去る、2月25日(水)西小5,6年生(125名)が今年度最後の自然体験授業に五郎助山に来た。
午前9:20分、見慣れた青のジャージと黄色の帽子が林の間から見えてきた。5,6年生になると到着時間が1,2年生より10分ほど早くなる。それだけ体も成長し、歩幅も大きくなったのだろう。
子供たちを迎えるため、会員は冒険広場に集まった。「お早うございます。!」と元気な挨拶と共に、通いなれた広場に続々と到着し、瞬く間に大きな一団となった。(いつの間にか、ほんとに大きくなった。)学年主任の松本先生の指揮のもと、手慣れた様子でリュックサックをシートに並べ、クラスごとに再整列した。
6年生にとっては最後の自然体験となるこの日、私たちも特別な思いで出席した。簡単な挨拶を済ませ、今日の体験内容が山崎さんから発表された。6年生は ①薪割り体験(・斧での薪割り体験、・動力薪割り機による体験)②チッパー(枝を砕く機械)の操作とチップの散布体験 ③伐倒体験(樹齢40年~45年のクヌギを伐採する)4種類の体験をそれぞれ班毎に行い、順次、入れ替えを行う。
5年生は、まだ残っている落ち葉と枯れ枝拾いである。担当の会員が紹介され、各班に分かれ、いよいよスタート。
私はチッパーの担当になった。間伐した木材を有効利用するため、玉切りをし、薪にする。あるいは窯で焼いて炭にし、自然のリサイクルを実現している旨のお話をした。残された枝はチップにし、遊歩道に散布し、土を保護する効果があることを話した。 体験は学習である。 なぜこのような作業をするのか理解して体験することで、その意味は深まる。
約1時間の作業を終了し、20分の自由時間と休憩が先生より告げられた。当たり前のように、慣れ親しんだハンモック、ターザンロープに群がり、最後の里山体験を惜しんでいるかのように見えた。
11:00いよいよ伐採の見学だ。5,6年生、共に現場に移動する。樹齢40年から50年、樹高25メートルを超すクヌギが選ばれた。会員の手によりチェーンソ―のエンジンがかかった。子供たちが息を殺して見守る中、甲高いエンジン音と共にチェーンソ―の刃が深く入って行く。ゆっくりと木が動き始め、ワイヤーを引く方向へスローモーションのように倒れていった。「バリバリ、バリ、ズシーン」地響きのような衝撃があたりを襲う。ちょっと間があり、子供たちからどよめきと歓声が上がった。
会員の合図で倒れた木に子供たちが群がって来た。いつもながらの風景だ。人生、最初で最後の伐採体験かもしれない。切り株からこぼれ出たおがくずを嗅ぐ子供たち「う~ん いい匂い。」
この匂いと一緒に五郎助山で過ごした時間を思い出してほしい。
集合場所に戻り、感謝の集いが開かれた。会員も全員、子供たちの前に集合。 整然と並んだ5年生、6年生。進行も6年生が担当。代表が6年間の感謝の気持ちを感想文に書いて朗読してくれた。
その後、5.6年生全員で童謡「ふるさと」を1番から3番まで合唱。静かに目をつぶり聞き入っていたが、こんなにこの詩が胸にしみたのは何年振りだろう。こどもたちからも6年間の思い出を重ね合わせ、心から歌っている波動が伝わって来た。
歌が終わり、6年生から「挨拶を・・・」と促されたが、しばし言葉が出なかった。
「皆さんの里山での6年間の思い出は、私たちの思い出でもあります。」「楽しい思い出を有難う。」「皆さんの笑顔を見たくて今日まで頑張れた気がします。中学生になっても遊びに来てください。」
そんなことを言ったと思う。6年生全員の感想文を手渡された。
6年間の里山授業、大人になった時、どんな形で心に残っているのか、一人一人に聞いてみたい。
全員集合
チッパー
遊歩道に撒く
伐採現場に移動
伐採
最後のツリーハウス、ターザンロープ