リニア新幹線の夢判断

2017-10-20 21:00:55 | Weblog

サマリー:
採算がとれる見込みがないのに3兆円の国費がつぎこまれる。 おそらくアルプスを貫く工事は難航し、工事費はふくらむ。 (1、2、4)

新幹線の4倍電力を食う。 電磁波1mTも心配(3、7、)

地下水がぬけて、すでに3つの川がかれている。 ウランやヒ素が出てくる可能性 (5)

9割がトンネルで事故が起これば逃げ場に困る。(6)

 

1
採算がとれない
三兆円の財政投融資が行われる。事業が失敗したら国民につけが回る。
JR東海代表取締役会長(2004年から)は安倍内閣で  国家公安委員(2006)、教育再生会議委員(2011)を務めている。
財政投融資は国債の発行などにより調達した資金を財源としている。(財務省 http://www.mof.go.jp/filp/summary/what_is_filp/index.htm)

中国のリニアは採算をとるのに100年かかる。

新幹線の乗客が減って、合計の利益増は1千億円/年にとどまる。
利子支払いに5千億円/年(東京ー名古屋間の工事費は5兆円 財政投融資の利息は1%固定)


2
技術的困難で工事費用はさらにふくらむ
1000m上からの土と水の圧力に耐えるため完全な円形のトンネルを作る必要がある。

破砕帯を貫通するので、のけても、のけても土砂が上から落ちてきて工事が進まない場所がでてきたり、費用がふくらむ可能性が高い。

東京の大深度の地下鉄工事の費用より甘く見積もられている。東京地下鉄が300(大江戸線)~500(三田線)億円/kmにかかわらず200億円/kmの見積り

南アルプスは毎年4ー6mm隆起している。トンネルがたわんでいく。

3
電力浪費
1人の人を1km移動させるのに必要な電力は 新幹線の4倍。(飛行機は新幹線の8倍 JRサイトより)
在来線、新幹線、リニアで1:4:16

急に磁力がゼロになる現象がある。(クエンチ現象)予防するためには、もっと電力が必要になる。


4
楽観的な経済効果の予測
上越新幹線ができて、長岡市の駅周辺はさびれた。「ストロー効果」でより魅力的な大都市へ、物や人を吸い取られる。


5
環境破壊 
大井川などの伏流水や地下水が大量にもれだす。 大井川水量が毎秒2トンぬける。
すでに山梨県の三つの川が干上がった。
掘った残土を谷へ埋める。 東京ドーム51杯分。 ヒ素やウランを含むおそれあり。

2015年 4月 24日 第189国会 環境委員会より (http://shimazu-yukihiro.jp/kokkai/kokkai-2653)
大井川流域の七市二町( 掛川市、 島田市 など)で利用した水道利用量は毎秒約1.39トン 過去に3回渇水したことがある。
JR東海の発表によると、大井川で毎秒2.2トンの減水となる。
大井川がつくる霧が、お茶の生育に役割を果たしている。
破砕帯等にトンネルが交差した場合に は減水が生じる
実際に破砕帯がどのあたりに地下の深いところで発生しているかは予測できない。
水資源への影響を回避するため、薬液注入や覆工コンクリート、防水シート等の措置

6
事故や災害にたいする脆弱性
車両トラブルが起こった時、避難が困難。 冬のアルプスの山中に抜け出した後も大変。
 青函トンネルでの車両火花トラブルでは1.2kmの暗闇を懐中電灯を頼りに30分かけて徒歩で避難し、さらにケーブルカーを9往復させて、全員が地上へ避難するのに5時間かかった。

宮崎実験線では車両が暴走をくりかえした上、炎上(1991/10/3)。 

中国、ドイツのリニヤで事故。 ドイツでは人為的ミスにより車両同士がぶつかり、25人死亡(2006年9月22日)。
中国では車内でバッテリーから出火(2007/5/27)

地震のトンネルへの影響
トンネルが2m中でずれた。(東海道線丹那トンネル1930年11月)
上越線ではトンネルの壁から1mより大きいコンクリのかたまりがおち、レールは25センチ浮き上がった。

新幹線の脱線事故
東日本大震災で新幹線の試験走行車が脱線
熊本地震で九州新幹線が脱線(2016/4/14)
新潟地震(2004/10月)で上越新幹線が脱線。 除雪用の溝に沿ってすべり、直線だったので偶然助かった。


7
電磁波の人体への影響 (詳しくは あなたの町の基地問題ー電磁波スモッグ

リニヤ室内の磁界は1mT。
電子商品監視装置ゲート内0.15mT(73Hz) リニア新幹線500km/h 走行時0.92mT(5.7Hz) 架空送電線(500kV)の下(測定高さ1m) 0.006mT(環境省 環境保健部 環境安全課 身のまわりの電磁界について 平成 27 年4 月)

鉄板で電波を防ぐので、防ぐほど重くなり電力を浪費する。

 

