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Hanshin Tigers Series 2024

太陽、6回1失点(15日・甲子園)

2005-06-18 12:37:04 | Western League
 タイガースの先発は、太陽。【3回表】2アウト後、1番「鳥谷敬と早稲田で同級生」由田慎太郎(.322)に「1-1」からの144㎞の速球をレフト線に流し打たれ、レフト林威助が懸命に追うが及ばず、フェンスにぶつかって、その間に由田は3塁へ達する。2番・迎祐一郎(.316)に「1-1」からまたしても、高めに浮いた速球(139㎞)を叩かれ、レフトの頭上を越すタイムリー・ツーベース! 「0対1」サーパス神戸に先制点を許す。

 先発・太陽はこの回の失点のみで切り抜けて、6回1失点。降板後、「ようやく腕が振れるようになってきた」とコメント。1軍の先発ローテーションの一角が一枚空いているだけに、太陽にはチャンス。セントラル・リーグ再開後の昇格はあるか? ルーキー能見篤史、新外国人ジェイミー・ブラウンとの争いになるが、果たして、勝ち抜けるか? 左腕・三東洋が左肩痛を再発させただけに、太陽に懸かる期待は大きい。

 先制を許したタイガースは【3回裏】先頭の7番・筒井壮(.291)が、レフト前ヒットで出塁。2球目の(外角低目の)カーヴを「ストライク」に判定され、思わず笑顔の「ベテラン」。「2-1」に追い込まれながら、4球目のカーヴ(114㎞)を掬い上げて、1塁ベース上でも笑顔。今シーズン一度も1軍に呼ばれない不遇を囲いながら、余裕で楽しんでプレーしている(ように見える)筒井。この男の「笑顔」を1軍が必要とする時は来るのだろうか……?

 8番・狩野恵輔(.224)もライト前ヒットで続き、ノーアウト1,2塁。昨シーズン、1軍昇格、スタメン・マスクも果した狩野だが、今シーズンは筒井同様、1軍に呼ばれず。ファームで「ライヴァル」岡崎太一(ルーキー)と熾烈な競争の只中だ。9番・太陽(.167)の送りバントはポップフライになるが、前進していたファーストの頭上を越え、ランナーは進塁。ファーストゴロになって、送りバントは成功の形になる。1塁側ダッグアウトで、木戸修2軍監督のサングラスの奥の目が光る。

 期待の1番・赤松真人(.366)はフォアボール(四球)を選び、2番・移籍の前田忠節(前・東北楽天ゴールデンイーグルス)。サーパスの先発、ユウキの2球目のスライダー(135㎞)を捉えて、左中間を破るタイムリー・ツーベース! タイガース移籍後、初ヒット初打点、だ。3番・林(.354)も「2-1」に追い込まれながら、真ん中に入った甘いスライダー(131㎞)を捉え、センター前にゴロで抜けるヒット! 前田が還って、「4対1」。

【5回裏】サーパスのマウンドには、2番手・マック鈴木が上がるが、連続フォアボール(四球)を出して、1アウトも取れずに降板。今シーズン10試合に登板して、0勝1敗、防御率5.56。これで元メジャーリーガー。同じく元メジャーリーガー、同僚のベテラン吉井理人は、今シーズン雄々しく復活したのに、マックはどうしたのか? とにかく「ストライク」が入らない。それがサーパスの加藤英司監督の逆鱗に触れた。上半身と下半身のバランスがバラバラ。ピッチング(投球)フォームが崩れてしまっている。この修復には時間がかかりそうだ。それまで、球団が待ってくれるかどうか、だ。

 急遽登板の3番手の左腕・高木康成(6年目)も、代打・的場寛一(.241)を「2-0」に追い込みながら、四球を与えて、3塁側ダッグアウトの“湯気”が沸騰しそうだ。1アウト満塁。ここで5番・藤原通(.254)がサードゴロ。ゲッツー・コースだったが、神港学園高の先輩、サード塩谷和彦が捕球できず(記録は内野安打)、一人還って「5対1」。尚1アウト満塁。タイガースとバファローズのトレード話に進展なし。このプレーが評価を下げたか? 俯く(下を向く)塩谷。果たして、古巣に戻ってこれるのか? 

