野球少年は夢を見る…

Hanshin Tigers Series 2024

<オープン戦>阪神vs.北海道日本ハム(10日・甲子園)

2005-03-13 12:47:51 | Pre-Season Game
「3対2」でファイターズがリード。追いかけるタイガースは【8回裏】、1アウト満塁のチャンスを作り、バッターは5番・関本健太郎。この日スタメン起用されながら、ここまで3打数ノーヒット。是が非でも「結果」が欲しい。初球141㎞の速球を空振り! マウンド上には、ファイターズの守護神・横山道哉。2球目145㎞を見送り、「1-1」。3球目142㎞をファウル。4球目のフォークを見送り、5球目もフォークが来た。これをバットを飛ばして空振り! 三振に倒れた。悔しい関本、無念……

 タイガースの先発は、ジェイミー・ブラウンだった。【1回表】1番・石本努に初球141㎞の速球でストライクを取り、2球目のチェンジアップ(131㎞)で、サード・ファウルフライ。2番・坪井智哉には、初球チェンジアップ(130㎞)でストライク。2球目も同じ球でファウルを打たせ、3球目、4球目が外れて、「2-2」。5球目ファウル。6球目にスライダー(133㎞)を落として、空振り三振! 見事なピッチング、だ。切れ味鋭いスライダー、だ。

 3番「大物」小笠原道大にも初球チェンジアップ(114㎞)でストライク。2球目にスライダー(136㎞)が曲がりすぎ、3球目、4球目も外れて、「さすがに」小笠原の貫禄に威圧されたか、「1-3」になるが、5球目のスライダー(137㎞)を打たせて、ファウル。まるでタイミングが合っていない。バッティングをさせてもらえない「大物」。6球目も同じ球(137㎞)を打たされて、セカンドゴロ。この1イニングで、ブラウンに対する評価を改めなければ、と感じた。

【2回表】も4番に入っている小田智之を「空振り三振」! 初球、落ちるスライダー(124㎞)で空振りを取り、2球目は速球(141㎞)で空振り。3球目(133㎞)にファウルを打たせ、4球目はスライダー(133㎞)が曲がりすぎ。5球目(130㎞)、6球目(129㎞)、7球目(135㎞)をファウル。8球目「得意の」スライダー(137㎞)を見送られ、ならば、と投げ込んだ、9球目のチェンジアップ(123㎞)で仕留めた。

 5番・木元邦之にはセンター前ヒットを許す。初球のチェンジアップ(114㎞)を狙われた。6番・エリック・アルモンテには、初球スライダー(124㎞)でストライク。2球目のチェンジアップ(130㎞)が外れ、3球目もボール「1-2」。4球目のスライダー(129㎞)も落ちすぎて、見送られ、「1-3」。ここで一塁塁審から「ボーク」を宣告される。セットの際、静止していなかったようだ。思わず、塁審に毒づく、ブラウン。クイックモーションを意識する余り、動作が連続してしまったようだ。

 動揺するブラウン、5球目にスライダー(128㎞)で給金、「2-2」。6球目のスライダー(132㎞)は見送られ、「2-3」。7球目も「得意の」スライダーで勝負に行ったが、外角に際どく外れて、フォアボール。1アウトで一・二塁にチャンスを拡げられるが、8番・山田勝彦の3球目に、二塁ランナー木元が走って、三塁寸前でアウト! キャッチャー浅井がチャンスの芽を潰して、山田を「得意の」スライダー(130㎞)で見送り三振!

【3回表】は8番・奈良原浩、9番・紺田敏正を連続三振! 奈良原は「2-2」に追い込み、スライダー(131㎞)で空振り。紺田も「2-1」から左バッターの外に逃げるシュート(127㎞)で空振り。1番・石本には3球目のスライダーを打たせて、セカンドゴロ。安定感抜群! このピッチングなら、先発ローテの大きな柱になりそうだ。【3回裏】には「期待の若手」桜井広大に特大の一発が飛び出し、「1対0」で先制。

【4回表】も2番・坪井に「2-3」と粘られるが、シュート(139㎞)を打たせて、レフトフライ。レフト、その桜井が処理して、1アウト。3番・小笠原もスライダー(131㎞)で詰まらせて、ピッチャーゴロ。4番・小田も速球(140㎞)で詰まらせて、レフトフライ。連続3者凡退。予定の4イニングスを投げ終えて、1安打、5奪三振。お見事! 【4回裏】もう一人の助っ人、シェーン・スペンサーのバットが火を噴き、三塁線を痛烈に破るタイムリー・ツーベースで、「2対0」。

 このまま逃げ切るかと思われたが、【6回表】で3番手の「出遅れていた」桟原将司が2失点を喫し、「2対2」の同点。ボールが悉く高い。この調子では開幕一軍は「OUT」だろう。【8回表】にも、4番手の左腕・吉野誠が「左の」小田に油断したのか、バックスクリーンに飛び込む一発を食らい、「3対2」。そして【8回裏】1アウト満塁で関本が三振に倒れた後、ベテラン、代打・片岡篤史が左中間を深々と破る、走者一掃のツーベース! “代打の神様”八木裕の後継者は、この片岡になりそうだ。

【9回表】はセットアッパー藤川球児が「クローザー」の役を務めた。この藤川の安定感に較べ、ファイターズのクローザー横山の不安定ぶりは「……」。タイガースはセットアッパーでさえ、充分「クローザー」が務まる。彼我の戦力差は「明らか」。前日(9日)の楽天イーグルス同様、パシフィック・リーグとのシーズン中の交流戦は、タイガースにとって、「貯金シリーズ」になりそうだ。怖いのは、ソフトバンク・ホークスと「日本一」西武ライオンズだけか? 

