一級建築士事務所 サトウ工務店

自然素材を使い省エネと快適性をデザインする 新潟の家

脚のないダイニングテーブルのフレームです。の続き

2013年01月25日 | 石上のゼロエネハウス



石上のゼロエネハウスの現場は、大工工事もあと少しとなりました。 造作家具など細かい作業に入っています。

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そして、いよいよ脚のないダイニングテーブル一体キッチンの造作です。

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骨組みにスチール(鉄)を使い テーブルが跳ね出しできる様にフレームを製作。 これにより、とりあえずダイニングテーブルに脚がなくても浮いているわけです。

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しかし、この頑丈そうなスチールフレームでさえも、実は計算するとまだ強度が不足しています。 十分な荷重を支える事ができるのですが、その際のたわみが少し大きくでます。

たわみ量を完全にゼロとする事はできないが、可能な限りたわみを小さくして 使い心地に違和感が出ない様にしたいのです。


そこで、このスチールフレームにもう一工夫。 (以前に問題を出しましたが、正解者は残念ながらゼロ おしい方は居られました。)

このスチールフレームは角パイプでできています。パイプの内部は空洞です。 この空洞に無収縮モルタル(セメント)を充填するのです。(←これが正解)

すると、モルタル充填鋼管という構造になります。 内部に充填された圧縮に強いモルタル(セメント)を、外部の引張りに強いスチール鋼管が拘束し、部材の変形を強固に抑えます。 最強の構造ですね。

この構造の注意点は、自重が重くなる点。 いくら強度が上がっても自身が重すぎては負担が大きくなるばかりです。 部材のサイズと強度のバランスがポイントです。


今回の様に構造計算までしてキッチンを設計するのはとてもまれなケースですが、基本となる建築の構造計算をシッカリとできる能力があれば、こんな様々な応用もでき 設計がより楽しくなります。 そして、何よりもお客様に安心して頂けます。


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