ほどけたリボン、ピンクのリボンーー乳がん検診の是非

2013-04-03 12:37:48 | Weblog
図:jorgensen 340 c1241 より
デンマークの2都市CopenhagenとFunenそれぞれ1991,1993年(たての点線2本)に乳がんスクリーニングが始まった。乳がんの死亡率(たて軸)は前後で明らかな変化は見られない。



受診者:受けるメリットは?
Dr:外国の調査ですが、20年間受けつづけることで250人に一人が乳がんで亡くなるのを予防できるとされてます。

受診者:デメリットは?
Dr:100人に一人が乳がんと誤診されて手術などを受けることになります。

受診者:それでも受けたほうが寿命はのびるのですか?
Dr:微妙なところです。全体死亡率は99%になりますが、統計的には有意ではありません。(信頼区間0.95-1.03)

受診者:受けたほうがいいの?
Dr:それは受診者の皆様ひとりひとりが御自分のライフスタイルにあわせてお考え頂く必要がありますが、250人に1人ということですから、今日この会場では将来恩恵をうける人は1人もいないかもしれません。

受診者:専門的で数字が多くてよくわからないな。N○Kでなにかいってくれないかな?先生は受けてるの?
Dr:私は受けていません。
受診者:ウ~ン、○○ようかしら?(終)


なぜこうなるの?
検診を受けていなくても、自分で気づいて検査を受ける人が多ければ、集団検診の効果に近づくこと、発見が少し遅れても治療が十分間に合うことなどが考えられる。つまり、決して検診自体が無意味ということではない。がんの知識が行き届いている地域では自己検診(乳がんは触診できるから)で十分という可能性。

参考文献
Lancet (2013) 381 p799-804

Gotzsche et al. Cochrane Database Syst Rev 2009 4, CD001877

Jørgensen KJ, Zahl PH, Gøtzsche PC.
Breast cancer mortality in organised mammography screening in Denmark: comparative study.BMJ. 2010 Mar 23;340:c1241. doi: 10.1136/bmj.c1241.





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