 代打・中村豊(.382)は浅いセンターフライ。2アウトになるが、7番「明治の後輩」筒井が1,2塁間を抜いて、「先輩」の無念を晴らす。2者還って、「7対1」。8番・狩野も外の変化球をバットを投げ出すように打って、ライト前ヒット! 2者が還って、この回一挙「5点」で「9対1」。左腕・高木。1999年近鉄バファローズのドラフト2位(静岡高)。1位の宮本大輔(延岡学園高)同様、伸び悩んでいる。同期は「4位」で入団した岩隈久志(東北楽天ゴールデンイーグルス)だ。

【6回裏】サーパスのマウンドには、4番手・柴田誠也。このピッチャーも2003年ドラフト2位(尚志学園)。期待されたピッチャーだったが……先頭の赤松に何の変哲もない、真ん中高めのストレートをセンター前に持っていかれ、ノーアウト1塁。2番・前田(.500)もライト前ヒットで、1,3塁。3番・林も内角高めの133㎞を強引に引っ張って、1,2塁間を痛烈に抜けるヒットで、赤松が生還「10対1」。

 4番・的場も左中間を破って、これで4連打。「11対1」。5番・藤原もセンター前にヒットで、2者還って「13対1」。マウンド上、野手から声を掛けられる柴田、首を捻る。まだ1アウトも取れない。しかし、代打・葛城育郎(.154)を空振り三振、7番・筒井をセンターライナー(笑顔で帰る)、8番・狩野をショートフライに打ち取り、野手の激励が効いたか? 背番号「13」を付けた高校出の2年目の若者は帽子を取り、頭を掻きながら、ダッグアウトに帰っていった。ストレートの球速が130キロ台では、プロ野球では苦しい……。

 タイガースの【7回表】のマウンドに上がったのは、左腕・筒井和也(2年目)。6番・筧裕次郎(.257)に「1-3」にして、5球目のストレート(130㎞)で「2-3」にするが、ラストボール(135㎞)をセンター前に持っていかれ、ノーアウトで出塁を許す。7番・坂口智隆(.236)にも「1-2」にして、4球目のストレート(134㎞)を叩かれ、三遊間を破られる。二人とも左打者。しかも速球を打たれている。これでは……
 代打・長田勝(.364)は「2-1」から高めのボール球(137㎞)を振らせ、代打・井戸伸年(.143)も「2-1」からチェンジアップ(107㎞)を振らせ、連続空振り三振に取り、1軍経験者の貫禄を見せるが、1番・由田がショートゴロ、前進したショート(代わったばかりの)萱島がこれを後逸して(記録は内野安打)2塁ランナーが還って、「13対2」。本職はセカンドで、不慣れなショートの萱島だったが……。

【7回裏】サーパスのマウンドには、松村豊司。彼も2003年のドラフト6位(立命館大学)。期待は大きいが、9番・その萱島(.233)をセカンドのエラーで生かして、ノーアウト1塁。代打「背番号69」松下圭太(.143)が三遊間を抜いて、1,2塁。2番・前田をストレートの四球で歩かせて、ノーアウト満塁。3塁側ダッグアウトで頭を垂れる加藤監督。3番・打席に入れるだけで嬉しい(?)高校生ルーキーの高橋勇丞(済美高)にも連続四球で押し出し、「14対2」。もはや3塁側ダッグアウトで瞑目している、加藤監督。

 代打・立川隆史(.327)がセンター前ヒットを放って、2者生還「16対2」。タイガースの代打攻勢、大橋雅法(北陽高)はセカンドゴロに倒れるも、1点入って「17対2」。締めは6番・葛城。前打席、若い柴田に空振り三振に斬って取られた、その汚名返上を狙って、松村の投じた147㎞の速球をフルスイング! センター・バックスクリーンに豪快に放り込んで、「19対2」。葛城も1軍から声が掛かるのを待ち続けている、だろう。打率「.152」から少しだけUPした。この現実……。