<オープン戦>阪神vs.東北楽天(9日・甲子園)

2005-03-12 11:45:40 | Pre-Season Game
 格闘家・田村潔司のテーマ曲「FAME OF MIND」に乗って、タイガースのクローザー・久保田智之、登場。【9回表】のマウンドに立つ。得点は「5対1」完勝ムード。先頭の2番・高須洋介が初球の速球を打って、ショートゴロ。続くベテラン・飯田哲也には初球147㎞の快速球で威圧して、最後は140㎞の「高速」フォークで空振り三振! さらに続くベテラン・山崎武司には初球の速球を叩かれ、三塁線を痛烈に破るヒットを浴びるが、二塁を欲張った「鈍足」山崎が、レフト・的場寛一に刺されて、あっけなく、ゲームセット。しかし、このプレーで的場は右肩を痛めてしまったか……。

 タイガースの先発は、ルーキー・能見篤史だった。オープン戦・初先発、甲子園球場のマウンド初登板。しかし実際は二度目らしいが……映画「ミスタールーキー」に出演し、甲子園のマウンドは経験済み。しかし、「本番」は違うだろう。【1回表】イーグルスの1番・関川浩一に「2-3」フルカウント。緊張感が伝わってくるが、138㎞の速球を打たせて、セカンドゴロ。2番・高須には高めに浮いた速球を叩かれ、センター前ヒット。3番・「今や有名人」で「絶不調」磯部公一には、カーヴで詰まらせ、ピッチャーゴロ併殺。

【2回表】は先頭のルイス・ロペスを「2-1」と追い込みながら、強気の内角「勝負」が裏目に出て、レフトスタンドに運ばれる。続く5番・吉岡雄二にも内角を突くが、レフトフェンス直撃のヒット。6番・鷹野史寿にはカーヴを打たれ、三遊間の真ん中に打球が飛ぶが、ショート鳥谷敬が追いついて、二塁で封殺。鳥谷の好プレーに助けられ、7番・山下勝己の打球もショートへ。鳥谷が迅速に捌いて、ダブルプレー完成! 鳥谷はダッシュでベンチに戻る。

【2回裏】は片岡篤史のホームラン、浅井良のタイムリーツーベースで「2対1」逆転に成功したタイガース。【4回表】能見は、初回にホームランを打たれたロペスと相対する。初球、その「打たれた」内角の速球でストライクを取り、3球目のチェンジアップでタイミングを狂わせ、一塁ゴロ。「同じく」打たれた吉岡には初球スローカーヴ(98㎞)で入り、「2-1」からの4球目「同じく」チェンジアップで空振り三振! 6番・鷹野は痛烈な当たりのピッチャーゴロ。抜群の反射神経でこれをキャッチし、甲子園のスタンドから「おおっ!」一瞬のどよめきを制して、一塁へ送球。予定の4イニングスを投げきった。彼は「リアル」“ミスタールーキー”に成れるか?

【5回表】【6回表】をオープン戦初登場、ベテラン下柳剛が0封し、「貫禄」を見せれば、【7回表】【8回表】は「同じく」左腕・江草仁貴。新興球団イーグルスも、この「左腕3人リレー」はたまらない、だろう。江草は【7回表】を3者凡退。【8回表】には、1アウト後、9番・前田忠節にフォアボールを与えるが、1番・関川をライトフライ。2番・高須の2球目に前田が走り、キャッチャー浅井が見事に刺す。3アウトチェンジになるが、前田へのフォアボールは、「開幕一軍」へ生き残りを懸ける、江草にとっては「余計」だっただろう。

 前田への初球、真ん中の速球(138㎞)が「ボール」の判定。キャッチャー浅井、返球しようとして、思わず、しゃがみ込む。放送席の安藤統男さんも「アンパイアもオープン戦だから」。2球目「ほぼ」同じ球で難なくストライクを取り、3球目のフォークは落ちすぎ。4球目は内角に大きく外れ、「1-3」。5球目もコントロールできず、フォアボール。その瞬間、マウンドの土を蹴った江草に「同情」する。球審の初球の判定ですっかり「リズム」を狂わされた。

 タイガースは【6回裏】先頭の2番・藤本敦士が、タイガースOB吉田豊彦からライトフェンス直撃のツーベースを放ち、ノーアウト二塁。絶好の追加点のチャンスだったが、鳥谷はセンターフライ。飛距離は出たが、いいバッティングでは、ない。打たされている感じ。最低限、二塁方向に打って、走者を進めたかった。その走者・藤本。痺れを切らして、4番アンディー・シーツの打席の際、三塁へ盗塁! 鳥谷のバッティングをカヴァーして見せた。シーツもセンターフライに倒れるが、打席には途中出場、この日スタメンを外された、関本健太郎。

