ブログ雑記

感じることを、そのままに・・・

終戦の日の新聞に

2011-08-15 16:59:57 | Weblog

終戦の日の読売新聞の編集手帳の記事に、“一升瓶の玄米をザクザクと搗く”と書かれていた。
去年の暮れに70才になった私は終戦の混乱時の疎開先で母に言われて黙々と搗いていたのを思い出した。
本当に食べるものもなくてサツマイモの蔓の炒め物などよく食べた。
だが本当に美味しかった。
あるとき朝顔を洗っていた前の川で大きなうなぎを姉が見つけて捕まえ食べた事もあった。
母のいないお昼などに母方の叔母がご飯に呼んでくれて、お茶碗にてんこ盛りにした真っ白いご飯を好きなだけ
お食べとお変わりしてくれた思い出は鮮烈に焼き付いている。
終戦間もなくの暑い日に、ヒゲぼうぼうの父がゲートル姿で帰ってきたのも目を閉じると瞼の後ろにぼんやりと
その姿が今も思い浮かんでくる。
田舎道を突進してくる牛やお便所の天井を這っていたヘビ。
一番恐ろしかったのは町が爆撃された夜、畑で爆撃機の飛来する様子を見上げながら震えていたことだ。
学校へあがる前の子供にとって戦争は本当に怖いものだった。
焼夷弾のひゅーと言う落下音は子供の脳に焼き付き、夜どーん言う不発弾の爆発音に防空頭巾をかぶって
震えながら耳をふさいだ記憶はぬぐい去る事は出来ない。