一級建築士事務所 サトウ工務店

自然素材を使い省エネと快適性をデザインする 新潟の家

外断熱だったら高性能?

2007年11月08日 | 建築

昨日、お客様との打合せで、

「他の建築会社の話では、200万円程度のオプションで、

外断熱にできるそうなので、ウチも外断熱で高性能にしたい。」

というお話を頂きました。

しかし、勘違いされているようです。

お客様も、その建築会社の営業マンも・・・

外断熱にさえすれば、高性能な家になるわけでは有りません。

大きな勘違いです。

ここ新潟県では

40ミリ前後の高性能なネオマフォーム クラスの断熱材を

屋根や壁の外周に張る外断熱工法が、とても多く見受けられます。

しかし、本当にこれが200万円も出して得る高性能なのでしょうか?

逆に、「コストをかけずにそれなりの性能を出すために外断熱を・・・」

という事なら分からないでも有りません。

しかしながら、例えば いまや高断熱の基準となっている

次世代省エネ基準をクリアするには、

ネオマフォーム クラスなら、屋根には140ミリ 

壁には、60ミリが必要です。

そうです。全く足りていないのです。

かといって、現実的には、こんなにぶ厚い断熱材を外周部に

張るのは、容易なことではありません。

結果、外断熱が高性能になるとは限らないのです。

むしろ、一般的に採用されている外断熱工法は、低めの性能なのです。

決して、外断熱を否定しているわけではありません。

しかし、200万円高い外断熱工法を採用すると

いかにも、その家が高性能になる様な営業をする

建築会社はどうか・・・ と思うのです。

おそらく、その営業マンは正しい知識もなしに

営業しているのでは、ないでしょうか。

次世代省エネ基準のクリアは、

断熱材と工法の原理原則さえ熟知していれば

充填断熱(内断熱)でも

コレよりずっと安いコストで可能なのです。

 ◇

未来の地球環境などから考えても

これまでの作っては壊す消費型の住宅から

長く住まえるストック型の住宅への転換が必要です。

そのために、耐久性や耐用性の向上と

この省エネ住宅とする事が重要になってきます。

見た目やデザインにお金をかけ、

肝心な部分(出来上がると見えなくなる部分)は、

10年も20年も昔と変わらない時代遅れな仕様のまま

そんな家をつくる建築会社は、まだたくさん有ります。

また、見えなくなる部分には

お客様もあまり興味を示さない? のかも知れません。

しかし、これからは、住宅を取得するお客様も

自分のために、そして子供や孫

未来の事も考えた住まいづくりしなければなりません。

 ◇

とても長くなりましたが 言いたい事は、

この建築業界には、会社の規模には関係なく

あらゆる所で偽装や不正、モラルの欠如

そして知識のない営業マンや設計者 などなど・・・

たくさんあるのです。

この業界にいる人間としてとても情けない事だけど、

消費者の方々がシッカリ見極めないといけない。

と、いうお話でした。

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