里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

キャンプ二日目

2018-08-26 07:15:33 | Weblog

9日(日)キャンプ二日目 

私は冒険広場の片隅に個人用のテントを張り、子供たちを見守った。朝4時ごろから「寒い!」「寒い!」という声が近くの男子テントから聞こえてきた。うだるような熱帯夜から一夜にして10度以上下がり、9月下旬の朝になっていた。 確かに肌寒い。昨日のキャンプファイヤーの火種はまだ残っているはずだ。テントから出て薪を運んだ。火種の灰を取り除き、薪を重ねた。ほどなく炎が上がり、それを合図に子供たちが集まってきた。

 火の周りに集まった子供たち

女子のテントからも腕をさすりながら数名が火の周りに集まった。 真夏の朝、たき火を囲みながらたたずむ光景は異様である。 今年の夏は記録的な猛暑となり、各地を襲った豪雨、季節外れの台風、とにかく異常続きの年となっている。

肌寒い朝も日が昇るころになると温度も上がり始め、子供たちもそれぞれのテントに戻っていった。そして朝食の準備に入った。

 ビニールの袋をかき混ぜる

今日の朝食は飯ごうを使わず、非常用のご飯炊きを行うことになっている。各班を集合させ、その作り方を説明した。一般に市販されているビニール袋に米と水を同量入れ、空気を抜いて輪ゴムで縛り、沸騰した鍋に入れ、かき混ぜながら、約30分~35分。それで出来上がりである。 災害が起きたとき、最小限の水とお米があればご飯を炊ける。それを子供たちに体験してもらおうという試みである。鍋に入れる水は緊急時、川の水でもOKである。炊くときにあらかじめ梅干を入れておくと、梅味のご飯もできる。 

 

 御飯出来上がり

さて、どの班も本当にご飯が炊けるのか半信半疑の表情であったが、お米と水のビニール袋は約10分後だんだん膨らみ、浮いてくる。時々かき混ぜ、約35分後、鍋から取り出し、しばらく蒸らしておく。そして実食。 ちょっと堅めのご飯もあったが、十分満足のご飯が出来た。 

どの班もまずまずのご飯が出来上がり、みそ汁、卵、ノリ、納豆、お新香の朝食となった。このご飯炊きを家に帰ってから、家族で試してほしいと言った。

朝食の後は記念品づくり、そうめん用容器づくり、そしてメインイベントの「流しそーめん」が待っている。

 二日目 日程

記念品づくりは輪切りにしたエンジュの木片を使い、好きな絵柄を書く。その後は流しそーめんに使う竹の器と竹の箸づくりが待っている。ノコギリ、ナタ、小刀を使い、「マイ箸」、「マイ容器」を作った。

 記念品づくり

 竹の器、はしづくり

 完成した記念品

 

そして いよいよ「流しそーめん」の時間が近づいてきた。 午前中からベテラン会員が太い真竹を元から5mで切り、それを二つに割り、縦につなぐ。傾斜をつけて水を流す。程よい傾斜で麺が流れることを確認し、スタンバイOKである。

 流しソーメンの準備

各自、マイ箸、マイ容器を持って、約10メートルの樋の両側に並ぶ。特製の麺つゆをたっぷり竹の器に入れ、あとはそーめんが流れてくるのを待つだけだ。「よーし、いくぞ~」の掛け声とともにそーめんが 流れてきた。瞬く間にソーメンはすくわれ、下流で待つ子供たちのところまでは届かない。

 いよいよスタート

下流で待つ子供たちからはブーイングの嵐。樋の中間にも名人(中学生)を配置し、そこからも流すことで不満を解消した。ちゃっかり体験者は最後尾に陣取り、つかみ損ねたそーめんが溜まる容器を前に悠然と麺をすくっていた。

今年も十二分に麺を用意したが、時間が経過しても子供たちの食欲は衰えることはなく、麺を茹でる裏方の女性陣は大人の分を心配する声も出始めた。 しかし間もなく「もー食えねー」「苦しい!」の声が上がり始め、どうやらギブアップとなった。 やっと大人の番になった。

子供たちの胃袋には驚かされたが、うまそうに食べる子供たちに刺激され、大人たちのお腹もグーグー鳴り始め、子供に負けず劣らず旺盛な食欲だった。最後に裏方を務めてくれた女性陣へ男性会員がそーめんを流し、その労に報いた。

 

食後の休憩を十分に取り、次はテントの撤収である。各班 名人(中学生)、会員の指導の下、テントの骨組みを外し、折りたたんで行く。かまど、テーブル、敷板、と順序正しく整理・整頓されて行く。

 退所の集い(アンケート記入)

