おきらくごきらく

社会人大学院(早稲田大学大学院商学研究科プロフェショナルコース)へ通う、のんきなサラリーウーマン実録

経済理論と現実

2006年06月21日 | お勉強


火曜日に取っている経済分析という授業は、なんと履修生が2人だけの授業。時にはマンツーマンの場合もある、なんとも贅沢な授業です。

ちょうど裏番組に、マーケティングの授業が入っているので、そちらに人気をとられてしまって経済系はあまり人が集まらないと担当教授のお言葉。一応、そういえば、記憶が確かならば、私は経済学部出身だったはず・・・(恥)。今さらながら、すっかり忘れているマクロとミクロ経済を復習しようという気持ちでこの度履修しました。

昨日の授業では、財政政策と金融政策について、今の日本政府が(というか、竹中さんが)何をしたかったのかという話になり、理論を現実の経済に照らし合わせて説明がなされました。

かいつまんで説明すると、亀井静香氏などは昔のように景気が悪くなった時は、財政政策として道路やら橋やら建設工事でもしなさいと言っているのですが、それは結果としてIS曲線を右にシフトさせるので景気を拡大させるが同時に金利上昇を招く。
一方、現在の日本経済においては、国際収支のほとんどが資本収支と言っても良い状況で、日本の金利が上昇すると運用目当ての海外資本が流入してしまう。すると大量の円買いが生じ、円高になり、回りまわって輸出産業を圧迫し経済が縮小する・・・という効果も発生する。結局景気は元に戻ってしまう。
つまり、以前は効果があった財政政策は、今の経済では効果がない。

そこで、竹中氏はIS曲線よりもLM曲線を動かすような金融政策を日銀にリクエストした。しかし、日銀はすでにかなり金利を下げているため、下げるにも限度があり、これ以上下げられない。竹中氏は、ならば、インフレを起こせば実質的には金利が上がるので、日銀にインフレを起こすように要求した。しかし、日銀は日銀法によって、物価と為替を安定されることが日銀の仕事だと決められているので、インフレを起こす事は日銀法で定められたミッションと真っ向から対立してしまうが故に総裁は難色をしめした。

・・・あぁ、かいつまんだはずなのに、超長い。
しかも、うまく説明するのって、すっごい難しい・・・。

とりあえず、経済ってIS曲線やらLM曲線という話が出てきても、なんとなく教科書の中の出来事で、現実にあてはめて考えることをしていなかったのですが、今回の話ですんなり理解できて面白かったのです。

最近、商学にどっぷり浸かっていた私ですが、経済学もやはり理解できると面白いな、と思ったひとときでした。

ちなみに、その授業を担当している教授によると、日銀は一週間前までに申し込むと無料で見学が出来るらしく、これがなかなか面白いそうです。
詳しくはコチラから ⇒ 日本銀行 見学案内