 ここで「どうしても」1本(ヒットが)欲しい場面だった。関本本人も「どうしても」ここで1本打って、アピール「意地」を見せたい。カウント「1-3」になり、フォアボールがちらつき、NEXTバッターズサークルには、この日2三振のシェーン・スペンサー。タイガースファンの脳裏には嫌な予感が拡がったが、関本は粘る。5球目、6球目をファウルにして「2-3」。7球目のカーヴを見事に叩いて、センター前ヒット! 関本の「意地」が爆発! タイガースファンの「願い」届く。背番号「3」が躍動する! これを公式戦でも「当然」見たい。

<オープン戦>阪神vs.横浜(8日・西京極)

2005-03-11 18:35:31 | Pre-Season Game
 意外な先発投手、左腕・中村泰広。キャンプ、オープン戦を通じて、左の中継ぎ要員と見られていた中村。この先発にどういう意味があるのか? 単に同一リーグに能見篤史ら「新戦力」を見せたくなかったのか? それとも「本気」で先発で試してみるつもりか? 【1回表】1番・石井琢朗を速球(139㎞)でピッチャーゴロに打ち取り、まずは1アウト。2番・金城龍彦も初球のカーヴ(120㎞)を打って、セカンドゴロ。3番・オープン戦の「本塁打王」多村仁には「得意の」スライダー(127㎞)で空振り三振! 見事な立ち上がり。

【1回裏】のタイガースは、ベイスターズの先発、タイガースを袖にした男、染田賢作(自由獲得枠)から、4番アンディー・シーツがライト前にタイムリーヒットを放ち、1点を先取。オープン戦ではこういう「得点」パターン、1番・赤星憲広が出塁して、4番のシーツで返す「先制」が続いている。公式戦でも頻繁に見られるか? シーツの「勝負強さ」は頼もしい。ジョージ・アリアスとは「対極」のバッターを獲った。

【2回裏】の中村泰。4番・新外国人ケヴィン・ウイットに「2-3」にしながら、速いスライダー(136㎞)で空振り三振! 5番・村田修一も「2-2」と追い込み、内角に曲がるカーヴ(127㎞)で見逃し三振! ベンチの岡田彰布監督も思わず、大声を上げる。6番・再起を期す鈴木尚典も速球(139㎞)を打たせて、セカンドゴロ。中村のパーフェクト・ピッチングが続く。

【4回裏】1番・石井に「0-3」。一回りして、意識し出したか? 4球目で難なくストライクを取り、5球目を打たせて、センターフライ。昨シーズンまでに較べて、コントロールが格段に良くなっている。2番・金城も2球目のカーヴ(126㎞)を打たせて、ショートゴロ。3番・多村には「1-1」からの3球目(126㎞)、微妙なコースを「ボール」に判定される。外角一杯「ストライク」だ。見事な「誤審」。オープン戦「本塁打王」の威光が、こういうところに威力を発揮する。これでリズムが崩れた中村は、結局フォアボールを与える。若い投手を泣かせるのは、いつもこういう球審の「誤審」だ。

 しかし、それにメゲズに中村泰。4番ウイットをファーストゴロ。ファースト・シーツが華麗なグラブ捌きで、ベースカヴァーの中村にトス。見事な守備だ。タイガースの内野陣はファーストだけは「鉄壁」。ベンチの岡田監督も思わず立ち上がって、拍手。名手シーツとそれから、新しい「秘密兵器」誕生、中村泰を迎える。このピッチャーは「使える」。ベイスターズの4番同様、タイガースの新外国人投手も「使えそうにない」ので、その代わりに彼が先発ローテーションに割って入ってきそうな勢いだ。

【5回表】タイガースの2番手は、新人・橋本健太郎。191センチの長身。京都・西京極球場、ご当地選手だ。5番・村田を「2-1」と追い込み、カーヴ(125㎞)で空振り三振! 6番・鈴木には「1-3」からフォアボール。7番・ベテラン種田仁には「2-1」からフォークボール(119㎞)で完全にタイミングを狂わせ、空振り三振! 8番・内川聖一には2球目の速球(139㎞)を叩かれるが、センターライナー! 赤星の守備範囲で3アウトチェンジ。

【6回表】9番・武山真吾にはフォーク(122㎞)を振らせて、空振り三振! 1番・石井には高めの速球(139㎞)を打たせて、レフトフライ。2番・金城にも「2-2」からフォーク(120㎞)を振らせて、空振り三振! 全く危なげないピッチング。このピッチャーも「使える」。「秘密兵器」。桟原将司が出遅れているだけに、この橋本が「中継ぎ」で重要な役割を務めそうだ。藤川球児に繋ぐ大事なセットアップ。

