ブログ雑記

感じることを、そのままに・・・

東山魁夷せとうち美術館へ行く

2007-02-26 15:17:40 | Weblog
東山魁夷の唐招提寺の障壁画を以前にテレビで見たとき何か自分に響いてくるものがあって、一度本物を見てみたいと思った。そうかと言って魁夷の作品集を買って見るということもなかった。しかし記憶の何処かにはあって、新聞などで記事を読むたびに作品を見てみたいと思い続けていた。ところが偶々土曜日高松の親戚に泊まりに行って、一日観光に誘われ、栗林公園へ行って金毘羅さんへ行ってそれからその後・・・播の洲の瀬戸大橋博覧会の記念公園の東山魁夷美術館へ行こうとなった。香川県に魁夷ゆかりの美術館があることは知っていたが何所にあるのか知らなかった。わたしは即座に魁夷の美術館に連れて行って欲しい、と頼み、先のところはキャンセルした。家内の足には金毘羅さんの石段はきつ過ぎた。そこでかっての博覧会の記念公園にある美術館へ直行。駐車場右手にそびえる巨大な構造物の橋脚とそれに連なる海を跨ぐ吊橋を時折ゴーと勢いよく通過する電車の音が聞こえてそちらへ目が向くものだから美術館の位置がよく分らなかった。車を降りると左手の方から五六人の一団が駐車場の方へ向って歩いてくるのが目に入ってよく見ると木々の向うにモダンな建物が小さな入り江の直ぐそばに静かに背筋を伸ばして佇んでいた。日本画のイメージではない佇まいだった。内部も同様でメインのホールでは一隅の一本の柱が十メートルほどもキリット垂直に立ち上がって天井を支え建物の構造や照明が一つの芸術作品のようでもあった。建築家は谷口吉生で谷口吉郎の息子だった。
東山魁夷の展示作品はメインが版画詩集「北欧詩集 古き町にて」で二階には洛北の雪山や月のシリーズ的な作品などがあった。私の期待したブルーの時代のものではなかった。しかしどの作品も水や空気といった自然がそこにあって見ている自分が作者と同じ境地になってしまったように思われて素晴らしさにしばし魅了されていた。現物ではなかったけれど設置されている映像集を見てまた感動した。そして待望の作品も東山魁夷のプロフィールを紹介しているビデオで詳しく鑑賞できて目的を達成した。
喫茶コーナのテーブルに座ると遮るものない大きな窓の借景には海が広がりその先に魁夷の祖父の生まれた櫃石島があった。
楽しい一日だった。