里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

自然栽培全国普及会 関東勉強会

2012-08-26 05:36:26 | Weblog

8/22~8/23の1泊2日の日程で群馬県富岡市の市立社会教育館において「自然栽培全国普及会 関東勉強会」が開催された。

2011年11月11日に会は設立され、私も今年その会員となった。

関東における初めての講義ということで参加した。まだまだわからないことが多く、この機会に多くの実践農家を知り、交流したいと思い参加した。北関東高速を使い、予定より早く着いたので、世界遺産を目指している今話題の富岡製糸工場を見学した。

この日もかなり暑く、36度は越えていた。工場へは車では入れないので、近くの駐車場に車を留め、歩いて工場に入った。この暑さの中、大勢の観光客がボランティアのガイドさんのお話を聞いていた。500円の入場券を買い、その団体に紛れ込み、ガイドさんの話を聞きながら工場内に案内された。

近くのお店に張ってある新聞

富岡工場入り口付近 かなり広い敷地

どこかのテレビ局の取材も行われていた。(左手が入場券売り場)

ボランティアのガイドさん。(かなり年配の方。そのほかにも何人かいらした)

工場内

約1時間の歴史探訪を終え、地元の蕎麦屋さんで、ざるそばを食べ、いよいよ会場へ向かった。

 

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富岡市立の社会教育館は小高い丘の上にあり、隣は貫前神社という由緒ある神社があった。

この社会教育館も総ひのき作りの古い建築物(昭和11年建築)で当時は東国敬神道場として作られ、戦後は群馬県社会教育館として宿泊型の施設とした利用されていたらしい。 現在では国の登録有形文化財に指定されているとのことであった。

さて、私たちの会場は一番奥の講堂で行われ、板敷きの歴史の感じる大広間であった。現代式にエアコンも整い快適である。

今回87名の参加者があり、北は岩手県から南は広島県の人まで参加し、アメリカの人もお二人参加した。

そのうち農家は25名。前に出て自己紹介をしたが、茨城からは私を含め3人の方が参加した。坂東市の方、水戸の方(女性)である。

そのほかの方々は流通の方、消費者の方である。消費者の方の中には多くの女性が参加しており、食の安全、健康に高い関心を持った方がほとんどだった。

午後1時からスタートし、この全国普及会発足の経緯、今後の方針などを話された。

無農薬、無肥料で栽培する農業というのだから、なかなか普通の農家には受け入れにくい農法である。

私も「奇跡のりんご」を書いた木村秋則さんに出会うまではおそらく信じなかっただろう。

実はこの農法、昭和28年に「岡田茂吉」という方が提唱し、かなりの方が実践したらしい。一時ブームを起こし、その後衰退し、又ブームを起こすという歴史があり、なかなか定着しなかった。その後、自然農法という大枠の中で、福岡式自然農法、炭素循環法、不耕起栽培、など様々な流派が生まれ、実践されている。

その底流にあるコンセプトは、安全で、おいしい農産物を作り、それを摂取することにより健康で、豊かな精神を持続させ、人類すべてが幸福になるという壮大で崇高な思いである。

農業者は命の糧となる食料を生産する立場にあり、安全で、栄養に富んだものを作る義務がある。

しかし、その方法、理念を知らなかったのである。

私は、この農法が普遍的で誰がやっても結果を出せる農法だということに魅力を感じる。

今回、農家のみならず、流通、消費者が一堂に会し、同じ理念で食料というものを考える勉強会はすばらしい企画だった。

自然農法は普遍的だが苦労も多い。土が出来上がるまで相当の時間がかかるという。

(しかも土地により様々な要素が加わるという)

その間、レベルに応じた値段で流通させ、買ってくれる消費者がいなくては、農家は挫折してしまう。

理想的な農家を育成するには理解ある消費者が不可欠なのだ。

その意味でも生産者、流通、消費者の三位一体が是非必要だと思う。

消費者の中に将来農業をやりたい。やるんだったら自然農法だと熱っぽく話す青年がいた。宿に移り、5人の方と一緒の部屋になった。

坂東市の方、地元群馬の方、東京の方、埼玉の方である。内二人が新規就農希望者である。

どちらも健康や、自然環境に関心を持っている青年であった。

ところで、夕食は すべて 無肥料、無農薬(15年以上)の自然農法で栽培された食材であった。ビール、お酒、味噌も食材はもちろんのこと、製法も昔のやり方で作られたものであった。私にはニンジンジュースが驚くほどおいしかった。