タイガースは【7回表】からベテラン左腕・佐久本昌広を投入し、【8回表】からは豪腕・牧野塁。しかし、先頭の7番・種田に初球の速球を叩かれ、レフトスタンドへ同点ホームラン! 「1対1」。牧野はその後、2アウトを取るが、1番・石井に146㎞~147㎞の速球で追い込みながら、フォークを1球混ぜて、「2-1」にして、勝負球の速球が減速(143㎞)して、高めに浮いたところを石井に弾き返され、レフト前ヒット。岡田監督もベンチで首を傾げている。快速球を持ちながら、それを活かしきれない、中堅投手・牧野。「開幕一軍」は厳しいか……若手の台頭が、牧野を追いつめている。

<オープン戦>阪神vs.西武(6日・倉敷)

2005-03-09 11:46:38 | Pre-Season Game
 太陽、オープン戦2度目の先発。今度は西武ライオンズ。【1回表】1番・柴田博之に初球140㎞の速球でストライク。2球目も同じ球(140㎞)内角を突いたが、詰まりながらも、ライト前に持っていかれ、ノーアウト一塁。2番・赤田将吾には初球(139㎞)にエンドランを決められ、ノーアウト、一・三塁。3球でピンチを作られる。3番・中島裕之にはフォアボール。ノーアウト満塁。4番・貝塚政秀には初球142㎞の速球でストライク。2球目も同じ球(142㎞)で内角を突いて、ファウルを打たせる。初回いきなりピンチを迎えながら、マウンド上で驚くほど冷静な太陽。長いリハビリ生活が精神をタフにさせたか? 

 3球目(141㎞)も「強気に」内角を突いて、ファウル。4球目(141㎞)もファウル。球が来ている。威力が、ある。5球目、フォークを振らせて、空振り三振! まずは1アウト。5番・後藤武敏には初球フォーク(126㎞)で打ち気を誘い、2球目、外角に速球(140㎞)をズバッと決めて、ストライク。3球目も同じ球(142㎞)で行ったが、これを後藤に狙われた。打球はライトへ。フェンス際まで達する大飛球で、三塁ランナー生還。「0対1」先制を許す。

【3回表】の太陽。この日当たりまくっていた1番・柴田に右中間を破られるツーベースを喫するが、2番・赤田は3球目(138㎞)を打たせて、セカンドゴロ。柴田は三塁へ。3番・中島は2球目(140㎞)を打たせて、ピッチャーゴロ。柴田は三塁に釘付け。4番・貝塚には2球目(142㎞)を打たせて、ショートゴロ。3アウト。三塁に残塁で無得点に抑えた。ランナーを出しても、冷静なピッチングが光る太陽。

【4回表】も先頭の5番・後藤にセンター前ヒットを許すが、6番・小関竜也を速球(138㎞)で詰まらせて、レフトフライ。7番・背番号「7」の新人・片岡易之はフォーク(126㎞)を打たせて、ショートゴロ。ボテボテのゴロでゲッツーはならず。8番・野田浩輔も「得意の」フォーク(126㎞)で空振り三振! 結局、4イニングスを投げて、初回の1失点のみ。堂々のピッチング。心配されたスタミナ面も今回は気にならず。開幕先発ローテーション6番目の椅子をガッチリ、キープした。

【4回裏】に鳥谷敬のホームランで同点に追いついたタイガース。【5回表】からは二枚看板の一人、福原忍、登場。先頭の9番・ピッチャー涌井秀章をセカンドゴロに打ち取り、1番「絶好調」柴田もピッチャーゴロに封じたが、2番・赤田もピッチャーゴロに打ち取ったが、セカンド藤本敦士のベースカヴァーが遅れ、セーフ!! 「急造」セカンド藤本の課題がまた出た。こういう細かい動きも、セカンド(二塁手)には要求される。そのレヴェルまで達していない、藤本。開幕後に「不安」を残す。

 これですっかり<リズム>を狂わされた福原。3番・中島に3球続けてボール「0-3」。4球目の外角・速球(143㎞)を打たせて、ファウル。5球目は内角に速球(144㎞)を配したが、これを中島がフルスイング! 打球はレフトスタンドに舞い上がり、2ランホームラン! 呆然と打球方向を見やる、マウンド上の福原。それはそうだろう、完全なボール球だった。あんな“クソボール”をホームランできるのは、日本では他に先輩の今岡誠(右膝故障中)しか、いない。

 福原は【6回表】にも、6番・小関、7番・片岡に連打を浴び、キャッチャー浅井良のパスボール(記録は福原の暴投)、片岡の盗塁も許して、ノーアウト二・三塁のピンチ。8番・野田にカーヴ(124㎞)を打たれ、センターに犠牲フライ、「1対4」。9番・涌井は打ち取ったものの、1番・柴田にこれもカーヴ(120㎞)をフルスイングされ、ライト・ポール際に飛び込む、2ランホームラン! 「1対6」。

 福原はその後【7回表】は3人で打ち取ったものの、計6失点。これが若手投手なら、即「二軍」行きだが、福原なら、それはない。まだ「調整段階」と許される。しかし、一寸(ちょっと)したことで<リズム>を狂わす癖は、矯正する必要がある。