そして退所の集い。西小からは蛯原教頭先生、東小からは枝川先生がご出席され、子供たちのキャンプ体験をねぎらってくれた。

西小 蛯原教頭先生

 東小 枝川先生

 

西小、東小の6年生からそれぞれ二日間の感想が発表された。

  東小代表 杉山さん

 西小代表 鏡田君

また、今年は5人の里山キャンプ名人が誕生し、理事長より一人一人に認定証が手渡された。 来年は中学生となるが、今年の名人とともに、後輩のサポーターとしてキャンプに参加してほしいとお願いした。

今年のキャンプは偶然、猛暑から逃れることが出来、絶好のキャンプ日和となった。 今回、サポーターとして参加してくれた中学生の働きは目覚ましいものがあり、私たちと参加児童の隙間を十分に埋めてくれたと感謝している。

中学生を信頼し、的確なサポートを指示することで名人(中学生)は期待以上の仕事をしてくれることを確信した。

今年新たに誕生した5人の里山キャンプ名人にも来年度、同じようなサポートを期待している。 こうしたキャンプができる自然(里山)が身近にある幸せを改めて感謝しよう とお話しした。

 五郎助山、丸山はこの地域の宝物です。

 


第9回里山キャンプ開催

2018-08-20 18:39:29 | Weblog

8/18日(土)~8/19日(日)の2日間五郎助山で第9回里山キャンプを開催した。

 当初、7/28,29に開催の予定だったが台風12号のため延期となり、この日になった。 今年の夏は記録的な猛暑が続いたが、この2日間は最高気温が30度を切り、朝夕は涼しく、絶好のキャンプ日和となった。

 実行責任者(関根副理事長)による訓示

 会場へのキャンプ器具の準備

この日、西小学校・田宮校長 東小学校・白石校長のお二人も、お忙しい中 駆けつけていただき、楽しい思い出のキャンプとなるよう、子供たちを励ましていただいた。

西小 田宮 優一校長の激励

 東小 白石久美子校長の励まし

開催日の変更により、当初33名の参加者は27名となったが、全員元気に参加してくれた。子供たちをサポートする会員スタッフは35名。他に中学生の「里山キャンプ名人」4名が後輩のサポート役として2日間参加してくれた。

 里山名人(中学生)も後輩のサポートに参加

4年生になり、初めての里山キャンプ体験の児童は8名。期待と不安の入り混じった参加となると思う。いつも思うことだが、この子たちが「来年も参加したい」。と思えるようなキャンプにしなければならない。初日は協働作業として、まずテント設営から始まる。

 テント設営

 スタッフとの共同作業

各担当のサポーターは決まっているが、会員はなるべく口を出さず、里山名人と子供たちに任せようと申し合わせをした。時間はかかったが、何とかどの班もテント設営を完了した。

 完成

各自、荷物をテントに収納し、自由時間となる。トンボ池での「釣り」、カブトムシ、クワガタの捕獲、ターザンロープ、ターザンブランコ、それぞれ好きなことで遊ぶ。 頃合いを見図り、スタッフはいよいよ火おこしの準備に入る。各班に火おこしの道具一式が配られ、一斉に火おこしが始まった。

木と木の摩擦で火種を作り出し、麻縄をほぐし、鳥の巣に似せた毛の器に火種を落とし、包んでから円を描くように片腕でぐるぐる回す。酸素が入り、何週目かでぱっと炎に変わった。火種が炎に変わることを実体験した子供たちは、その瞬間どの顔も笑顔になる。

この体験は大人になっても忘れることはないだろう。

各班種火をろうそくに移し、いよいよ夕食の準備に取り掛かる。初めて包丁を持ち、ジャガイモを切る。危なっかしいが、じっと見守る。飯ごうで炊くご飯。鍋の中は定番のカレー。

 真剣にジャガイモの皮をむく

 火吹き竹で火を熾す

各班のカレーが出来上がったころ、西小の先生方(女子の先生)5名が様子を見に来てくれた。思いがけない訪問に子供たちはびっくり、そして大喜び。自慢のカレーを先生方に味見をしてもらう。「うまーい」と先生もべた褒め。結局すべての班のカレーを味見したという。

 いよいよ実食!

