかったから納得のいくものが手に入ってよかった”とか、“出前下げに行ったらシャリの味についての意見メモが入っていたけど自分の味を貫こうと思ってる”とかさ。・・くやしいっていうか、もうやられたって感じ。だからここでこの気持ちを胸に焼き付けるためにさっきの光景をずーっと見てたワケですよ」
真紅のビロードの座席に並んで座るとすぐに電車は動き出した。見慣れない長いつり革が一斉に同じ動きで揺れている。
「飛び込もう。カッコわるくてもいいからやろう。同じステージに立たなきゃ始まんないよ。もうこういう店に行くときは自分も店をやっている立場で行きたい。もうオーディエンスはイヤだ・・!」
「やろう」
ご主人のしっとりとした指先から出てくる洗練された小振りのにぎり。少し甘めの一粒一粒がおいしいシャリ、よく切れる包丁で切りつけた白身、いいマグロ、まだ温かい玉子焼き。二階につながる階段からもれてくるお座敷のお客さんの笑い声。
せめて昼だけでも顔を見ていたいと、カウンターの一番端にホルダーで固定した子供用の椅子に座らせていた一歳くらいのかわいい息子さん。みんな羨ましかった。
帰ったらすぐにまた事業計画書にとりかかろうと思った。
 
『カウントダウン』
「お話があるんですけど、お時間もらえますか」
お正月明け、事業所全体の朝礼が終わってエレベーターや階段を使ってそれぞれのフロアーに人が戻り始めた時を見計らって課長に声を掛けた。
「・・ほな朝礼が終わったらでええか?」
「はい」
縦長に並べられたデスクの先端が課長席、その両脇に七~八人ずつが並び連絡事項を聞いている。来年の展示会のことや来月の発注会のことを話している声がなんとなく聞こえていた。手帳は開いてはいたけれどシャーペンを走らせる気にもならず、じっと立っていた。

「・・で、辞めてどうすんの」
ブースで向かい合った課長は私の目を見て言った。
「いずれは主人と寿司屋をやる予定ですが、まだまだなので私は夜中から早朝まで築地で帳簿付けか販売のアルバイトをなんとかして見つけて、夕方から夜は大きい寿司屋かホテルの和食の仲居さんをやって女将修行をしようと思います」
OLとしてやりたいことをたくさんやらせてもらった会社にひたすら感謝するばかりだ。
そして、いずれ主人が出す寿司屋を手伝うんだ。・・・二、三年、いや五年くらい先になるのだろうか。
ホテル海洋の寿司屋『有明』を辞めて次の勤め先を探し始めたのは私が会社を辞めることを上司に打ち明けたすぐあとのことだった。
求人誌に載っていた某有名寿司店の面接を受けに行った主人は帰ってくるなり私に言った。
「俺、もう自分で店やるわ。決めたから」
そこの店主が望む人材は主人ではなかったそうだ。
十代後半のまだ色の付いていない若い子か、あるいは二十代後半から三十代前半のお客さんをごっそりその店に引っ張れる実力のある板前かどちらかだということだった。
「こちらのお店は客単価どれくらいなんですか」と主人が訊いたら「酒抜きで二万~三万」と返ってきたそうだ。
合否の連絡は後日ということで帰ってきた主人だったがもう腹は決めていたらしい。
そんな高い値段を取る位なら自分で納得のいくものを仕入れて、自分がしたいと思う仕込みをやってなんとか店を続けていけるくらいの値段設定にしてそれでやっていければ一番いい、だから俺はやると私に向かって一気に喋った。
「えっ、今すぐなんて出来ないんじゃないの」
「大丈夫だよ、なんとかなるって。そうだ親父に電話するわ」
「え!もうするの?」
「親父は息子の店の立ち上げをを手伝うのが夢だったんだ。病院にも先に話をしておいて、一時的にでも退院の手続きをとってからじゃないと応援に来れないからこういうことは早いほうがいいんだって」
受話器を取ろうとしたら電話が鳴った。
「はい、もしもし・・あ、はい私ですが・・そうですか。はい、はい、あー・・もう自分で店やりますんで、結構です。はい、失礼します」
「誰?」
「今日面接してきたところ。自分の店では要らないけど知り合いの店で人を探してるからどうだって言うから“自分でやる”って言ってやったよ。なんか面食らってたよ、ははは。そうだ、親父に電話」
亥年生まれの主人の暴走を止められるわけもなくただ呆然と電話で報告しているところを見ていた。

