tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

みこ 13

2016-02-27 09:48:33 | みこ

学食でカノンを待つリン。
その席に、缶珈琲を片手にやって来てリンに渡すと隣に座った。
『ありがと(笑)・・・間に合った?』
『ギリセーフだった(笑)』
『気がするんだろ・・・』
スウが前に座る。

『・・・サク、サンドイッチ買ってこい(笑)人数分・・・』
『・・・・(笑)』

『テスト・・・終了?(笑)』
『今日で(笑)』
『カノンさんは?・・・(笑)』
『今、受けてます(笑)・・・』
『卒論いけそうですか?(笑)』
『ギリ(笑)下でも出れればいい。仕事にありつけるなら(笑)』
『(笑)それは不味い、お祖父様の雷が落ちます(笑)』

二人は答えず笑みリンを見ていた。
『(笑)リンさん・・・すまなかった』
彼は謝った。
『もっと早く言えば、次々に対処出来たんだ・・・前みたいに』
ユンがため息をして言った。

『確かにな(笑)ほら腹ごしらえだ、食おうぜ』
サクが戻り、三人に渡しながら話した。
『・・・何がですか?(笑)』
『一日に何回・・・呼び出されてるんだ?関係ないリンさんに(笑)』
『(笑)人気者ですから、ついでに1週間分を貯めて・・・』
『・・・・あの紙袋?』
小さく何度も頷くリン・・・・
『ポストマンになった気分です。(笑)大丈夫ですよ、いじわるな方はいなくなりました』

『・・・じかに』
『出来たら(笑)私を利用しませんよ。あわーい恋心ですし、危ない時はイッちゃんが知らせてくれますから・・・』
食べながら話す四人に注目が行くが気にせずに話をする。

『大丈夫なのか?』
『なれは凄いですよ(笑)。ちょっと待って下さいね・・・』
と言ったリンは3つ紙袋を女の子に渡していたのだった。

『カオルちゃんは大丈夫ですか?(笑)一緒に行きますよ?』
『平気(笑)ほら・・・近くで見れて嬉しい・・・緊張するけど』
とチラッっと三人をみる。

『じゃ(笑)紹介しますね・・・』
真顔になったカオル・・・・
『いいよ余計に緊張するぅ・・・同じ空気が吸えて嬉しいし・・・』
と言った彼女は離れて行く。

『・・・・リンさん・・・・リン?』
驚き、黙ったまま彼女を見つめていたのだ。
『彼女はカオルさんで(笑)たまに手伝ってくれるんです。
・・・・今、紹介すると言ったら同じ空気が吸えて嬉しいって言ってしまいました・・・』
吹き出したユン・・・それを見て笑う二人 に笑み返した。

『カオルさんはサクさんのファンですからね(笑)。私のかわりにお礼をお願いします・・・』
『どーやって集めてる?』
『紙袋を置きます(笑)。私はコレを、そばのテーブルや椅子にかけて過ごします(笑)。
あとは勝手に自分で入れて行くんですよ(笑)・・・』

『本当にポストマンだな(笑)』
『だからイツキは出ないか?(笑)思いが強くて嫌なんだろ・・・』
「一歩いったら危険区域になる子もいるんだ・・・危ないだろ。出ないが一番・・・」
「なるほどな・・・」
「最近、スウのロッカーにないのは、集めてたからだな(笑)」


『疲れた・・・・』
リンの隣に座るとテーブルにひれ伏すようにカノンは伏せた。
『半分こしよ(笑)』
『余裕で食べれて羨ましい・・・』
笑い出すリンに微笑んだ。

『リン・・・店長からメールあった。人出が足りないからラストまで頼みたいって・・・(笑)』
『返事しときます(笑)。そういえば、図書館・・・』
「私もメールは来てた(笑)先に行こう・・・」
『なんで内緒話だ(笑)図書館なら送る・・・帰り道だしな』
苦笑いした二人・・・・



『なんで、入りますか?(笑)』
『見たいからだろ・・・』
歩く二人の後ろからついてきた三人・・・・
図書員に出して貰えて嬉しい二人は静かに見始めた。

『民話・・・』
呟くサクだったが、聞こえていない二人・・・・
それぞれに持ってきた本を読み始めた。

『・・・・貸し出し出来ないから大変ね(笑)どう?』
『面白いです(笑)』
『似た本ならココに行ってみて(笑)結構揃えてるから楽しいわ。
そこのオーナーが好きみたい』
一枚のメモを彼女は渡した。