こうしたものを毎日食べていると、自然に健康になれるような気がした。

自然農法で作られた食材のテーブル

二日目は午前中、土作り班と果樹班とに別れ、私は果樹の講義に参加した。

青森での研修で一緒だった道法さんの講義である。植物のホルモンの働きに着眼した剪定法であるが、まだ理解できない点も多い。

これからその隙間を埋めて行かねばならない。

午後からは自然農法17年目という関東ブロック副会長の磯貝農場を見学した。まず自然農法実践者の息子さんが深さ70センチの竪穴を掘り、土壌の状態を見せてくれた。

健康な土は表土から70センチのところまでほとんど温度差がなく肥毒の層も無くなるという事だが、一目見たのではわからなかった。

ここの土はまったく同じ色で統一されていて、豊かな土壌という感じがした。匂いもほとんどなく、団粒構造の土になっていた。

私も帰ったら早く自分の土地を掘って見たい衝動に駆られた。

この後、バスで教育会館に戻り、全員解散となった。私はこの勉強会で偶然知り合った下妻市に住む、お嬢さんを乗せて夕方6時に帰宅した。

明日から自然農法へ又チャレンジである。

 

 

 

 

 


続、キャンプ

2012-08-16 05:52:56 | Weblog

8/5日キャンプ反省会を行った。

キャンプ2日目、宝箱探し(オリエンテーリング)の最中、何人かが蜂に刺されたとの知らせが本部テントに入り、男子2名、女子1名がおびえた様子で戻ってきた。すぐに専用の吸引器で刺された箇所からハチの毒を吸引し、薬を塗った。

様子を聞くと草むらに入ったところでチクッと痛みが走り、小さなハチみたいなものを見たとのこと。3人とも同じチェックポイント付近で刺されたらしい。

里山にはクワガタ、カブトムシもたくさんいるがハチも多い。スズメバチも飛来し、巣も作る。キャンプ二日前から里山全体を観察し、2つの巣を撤去したばかりであった。

すぐに、競技の中止を伝え、3人を近くの病院に連れて行った。幸い症状は軽く、塗り薬と飲み薬を処方された。

治療中、もう一人も刺されたので搬送中との連絡が入った。幸いこの子も軽い症状で同じ治療を病院で受けた。

里山に戻り、家族に連絡、二人は大事を取り、自宅に帰った。あとの二人は本人とお母さんと話し合いの結果、最後までキャンプを続行することになった。

残りのプログラムを笑顔で終了できたことにほっとした。

閉所式では、4年生の時から6年生まで連続3回参加してくれた3人の子供たちに「里山キャンプ名人」の称号を贈った。

3回の里山キャンプはこの子供たちにどのような形で心に残るのだろう。何らかの糧となることを期待している。

今回の事故は本当に軽症でよかった。連絡を受けた家族はどんなに心配だったろうかと胸が痛い。万全で臨んだつもりのキャンプであったが、万全ということはないということを今回学んだ。

反省会では万一事故が起きたとき、誰がどのセクションを担当し、その連絡等、指揮、命令系統の確立が曖昧との指摘が出た。

もっともな御意見で、今回の貴重な経験を基に入念な準備をし、次回につなげたい。

それぞれの担当者から様々な反省点が述べられ、すべてが記録された。

手探りで始まったキャンプ。今回で3回目であるが、やっと全体像がつかめたような気がする。担当の中山さんも同じ思いのようだ。

失敗を恐れず、皆で知恵を出し合い、協力し合いながら、何よりも子供たちの心に残るキャンプを目指したい。

 

 


第3回里山キャンプ

2012-08-03 04:39:23 | Weblog

7/31(火)~8/1(水) の二日にわたり、五郎助山で第3回里山キャンプが行われた。とても暑い2日間であった。

西小4年生から6年生41名。一人も欠けることなく元気に五郎助山に到着した。西小の北澤校長先生、矢口先生も激励に駆けつけて頂いた。

 参加者大集合

担当の中山じいより本日の日程や注意点の説明があり、いよいよテント設営である。

 テント張りも子供たちが説明書とにらめっこしながら班担当の里山じぃのアドバイスを受け行った。時には間違いを子供たちにチェックされ、冷や汗をかいた里山じぃもいたようだ。

さっそくカナヘビをゲット。西小では今、カナヘビ飼育が大ブレイクとのこと。                                       (里山では子供たちの顔を見るとカナヘビが逃げ出します。)

  なかなかかまどに火がつかず悩む子供たち

 集合はこの打ち木を鳴らします。(当番の奥島君)

 一日目の夕飯は 定番のカレー。

 キャンプファイヤー(各班の出し物はクイズが多かった。)

 ナイト トラップ(自然博物館より借用)

関城中の太田先生も助っ人参加。

この後、希望者を集めナイトハイクに出かけた。私を先頭に、20人くらいの子供たちが一列となり、それぞれの背中のシャツをしっかり握り、夜の里山の小道をゆっくりと歩いた。次第に言葉が少なくなり、昼間とは違う里山の顔を味わった。

満月の月あかりが思いのほか森の木々から漏れ、途中からすべての明かりを消し、月明かりだけを頼りに歩いた。やわらかい土の感触がここち良かった。 自分たちのテントが見えてきた時、安堵の声が子供たちから漏れた。

二日目

決死(?)のトンボ池横断

今回は新しいメニューが登場した。 トンボ池を船で渡ろうという企画である。

賛否両論あったが、安全を確保し、やってみようということになった。両岸にロープを張り、

それを引っ張りながら対岸を目指そうというものだ。結果大好評。

 

続く。