tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

exceed

2017-02-20 09:15:00 | 序章・予告編
中学へ入学するべく準備をしていたハズキ・・・

必要なモノは、既に書き出されていたのでそれを眺めながら確認すればいいだけだった。

そんな ある日・・・
買い物を済ませた彼女は家へ入ると・・・窓から外を眺めていた祖母がいた。
『学校に一緒に行ってくれる為に?』
佇んだままの祖母に声をかけた。
『元気そうで良かった・・・』
その答えで彼女はジッと見返して、祖母の様子を見ていた。

『 ・・・何か、ありましたか?』
顔色の良くない祖母・・・微かに歪む気がしたハズキ・・・心臓だけが自分から駆け出した気がした。
ゆっくりと・・・それは確実に鼓動を早めていった。

『見送る為に帰国します・・・準備を』
心臓が跳び跳ねた気がした・・・それも音を立てるほどに激しくて凄まじかった・・・・

『 ・・・私が』
そう言って部屋の端にあった鞄を掴み、これでいいかと彼女にみせた。
『 ・・・』
声が出なかった・・・・それでも分かる範囲で鞄へ詰め込んだモノを眺めるハズキだった。
手が空き・・・ふと誰を見送るのだろうと、震える自分の体を抱き押さえた・・・

少し前だった・・・
やっと脱け出せた・・・姉が狙われ、今度は自分だった事に逃げる間も二人は無事か不安だった。
兄のようなタナセが腕を引いて、次々とタクシーを乗り捨てて・・・やっと海外へ出れた。

数ヵ国を跨ぐ・・・用がある訳でもない・・・様子を探りながら、その国の空港に下り立ち まるでタクシーのように乗り換えて別の国へ・・・

飛び慣れても来たが、あの場へ戻れるのかと不安はあった。
戻れずに別の国へ行き、学校を受け直すのだ。



静かに部屋へ入り準備をする・・・それは簡単に・・・必要なモノだけ手にした彼女は祖母を見つめ、二人は家を後にした。

空港に下り立ち出口へ向かう・・・二人だったSPは倍になった。
スッと数台の車が入り込むと、祖母は乗り込む・・・タナセが途中からサキへ目配せて彼女の手を引いて密かに離れた。

駐車場に準備された車で赴く・・・デパートで揃える・・・荷物は素早く受け取りタナセが促した。

大きな葬儀場だった・・・同乗して乗り込んでくる人達・・・
端へ停めていたタナセが車から下ろすと彼女の顔を隠す。
『前回と同じようにと・・・』
『はい』

靴を履き替えた彼女は静かに足を進めたのだった・・・

次々と出向く人達・・・離れた場所にはテレビ局の人達のようで、カメラを向けた姿があった。
それを遮るように警備の人達も群がる。

別れを惜しむ人達の流れを、少し離れた場所から見つめた。
親族だろう人達・・・あの中に居るはずとジッと目をこらして探す。

真っ白なシャツ・・・小さいのにタイを締め、か細い線は目立った。
柔らかな髪が風に撫でられ、フワリと揺れた。

通路を行き交う人達・・・脇にある花束の数・・・天国への道へ・・・花薫る穏やかな場所へ導くように連なっていた。

会場の入り口に立つ・・・
置かれた写真の笑みに戸惑った・・・それは優しい姉の姿だった・・・唇を噛み締める・・・
『参りましょう・・・』
背を優しく押し出された・・

静かな歩みだったが、彼女により近い人達は気づき視線を送った。
大人でもない・・・幼い子供でもない・・・だが、落ち着きを払い彼女の視線は写真にだけだった。

優しく手向ける・・・突き刺さる視線から少しでも塞ぐタナセもいた。
共に並び冥福を祈る・・・そっと見上げる彼女の隣へ祖母はノリトを連れて並ばせると一緒に祈りを捧げた。


彼女へ追いかけてきた子がいた・・・
『ハズキちゃん?』
呼ばれて振り向いた彼女が見返した。
『(笑)会えた・・・』
『ノリト・・・(笑)おっきくなったね』
『嬉しい?』
『もちろん』
『お姉さまは喜んでるね(笑)会えたから』

『笑顔の写真で嬉しかった・・・』
そう言うとノリトを抱き締めた・・・
『もう行く?』
『一緒に行こう?』
『大丈夫(笑)以外と皆は優しいから平気だよ?』

『なら・・・必ず、また会おう?元気でね(笑)』
分かったという笑み・・・あどけないノリトの可愛い笑顔をジッと微笑んで見つめた・・・次に会う時まで。




この地へ戻れたのは数年後だった・・・早く迎えに来たくて頑張った・・・
その間に沢山の出来事は繰り返され、彼女は耐えながら生きた。

学校の帰り道が違うと知り、事の大きさは父方の祖母からの電話で知った。
迎えの車が襲われる・・・素早く気づくタナセが身を隠させて離れたのだ。

連絡を取りながら向かう・・・これみよがしな状態で張り付く人達を巻いて敷地へ入った。


席につく間に数多くの視線は彼女を突き刺した・・・誰かの囁きや言動を笑って突き刺す言葉に息をのみ静かになった。
彼女の後ろに、堂々とSPが二人控えた姿に親族が うつ向く。

