NEJM 2019;381:1897 11月14日号より 米軍は天然痘がばらまかれるリスクに本気で対応し始めたようだ。(Noyce いわく“sufficient risk”) 背景には、すでにポリオやスペイン風邪、さらに絶滅したはずの馬天然痘などの実験室での合成が成功していることがある。 同じ技術で、ヒト天然痘も合成できることは明らかである。 天然痘ワクチンの元祖、馬天然痘ウイルスの合成 (Noyce 2018 より) ジェンナーによると、人が馬から牛へ運び、発疹をおこした病原体を天然痘のワクチンにしたという。現在まで、受け継がれてきた天然痘ワクチン用ウイルス(ワクチニアウイルス)は、色々な動物や細胞を転々としながら育てられてきた。ジェンナー当時より病原性が高まり、心筋炎などを起こす不都合な性質を持つようになった。 古いワクチンの遺伝子を調べると、馬の天然痘により近い。しかし、馬の天然痘をワクチンとして試したくても、馬の天然痘は、人の天然痘と同様、自然界から消えている。そこでNoyceらは遺伝子データをもとに、馬天然痘ウイルスを合成してしまった。 ワクチン用ワクチニアはマウスに対して、強い病原性がある。 ところが、人工の馬天然痘ウイルスでマウスを予防接種したところ、ワクチニアに対する免疫ができた。 マウスに対し、馬ウイルスはワクチニアのような病原性はなかった。 したがって、馬ウイルスは、ヒトに対してもより安全な天然痘ワクチンとして利用できる可能性がある。 Pittman が米軍に用いたのは馬天然痘ではなく、ワクチニアの一種である。 コメント: こわいのは、ミサイルではなく、日本中が藤原4兄弟になるおそれがあり、戦争の準備などさせてはいけないということだ。 参考文献; Noyce et al. Construction of an infectious horsepox virus vaccine from chemically synthesized DNA fragments. PLoS One. 2018 Jan 19;13(1):e0188453. Pittman et al. Phase 3 Efficacy Trial of Modified Vaccinia Ankara as a Vaccine against Smallpox. N Engl J Med. 2019 Nov 14;381(20):1897-1908.
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