8  超電導磁石の爆発事故や、冷却ヘリウムによる窒息事故

・ クエンチ現象による事故リスク

 クエンチ現象とは、何らかのトラブルにより、超電導状態が突然失われる現象をいう。 たとえば、大きな鉄物が超電導磁石に吸い付けられると、繊細な超電導状態は破れ、電熱状態へ切り替わる。 すると超電導コイルを冷却していた液体ヘリウムは加温され急膨張し、安全弁から爆音、白煙とともに吹き出す(2015年よこはま高島町クリニック、2016年習志野市の谷津保健病院など全国各地でクエンチ現象による爆音事故が発生)。 換気が悪いと、ひと呼吸で酸欠死するおそれがある。 また安全弁が作動しなければ超電導装置とともに爆発する。

https://www.city.osaka.lg.jp/shobo/cmsfiles/contents/0000462/462077/13.pdf (大阪市サイト)

・ 冷却用液体ヘリウムによる事故リスク

液体ヘリウムの容器は真空容器の中に入って、魔法瓶のように断熱されている。 真空容器の真空が失われた場合、液体ヘリウムは室温により加温され急膨張する。 氷結などで、安全弁が働かないと、容器ごと爆発する(2003年福島県いわき市の松村総合病院での重症爆発事故)。

https://jp.medical.canon/News/PressRelease/Detail/13056-834 (キャノン サイト)

・ 超電導磁石に吸い付けられた鉄物による怪我

 MRI診断装置の中へ、イス、酸素ボンベ、バイタルサイン監視装置、などが、磁石に吸い寄せられて、飛び込む。 実験室のNMR装置の超電導磁石の近くを台車で通ると台車ごと持ち上がって、はさまれて大怪我する。

http://www.simplyphysics.com/mri_safety.html (Simply Physicsサイト)

https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/4072/ltc146_10.pdf (大阪大学サイト)

 


参考書:

・ リニア・市民ネット 編著 『総点検・リニア新幹線 : 問題点を徹底究明』 2017.9東京 緑風出版

・ 川辺 謙一 著 『超電導リニアの不都合な真実』 2020.12 草思社

 


参考サイト;

JR東海 (リンク切れ)

http://eco.jr-central.co.jp/making/index8.html

新幹線は飛行機よりエコ

 


Simply Physics MRIの品質管理などをおこなっている米国バルチモアの団体

http://www.simplyphysics.com/mri_safety.html

MRI診断装置の中へ、イス、酸素ボンベ、バイタルサイン監視装置、などが、磁石に吸い寄せられて、飛び込む。

 


大阪市 病院MRIのクエンチ現象

https://www.city.osaka.lg.jp/shobo/cmsfiles/contents/0000462/462077/13.pdf

MRIのクエンチ現象は、数たくさんおこっている。

 


大阪大学 NMR装置の危険性

https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/4072/ltc146_10.pdf

実験室のNMR装置の超電導磁石の近くを台車で通ると台車ごと持ち上がって、はさまれて大怪我する。 また、大きな鉄物が超電導磁石に吸い付けられると、繊細な超電導状態は破れ、電熱状態となり、ヘリウムを加熱気化し吹き上げる。 これを吸い込むと、ひと呼吸で酸欠となり倒れる。 また、吹き出し口が何らかのトラブルで凍結していると、圧力が閉じ込められて、大爆発する。 鉄物の吸い付きなどで、急に超電導が失われ、常電動となるトラブルはクエンチ現象と呼ばれる。 MRIによる、人身事故としては2003年福島県いわき市の松村総合病院での重症爆発事故、2015年よこはま高島町クリニックでの点検作業員のベルト吸い付き事故などがある。ヘリウム吹き出しによる爆音事故は、2016年習志野市の谷津保健病院、

 


キャノン 松村総合病院事故の解説

https://jp.medical.canon/News/PressRelease/Detail/13056-834

福島県いわき市の松村総合病院で2003年10月、MRI(磁気共鳴画像装置)が爆発し、8人が重軽傷を負った

MRI撤去において、解体作業員が手順書に反し、「破裂板」を外して作業したことが事故の原因。 「破裂板」は、安全弁から噴出したヘリウムを受け止め、さらに壊れて、衝撃を逃す働きがある。 「破裂板」を外したため、外気が開口部からタンク周囲へ侵入し氷が発生し、安全弁までふさいでしまった。  魔法瓶の原理で、ヘリウム容器は断熱のため、真空容器でとりかこまれている。 解体作業で、真空容器の弁を開放したところ、ヘリウム容器に残っていたヘリウムが室温で加温されることになった。 急膨張したヘリウムは、圧力の逃げ場がなく爆発をおこした。

 


財務省 財政投融資は実質的に国債

http://www.mof.go.jp/filp/summary/what_is_filp/index.htm

 


三菱電機 MRIの冷却の図

https://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/randd/spotlight/a32/index02.html

MRIのドーナツ状の壁の中には、液体ヘリウムが大量に充填されている。