 完食です。

最後に里山スタッフ(女子会員)の作ったカレーを完食し、子供たちの安全と楽しいキャンプを我々に託し、帰られた。

食事の後はいよいよキャンプファイヤーである。今日は雷雨の心配もなく、ゆったりとした雰囲気で始まった。いつものように火の神と火の子によるタワーの点火より始まった。

 

 

 

 

 

 

 


平成30年度桜川探検隊第1回探検交流

2018-08-13 22:35:32 | Weblog

8月7日(火) 平成30年度桜川探検隊第1回探検交流 が五郎助山で開催された。

桜川流域の自治体(つくば市、土浦市、筑西市、桜川市)で運営する協議会が主催し、今回は筑西市が幹事役となった。市環境課から協力の依頼を受け、準備をしていた。 当日は各自治体より子ども、大人を合わせ71名が参加。主催者、スタッフを合わせ99名の盛大な交流会となった。

桜川の浄化、自然環境の保全を目的に設立された協議会なので、水質調査(桜川上流・中流・下流)も行う。

当会は子供たちを対象に自然体験(釣り・ネイチャーゲーム)を担当した。 この日は曇り空であったが、これまでの猛暑から解放され、むしろすごしやすい日となった。トンボ池も釣りに適した水温となり、フナやヤマベが思いのほか釣れ、あちこちから歓声が上がった。一人で5匹を釣った女の子もいた。

約40分を過ぎると、次は森の中で「ネイチャーゲーム」の体験をした。 ほとんどの参加者が五郎助山は初めてということなので、これを機会にまた遊びに来てほしい。

 


テレビ東京 BSジャパン 「TVチャンピオン極~KIWAMI~」の撮影

2018-08-08 04:23:47 | Weblog

8/5(日) 五郎助山で テレビ東京 BSジャパン 「TVチャンピオン極~KIWAMI~」の撮影が9:00~23:00まで行われた。

番組名  「TVチャンピオン極~KIWAMI~」

放送局  テレビ東京 及び BSジャパン

放送日  B S    2018年9月2日(日)21時から

     地上波  2018年9月8日(土)10時半から

放送内容 カブトムシ&クワガタ捕獲王

出演者  MC アイクぬなわ さん

選 手  カブトムシとクワガタ捕獲に自信のある方 4名 解説者1名

競技会場 筑西市上野「五郎助山」

 各県から参加の捕獲名人

                                              果たしてどなたがTVチャンピオンに!

 MCのアイクぬなわ さん

 捕獲に奮闘中

 テレビ東京アナウンサーのインタビューに答える競技者

この日、五郎助山の森も35度を記録する猛暑となったが、競技者の皆さん、30名近い撮影スタッフの皆さんはあふれ出る汗をものともせず自分の仕事を黙々とこなしていた。

筑西市観光課の長沼さん、当会から中川、関根、佐藤がその撮影のサポートについた。驚いたことに、撮影が一段落するまで食事はとらず、昼食は2時半を過ぎていた。

競技は昼・夜2回に分けて行われ、その数、大きさで勝敗を決する。

昼の部ではまったくの素手でクワガタ、カブトムシを捕獲する。90分という制限時間内で森の中をくまなく歩き、クワガタ、カブトムシを追い求め、全員汗だくで、スタッフの待つ冒険広場に戻ってきた。

各自が捕獲したカブトムシ&クワガタを解説者が一匹、一匹、ノギスで測量し、その点数を加算して行く。 最下位の方はこの時点で敗退となり、夜の部には参加できない。

その結果は9月の放映を見ていただきたい。

なお、収録終了後、捕獲されたカブトムシ、クワガタはすべて森に帰したことを付け加えます。

さて、この放送の録画撮りの依頼は県から市、そして当会にあったわけであるが、放送画面で「五郎助山」という名前は入れないこと、トラップはこの場所では禁止されていること(番組構成上、特別に許可した)を番組終了時にテロップで流してほしいとの条件を付けました。

私たちの里山「五郎助山」を多くの皆さんに知っていただくことはうれしいことですが、テレビ放映の反響は想像以上に大きく、そのために許容を超える人数が五郎助山に来訪し、貴重な植物やカブトムシ&クワガタの乱獲を恐れたからです。市、制作会社も当会の意見を尊重してくれました。

また、今回競技者として参加された方はいずれもカブトムシやクワガタの生態に詳しい方々ばかりで、甲虫類をこよなく愛している方々ばかりでした。 当初、捕獲するだけの名人かと思っていましたら、とんでもない誤解でした。また、参加された4名全員がこの森は昆虫にとって素晴らしい環境であり、うらやましい森だと言ってくれました。今度は家族で遊びに来たいとも言っていました。

私たちの里山が昆虫を愛する方々から絶賛されたことが何よりうれしいことでした。

追伸 夕食の弁当配布は結局23時を回ってしまいました。 コマ鼠のように駆けずり回っていたADさん。借用した里山の備品もきちんと元の位置に戻し、ゴミも一つも残さず、社長以下すべてのスタッフの対応は見事でした。

朝の8:30分から午後11:00まで約18時間、市役所観光振興課の長沼さん、そして里山の3名もお疲れさまでした。