刺さるような視線にも動じず控えた二人・・・負けた人達が反らしたのだ。

二人の祖母が入って来ると、一斉に静まる・・・左右に分かれた席で様々な姿を見せていた・・・
一つ一つ丁寧に話していくスイン・・・そしてトリンが彼女のSPへ目配せると、二人は守るように少し近寄った。
タナセを残し部屋から出たサキもいた・・・

話の中味で露になる現状・・・過去の話までを持ち出して行く・・・それを無視して彼女へ声をかけた。
『ハズキ・・・早々に卒業し次のステップへ行きなさい。貴女なら大丈夫・・・頼みましたよ・・・』

一瞬で静まる中で皆が声を聞く・・・一人がスインに声をかけた。
それは群がるように親族は、ハズキを無視して駆け寄って行く。

タナセがハズキの腕を引いて部屋から静かに出ると、密かに家屋を後にした。
それでも気づかれ後を追い捕まえようとする人達もいたが、既に車で待機していたサキ・・・二人は素早く乗り込むと場を離れたのだった。

静かに泣き出すハズキ・・・唇を噛み締める二人は耐えるように・・・辺りを探りながらも彼女を守り海外へ飛び出したのだった。


待ち構えるマンションを捨てる・・・次へ構えた場所で落ち着くと、引き払うために出向き処分する。
ハズキは、その時々で出会う人達の先の為にと会社を作る。

その中で調べあげた人達・・・信用の置けた人に代表として頼むと、密かに社を回した。
人脈の豊富さはトリンから引き継ぐ・・・根回しもされたようにスインからも引き継ぐ事で強固にはなったが、ハズキは元からの人脈さえ利用し腕を広げていった。

姿は見せる事なく指摘する中味で、納得せざるを得ない状況もあった。
難は意図も簡単に引き剥がされ、いつしかツーという呼び名が定着され始めた頃には、スインの手から切り離されていた。

それでも戸惑いはなく、ワンの場所へ入り込む・・・現場よりも素早い対応で事なきも終わる。
両立していたハズキの学生生活が終わると、トリンから確実に離れ 祖母達の影となり手足となった。

それでも姿は覚えられ狙われる事も多かったが、SPの動きで回避されていった。
情報さえ集める腕は人を集め、何処かで追われたハッカーさえ味方へ繋ぎ絆は固まると会社を起こした。

見知らぬ土地で密かに始める・・・表向きの職を始め仮面を被った。
トップを置くが、裏は一切教えずに始めて貰いハズキが動かした。
危うさはハズキに連絡が入ると、彼女自身が動き難は剥がした。

場所に寄って身を変えた彼女・・・増えていく数に、諦めに似た動き・・・それでも必要な人達を守りながら、子供の姿のずば抜けた動きにSPの人達は彼女を守り続けたのだった。


近くなる・・・様子を伺う為の動き・・・それは各地で試されていく・・・自分を守る人達まで囲う・・・
そばに来てくれるまで時間を稼ぐ彼女・・・

回避も無理な状況に落とされる・・・他人の人生まで巻き込む人達・・・

固く誓う・・・それは自分だけに迎えと願う・・・
それは自分の先も予測できた・・・迷う事もなく向かう・・・時に流される自分を休ませる。

気づけば懐かしさがわく・・・幸せと呼ぶ過去が彼女に笑みを落とした。
温かさに笑みを浮かべる・・・まもなく会える嬉しさもある・・・微かな希望さえ切り離された気になった。

全ては 終われるのだろう・・・待ち合わせだと連絡を入れると静かに電源を落とした。

最後だと見れた朝陽・・・優しく照らし出された場所に家族は居ない。
自分から出向く・・・笑って迎えに来てくれると信じて・・・事の終わりは あるのだろうと・・・歩かされた道から降りれる事を願ったハズキだった・・・


-end-



2017・2
1年ぶりに動かした お話・・・こじつけて進めた空想話でした。

年数やら歳・・・細かい部分は目を閉じて、勝手に飛んだお話・・・
人の名を決める苦痛は嫌だ・・・容姿や言動の空想は簡単に出来て進められるけど・・・ENDが入ってから気づく・・・名前がない・・・

それを決めるだけで一月・・・本当のENDが出来てホッとしたtamiでした。

読んで頂き感謝します。
exceed・・・本編へ参ります・・・tami