<オープン戦>阪神vs.西武(3日・鳴門)

2005-03-07 11:40:35 | Pre-Season Game
 傷心の西武ライオンズ……この日、前オーナーが逮捕された。そんな暗雲を振り払うかのように、一番・佐藤友亮が、タイガースの先発・江草仁貴の初球を叩き、ピッチャーライナー! 打球は江草の右膝を直撃し、ダメージを負わせる。しかし、先発ローテ入りに懸ける江草、根性でマウンドに踏み止まり、2番・赤田将吾への初球スライダー(123㎞)で空振り。2球目(122㎞)、3球目(133㎞)が外れて、4球目(136㎞)をファウル。5球目(123㎞)フォークで空振り三振に取る。3番・背番号「3」中島裕之には警戒して、フォアボールを与えるが、4番・後藤武敏の2球目に(二塁に)スタートを切った中島を、キャッチャー浅井良が刺して、【1回表】の攻撃を3人で退けた。

【1回裏】この日のタイガースの1番打者は、鳥谷敬。ライオンズの先発は、ソフトバンク(ダイエー)ホークスの入団テストを「不合格」になり、ライオンズで「合格」した、クリストファー・ライト。2球目の内角球(137㎞)を強引に引っ張って、ファーストゴロ。2番・赤星憲広には、その上背に面食らったのか、フォアボール。3番・葛城育郎には、4球目のカーヴを叩かれ、ライト前ヒット。当然、赤星は三塁に進んでいる。1アウト、一・三塁。ここでオープン戦の4番・関本健太郎、登場。3球目の真ん中高めの速球(138㎞)だった。振り抜いた当たりは歓声と共に、レフトスタンドへ! 岡田彰布監督は、この選手を本当にベンチに置いておくつもりか? 4番・関本の3ランで「3対0」。タイガースが先制。

【2回表】右膝に痛みは残っているか、先発・江草。4番・後藤には、3球目の速球(137㎞)を打たせ、センターフライ。5番・中村剛也には“悪い癖”が出て、フォアボール。6番・背番号「10」復活を期すベテラン・高木大成には初球(137㎞)でストライクを取り、2球目(136㎞)ボールの後、3球目(122㎞)のカーヴを打たせて、強い当たりのセカンドゴロ。恰好のゲッツ・コースだったが、セカンド藤本敦士がグラブの中で、ボールをジャックルして、送球がワンテンポ遅れ、ゲッツーならず。この当たりでダブルプレーが取れないのは、苦しい……7番・大島裕行には5球目の高めの速球(137㎞)を打たせて、サード・ファウルフライ。3アウトチェンジ。

【3回表】このイニングが最後になる江草。先頭の8番・細川亨には、3球目の速球(138㎞)を弾き返され、ファーストライナー! 9番・水田圭介には何故か「0-3」ボール先行するが、高めの速球(138㎞)を打たせて、ファーストフライ。1番・佐藤にもボール3つが先行して、結局フォアボール。やはり、右打者にはコントロールを乱す場面が目立つ。2番・赤田にセンター間にヒットを許し、2アウト、一・三塁。しかし、この打球。センターへ抜けようかという当たり、鳥谷は飛び込んだが、捕球できず。巧いショートなら、どうだったか? 3番・中島にも「0-2」ボール先行するが、3球目(137㎞)を打たせて、センターフライ。事なきを得た。3イニングスを投げ終えて、無失点。フォアボール「3つ」が気になるが……。

 タイガースは【3回裏】に一挙5点。鳥谷のライト前ヒットを皮切りに、赤星、関本が続き、桜井広大、的場寛一、浅井の3連続ツーベースで、「8対0」。ライオンズのとても「一軍」では使えそうにない、助っ人外国人投手のレヴェルを差し引く必要があるが……桜井、的場の右の外野手争いも熾烈。二人にとっての「待望の」開幕一軍なるか? 浅井も「元気」。ベテラン野口寿浩を押しのけ、「正捕手」矢野輝弘が戻ってくる間、「玉座」に居座りそうだ。万が一、矢野が開幕に間に合わなくても、浅井で賄えるか? そのレヴェルに達している。

<オープン戦>オリックスvs.阪神(27日・高知)

2005-03-06 18:16:31 | Pre-Season Game
 開幕先発ローテ入りに向け、前進する太陽。初球142㎞の速球で内角を突き、ファウルを打たせる。バッターは、オリックス・バファローズの1番・村松有人。さすがに地元・高知県営球場でのゲーム、バファローズ(この呼び名には違和感があるが……)はベストメンバーを組んできた。2球目、カーヴが外側に外れて、ボールの後、3球目の速球(144㎞)を打たせて、ショートゴロ。ショート鳥谷敬が捌いて、まずは1アウト。

 初球140㎞の速球で内角を突いて、ストライク。バッターは2番・左打席に平野恵一。2球目も速球(141㎞)、外角を突いて、空振りを奪い、3球目の変化球(126㎞)を打たせて、セカンドゴロ。3番・「大物」谷佳知には初球のカーヴを打たせて、ショートゴロ。全く危なげない立ち上がり。真っ直ぐも走っている。

【2回裏】マウンド上で大きく息を吐いて、初球。4番・クリフ・ブランボーが打ち上げて、センターフライ。5番・カリム・ガルシアには、初球(136㎞)ストライク。2球目(140㎞)を打たせて、ファウル。3球目のフォーク(122㎞)を見送られて、「2-1」。4球目の勝負球は内角をズバッと突いて、見逃し三振!