『知ってます(笑)だけど・・・』
『一番上にあるのよ(笑)言えば取り出してくれるし。
あそこは、美味しいのが沢山あるから時間に余裕がある時に行けばいいわよ・・・。
ちなみに水曜日なら(笑)比較的空いてる・・・なぜだか』
『ありがとうございます(笑)今度、行ってきます・・・』
本を読んでいる三人を見ている彼女・・・・

『兄です(笑)暇潰しにペタッって・・・・暇人みたいで・・・動かして下さい・・・』
笑う彼女・・・・
『妹大好きなのね・・・』

『・・・・切り離せよ・・・気にかけるな・・・』
突然話すスウに驚く彼女・・・・

『お姉さん?大丈夫ですか?』
一瞬・・・気づいたのか悲しげに微笑んでいたが、いつもの笑みに戻るとリンを見つめ
『大丈夫よ(笑)じゃまたね、今日・・・カフェにいくね』
と笑み仕事に戻っていった。

『スウさん(笑)。リンが助けてました・・・・まだ抜け出せないんですね。お姉さん・・・』
『早く離せば楽になるが・・・』
『お姉さんの気持ち一つなんですが・・・・優し過ぎて』
リンは本から目は離さず呟くのだった。

『バイトだ(笑)。まだ居る?』
『家に戻れなかった(笑)。カノン・・・真っ直ぐにいっちゃお』
五人は図書館を後にした・・・・



車中で・・・・
『お姉さんはカオンさんと言います(笑)。離れて暮らしていた妹さんと、やっと再会出来たのに数日しか一緒にいれず悔やんでいるんです。自分を責めて・・・』
『心配して逝けないのか…手放さないのか・・・』

『私達には話してくれなくて・・・』
悲しげに笑み外を眺めていた。
『今度会ったら・・・スウさんが聞いてみてくれませんか?』
『俺?』
『お兄さん・・・お願いします。リンに話してくれないし・・・』
彼女達の頼みに、ため息をしたスウだった・・・・




ある日に・・・・
『凄い数の本だな・・・(笑)』
『ユンさんの好きなシリーズありますよ(笑)。自由時間~』
『縛ってはいないぞ(笑)』
ハハッっと笑うリンに一人の男が近づいてきた。

『君たちかな、上の本が読みたいって子は・・・』
笑みながら聞いた男を見た。
『図書館で働いている・・・・』
『カオンさんの知り合いなんですか?』
『本繋がりだな(笑)。彼女もいつかしたいと通ってきてるんだ。元気になったかな・・・』
口で笑むリンに微笑んだ。

待っていなさいと数冊の本を出してくれた・・・・
『あのメニューのセットを・・・』と皆を見つめた。
『甘いのは食べん(笑)』
『4つ下さい(笑)』
と本を受けとると窓際へ歩いた。

『大丈夫(笑)アレは自分が食べると意思表示したんだな・・・』
男は言い、笑いながら奥へ入っていった。
彼らも数冊の本をとり、席に座ると読み始めた。
ソファーに埋もれて、カノンと二人は真剣に読み始めたのだった・・・・


すっと、手首にバンドをはめて身構えたリン。それに触れながら守を唱え祈るようにカオンを見つめ彼女に触れた・・・・
いつの間にか、そばで本を読んでいた彼女。

『・・・・取り込まれちゃう。妹さんは逝くべき先があるから・・・』
『・・・私・・・は・・・連れて歩いてる?』
涙をためてリンを見つめていた。
リンはスウを見ると、彼女の腕を掴み外へ連れ出した。



近くの公園に入りベンチに座る。
『貴方も視えるの?・・・妹は苦しんでないかな』
『心配して離れられない・・・』

『どーしたらいい? ・・・早く見つけて引き取れば良かった。
あんな父親から引き離せば・・・早く気づいて病院に連れて行けたのに』

『それで苦しんではいない。君が心配なだけだ。留まれば悪しきモノに取り込まれ逝けなくなる。
それこそ彼女には辛く苦しんでしまうんだ。大丈夫と見送ればいい・・・。君も辛い事だろうが・・・・』

こぼれ伝う頬が温かく感じた・・・・
『ごめんね・・・・頑張るから逝っても大丈夫よ。
いつか・・・遠いいつか・・・また姉妹になろ。(笑)今度こそ離れず一緒に生きよ・・・・
そばに居てくれてありがとう』