明日は『ハードル』『アタック』です
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◎赤貝の仕込み 動画アップしました(5分03秒)
◎シャリ酢あわせ 動画アップしました(1分50秒)
◎かんぴょうを煮る動画アップしました(7分30秒)
◎玉子焼き動画アップしました(6分53秒)
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1dayアーカイブ2023年~2001年4月15日のおしながき[2023年][2022年][2021年][2020年]引き続き4/13(月)~4/19(日)まで休業させて頂きました

[2019年]野上啓三が見ている豊洲市場の風景 寿司屋の七十二候
[清明・第十四候・鴻雁北こうがんかえる ]4/10~4/14
・三重和具 初鰹 今、店
・兵庫香住 豆ノドクロ 今、店
・琵琶湖 稚鮎 今、店
・北海道寿都 あん肝 今、店
・千葉富津 生とり貝 今、店
・富山新湊 白エビ 今、豊洲
[2018年]
[2017年][2016年][2015年]

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[2014年]右から赤貝、青柳、トリ貝とあります。005赤貝、そろそろ終わります。あるのが稀という感じになってきています。真鯛は淡路が2kg、明石が1kgです。カンヌキ(=サヨリの大きいものの呼称)、その太くて長い姿から門に使う閂(かんぬき)に似ているというところからこの名がきているようです。

今、築地

4月15日築地風景

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バチコ、仕上がりました。001
日本酒、入りました。20120307nogami_04[2013年]スミイカ、ヤリイカともにシーズン終わりに近づいております。
イカでこれから入ってくるのはおもに白イカで、たまに赤イカ、だるまイカなどが登場します。
少し気が早いですがスミイカの子どもの新イカ(あるいは“子イカ”とも呼ぶ)が出てくるのは、七月中旬から下旬です。

 

 

 

 

 

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[2012年]長崎県茂木 活車くるま海老 茹でたて

 


’12 4/9→4/19 リニューアル工事でした。

 

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[2011年]真鯛ふたつの食べ比べ、サクラマスお刺身、塩焼き、おすすめです。

 

たいらぎ、うに、新規入荷しました。

 

アナゴは昨日から切れています。国産のものをずっと依頼していますが、今日も入荷なしでした。

 

※ビール工場生産調整のため(震災による)、生ビールがアサヒ熟撰ではなく、スーパードライになります。

 

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[2010年]タイラギ(たいら貝)がひさびさに入りました。岡山産が多かったのですが今回は愛知産です。愛知のものは「小ぶりながら貝柱の背が高く上物」というのが主人の感想です。

 

 

 

[2009年]生のめかじきが入りました。015_2

 

めかじきにいい印象を持っていなかった方にも「おっ?」と思ってもらえるような逸品かと思います。

 

003_2 背黒いわし(かたくちいわし)を塩水に浸けて引き揚げ、水気を切っているところです。(14日撮影)よく見ると大きさがまばらです。円筒形にパツンと皮が張って太っているものを、仕入先である仲買いさんは“ロウソクセグロ”と呼んでいます。背黒いわしの一夜干しは一人前三尾を焼きます。そのうち一本はこのロウソクセグロを入れるようにすると主人は言っていました。

 

 

 

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新ガリ作成第二弾に突入しました。この状態では生姜の色ですが、酢に漬けると自然にあの淡いピンク色になります。

 

 

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