 6番・背番号「23」タイガースOB、北川博敏と対戦。初球カーヴでストライクを取り、2球目、143㎞の速球で空振り。3球目(132㎞)は内角で仰け反らせ、4球目(136㎞)は外角低め、これを掬い上げた、北川、。その瞬間、スタンドから悲鳴!! レフトフェンス手前まで打球は伸びるが、失速。大阪近鉄バファローズ時代の背番号「46」から半減して、タイガース入団時の背番号を貰った北川。今シーズンは「首位打者」も狙えるかもしれない。

【2回表】に4連打で2点、【3回表】にも藤本敦士のタイムリーツーベースで、「3対0」とリードのタイガース。【3回裏】3イニングス目の太陽。先頭の7番・大西宏明に「1-3」からフォアボール。8番・後藤光尊には初球(136㎞)を打たせて、ファーストフライに打ち取るが、9番・早くも代打(仰木マジック炸裂!!)早川大輔には「2-1」と追い込みながら、フォアボール。ピンチを迎えるが、1番・村松をサードライナー! 関本健太郎が好捕。今岡誠だったら、どうだったか……?

 続く2番・平野を内角の速球でバットをへし折り、ピッチャーライナー。一・二塁のピンチを切り抜けた。3イニングス目にヨレた太陽だが、結局ヒットは1本も許さず。初回から飛ばしたのだろう、スタミナ面には課題を残したが、見事なピッチング、だった。太陽は復活、さらに向上している。

【6回裏】からは3番手でルーキーの橋本健太郎が登板。初球138㎞の速球で内角を突いて、ストライク。191センチの長身。ピッチングフォームはかつての新谷博に似ている。2球目も138㎞の速球。高めに浮いてボール。3球目は137㎞で左バッター・平野の外角を突いて、ストライク。4球目のチェンジアップ(121㎞)を打たせて、セカンドフライ。3番に入っている下山真二には、初球141㎞の速球で空振り。2球目も同じ球で空振り。3球目にウェスト、4球目は外れて、5球目は「同じ球」外角の速球(138㎞)で空振り三振! 4番ブランボーにはレフトフェンスに当たるヒットを打たれるが、5番・ガルシアをセンターフライに打ち取り、3アウト奪取。

【7回裏】には6番・相川良太に初球スライダー(117㎞)で空振り。2球目ボール、3球目ストライク、4球目ファウル、「2-1」。5球目ウェストして、6球目スライダー(121㎞)で空振り三振! このスライダーは「使えそう」だ。7番・坂口智隆の初球137㎞の速球で空振り。2球目ボール。3球目(134㎞)空振り。4球目(140㎞)ファウル。5球目、左打者の内角速球で詰まらせて、サード・ファウルフライ。8番・後藤にはライト前ヒットを浴びるが、9番・日高剛を内角の速球(138㎞)で詰まらせて、ショートフライ。

 2イニングスを無失点。球速は爆発的ではないが、球に伸びがあるのだろう。スライダーのキレ味も良い。一軍レヴェルでも、中継ぎで使えそうなピッチャー、だ。金沢健人が故障で出遅れているだけに、彼に代わって、「開幕一軍」もありえるかもしれない。試合は「3対2」タイガースの辛勝。【8回裏】に2失点を喫したベテラン左腕・佐久本昌広は、これで「開幕一軍」は厳しくなったか……。

福原、エースの貫禄(23日・安芸)

2005-03-04 11:56:17 | Aki Camp
 白組の先発は右のエース、福原忍。第1球は真ん中に快速球を投げ込み、空振り! その「速さ」にスタンドから、どよめきが起きている。バッターは1番・的場寛一。2球目は辛うじてファウル。3球目、高めに浮いた速球を打ち返したが、セカンドライナー。2番・藤本敦士には、初球、内角の速球で詰まらせて、ショートゴロ。3番・鳥谷敬への初球も同じ球。ショートフライに打ち取り、3アウト。5球で【1回表】を終わらせた、福原。さすが! 

