パピローマワクチンが神経痛を起こす原因について考える。

2020-10-24 18:07:48 | Weblog

パピローマワクチンの1つ、サーバリックスには免疫反応を促進する目的で、モノホスホリルリピッドという、リポ多糖LPSの一種が添加されている(サーバリックス添付文書、 Embry 2011)。 インフルエンザワクチンなどには添加されていない。

 リポ多糖LPSは別名エンドトキシンとも呼ばれ、多くの腸内バクテリアが作る毒素で、一般には症状を起こさないが、血液に入ると敗血症の原因となったり、それに対する抗体が急に出来て、ギランバレー症などの重篤な神経疾患を起こすことがある。 カンピロバクター菌は鳥の腸内細菌で、鳥にとっては無害だが、人に感染すると。食中毒を起こし、稀にギランバレー症を起こす(Kilcoyne 2014)。 ギランバレー症の原因としてカンピロバクター菌は代表的な存在である。

 カンピロバクター菌によるギランバレー発症のメカニズムは研究が進み、カンピロバクターの作るLPSがヒトの神経成分ガングリオシドと酷似していることが原因と考えられている(Yuki 1993)。 カンピロバクターを排除しようとして、ヒトの免疫が作った抗体が、自己の神経を破壊して神経疾患を起こすと考えられている(Ang 2001,2002, Goodyear 1999, Moran 2001)。

 新しく侵入した異物に対する免疫応答はランダムに作られた免疫細胞の多様性に依存しているため、例え一卵性双生児であっても同じではなく、多様で予測ができない。 

 したがって、パピローマワクチンに添加されたLPSに対する免疫応答で、まれに神経疾患をおこす可能性は十分考えられる。 痛みの頻度が高い(サーバリックスは99%、添付文書より)こともLPSの添加による免疫応答や神経刺激(Goodyear 1999)が原因と考えられる。

 


 一方、 もう一つのパピローマワクチン、ガーダシルは免疫刺激目的で、非結晶アルミニウムリン酸水酸化物が添加されている(Smith 2007, Villa 2006)。 注射したアルミは、マクロファージによって食べられて、脳を含めた全身へ移動する(Gherardi 2019)。 動物実験では、注射して1ヶ月たっても脳にアルミが残留していることが確認されている(Flarend 1997)。  注射したアルミが原因と考えられる慢性痛の症例が、マクロファージ筋膜炎(Macrophagic myofasciitis)として報告されている(Santos 2018、 Gherardi 1998)。  人によっては、マクロファージの移動先で炎症がおこり、全身の痛みや疲労を起こすと考えられている(Gherardi 2019、 Gherardi and Authier 2012)。  

 


参考資料

厚生労働省 令和2年10月配布 「医療従事者の方へ HPVワクチン接種に当たって」 

痛みの頻度を50%以上としている。 これは添付文書の情報に忠実でない。

 


サーバリックス添付文書(HPVワクチン)

https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/631340QG1022_1_14/

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00058209

疼痛99%、疲労58%、筋痛45%、頭痛38%

モノホスホリルリピッド添加。 2種類のHPVに免疫がつく。

 


ガーダシル添付文書(HPVワクチン)

https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/631340TG1020_1_07/

ガーダシルはモノホスホリルリピッドではなく、アルミニウムリン酸水酸化物(メルク特許)を免疫刺激剤として添加。 4種類のHPVに免疫がつく。

副反応は、 疼痛82% 頭痛21% と、サーバリックスより頻度が低い。 サーバリックスのモノホスホリルリピッドが痛みや疲労感を重くしている可能性が疑われる。

 ただし、ガーダシルの後に苦しみ続けている人がいる。(https://www.hpv-yakugai.net/ 原告インタビュー参照)

 


Ang et al. Guillain-Barré syndrome- and Miller Fisher syndrome-associated Campylobacter jejuni lipopolysaccharides induce anti-GM1 and anti-GQ1b Antibodies in rabbits. Infect Immun. 2001 Apr;69(4):2462-9.

ウサギにGuillain-Barré やMiller Fisher 症候群特有のカンピロのLPSをそれぞれ抽出しウサギに与えたら、それぞれに特有の抗体反応が見られた。

 


Ang et al. Structure of Campylobacter jejuni lipopolysaccharides determines antiganglioside specificity and clinical features of Guillain-Barré and Miller Fisher patients. Infect Immun. 2002 Mar;70(3):1202-8.

