4連敗中の阪神タイガース。初回に先制しながら、【3回裏】に同点に追いつかれ、【4回裏】に勝ち越されたが、【7回表】に代打・中谷将大(打率.333)の逆転2ランホームラン(第1号)で「3対2」リードしたが、【7回裏】に2-OUT二塁のピンチを迎え、マウンド上には3番手の左腕・能見篤史(防御率0.00)。【3回裏】に同点タイムリーを放った2番・菊池涼介(3打数2安打)を迎えて、カウント「2-2」に追い込むが、ここで危機感を持ったのは、捕手の後方で構えている球審(杉永政信)だった(?)。能見の5球目(146km)が外角低めにズバッと決まって、能見はその瞬間、ストライクを確信して、三塁側ダッグアウトに一歩二歩と歩を進めたが、判定はあろうことか「ボール」。その瞬間、グラブをポンと叩き、唇を噛み締める能見。その顔は明らかにキレていた(怒りを押し隠していた)。
カウント「3-2」にされて、スライダーを2球ファウルにされて、能面の無表情を装って、3球目のスライダーを見送られて、四球。2-OUT一二塁、ピンチが継続するが、続く3番(左)打者を渾身の速球(143km)でサードフライに打ち取って、今度こそ三塁側に歩を進める能見。すれ違った二塁ランナー(曾澤翼)が能見に声を掛けて、能見が応えていた。「ナイス・ピッチです」とでも言われたのだろう。野球人としての共感。
阪神大山泳ぎ気味打でポイント前感覚戻る/真弓明信(日刊スポーツ)