【2回表】4番・今岡誠への初球も速球(外角)でストライク。2球目、今度は内角を突いて、ストライク。3球目はファウル。4球目はウェストして、5球目の速球でファースト・ファウルフライ。東洋大学の先輩に対して、臆することなく真っ直ぐ勝負で制した。そして5番・これが実戦初登場、シェーン・スペンサー。初球の外角速球を見逃して、2球目を打って出て、サードゴロ。これだけでは判断できない……この男の真の実力は? 6番・葛城育郎には初めてカーヴを投げ、ストライク。2球目の速球は高めに浮くが、3球目で詰まらせて、セカンドゴロ。

【3回表】7番・喜田剛には初球の外角・速球が際どく外れた後、2球目の内角・速球で詰まらせて、セカンドゴロ。8番・野口寿浩が打席に入るが、マウンド上の福原に手で合図、「ちょっと待ってくれ」。打席を足で均す。キャッチャーらしい、巧みなインサイドワーク。ここまでポンポン、リズムよく投げ込んできた福原のリズムを狂わす作戦か。それが図に当たったか、初球、明らかなボール。2球目、カーヴを投げた、これが真ん中に入り、打球は三遊間の真ん中へ! レフト前ヒットの当たりだったが、そこに飛び込んだのは、久慈! 白いユニフォームを真っ黒に汚し、1塁へ正確な送球。鳥谷とは違う。違いすぎる。今シーズンは鳥谷の御守り(バックアップ)で「出番」が増えそうだ。

 9番・上坂太一郎も速球で詰まらせて、セカンドフライに打ち取り、3イニングスをパーフェクトに抑えた、福原。もはや「右のエース」というより、「エース」そのもの。キャンプ前の井川慶のポスティング騒動の際には、内心では「エースは俺に任せろ」と思っていたかもしれない。今シーズンは名実共に「エース」交代の年になるかもしれない。

【4回表】白組の2番手は、左腕ジェフ・ウィリアムスだったが、1番・的場に三遊間を破られ、2番・藤本にもセンター前へ。藤本には(昨年の)アテネ五輪の「借り」を今になって返された。あのとき、このヒットが出ていればな……いきなり、ノーアウト、一・二塁のピンチを招くが、3番・鳥谷、4番・今岡を連続空振り三振! 貫禄を見せる。そして5番・スペンサーも「2-0」と早々に追い込み、高めの速球で詰まらせ、キャッチャー・ファウルフライ。今年もウィリアムスは健在、を見せ付けたイニングだった。

【5回裏】マウンドに上がったのは、左腕・筒井和也。「あの」筒井和也、だ。翌24日に事件が発覚する筒井、だ。本人は当然、承知していた。「覚悟」のマウンドだった。大きく息を吐き出して、8番・浅井に第1球を投じた。そういえば、思い詰めたような顔をしている。最初に見たときは今日は随分、落ち着いているな、という印象だったが……浅井をレフトフライに打ち取り、9番・庄田を3球三振! 1番・中村豊も空振り三振に斬って取る。見事なピッチング! このキャンプ中、一番のピッチング、だった。

 筒井はいつ帰ってこれるのか? この事件をきっかけに精神面が強化され、ピッチングが向上すればいい。ただ背番号「19」が重たすぎるのかもしれない。2003年の自由獲得枠選手。このまま伸び悩みが続けば、「19番」も剥奪されるかもしれないし、トレードに出されるかもしれない。そうなると、「自分に」負けたことになる。ライヴァルに勝つ、相手バッターに勝つ、その戦場に戻ってくる為にも、己に克たなければ……!! 

ブラウンとダーウィン、枕を並べて…(23日・安芸)

2005-03-03 12:39:04 | Aki Camp
 白組の先発は、ジェイミー・ブラウン。紅組の1番・赤星憲広に2球目のカットボールを痛打され、センターライナー。思わず振り返った、ブラウン。2番・関本健太郎には「1-3」から、シュートでバットをへし折り、レフトフライ。ここまで順調な立ち上がり。3番・アンディー・シーツには3球目のカットボールを打たせ、サードゴロ、しかし、今岡誠がこれを弾き、エラー! 今シーズンからサードにコンヴァートの選手会長、大丈夫か? 

 4番・片岡篤史には警戒したのか、「2-3」からフォアボール。5番・町田公二郎には「2-2」と追い込みながら、外のスライダーをレフト線に運ばれ、ツーベース! 一塁からシーツが還って、「1対0」。早くも白組が先制点。6番・桜井広大には「2-1」と追い込み、4球目のシュートでまたしても、バットをへし折り、ショートゴロ。待って捕ったショートが一塁に悪送球! 「2対0」。テレビ局(CSスカイA)のアナウンサーは「ショート久慈」とアナウンスしていたが、久慈ではない。久慈であるわけがない! 紅組のショートは、鳥谷敬。タイガースの新内野陣は“ザル”か?

【2回裏】ブラウンの2イニングス目。先頭の8番・浅井良に2球目のストレートを叩かれ、レフト線にツーベース! 9番・庄田隆弘のセカンドゴロの間に、浅井は三塁に。1番・赤星の高いバウンドのサードゴロで浅井が生還。赤星も一塁セーフ。今岡の送球も不安定。「3対0」。「100パー、セーフや」放送席の福本豊氏の声、だ。2番・関本の初球に赤星が走って、悠々セーフ。クイックモーションが出来ないブラウンの弱点が顕わになる。開幕までに矯正できるのだろうか?

