グラフLancet 2016;388:465 Mente et al.より
赤ラインが横軸の塩分1日尿排出量とたて軸の血管事故危険度を表示。上は高血圧ありの人,下はなしの人。高血圧なしの人は制限するほど悪くなる。高血圧の人も3gを割るとかえって悪くなる。
青ラインは血圧から推定したリスクだが現実(赤ライン)とかけ離れている。従来の保健指導はこのような想定で行われてきた。
塩分制限をしすぎると血管事故(心筋梗塞、脳梗塞など)のリスクが上がるとの調査(疫学)がでてきました。4つの追跡調査(3から5年、合計13万人そのうち高血圧の人は6万人)をまとめて計算した。
塩分摂取量は尿中の排泄量で調べた。
高血圧のあるなしにかかわらず、塩分3g未満では血管事故は増加した(高血圧あり危険率1.2倍,P<0.0001, 高血圧なし危険率1.2倍,P=0.0009)
ついでに塩分7グラム以上の人と3g未満の人の血圧のちがいはたったの2mmHgだった(収縮期、拡張期とも)。
努力しても血圧はほとんど下がらない、そしてやりすぎるとかえって死亡する危険が高くなることが示唆されている。
そのメカニズムについて論文では感染症における塩分の働きについて議論していた。 加えて、塩分確保のためストレスホルモン(副腎皮質、髄質ホルモン)が総動員されるからではないかと思う。
引用:
Lancet 2016;388:465 Mente et al.
グラフLancet 2016;388:465 Mente et al.より
塩分制限しても血圧はほとんど下がらない。
赤は高血圧あり青は高血圧なし
上は収縮期、下は拡張期