7月からずっとブログの掲載を休んでいましたが、久しぶりにパソコンに向き合っています。
梨の出荷が7月末から始まり、本日9月25日をもって本年の梨の選果及び出荷は終了となります。
関城梨選果場の部会長としてあわただしい日々が続きました。今年の梨はご存知のように例年とはかけ離れた異常(?)な年となりました。
3月、4月の降霜により、着果不良の年となり、圃場によっては1本の木に数個しか実が付いていないところもありました。
収穫間際になり、幸水では黒星病が蔓延し、出荷できない果実が多数発生し、昨年比4割減の出荷となり、期待していた
豊水に至っては7月の長雨と8月の猛暑により、「蜜症状」の梨が発生し、例年の半数ほどの出荷量になってしまいました。
千葉、栃木の梨産地も同様の惨状で、結果、市場に出回る梨が極端に減少し、価格は高騰し、1箱(10k)1万円に迫る時期もありました。
平年の倍以上の相場でしたが、生産者の意気は上がらず、重苦しい終盤を迎えています。
手塩にかけた農産物が豊作で、自信を持って消費者に届けられ、相応の値段で売れることが農家の喜びであり、単に値段
が高いと喜んでいる農家は多くありません。
昨年も異常気象による豊水の「蜜症状」は発生しましたが、今年はそれをはるかに上回る年になりました。
気候の変動は、農作物の生育に直接的に影響し、将来にわたり食料の生産に著しい低下を及ぼします。すでに食料危機が
叫ばれ始めていますが、それが足元に及んできている気がします。
稲の代表的な品種「コシヒカリ」も今の気候では徐々に適さなくなり、品質と収量の低下が問題となっています。
今、世界のあちこちで大規模な森林火災が頻発し、氷河が後退し、永久凍土も溶け始めています。
世界の穀倉地帯が異常気象により不作に陥り、スーパーの店舗に食料と呼べるものが消えたとき、どのような世界になる
のかぞっとします。SF小説ではなく、加速度的にその危機は近づいている気がしてなりません。
3月から新型コロナ禍に翻弄され、7月、8月は異常気象に翻弄され、悩ましい半年が経過しました。
企業や個人事業主の倒産も増えています。2020年は今後どのような年になるのでしょう。
有効なワクチンは本当にできるのでしょうか?
いろいろな意味で2020年は世界の記憶に残る年になることは間違いありません。
そして、後年、2020年が最悪の年であったと言えることを願っています。