Guillain-Barré 症の人から採取したカンピロは、ガングリオシドと類似したLPSを持つている確率が高かった。

 


Embry et al. Mechanism of Impaired NLRP3 Inflammasome Priming by Monophosphoryl Lipid A. Sci. Signal., 3 May 2011;Vol. 4, Issue 171, p. ra28

 


Flarend et al. In vivo absorption of aluminium-containing vaccine adjuvants using 26Al. Vaccine. Aug-Sep 1997;15(12-13):1314-8.

放射性アルミニウムをウサギに筋肉注射した実験で、1ヶ月たっても脳にアルミが残留していることが確認された。

 


Gherardi et al. Macrophagic myofasciitis: an emerging entity. Groupe d'Etudes et Recherche sur les Maladies Musculaires Acquises et Dysimmunitaires (GERMMAD) de l'Association Française contre les Myopathies (AFM). Lancet. 1998 Aug 1;352(9125):347-52.

マクロファージ筋膜炎について初の症例報告。 痛みが続き、リウマチなどと診断されていた14人の筋生検で顆粒(アルミニウム)を食べた大型マクロファージとTリンパ球による炎症が見つかった。 顆粒がワクチン由来のアルミニウムであることは、3年後の2001年に明らかにされた(Gherardi et al. Brain. 2001:1821-31.)。

 


Gherardi et al. Myalgia and chronic fatigue syndrome following immunization: macrophagic myofasciitis and animal studies support linkage to aluminum adjuvant persistency and diffusion in the immune system. Autoimmun Rev. 2019 Jul;18(7):691-705.

ワクチン添加物アルミによる健康被害について解説。 注射したアルミは、マクロファージによって食べられて、脳を含めた全身へ移動する。 人によっては、マクロファージの移動先で炎症がおこり、全身の痛みや疲労を起こすと考えられている。

 


Gherardi and Authier. Lupus. 2012 Feb; 21(2): 184–189. PMID: 22235051

INSERM Subrepository

Macrophagic myofasciitis: characterization and pathophysiology

Romain K. Gherardi* and François-Jérôme Authier

注射したアルミに対して、特殊な反応をする人がマクロファージ筋膜炎になると考えられる。

 


Goodyear et al. Monoclonal antibodies raised against Guillain-Barré syndrome-associated Campylobacter jejuni lipopolysaccharides react with neuronal gangliosides and paralyze muscle-nerve preparations. J Clin Invest. 1999 Sep;104(6):697-708.

カンピロのLPSにたいして出来た抗体が神経終末を刺激したり、破壊したりする。

Moran and Prendergast. Molecular mimicry in Campylobacter jejuni and Helicobacter pylori lipopolysaccharides: contribution of gastrointestinal infections to autoimmunity. J Autoimmun. 2001 May;16(3):241-56.

抗ガングリオシド抗体がギランバレー症の3人に1人に見つかるが、一般人には見られない。 ヘリコバクターの抗原に対する抗体は、胃酸を作る装置、プロトンポンプを攻撃し、萎縮性胃炎をおこす。

 


Santos et al. Macrophagic myofasciitis: a challenging diagnosis. BMJ Case Rep. 2018 Jul 3;2018:bcr2018224602.

doi: 10.1136/bcr-2018-224602. PMID: 29973411

マクロファージ筋膜炎の症例報告。 アルミを食べたマクロファージをMorin染色などで明らかにして診断する。  痛みが3年続き、歩行困難になった25歳の男性。 痛みが出る2年前に破傷風ワクチンを受けた。

 


Smith et al. Antibodies from Women Immunized with Gardasil® Cross-Neutralize HPV 45 Pseudovirions. Human Vaccines 3:4, 109-116.

開発中のガーダシル成分として非結晶アルミニウムリン酸水酸化物(現在の商品と同じ)。

 


Villa et al. Immunologic responses following administration of a vaccine targeting human papillomavirus Types 6, 11, 16, and 18. Vaccine 24 (2006) 5571–5583

開発中のガーダシル成分として非結晶アルミニウムリン酸水酸化物(現在の商品と同じ)。

 


Yuki et al. A bacterium lipopolysaccharide that elicits Guillain-Barré syndrome has a GM1 ganglioside-like structure. J Exp Med. 1993 Nov 1;178(5):1771-5.

LPSと GM1-oligosaccharide の糖鎖に共通性がある。


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