【3回裏】から、もう一人の新外国人投手、ダーウィン・クビアン登板。4番・片岡をファストボールで詰まらせて、ピッチャーゴロ。5番・町田を“魔球”ナックルチェンジで、ファースト・ファウルフライ。初回のブラウン同様、ここまでは順調。しかし、6番・桜井に初球を叩かれ、ライト前にクリーンヒット! 7番・久慈照嘉にエンドランを決められ、センター前ヒット! 一気に2アウト、一・三塁のピンチになるが、8番・浅井を“魔球”で打ち取り、レフトフライ、浅井もその瞬間、ガッカリ、3アウトチェンジ、のハズだったが、これをレフト葛城育郎が落球! 信じられないプレー!! 2者が還って「5対0」。白組のリード広がる。

 ダーウィンは【5回裏】にも、赤星、関本に連打を食らう。ノーアウト、一・二塁。3番・シーツは“魔球”ナックルチェンジで、空振り三振に討ち取るが、4番・片岡には真っ直ぐを狙われ、渋くセンター前に持っていかれ、赤星が生還、「6対0」。ブラウンとダーウィン、仲良く3失点でマウンドを降りることになる。ダーウィンは“魔球”は使えそうだ。ナックルチェンジ。しかし、それ以外の球、ストレートはさほど速くなく、これは致命的。一軍レヴェルでは厳しいかもしれない……。

太陽、復活のマウンドへ(21日・安芸)

2005-03-01 11:28:43 | Aki Camp
 白軍の2番手は太陽、【4回表】のマウンドに立つ。1番・鳥谷に初球インコースのストレートで詰まらせ、セカンドゴロ。2番「同期の」赤星に同じくインコースのストレートで仰け反らせ、2球目も同じく強気にインコース、しかし、これが高めに浮いて、「巧打」赤星が流し打って、レフトの頭上を越えるツーベース! 3番・町田には初球カーヴでストライク。2球目にフォークを落とし、3球目、アウトコース低めにストレートでストライク。4球目、同じ球はボール。5球目は変化球。フォークの落ち際を叩かれ、レフト前ヒットを許す。赤星は三塁にストップ。1アウト、一・三塁のピンチ。

 4番・片岡にも初球インコースのストレートでストライク。2球目はウエストして、3球目もストレートでストライク。「2-1」と追い込んだ4球目、高めに浮いたストレートを叩かれ、センターフライ。赤星が生還して、「2対1」になる。強気な「真っ直ぐ勝負」が裏目に出た恰好だ。5番・浅井をフォークでキャッチャーフライに討ち取り、3アウト。

【5回表】の太陽。6番・沖原に初球アウト・ローのストレートがボール。しかし、マウンド上で笑顔が垣間見える太陽。こうして投げられるのが嬉しくて仕方がない、という表情だ。2球目、同じ球でファウルを打たせ、3球目も同じ球でストライク。4球目フォークでファウル。フォークの落ちは良くない、ようだ。5球目もフォークでセンターフライに打ち取る。1アウト。

 7番・立川には初球ストレートが高めに浮き、2球目フォークがすっぽ抜け気味にストライク。思わず舌を出す太陽。3球目のフォークもすっぽ抜け、4球目の高めの速球で空振り。5球目、勝負に行ったアウトコース・ストレートが外れ、苦笑い。6球目は高めの速球でファウルを打たせ、今度は立川が舌を出す。7球目も「同じく」ファウル。8球目、今度はアウトコース一杯に決まって、見逃し三振! 2アウト。

 8番・庄田への初球はフォークで空振り。2球目もフォークでストライク。フォークでストライクを取れるピッチャー、面目躍如。3球目は叩きつけ、4球目はアウトコースに外れる。5球目はインコースにストレートを突くが、際どく外れて、「2-3」。6球目は真ん中に甘く入り、庄田に捉えられ、左中間を破られる。ツーベースヒットで、2アウト、二塁。しかし、9番・上坂をショートゴロに討ち取って、3アウト。太陽、復活の2イニングスを投げきり、1失点。まだ「完全調子」ではないが、本領を発揮した。

【6回裏】からは太陽のかつてのライヴァルであり、親友の藤川球児、紅軍の3番手で登場。5番・関本に初球アウトコース低めにストレート、ストライク。2球目、カーヴでストライク。3球目もカーヴを打たせて、ファウル。4球目のストレートは高めで誘って、5球目も同じ球でファウル。6球目、同じ球で際どく「ボール」。7球目、同じ球を打たせて、センターフライ。1アウト。

 6番・葛城にも初球大きなカーヴでストライク。2球目、インコースにストレートを突いて、詰まらせて、キャッチャーファウルフライ。早くも2アウト。7番・松下圭太にも初球インコースにストレートでファウル。2球目もファウル。3球目、高目のストレートで空振り三振! 「役者」が違う……見事なピッチング! 実戦初マウンドだったが、1イニングスをピシャリ。今シーズンは開幕からセットアッパーで活躍できそうだ。

 試合は白軍が【4回裏】に紅軍の2番手、前川勝彦から、9番・喜田が3ランホームランをい放ち、「5対1」。紅軍も【6回表】に牧野塁から1点を奪って、「5対2」。能見と鳥谷の初対決、太陽の復活マウンド等、見所の多かった、この試合。後は新外国人選手の登場を待つのみ、か。