絵画クラスブログ

図工ランドの絵画クラスブログ

絵画クラスだより160711

2016-07-11 19:37:47 | 絵画クラス
6月は光と影/立体感をテーマに授業を進めていきました。

まず、雰囲気作りに最適な木炭を使用し光と影をテーマにデッサンです。
木炭は鉛筆よりも広い面積を一気に塗ることができ、更に明暗のコントラストが強く出せます。



今回は、1日デッサン、光と影のコントラストを美しく見せる、この二つのポイントが大切になりますので、
皆さんには描き始めに明るさの順番を決めてもらい、絵を描かされるのではなく自らの絵をコントロールしながら
仕上げてもらいました。親しんだ鉛筆との素材の違いを楽しみながらの作品は、どれも意気込みが感じられます。



続いて久しぶりの塑像です。
平面との違いである、360℃をじっくり観察する!を楽しみながら色形の細部にまでこだわりを持って
丁寧に作り上げました。





シンプルな作業工程になりますが、色と形をそっくりに作るのは多くの情報キャッチ力が必要になります。
集中力を持続させながらの時間は、誰もが無口になり職人さんのように制作に打ち込んでいました。





今回の立体で挑戦した丁寧に塗り重ねることを、ぜひ次回の水彩着彩でチャレンジしてみましょう!


根本 寛子

絵画クラスだより160620

2016-06-20 19:10:33 | 絵画クラス
さて、久しぶりの油絵の回です。
イメージ画、静物画、色々とこなしてきた絵画クラスですが、今回はその二つがミックスした課題です。
その名も「静物からのイメージ画」。
0から考えるイメージ画と違い基本となるモチーフがあるので、自由画が苦手な人も少し取り組みやすかったのではないでしょうか。
まずはモチーフをじっくりと観察し、それぞれイメージを形にしていきます。
あえて自由度は各々の裁量に任せたので、どの程度モチーフを採用するかが今回の課題の面白いところです。
みんながどのようにモチーフに反応するか、講師としても非常に興味深い課題になりました。





様々な要素を詰め込めば詰め込むほど構成は複雑になりますが、やり方を間違えるとただただ混沌とした主張のない絵になってしまいます。
一枚の絵を仕上げるにあたって、描き手は何度も取捨選択を繰り返さなければなりません。
大事なのは必要なものを選び取るということです。



こうして4回にわたって一枚の絵に向き合い、うまくいかなかったこと、うまくいったこと、色々思うことはあると思います。
誰でもいきなりうまく描けることはないのですから、少しずつうまくできたことを重ねていき、何度も描くしか上達する方法はありません。
完成した作品を並べてみると、同じモチーフを見たとは思えないほどのバリエーション豊かなものがそろいました。



少しずつですが確かに上達していっている生徒さんの作品を見ると、講師としても喜びを感じます。
次回の油絵も楽しみですね。

(山本)

絵画クラスだより160516

2016-05-16 19:53:10 | 絵画クラス
4月は「構成・技法」を強化する月ということで、普段とは違った画材やアプローチで絵に取り組んでもらいました。
まずは、チョーク画です。
最近、小学校や中学校の黒板に美大生がとてもリアルな絵を描いて子ども達を驚かせる、というアートが話題になりましたが、それと同じ、日頃学校で馴染みのチョークで絵を描く課題でした。

ぼかし、混色など、消しゴムで調子や形を整えていくような基本的な写生の方法は普段と同じですが、チョークは明るい色が多いので、暗い色の画用紙を使用したため、「明るい方を描き重ねていく」という手順がいつもと違って難しかったポイントでしょう。
普段の鉛筆デッサンでは、暗い影の 部分をどんどん描き重ねて暗くしていきますが、今回は一番暗いところを残しながら描くのは脳みその体操になりました。



そして仕上がってみると、暗い背景に静物が浮かびあがってとても鮮やかな作品になりました。
学校の黒板でも、何かの飾り付けなどで今回の練習が生かせるような場面があるといいですね。







後半には水彩絵の具でコラージュをしました。
吉祥寺校は水種類の材質の紙(滲み方が違う)に水彩絵の具で色々な模様の素材を作って、それを切り貼りして「街」をテーマにコラージュ作品に取り組みました。




色々な模様のアイデアが広がって、コラージュならではの複雑な模様ができ、見応えのある作品がたくさんできました。
模 様の紙や材料を買ってこなくても、自分で作ってしまえば可能性は無限大ですね!





絵画は色々な画材で取り組めますし、自由にアプローチができます。
案外、日頃身近にあるけれど「画材」らしくないものでも、試しに描いてみると面白い表情の作品ができるかもしれませんね。

やえの まりえ

絵画クラスだより160411

2016-04-04 19:23:58 | 絵画クラス
三月は総合的な練習を兼ねて、静物デッサンに取り組みました。
鉛筆のみで多くのモチーフを描いていくデッサンは、時間と集中力が必要になります。
まず物の見せる順番、色の濃淡などを自分で決めていきます。





描き手本人がどのモチーフを一番に目立つように描き、どのような雰囲気の画面にしていきたいかを把握しない限り、絵は良いものにはなりません。皆には物の見えてくる順番や明暗などを繰り返し確認しながら、自分のイメージ作りをしながら進めてもらいました。





描く力とは、デッサン力のみではなく構成の仕方なども含まれてきますので、色々な物の入れ方を試してみてほしいものです。
絵は丁寧に一作品づつ枚数を重ねていけば、自然と描き方が身についてきますので、今年度も楽しく頑張って絵を描いていってほしいと思います。



皆の描いた静物デッサン作品からは、集中し続けた時間や頑張りを感じられ、次回へのステプアップを予感させられるものばかりです。
(根本寛子)


絵画クラスだより160307

2016-03-07 19:33:56 | 絵画クラス
今月の課題は、写真からイメージを膨らませて描く油絵です。
各々テーマに沿う写真を持参してもらい、しっかりとエスキースを描くことから始めます。
イメージ画を描く時に大切なのは、「説得力」です。描く対象が何であれ、自分のイメージの隅から隅まで自分で把握していなければなりません。
たとえそれが現実ではありえないようなことでも、絵の中なら成立します。しかし、描く上で自分のイメージを自分自身できちんとコントロールしないことには、第三者はもちろん、自分すらその絵に共感できなくなってしまいます。
ですから、イメージを絵にする時は、構成に細心の注意を払わなければなりません。





丁寧に練られた構成から仕上がった作品はどれも世界観がはっきりとしています。
写真を見て描いている部分もあるので、イメージ画ではあるけれども、どこか現実味のある不思議な作品が多くなりました。
筆使いや色味がいつもよりも自由になっているのは、「イメージ」という大きなテーマのお陰ではないでしょうか。





イメージ画だけでなく、これから写実的な絵画に挑むこともあると思います。そうした場合でも、ねらいをはっきりさせることは重要な要素の一つとなってきます。





さらなるステップアップを目指すのであれば、自分を自分でコントロールすることを心がけていきましょう。
次回の油絵が楽しみで すね。

(山本莉花子)