リンが剣を持ち空をきった・・・。
その姿に驚いていたが、柔らかな風が彼女を包みこんで流れていった。
彼女は頬に手をあてて涙した。


リンを探す彼女に
『店に戻った・・・(笑)。リンが心配してた・・・・。妹さんは無事に逝けたから大丈夫だ・・・・』
『あの子は・・・そういう術を持つのね。だから何かを探してるのかしら・・・・』
『(笑)秘密にしてくれたら有難いんだ・・・』
『口にしなきゃ大丈夫でしょ?』
『そうだ(笑)』

『妹を忘れられるかしら・・・・』
『(笑)大事な妹を?駄目だろ・・・想いは捨てずしまうんだ。
必要以上に想いをばらまかない・・・顔を思い出して一緒に笑うだけ』
『だけ・・・・・(笑)良かった』
『心が温まる程度に(笑)』

『時々・・・話を聞いてくれない?妹の話を・・・』
『俺が?』驚き見つめている彼。
『だって妹の顔を知ってるんでしょ?(笑)駄目?』
口で笑う彼に微笑んだ。

『ありがとう(笑)』
『・・・・』
『了解って(笑)受けとるわ』
『(笑)戻ろう・・・珈琲が冷める』
立ち上がるスウの腕を掴む。
笑みながら見つめ彼女はまた礼を言った。

『出逢えて・・・良かった・・・。
リンちゃんとカノンちゃんにも感謝しなきゃ・・・・。
お礼に一つ内緒話を(笑)。近い内に旅行に出るわ。民話の里に・・・』
『場所は・・・』
『絞れないわよ(笑)。ただ・・・近いなって・・・民宿だと聞いたから』
『ありがとう(笑)』
彼を真顔で見つめ・・・・
『ついてくの?(笑)マジで?』

驚いた彼女が走り出そうとして掴まれた・・・・
『えっ・・・・・・・』
苦笑いしている彼をみやる。
『秘密?・・・小さな子供じゃ』
『・・・・すまない。祖父から言われてて無闇に・・・』
『まだまだ小さな子供だからって呟くの(笑)。今ので納得・・・』
『だから秘密に・・・頼めたら・・・』
と慌てて手を離した彼を笑う。

『黙ってればいい?(笑)。さっきのみたいな事も有り得る?』
頷く彼に微笑んだ彼女だった。



ガラス越しに笑うリン。
『お姉さん・・・笑ってるね』
カノンと見合うと微笑んだ。
『カノン・・・見張りが増えたかも』
項垂れたカノンと肩を落とした。

『諦めるんだな(笑)。手中で動け・・・手の数があれば早い』
「スズ(笑)安心かなぁ・・・」
「緊張とも言います(笑)」
ゲラゲラ笑うイツキに笑む。



ソファーで寄り添い眠る彼女達・・・
『久しぶりに見たな(笑)三人の寝顔・・・・血は繋がらないが』
『確かに似てきた(笑)。まぁ精神年齢は一緒かもな・・・』
『おい!・・・・』
話すユンとサクに、苦笑いして言った。

二人がスウを見る・・・・隣に座る彼女に気付き・・・苦笑いした。
『・・・・それも秘密なんだ(笑)』
呟く彼女・・・
『さっかく・・・(笑)あの空間にいるんだ・・・大事な誰かが(笑)。リンちゃんが包む中に・・・』
見つめた先に笑む。




鈴の音が優しく聞こえ、緑豊かな空間に紛れ込んだ。
遠く微かに山々が見え、穏やかな風が彼女達にまとわりつくように過ぎていく。
歩く二人の先に小さく光るモノが見えた。

・・・・カノンが立ち上がりリンを見つめた。
近づいて手にするリンは微笑んでソレを見つめた。

眠りながら涙をこぼすリン・・・ソレを優しく包むとカノンに振り向き立ち上がった・・・。



座り込んだカノンと目があった。
『私・・・・夢を見て・・・・』
「僕も見た!・・・アレって・・・」

『・・・・知らない場所だった』
リンが呟く・・・・

自分の涙に気づいた・・・・訳が分からず驚いたリン。


その様子を眺めていた彼ら。
『動くなら全員だからな・・・』
ユンに言われて彼を見つめたリンは笑みながら頷いたのだった。

読んでいた本を眺め、カノンをみやる。
互いに笑みリンはイツキを抱き締めた・・・。

カオンがそっと手を伸ばす。
「お姉さんは僕が分かるの?」
と呟きながら彼女の手に触れた。

不思議そうな顔が笑み、リンに微笑むと大事な何かを包みこむようにして離した。
『・・・よろしく(笑)』
そう言って珈琲を飲むカオンがいた。