大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

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2016年11月27日 | 植物

<1794> 余聞・余話 「植物の分類について (6・勉強ノートより)」

      生きものは生きるに工夫と精進が欠かせぬ例へば花に来る蝶

 植物は葉緑素を有し、これによって光合成を行ない、有機栄養物を得て生きてゆくのが基本な仕組みであるが、すべての植物がこれに該当するわけではなく、例外がある。その例外に当たる生活方法による区分が植物の世界には見られる。寄生植物、腐生植物、食虫植物、共生植物などがこれに当たる。

         

 寄生植物(他の生きた植物の組織から有機栄養物を吸収する植物で、養分を吸収される側の植物は宿主植物と言われる。寄生植物は主に被子植物に見られ、二次的に特殊化したものと考えられる。寄生植物には芽生えのとき以外は葉緑素を持たず、全部の有機栄養物を宿主植物に頼る全寄生植物と葉緑素を有し、光合成を行ないながら宿主植物からも有機栄養物をもらう半寄生植物とがある。

  全寄生植物――――――――――ミヤマツチトリモチ、ナンバンギセル、ハマウツボ、ヤマウツボ、ネナシカズラ、マメダオシ

  半寄生植物――――――――――ヤドリギ、マツグミ、ヒキヨモギ、シオガマギク、ママコナ、ツクバネ

 腐生植物(生物の遺体または分解物から根に共生する菌根菌を通して有機栄養物を吸収し、生きて行く植物で、被子植物に限られ、二次的に特殊化したものと考えられる)――----―ギンリョウソウ、ホンゴウソウ、ヒナノシャクジョウ、オニノヤガラ、ツチアケビ、ムヨウラン、ショウキラン

 食虫植物(捕虫葉と呼ばれる変形した葉によって昆虫などの小動物を捕え、消化吸収し、有機栄養の一助にする植物で、水中、沼沢、湿原などの栄養物が少ないところに生育し、不足する窒素、リン酸、カリウムなどを虫体から補い、炭素栄養はもっぱら光合成によって得る)――---------------------------------------―モウセンゴケ類、タヌキモ類、ミミカキグサ類

 なお、捕虫の仕方にはいろいろとあり、ムジナモのような「閉じ込め型」、モウセンゴケのような「粘着型」、タヌキモのような捕虫嚢による「吸い込み型」、ウツボカズラのような「落とし穴型」などの捕虫葉がある。

  共生植物(異なる生物同士が生活を共にし、互いに生活上の不利益を被らない減少を共生と言い、植物でこうした関係性を有するものを共生植物という。こういう共生では共に利を得る場合は相利共生と言い、一方のみが利益を得る場合は片利共生と言う。菌根植物やアリとの共生が知られる。 写真は左から全寄生植物のナンバンギセル、半寄生植物のヤドリギ、腐生植物のギンリョウソウ、食虫植物のモウセンゴケ。

 


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